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バッチ処理のSLOをどう設計するか

 バッチ処理のSLOをどう設計するか

TechBrew in 東京 〜バッチ処理 最適化の取り組み〜
https://findy.connpass.com/event/312637/

Ryunosuke Iwai

March 26, 2024
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Transcript

  1. 株式会社メルカリ Microservices Platform CI/CD @ryuke 岩井 ⿓之介 Cloudbase株式会社 Scanner &

    Platform チーム Go / terraform / Datadog 前職 現在 SNS https://twitter.com/i_ryuke
  2. サービスレベル指標 • SREのベストプラクティスでは、サービスの信頼性を 測定するためのトップレベル指標として 「サービスレベル指標(SLI / SLO)」を設定する • メトリクスが⽬標値を下回る =

    インシデント 開発の⼿を⽌めて必要な是正措置を取る • アラート疲れを防ぎ、本質的なシステムの問題 に集中するための⽅法 https://amzn.asia/d/4CWdelE (偉そうに載せているがまだ読んでないですすみません)
  3. よくあるSLI / SLO • SLOといえば、「可⽤性99.9%」「エラー率0.5%以下」「95パーセンタイ ルレイテンシー1秒以下」など • いずれもオンラインシステム(API)を前提としており、バッチ処理に当て はめようとしてもうまくいかない ◦

    可⽤性:特定⽇時に実⾏されればよく常時稼働性は不要 ◦ エラー率:後述 ◦ レイテンシー:特定の時間までに完了していればよく、実⾏時間⾃体 は問題にならないことが多い
  4. ⼿頃な指標として、「ジョブの成功率」 • 「ジョブの成功率」をサービスレベル指標として使うと...? ◦ 「ジョブの成功 ≠ 全ての処理の成功」 ▪ 全体のジョブは正常に完了していても個々の処理が全て失敗して いたら、それは「正常」と⾔えるか?

    ◦ 実⾏頻度の低いジョブでは機能するSLOにならない ▪ 「エラー率1%以下」= 実質1回ジョブが失敗したら⼤体即インシ デントになり、パーセント指定する意味がない • 我々はジョブの失敗に怯えながら眠るしかないのか...?
  5. バッチ処理の存在意義から考える • SRE⽤語では、CUJ = クリティカルユーザージャーニー • そのシステムを必要とする⼈の⽴場から考える • バッチ処理におけるユーザーとは、多くの場合エンドユーザーではなく特定の システム

    • バッチ処理が稼働しているということは、期待されている「出⼒」や「変 化」、「理想状態」があるはず! • 多くの場合、バッチ処理に求められるのは 「⼤量のデータを処理して加⼯されたデータに 変換し、それを必要とするシステムに届けること」
  6. Cloudbaseにおける実践:データ品質に基づいたサービスレベル指標 • データの品質定義を元にした3つのSLOを策定 ◦ 安定性: ▪ リスクイベントの件数を測定し、⼀定の範囲に収まっているか ◦ 網羅性: ▪

    エラー件数を測定し、スキャンがエラーなく完了しているリソー スの割合が⼀定以下であるか ◦ 最新性(納期): ▪ DBを定期的に⾛査し、最新のスキャンが⼀定時間以内に完了して いるか
  7. Cloudbaseにおける実践:達成できたこと • 「ジョブの成功 ≠ 全ての処理の成功」問題 ◦ 部分的なエラーをより正確に評価できるようになった ◦ 結果として、部分的な障害に対する耐性も向上 →

    ストリーミング処理 • 不正確なアラート問題 ◦ ⼤雑把すぎるアラート or 細かすぎるアラートの代わりに、 実際に深刻な影響がある場合のみアラートが⾶ぶように ◦ ⼀時的にジョブが失敗しても、適切にリトライが⾛ればOK
  8. Cloudbaseにおける実践:達成できたこと • 「ジョブの成功 ≠ 全ての処理の成功」問題 ◦ 部分的なエラーをより正確に評価できるようになった ◦ 結果として、部分的な障害に対する耐性も向上 →

    ストリーミング処理 • 不正確なアラート問題 ◦ ⼤雑把すぎるアラート or 細かすぎるアラートの代わりに、 実際に深刻な影響がある場合のみアラートが⾶ぶように ◦ ⼀時的にジョブが失敗しても、適切にリトライが⾛ればOK • 「実装」に対する検査から、「成果」に対する検査へ