https://engineers.connpass.com/event/113403/ で登壇した資料です。
技術部の働きやすさ向上のプロジェクトを例にして、 目標設定のときに考えるべきことをまとめてあります。
成果をつくる目標設定技術部の働きやすさ向上のために実際やったこと坂井 健治
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自己紹介坂井健治株式会社メディアドゥ VP of Engineering2012年 3月 経済学部卒業2012年 4月 業務システム開発会社入社。エンジニアとしてJavaとかフロントエンドとか色々。後半はマネージャーとして炎上プロジェクトばかり担当2017年10月 株式会社メディアドゥ入社
今日の目的仕事で目標がなかなか達成できない、あるいは目標達成に向けて前進がつくれないという方に、目標を設定する際のヒントを得ていただきたい
Agenda1.プロジェクト内容2.目標設定は適切か?3.目標は自分でコントロール可能か?4.結果
1.プロジェクト内容
技術部の働きやすさを向上するプロジェクト2018年10月頭スタートで、2018年12月末までに、技術部の働きやすさを向上する!
プロジェクトの背景エンジニア採用の強化のため、リファラル採用(紹介採用)を推進したかった社員に紹介したい会社だと思ってもらうために、技術部の働きやすさを向上する必要があった
2.目標設定は適切か?
SMARTの法則Specific具体的かMeasureable計量可能かAchievable到達可能かRelated関連性があるかTime‑Bounded期限を定めているか
2018年12月末までに、技術部の働きやすさを向上する!
Measureable計量可能か目標達成率や進捗度を測定可能になっているか指標を決めて、数値化する
人の意見からは目標達成できたか分からない例えば、リモートワークを導入してみたらAさん:「リモートワークを導入して自由に働けるようになったから、働きがいある会社になったね」Bさん:「リモートワークを導入したけど、全然会社に出ない人が出始めて、チームの一体感がなくなったな…」Cさん:「みんな盛り上がってるけど、俺はリモートワークなんかよりも給与がほしい」→結局、働きやすさが向上したのか分からない
指標を用意し、ゴールの数値を設定する働きやすい=エンジニアは技術部へ愛着・信頼があるeNPS(従業員のロイヤリティ)を指標に10月頭のeNPSは‑51。12月末に‑30する1ヶ月に1度定期的に計測していく
補足:eNPSとはEmployee Net Promoter Scoreの略で、従業員のロイヤルティを測定する指標「あなたは現在の職場で働くことをどの程度親しい友人や家族にすすめたいと思いますか?」と質問し、0~10点で評価してもらう推奨者(9・10点)の割合 −批判者(0~6点)の割合 で算出日本企業のeNPSの平均は‑61.1 (出典: https://www.bebit.co.jp/column/article/eNPSresearch‑1)1ヶ月でeNPSが10上昇すれば、かなり良い結果
数値を計測することで、施策によって働きやすさが向上したかどうかが明確に分かるようになった
2018年12月末までに、技術部のeNPSを‑30にする
Related関連したその目標を達成するとことが何につながっているか皆が共感できる目標にする
数値目標ではやる気が出ないeNPSを‑30にする!とみんなに伝えたらなんのために‑30にするの?他の仕事もあるから忙しいんだけど…数字を追ってるとモチベーション出ない…
何のための目標かを明確にする何のために働きやすさを向上するのか?みんなで共感できる目標をつくる「イケてるテックカンパニーになる!」
何のための目標かを明確にすることで、技術部のエンジニア全員に協力してもらえた
2018年12月末までに、社内エンジニアがイケてるテックカンパニーに変わろうとしている兆しを感じられる技術部のeNPSを‑30にする
3.自分でコントロールができる目標か?
2018年12月末までに、技術部のeNPSを‑30にする全員で達成のために頑張ろう!頑張ったけど、10月末でまだeNPSが‑50だった…あれ、そもそも最終的な目標ってeNPSいくつだっけ?うちの会社のエンジニアは、素直じゃないから仕方ないんだよ!目標は忘れよう…
結果目標と行動目標結果目標:勝つ・負ける・順位・売上、行動した結果行動目標:4時間プログラミング・100件スカウト送る、具体的行動
結果目標の注意点自分だけではコントロールできない市場・競合・確率・運、外的な要因に左右される結果で、一喜一憂してしまい、行動をやめてしまう
行動目標自分でコントロールができる自己管理次第なので、言い訳できないやることが明確。達成を積み重ねると自信がでてくる
技術部のeNPSを‑30にするこれは結果目標技術部だけでなく会社全体のこと、測定時の個人のモチベーションにも影響されるので、完全にはコントロールできない
行動目標も設定する技術部のeNPS‑30に近づくための行動は何か技術部全員から働きやすさ向上のアイディアを募るイベント(社内の通称:イケTech)を1回開催して、10件のアイデアを実行するex.カンファレンスのスポンサーを行いたい・ウォーターサーバーが欲しい
行動目標を設定することで、やることが明確になって一喜一憂せずに行動を積み重ねることができた
2018年12月末までに、社内エンジニアがイケてるテックカンパニーに変わろうとしている兆しを感じられる技術部のeNPSを‑30にする技術部全員から働きやすさ向上のアイディアを募るイベント(社内の通称:イケTech)を1回開催して、10件のアイデアを実行する
4.結果
目標は達成できなかった10月頭のeNPSは‑51だったが、11月末は‑30、12月末は‑35に改善した
やってみてMeasureableだと、目標に対して自分たちがどこにいるか明確に分かるRelatedだと、みんなに向いてる方向が揃いやすい。協力が得やすい行動目標を設定することで、行動を確実に積み重ねることができる
まとめ目標を設定する際はSMARTの法則を満たしているか確認しよう結果目標だけでなく、行動目標を設定しよう
Fin