2023年1月11日に発表した「Regional Scrum Gathering Tokyo 2023」の発表資料です
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.成長が鈍化したチームを変えるためにやったこと2023/01/11三菱重工業株式会社デジタルイノベーション本部 DPI部 CRM・IoTグループ山田 悠太
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© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 2今回の発表は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません免責事項
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 3山田悠太 (@mongolyy)あだ名: モンゴルプロフィール三菱重工業株式会社 デジタルイノベーション本部 DPI部ソフトウェアエンジニア 兼 スクラムマスター好きな言語: Scala最近触っている技術スタック: TypeScript, React, Next.js
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 4お伝えしたいポイント➢ 継続した成長をし続けられるチームを作るためのヒント➢ 成長が鈍化したチームで、成長を促すためにやってみたこと
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 5“弊社製品のユーザー向け 消耗品見積・発注サイト”プロジェクト概要プロダクト
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 6プロジェクト概要事業部門ビジネスオーナープロダクトオーナーデザイナー開発者 兼スクラムマスター開発者チーム体制プロダクト開発チーム弊社製品のユーザー
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 71年半続けて何が起きたか?「このメンバーでやれる!」という自信はあるけれど、なぜか感じる停滞感➢ ふりかえりでProblemやTryが出たとしても、チームが簡単に対応できるものしか出ていない➢ メンバーが「自分たちのやり方を見直したいねー」と話しているが具体的な話が進まない➢ 私の知見も足りず、具体的な問題提起や実験の提案ができないこのチームで1年半やってきて直面したのが「問題がない問題」
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 8この状態をどうやったら変えられるだろうか?他チームメンバーの短期留学月間テーマの設定② 視野を広くする① 視野を狭くする意図的に視野を変えることで、新たな視点を獲得することができるのではないか?やってみたこと
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 9視野を変える取り組み他チームメンバーの短期留学月間テーマの設定② 視野を広くする① 視野を狭くする
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 10➢ チームビルディング観点で1か月で何を成し遂げるかを決めて取り組む月間テーマの設定月間テーマの設定とはやってきたテーマ例➢ 「実験をたくさんする」月間 (→本発表で紹介)➢ 「バーンダウンチャートをきれいに下げよう」月間 (→本発表で紹介)➢ 「新しいチームへ」月間 (→本発表で紹介)➢ 「部室の模様替え(働き方を見直す)」月間
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 11メンバーがアイデアを持ち寄って毎スプリント実験を行った➢ 改革のアイデアが爆増 1個/月 → 9個/月➢ 実験を行ったり、それについてのふりかえりをしたことで、メンバーは「チームのことを考えることが多くなった」➢ 自分たちのパフォーマンスについて定量的に知りたいという流れが起きた → テーマ2に続くテーマ1:「実験をたくさんする」月間WIP数の制限 毎日スプリントレビュー 業後に学んだことの共有スレ)(例 オフラインペアプロねらい 仕事の進め方が変わる(=改革)を促すようなチャレンジをしてみたかった何をやったどうだった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 12➢ 今までスプリント直前に実績線が落ちていたのが、コンスタントに実績線が落ちるように➢ バーンダウンチャートについて、どうやったら前スプリントよりもきれいに下げられるかという観点で、チームで改善案が活発に出たり、チームへの関心が上がった➢ みんなワクワクしていた毎スプリント、バーンダウンチャートを見ながら、ふりかえりをおこなってやり方を見直したテーマ2:「バーンダウンチャートをきれいに下げよう」月間PBIの分割 WIP制限の設定と解除 週毎にペアプロの曜日の変更)(例ねらいテーマ1により、チームがスプリント終了直前にPBIをクローズしがちだということをメンバー全員が認識したこれを解消したい何をやったどうだった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 13着任者のオンボーディングのワークショップを実施したテーマ3:「新しいチームへ」月間ドラッカー風エクササイズ チーム内のデリゲーションボード作成)(例➢ メンバーの入れ替わりに関するタスクは消化できた➢ 新たな視点や、やり方を獲得するまでには至らなかった✓ 指標が存在しなかったので自分たちがゴールに近づいているか検査できなかった✓ 遊び心をくすぐるテーマになっておらず、真面目にタスクをこなすモードになってしまった反省点ねらい メンバーの入れ替わりをうまく乗り越えて、チームであり続けるため何をやったどうだった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 14月間テーマの設定で何が変わったか?➢ 意識と視点が変化する➢ チームがさらに成長でき、達成感や楽しさが得られる➢ 新しい課題やアイディアが見つかる➢ ふりかえりのスコープを絞る➢ 遊び心を刺激する1.変化のきっかけを作る思考の変化 行動の変化2. メンバー個人が変化する 3. チームが変化する月間テーマの設定視野が狭まったことで、チームの成長が促進され、成長を感じやすくなった
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 15視野を変える取り組み他チームメンバーの短期留学月間テーマの設定② 視野を広くする① 視野を狭くする
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 16他チームメンバーの短期留学✓ 受入チーム側が説明しているときに、既存メンバーが違和感を感じたら即見直し1. 自分たちの当たり前の見直し✓ 既存メンバーに負担が集中したので、責任範囲の明文化を実施2. 暗黙的に決まっていた責任範囲の明文化隣チームの若手メンバーの留学(二人のメンバーに一定期間入ってもらった)ねらい 若手エンジニアの育成何をやったどうだった➢ 当初想定していた若手エンジニアの成長以外に、副次的にチームの成長が促進された
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 17他チームメンバーの短期留学で何が変わったか?既存メンバーの負担増(結果) をきっかけに、前提を見直す機会が増加既存メンバーが説明(行動)することにより、前提を見直す機会が増加前提 行動 結果視野を広げたことで、今の前提に対する見直しが起きた他チームメンバーの短期留学ダブルループ学習のサイクルが発生若手エンジニアの成長
© MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved. 18今回の視野を変える取組から何がわかったか?成熟したチームでは前進し続けるのではなく、「二歩下がって三歩進む」という地道な活動がキーとなるチームは視野の変更によって、課題が発生したもののそれを乗り越える過程で成長していったタックマンモデルでいう混乱期を敢えて引き起こすことでよりパフォーマンスが高いチームに成長するのでは?パフォーマンス時間形成期 混乱期 統一期 混乱期 統一期 混乱期 統一期仕掛け(本発表では視野の変更)を作って、敢えて混乱期にする② 視野を広くする① 視野を狭くする