発表の背景にある課題
AWSを用いてサービスを構築する際、どのサービスが最適か、費用はどうか、デメリットは何かなど、多くの検討事項が発生します。これらの疑問を解決するため、開発者は公式ドキュメントの確認、ブログ記事の参照、社内の有識者への相談、あるいはAIによる調査といった手段を取りますが、これらの情報源は古い可能性や誤りの可能性を含んでいます。特に、AWSの公式ドキュメントは分散しており、過去の古いドキュメントが残存しているという課題があります。
AWS Knowledge MCP Serverとは
これらの課題を解決する手段として紹介されるのが「AWS Knowledge MCP Server」です。
• 概要: AWS上に準備されているMCP Serverです。
• 機能: AWSの公式ドキュメント、APIリファレンス、およびブログなどを参照できます。
• 利用条件: 費用は無料で、AWSアカウントも不要です。
• 利用方法: MCPの設定に特定の"awsKnowledge"に関する内容を追記することで利用できます。
AWS Knowledge MCP Serverの価値と利用例
AWS Knowledge MCP Serverを利用する価値は、特に調査と資料作成が同時に必要な場合に発揮されます。
例えば、新たなサービスを使った機能開発を想定し、コストを含めてサービス設計が必要な場面で有用です。本ツールを利用することで、調査した結果に基づき資料を作成する際、数値の誤りを減らし、調査範囲の漏れを減らすことができます。
最新の情報が出てくるかどうかの検証では、通常のAI(例:Claud/Sonnet 4.5)では最新情報が取得できない場合があるのに対し、AWS Knowledge MCP Serverは公式ドキュメントを参照することで必要な情報を正確に取得できることが示されました。
また、特定のクエリ(例:「AWSのWAFでDDoS対策をする方法をまとめてHTMLを作成して」)に対して、色付けや見出し付けが適切になされた、分かりやすいドキュメントを自動で作成できることも実証されています。
まとめ
AWS Knowledge MCPを利用することで、これまで分散しがちだった公式ドキュメントやナレッジベースを一元的に参照し、より正しく最新の情報を元に整理することが可能です。さらに、その整理されたドキュメントの作成も自動でできるため、最新の情報に基づいた提案資料の正確性が向上することが期待されます