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オンデマンドバスサービス導入前のシミュレーションロジックの構築について(トヨタコネクティッド ...

オンデマンドバスサービス導入前のシミュレーションロジックの構築について(トヨタコネクティッド 先行企画部)

オンデマンドバスサービス導入前のシミュレーションロジックの構築について(トヨタコネクティッド 先行企画部)

takasumi miyamoto

December 24, 2024
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  1. 目次 概略 オンデマンドバス事業は、収益化が難しく、補助金などの受 給期間が終了するとすぐにサービスが立ち行かなくなってし まうケースも多い。 これは、事前にデータ分析を活用した予測が不十分であるた めに起きてしまうと考えられている。 そのため今回は、サービス導入前に事前検証ができるような シミュレーションロジックを構築した。 1.

    背景や現状 2. 課題 3. ステーション配置 3-1. ODデータの多いメッシュを抽出する 3-2. メッシュ内の複数のPOIデータの中点をとる 3-3. 制約条件を基にステーションを調整し、最終決定する 4. シミュレーション構築 4-1. 予約データの作成 4-2. 入力パタメータの設定 4-3.評価指標の算出のため活用したツール 4-4. シミュレーション結果の表示 4-5. 評価結果の比較を可視化 4-6. 今後の改修について
  2. 2. 課題 • オンデマンド交通では客単価が低い 例1:固定料金(地域によって異なる)300円, 210円など(参照元:大阪メトロ社の事例) 例2:固定料金で200円、1日乗り放題券など(参照元:愛知県春日井市の事例) • 利用者数が少なく、どういう形の運用が最適なのかわからない オンデマンドバス事業は、国や自治体からの補助金や助成金に大きく依存している場合が多い。

    そのため、事業が独立して黒字化することが難しく、補助金の受給期間が終了後、サービスが立ち行かなく なってしまう…。 理由:収支予測や配車シミュレーションなど、データ分析を活用した予測が甘いため …と、考えられる オンデマンドバスに着目し、サービス導入前の事前検証ができるシミュレーション構築を検討した 参考資料:国土交通省HP公開資料 まだまだ、頭を悩ませる問題もある。
  3. 3-1. ODデータの多いメッシュを抽出する 今回は、愛知県一宮市を舞台にして、シミュレーションロジックを構築していった。(参考:愛知県一宮市HP) エリア特徴 • 愛知県北西部にある中核市 • 人口は約38万人(2024/11/1現在)で約60位/1,741市区町村(2024/10/1現在) • 「繊維の街」であり、ウールの世界三大産地(イギリスのハダースフィールド、イ

    タリアのビエラ)である尾州の中心地 • 繊維産業、製造業、サービス業、など多様な産業を保有 • 名古屋へのアクセスも容易(JR一宮駅ーJR名古屋駅 12分) 移動の出発地点と到着地点のデータ(ODデータ)より、一宮市内のメッシュ単位での人の流れ(人流)を可視化した。 O地点とD地点を線で結んだ図 メッシュごとにODデータ数をカウントし、 数が多い順に、赤・黄・緑・青の色分けをし た。 ヒートマッピング図 参考:国土数値情報に定義されている土地メッシュ
  4. 4-3. 評価指標の算出のため活用したツール ここまでの「ステーション配置」、「予約データ」、「入力パラメータ」を使い、今回は以下のツールを活用す ることで、シミュレーション結果として出力する評価指標の算出アルゴリズムを検討した。 • Route Optimization API(参考:Google Documentation) •

    Distance Matrix API (参考:Google Documentation) 複数台の車両を扱って配送ルートを決定してもらい、 利用者ごとの乗車時間、複数人が相乗りしている時間、車両の走行 距離、等の数値を返してもらう。 相乗りなどが発生した場合に、もし仮に利用者が直接、出発地点から 到着地点まで移動したときの移動距離や所要時間を回答してもらう。
  5. MaaSやシェアカーが広まった背景には、さまざまな社会的、経済的、技術的要因が絡み合っている。 以下に主な背景要因を列挙する。 1. 都市化の進展 人口集中、インフラの制約 2. 技術の進歩 デジタル化とモバイル技術、ビッグデータとAI 3. 環境意識の高まり

    持続可能な交通、電動車両の普及 4. 経済的要因 コスト削減、新しいビジネスモデル 5. ライフスタイルの変化 シェアリングエコノミーの台頭、働き方の多様化 6. 政策・規制の後押し 政府の支援、交通インフラの整備 7. パンデミックの影響 COVID-19の影響