2023年7月5日に開催された「さくらの夕べ in 長崎」でDX事業部西田が登壇した資料です。
7年間IoT事業に関わって思った月額サービスで大事なこと2023/07/05 さくらの夕べ in 長崎事業開発本部 DX事業部 西田有騎
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自己紹介西田 有騎(にしだ ゆうき)rabbits1987・誰に向けてサービスを作るべきか・サービスにどんな機能を実装すべきか・できた機能や魅力をどう伝えていくか・セキュモバ・モノプラを考える人さくらインターネット株式会社事業開発本部 DX事業部 マネージャーの「さくらのIoT」の「プロダクトマーケティングマネージャー」
1. 月額サービスは「顧客との対話」と「サービス改善」のループが重要2. カスタマーサクセス志向が「継続的な利用」と「高いLTV」を生み出す3. 顧客や市場のニーズは「時間とともに変化する」(望まずとも)4. ときには「サービスの再構築」すら考えることも重要今日伝えたいこと
話の前に(言葉の定義)今回は以下の2点について「月額サービス」と表記します。• サブスクリプション• サービスやモノを一定期間使用できる権利に料金が発生する課金方式• 例)Amazon Prime、さくらのレンタルサーバー• リカーリング• サービスやモノの使用量に応じて料金が発生する課金方式• 例)シェアサイクル、コピー機のインクカートリッジ月額サービスサブスクリプション リカーリング
• カスタマーサクセス(顧客の成功)• (広義)サービス提供者が顧客に能動的に関わることで「顧客自身の成功体験」を支援する活動も含む• LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)• 顧客から生涯にわたって得られる利益(売上)の総和• 月額平均単価 × 継続月数 等で表される話の前に(言葉の定義)
さくらインターネットの理念「やりたいこと」を「できる」に変えるIoTを軸に 実現するサービス群およびブランドの総称さくらのIoTって何?
🙅🙅「(IoT)サービスを使いたい人」ではなく、🙆🙆「(IoT)システムを作りたい人」のサービスさくらのIoTって何?
市場の「メイカームーブメント」の流れ• CADや3Dプリンタといった環境の一般層への普及• 「誰でも手軽にモノづくりに参入できる」期待市場の声(~2015年)引用:クリス・アンダーソン『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』モノづくりする個人事業主やマイクロ法人向けの「Internet of Things」ニーズを叶える新サービス
2017年4月、「sakura.io」リリース• 通信モジュールからIoTプラットフォームまでを一気通貫で提供• モノ側はさくらが提供する専用モジュールを搭載、従来のコマンドだけでインターネット側にデータを双方向で通信可能メイカー向けIoTサービス sakura.io期待どおり、個人事業主やマイクロ法人から新しいサービスが発生、一定の支持を獲得
回線単体での提供需要• LTE通信デバイスは自分たちで設計できる/設計済み• モデル改定でより安価/安全/高可用性な回線のニーズ モジュールのカスタム需要• 高い調達性や長期供給可能といった部品としての信頼性向上のニーズ• 形状、ファームウェアに対するカスタマイズ性向上のニーズ顧客の声(2017年頃)大規模利用ではsakura.ioの提供形態が制約に
顧客の課題を解消しつつ、良いところを強化する提供方式を検討 sakura.ioの 課題• 専用モジュールを採用いただくには 大幅な設計変更が必要• 専用モジュールの仕様が デバイス要件を満たさない場合 がある• 専用モジュールを絡めた開発には 新規学習コストが発生• 利用する 通信回線に制約あり(LTE only) sakura.ioの 良いところ• プラットフォーム自体はさくら管理、運用やスケーリングは考慮不要• 課金体系がシンプル、1台あたりの コストが読みやすい• ファームウェアはさくらが提供、アップデートの仕組みも提供• デバイス側は閉域網完結、セキュリティ確保の責任を転嫁可能サービスモデルを再考
さくらのモノプラットフォームIoTプラットフォームサービスさくらのセキュアモバイルコネクトIoT向けモバイルネットワークサービス結論、サービスを2つに分割sakura.ioデバイス込のIoTプラットフォームサービス
2018年2月、回線単体の需要に応えるべくサービスをリリース 安価な維持コスト1枚月額13円、IoTデバイスのような小容量通信特化の料金体系 広い範囲でつながる1枚のSIMで国内3キャリア に接続、単一モデルで広範囲の利用が可能 セキュリティも安心デバイスが インターネットと直接通信しない、安全なネットワークを構成可能さくらのセキュアモバイルコネクト
再考されたプラットフォームのコンセプト引用:当社記者発表会資料より
2022年3月、モジュールのカスタム需要に応えるべくサービスをリリース IoTシステムの「バックエンド」を1台から提供規模の拡大が見えない 新規事業に最適 設計情報を公開「動くものを作る」手助けとして、例となる電子回路やファームウェアを 無償提供 大量生産品への組込にも最適基本料金は通信したデバイスだけ発生、在庫期間 や 季節性 がある製品にも採用しやすいさくらのモノプラットフォーム
今後はサービスごとに領域を変えて改善/拡張を行うさくらのセキュアモバイルコネクト → 浅く、広く• 大規模案件への採用が進む、引合の規模も万単位に• 基本機能は一旦Fix、サービス品質や管理性向上 に注力• ダウンタイムは2020年から2022年で 1/20に短縮 さくらのモノプラットフォーム → 狭く、深く• リリース後早々に大規模案件のご相談をいただく• 規模が期待できる業界向けの機能拡張 に注力• データ保存 や デファクトスタンダードな規格対応 を進行中各サービスの現状と展望業界A業界B業界C業界D業界Eセキュモバのカバー領域モノプラのカバー領域
1. 月額サービスは「顧客との対話」と「サービス改善」のループが重要2. カスタマーサクセス志向が「継続的な利用」と「高いLTV」を生み出す3. 顧客や市場のニーズは「時間とともに変化する」(望まずとも)4. ときには「サービスの再構築」すら考えることも重要今日伝えたいこと(再掲)
やりがいがあって面白い!!それでもなんでやるん?