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スクラム開発導入による 他組織を巻き込んだ開発生産性向上の取り込み

スクラム開発導入による 他組織を巻き込んだ開発生産性向上の取り込み

2024/06/29に、開発生産性カンファレンスで発表した、橋本の資料です。

Recruit

July 01, 2024
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  1. スクラム開発導入による 他組織を巻き込んだ 開発生産性向上の取り込み (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved.

    株式会社リクルート プロダクト統括本部 ビューティー開発ディレクション部 橋本健史 2024年6月29日
  2. 2 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 自己紹介 橋本

    健史 株式会社リクルート プロダクトディベロップメント室 ビューティー領域開発ディレクション部 ビューティー開発ディレクショングループ • 2017年 株式会社野村総合研究所 新卒入社 • Webシステムの設計開発に携わる • 2020年 株式会社リクルート キャリア入社 • 『HOT PEPPER Beauty 美容クリニック』開発チーム所属 • 2020年〜 バックエンド開発担当 • 2022年〜 開発チームリーダー担当
  3. 3 本日お話しすること リクルートの美容領域の1プロダクトである 『HOT PEPPER Beauty 美容クリニック』における開発生産性向上の取り組み 事例の紹介 『HOT PEPPER

    Beauty 美容クリニック』では、昨年度からスクラム開発による短期間のSprint ベースのプロセスを装着し、開発リードタイム短縮、リリース頻度向上を実現してきました。 本セッションでは、スクラム開発導入に至った背景や、他組織を巻き込んだプロセス変更の進め 方、リードタイム短縮のために行っていることを具体的な事例と共に紹介いたします。 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved.
  4. 4 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. アジェンダ 1.

    スクラム開発導入の背景 2. スクラム開発導入の進め方 3. 開発リードタイム短縮の取り組み 4. 取り組みの効果とまとめ
  5. 5 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. アジェンダ 1.

    スクラム開発導入の背景 2. スクラム開発導入の進め方 3. 開発リードタイム短縮の取り組み 4. 取り組みの効果とまとめ
  6. 6 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. プロダクト紹介 •

    『HOT PEPPER Beauty 美容クリニック』 (以降、美容クリニック) • 場所や悩み、施術方法などから行きたい美容クリニックを検索し、カウンセリングの予約 をすることができるサービス • ホットペッパービューティーの新ジャンルとして2020年3月より提供開始 • クリニック掲載数約1800件 https://clinic.beauty.hotpepper.jp/
  7. 9 プロダクトの状況と課題 • 今後のプロダクト戦略 • 目的不確実性が低い機能の開発は優先度高く対応してきたため、ある程度実施済みの状況 • これからは仮説検証を繰り返し、ユーザからのフィードバックを得ながら探索的に作るべ きものを見つけていきたいといった事業背景があった •

    美容クリニックの抱えている課題 • 案件を遂行する上でウォーターフォールの開発プロセスしか選択肢がなく、開発リードタ イムが長くなってしまうことにより、小さく早く案件をリリースするということができな くなっていた (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved.
  8. 10 開発リードタイムが長くなっていた要因 • ウォーターフォールの開発プロセス • 何を作るかの不確実性を減らした上で計画的に作っていく (C) Recruit Co., Ltd.

    All rights reserved. • 現状の美容クリニックにおいては、UI/UX改善のような施策においても、カスタマ要求に対して漏れなく 要件を敷き詰めることでニーズ解決の蓋然性を高め、不確実性を減らすスタイルになっていた →一度に開発する機能スコープが大きくなり、工数、工期が増える傾向に https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=22141
  9. 11 開発リードタイムが長くなっていた要因 • リソース効率重視の考え方 (C) Recruit Co., Ltd. All rights

    reserved. https://www.slideshare.net/slideshow/ver11-248298311/248298311#15 リソース効率 ・スループット的な速さ ・1リソースが生み出す価値を大きく ・価値を提供するまでのリードタイムは 長くなる フロー効率 ・リードタイム的な速さ ・価値を提供するまでの時間を小さく ・価値の提供に必要なリソースの量は増 える
  10. 12 開発リードタイムが長くなっていた要因 • 既存の枠組みの中での改善 • ウォーターフォール開発の中でも工数・工期の短縮、スコープ削減の取り組みなどを行っ てきたものの、大きな効果は出ない状況 • また、開発リードタイムが長いことも一要因として、案件スコープが大きくなり、案件が 大規模化、さらなるリードタイム延伸へと繋がってしまっていた

    (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 開発リードタイ ムが長くなる 案件スコープが 大きくなる 案件の大規模化 ・スコープが大きくなる要因 ・まとめて作ったほうがオーバーヘッドが少なく リソース観点で効率がいいというリソース効率重視の考え方 ・リードタイムが長いことにより、スコープアウトした機能を すぐにリリースできないので、スコープを削りづらくなる ・その結果、スコープが肥大化し、案件の大規模化、 工数、工期が増大し、さらなるリードタイムの延伸へ
  11. 15 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. アジェンダ 1.

    スクラム開発導入の背景 2. スクラム開発導入の進め方 3. 開発リードタイム短縮の取り組み 4. 取り組みの効果とまとめ
  12. 21 案件の選定 • 案件選定の軸は以下 • ToC 向けのCVR改善案件 • スコープが大きくなってしまっている案件 •

    「価格帯で検索する機能を追加する」という案件が上記の軸に合致 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 工数:17人月、工期:5ヶ月
  13. 24 開発主導でスコープ調整 スコープ分割の進め方 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved.

    1. 要件を分解し解決したい課題・要求と要件を紐付ける 2. 解決したい課題ベースで優先順位づけ 3. 最小単位でリリースできそうな要件を確定
  14. 28 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 開発主導でスコープ調整 •

    「単にこれだけ実装します」では企画チームの不安は解消できない • 分割した要件を順番にリリースする方向で相談 • 仮説検証とリリースをセットにしたディシジョンツリーを提示 →最小単位で開発〜リリースにTryしてみることを合意した
  15. 29 具体の開発の流れ • 1週間のSprintにおける開発フロー (C) Recruit Co., Ltd. All rights

    reserved. 開発チーム全員でプロダクトを触り バグを見つけるイベント Sprint Reviewの形式の1つ Sprintで開発した成果物を実際に動く形でデモをしな がら共有し、ユーザー目線と近い形でステークホル ダーに見てもらうことで、フィードバックをもらい やすくする
  16. 32 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. アジェンダ 1.

    スクラム開発導入の背景 2. スクラム開発導入の進め方 3. 開発リードタイム短縮の取り組み 4. 取り組みの効果とまとめ
  17. 35 リードタイム短縮の取り組み (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 要件定義

    設計開発 テスト 要件定義フェーズにおけるリードタイム短縮の取り組み
  18. 37 要求定義 要件定義 設計開発 要件定義フェーズにおける取り組み 従来の役割分担と開発フロー • 企画Tが要求定義を実施 • 企画T→開発Tに要求をインプットしてもらい、要件定義〜設計開発に進む

    (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 発生していたコスト ・漏れがない要求・要件を検討し、成果物を作成するコスト ・不備があった場合の手戻りコスト ・企画、開発間における要求・要件調整コスト 要件定義 設計開発 テスト
  19. 38 要件定義フェーズにおける取り組み 要求・要件定義成果物を簡素化し、走りながら要件を決めていく • 案件の背景や課題、大まかなシステム要求のみ企画Tに決めてもらい、細かい要件は開発を進め ながら開発側で裁量を持って決めていくという動き (C) Recruit Co., Ltd.

    All rights reserved. • 開発側で案件の目的達成しつつ、低コスト、低難易度で実現できる要件を判断していく →要求・要件の検討、調整、手戻りコストを削減 要件定義 設計開発 テスト 要求定義 開発 設計 Sprint Plannning テスト
  20. 40 リードタイム短縮の取り組み (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 要件定義

    設計開発 テスト 設計開発フェーズにおけるリードタイム短縮の取り組み
  21. 43 設計開発フェーズにおける取り組み 自律的に動けるようにする(自己組織化) • タスクの優先順位の明確化 • 動くものを作ること>リリースできる状態にすること • 他メンバーのタスク INREVIEW→DONE

    > 自分のタスク WIP→INREVIEW • タスクを可視化(カンバン) • タスクの進捗状況や依存関係の可視化 • 誰がどのタスクに着手しているのか、どのタスクがボトルネックになってるかを把握しやす くする (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 要件定義 設計開発 テスト
  22. 44 設計開発フェーズにおける取り組み タスクのボトルネックを解消する • 依存関係によるボトルネック • 依存度の高いタスクを早く捌く • スキルの偏りによるボトルネック •

    ペアプロ、モブプロで知識の伝搬 • 経験が浅い技術、ドメインのタスクを積極的にとる (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 要件定義 設計開発 テスト
  23. 45 設計開発フェーズにおける取り組み コミュニケーションを円滑化 • 出社、通話を推奨し、困ったらすぐに会話して解決 • ペアプロ、モブプロも積極的に実施 (C) Recruit Co.,

    Ltd. All rights reserved. https://www.researchgate.net/publication/268603161_Psychosemantics_of_Employee's_Images_When_Identifying_a_Typology_Responsibility_and_Communication_of_Organisational_Changes 要件定義 設計開発 テスト
  24. 46 リードタイム短縮の取り組み (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 要件定義

    設計開発 テスト テストフェーズにおけるリードタイム短縮の取り組み
  25. 49 テストフェーズにおける取り組み • 開発チームにおけるbugbash形式のテスト • みんなでシステムを触ってバグを見つけるイベント • 受け入れ基準を満たしていることを確認し、最低限の品質を担保 • バグを見つけたら褒める文化

    • バグを見つけたらその場で直す • 企画チームによる受入テスト • Sprint Reviewで触ってOKとする場合も • QAチームによるテスト • 重要機能に影響がある場合のみ実施 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 要件定義 設計開発 テスト
  26. 51 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. アジェンダ 1.

    スクラム開発導入の背景 2. スクラム開発導入の進め方 3. 開発リードタイム短縮の取り組み 4. 取り組みの効果とまとめ
  27. 53 開発手法の変化 • 案件特性に応じた開発手法の選択ができるようになり、より効率的 に事業価値を向上させていけるようになった (C) Recruit Co., Ltd. All

    rights reserved. • 作るものが明確でまとめて一 気に作った方が効率がいい • 納期・計画重視 • 仮説検証を繰り返して、探索 的に機能を模索したい • 速さ・柔軟さ重視
  28. 54 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. 作りすぎのムダの改善 •

    毎週案件の優先度を見直し、優先度が高い機能を小刻みにリリースしていくこ とで、より使われる機能をユーザに届けることができる https://www.mountaingoatsoftware.com/blog/are-64-of-features-really-rarely-or-never-used
  29. 56 まとめ 他組織を巻き込んだスクラム開発導入の進め方 • 企画組織を巻き込む上で工夫したポイント • 小さく試し、成功事例を作る • 企画組織にメリットを感じてもらった上で、一緒にプロセスを変えていく •

    企画組織からポジティブな反応を多く頂けており、その後の企画組織含めたプロセスの 変更を推進しやすくなったと感じております! • 開発主導でスコープ分割を行い、スコープに関する考え方を揃えに行く • 「一番小さく価値を提供できる単位でリリースする」という認識が揃っているからこそ 1週間のSprintでの開発〜リリースが実現できている (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved.