Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
MySQLのあらたしいリリースモデル LTSとIR
Search
sakaik
August 31, 2024
Technology
1
550
MySQLのあらたしいリリースモデル LTSとIR
2024年8月29日に東京・中野で開催された「日本MySQLユーザ会2024年8月オフライン」での発表市資料です。
MySQLの最近のリリーススタイルについて、15分程度で簡単に説明を行いました。
sakaik
August 31, 2024
Tweet
Share
More Decks by sakaik
See All by sakaik
みんな大好き平面直角座標系 ~ FOSS4G 2023 fukui LT / we_love_jprcs
sakaik
0
16
ニッポンの人に知ってもらいたいGISスポット
sakaik
0
280
北海道の人に知ってもらいたいGISスポット
sakaik
0
390
九州の人に知ってもらいたいGISスポット
sakaik
0
360
関西の人に知ってもらいたいGISスポット
sakaik
0
350
TechLION vol.41~MySQLユーザ会のほうから来ました / techlion41_mysql
sakaik
0
510
DBエン本出版記念イベントトーク
sakaik
0
390
FOSS4G Hokkaido 2024 データベースで地理情報を扱おう入門 / lets try gis data on the rdbms
sakaik
0
20
いまいまMySQL2024 @ OSC Ehime
sakaik
1
570
Other Decks in Technology
See All in Technology
AWS IAM Identity Centerによる権限設定をグラフ構造で可視化+グラフRAGへの挑戦
ykimi
2
690
Black Hat USA 2025 Recap ~ クラウドセキュリティ編 ~
kyohmizu
0
510
ある編集者のこれまでとこれから —— 開発者コミュニティと歩んだ四半世紀
inao
1
160
Snowflakeとdbtで加速する 「TVCMデータで価値を生む組織」への進化論 / Evolving TVCM Data Value in TELECY with Snowflake and dbt
carta_engineering
2
240
QAセントラル組織が運営する自動テストプラットフォームの課題と現状
lycorptech_jp
PRO
0
350
ubuntu-latest から ubuntu-slim へ移行しよう!コスト削減うれしい~!
asumikam
0
460
Pythonで構築する全国市町村ナレッジグラフ: GraphRAGを用いた意味的地域検索への応用
negi111111
8
3.4k
Digitization部 紹介資料
sansan33
PRO
1
5.9k
仕様駆動 x Codex で 超効率開発
ismk
2
1.3k
コード1ミリもわからないけど Claude CodeでFigjamプラグインを作った話
abokadotyann
1
160
AI-ready"のための"データ基盤 〜 LLMOpsで事業貢献するための基盤づくり
ismk
0
150
QAエンジニアがプロダクト専任で チームの中に入ると。。。?/登壇資料(杉森 太樹)
hacobu
PRO
0
180
Featured
See All Featured
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
508
140k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
225
10k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
34
2.3k
The Invisible Side of Design
smashingmag
302
51k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.5k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
56
14k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
60
9.6k
Bash Introduction
62gerente
615
210k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.8k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
10k
Side Projects
sachag
455
43k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
57
6k
Transcript
MySQLの あらたしい リリースモデル LTSとIR 日本MySQLユーザ会会2024年8月 2024/08/29 日本MySQLユーザ会 坂井 恵 (
@sakaik )
自己紹介 坂井 恵 @sakaik • 日本MySQLユーザ会副代表 • 好きなMySQLの機能: Spatial(GIS)機能 •
好きなMySQLのリリースノートの内容:新機能や新関数 • 好きなMySQLの本:『MySQL徹底入門』※未承諾広告 • 好きだった1バイト: 0x5c • LTSが好き?IRが好き?: 断然IR派
(2024年5月に) 本が出ました MySQL運用・管理[実践]入門 〜安全かつ高速にデータを扱う内部構造・動作原理を学ぶ yoku0825,北川健太郎,tom__bo,坂井恵 著 技術評論社 2024年5月22日発売 B5変形判/232ページ 定価3,080円
本題
今日覚えて帰ってほしいこと 本番環境では MySQL 8.4.x を 使おう ※とりあえず 2026年4月頃までは、これ一択!
MySQL 8.4 ~ 新しいリリーススタイル これまでの主なリリースの歴史 MySQL 9.0 2024/07 ★Now!New! MySQL
8.4 2024/04 ★Now!New! MySQL 8.0 2018/04 ※2026/04にEoL予定 MySQL 5.7 2015/10 ※2023/10にEoL済 MySQL 5.6 2013/02 ※2021/02にEoL済 OLD NEW LTS IR
MySQL 8.4 ~ 新しいリリーススタイル 2023年7月 オラクル社から重大発表! 【要約】 「これからは、Innovation Releaseと LTSバージョンの二本立てで
行くよ!」 https://blogs.oracle.com/mysql/post/introducing-mysql-innovation-and-longterm-support-lts-versions
MySQL 8.4 & 9.0~ 新しいリリーススタイル Innovation Release • 積極的に新機能や大きな改善も加えて進化させていくバージョン •
時に非互換の修正も厭わずに行う • サポート期間は超短い(次のバージョンが出たら終了) LTS Version • Long-Term Support • 同一LTSバージョン内では、非互換となるような修正や新機能は加え られない • リリース後、8年間のサポート期間 https://blogs.oracle.com/mysql/post/introducing-mysql-innovation-and-longterm-support-lts-versions
L TS(Long-Term Support) 版 • 2年に1度、新しいLTSシリーズをリリース(いわゆるメジャーバージョン) • 原則として3ヶ月ごとにパッチリリース(いわゆるマイナーバージョン) • 8.4.1,
8.4.2, 8.4.3 .... • 同一メジャーバージョン内ではデータ形式の変更は行われない ことを明言 • アップグレード/ダウングレードが可能に
図解:L TS版のリリースサイクル ここまでの話を図にしました。 • 2年に1度LTSがリリースされる • サポート期間は8年間 ※バージョン番号については、 このあと説明します
Innovation Release • バグ修正、セキュリティ修正、新機能を含む • 非互換の修正が含まれることも • サポート期間は、次のバージョンが出るまで • つまり基本的には3ヶ月間のみ
• 3ヶ月後に次のInnov.が出ると、前のバージョンはメンテされなくなる • 2年間のInnovation Releaseの修正結果を、次のLTSへ • 非推奨となった機能等は最低1年は削除されないと明言 • 逆に言うと、たったの1年後には削除されるかもしれないということ →まぁ、「8.0のときみたいなもん」だと思います
Innovation Releaseはβ版なのか? • No! • Production releaseであることが明言されている • とは言え、課題も多く、本番での使用は個人的には勧めない •
サポート期間の短さ • 互換性の非保証 • ダイナミックな修正に伴う部分的不安定の混入リスク • 公式アナウンスでは「本番環境での使用を推奨」とは言っていますが・・・ (採用するならトコトン面倒を見る覚悟で)
Innovation Release どんな人にお勧めなのか • 最新機能にいち早く触れたい人 (私もここです) • 次のLTSがどのようになるのかをチェックしておきたい人 • 勇者(ぜひ本番環境に)
ワクワクするのは、Innovation Release
L TSとInnovation Releaseの リリーススケジュールの関係 おさらい • LTSは2年に1度メジャーバージョンアップ • LTSサポート期間は8年間 •
LTSは3ヶ月に1度マイナーバージョンがリ リース • LTSの合間にはInnovation Releaseがリリー ス • Innovation Releaseも3ヶ月ごとにリリース • 2年ごとにInnovation Releaseの修正の集大成 として次のLTSがリリース
L TS版への経緯 ~ MySQL 8.0とは何だったのか~ • MySQL 8.0シリーズ • 「継続的デリバリモデル」
• メジャーバージョン内でも積極的に新機能や挙動の改善を • Windows 10 と同じような感じ
継続的デリバリモデルのメリデメ • メリット • 世間が欲する最新の機能を、次のメジャーバージョンを待たずに導入 可能 • 新機能や新しい動作を早く導入し早く反応を得られることによる開発 の高速化 •
デメリット • マイナーバージョンアップ(パッチリリース)なのに非互換 • 非互換による同一メジャーバージョン内でのダウングレード不可発生 • マイナーバージョンアップ時に大量の検証が必要に(=アップグレード をしにくい) • マイナーバージョンアップなのに、新機能によるバグ混入リスクが上 昇
L TS版の登場 安定した/安心して最新化できるバージョンを求める声 「バージョン上げたら動かなくなったよ!!」 「安心してバージョンアップできるのを作ってよ!!」 「もう、バージョンアップしない!!!!」 「プロダクションリリースで実験するのやめて!!」 「継続的バグ混入バージョン!」 →これらの要望に応えるべく採用されたのが「LTS」 →しかし新機能開発を止めるわけにもいかないので、
別ラインとして「Innovation Release」版にて進化を継続
MySQL 8.4の特徴・新機能など • 「8.0から8.4へ、ここが大きく変わった!」というものは、ほ とんどない • 直前まで機能追加してきたので
今日のお話は、 ThinkITさんにも記事と して書きました 結構わかりやすいと思うので、 このあたりの情報に興味を持ってい る周りの皆さんにもお勧めしてくだ さい!
まとめ • これからのMySQLは「LTS版」と「Innovation Release版」 • LTSのサポート期間はリリース後8年間 • 同一LTS内では「真のマイナーバージョンアップ」 • 新機能のウォッチは
Innovation Releaseでワクワクしよう 世界は勇者を求めている!
None
今後のMySQLのリリースモデル https://blogs.oracle.com/mysql/post/introducing-mysql-innovation-and-longterm-support-lts-versions より