本スライドは、Open Source Summit Japan 2025のセッションで使用したスライドです。
長年、オブザーバビリティは、データを集め、クエリを書き、点在する情報をつないで理解する作業でした。ログを grep し、ダッシュボードを作り、手動で状況を追う——こうした流れは、OpenTelemetry のような標準や SPL / PromQL といった言語があっても、本質的には「エンジニアが何を調べるべきかを知っている」ことが前提でした。
このトークでは、「データを問い合わせる」から「答えを得る」への転換を取り上げます。
ログ検索から構造化テレメトリーへと進化してきた観測の歴史をたどり、今後に必要な要素——ワイドイベント、サンプリングしない高カーディナリティデータ、そして高速かつスケーラブルなクエリエンジン——を示します。
さらに、エージェント型AIがどのように調査を支援し、異常を解釈し、実際のテレメトリーに基づいて自然言語でトラブルシュートできるかを、標準化したモデル/プロンプトのベンチマークとサンプルデータセットを使って紹介します。
同時に、AIが観測のあり方そのものをどう変えつつあるのか、そして現時点での限界やエージェント依存の課題についても考察します。