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CPUをあたたかくする競プロ事例集

Takaaki Sato
February 26, 2021

 CPUをあたたかくする競プロ事例集

フューチャー社「LT大会#11~冬のぽかぽかテックトーク~」発表資料

Takaaki Sato

February 26, 2021
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Transcript

  1. 自己紹介 ◦ 佐藤 尭彰 (たかあき) ◦ 競技プログラミングで Future から計 7

    万円弱貰った ◦ HTTF 19’ 6万 ◦ HTTF 21’ 1万 賞金が給与扱いになって税金が引かれた
  2. あたたか度 ☆ ◦ Bit をいっぱい扱いたい ◦ 言語にもよるが、真偽値型は 1 byte (以上)

    を専有する ◦ C# とかは int 並に 4 byte 持っていく ◦ 0・1の 2 値なら 1 bit でいいはず std::bitset<N> ◦ C++における、N bit のビット列を効率的に扱う仕組み ◦ [] でアクセスできて == で等値比較ができてビット演算子が定義済 ◦ べんり!
  3. あたたか度 ☆☆ ◦ 数値をいっぱい扱いたい ◦ 言語にもよるが、浮動小数点型は 8 byte を専有する ◦

    今どき 32bit float がデフォルトの言語ってあるんですかね…? ◦ そんな時、何を使えばいいでしょうか?
  4. 実際にやってみた ◦ABC033D 三角形の分類 ◦ N (< 2000) 個の平面座標格子点のうち任意の 3 点で三角形を作る。

    それが鈍角・直角・鋭角三角形のどれになるかを分類して数をカウントし、 それぞれの個数を出力せよ。 ただし任意の 3 点は同一直線上にない (= 3 点を選べば必ず三角形ができる)。 ◦ O(N^3) 時間では間に合わなさそうな制約
  5. 実際にやってみた ◦O(N^3) 解法 本当は通らないはずの嘘解法 ◦ {鈍角, 直角, 鋭角}三角形となるかどうかは、内角が最大の頂点に依存する → min(cos

    α, cos β, cos γ) の符号が {負, 0, 正} になっていればよい。 → 各辺をベクトルと見て、角を挟む2辺の内積を取ればOK ( |a||b| > 0 は符号に関係ないので無視できる ) ◦ N(N-1)(N-2)/6 個の全組合せに対して調べる https://gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/museum/vector/page120_3.html
  6. 他の言語におけるSIMD ◦ Python だと numpy を利用すれば SIMD が効く (ことが多い) ◦

    特に行列演算なら (Open)BLAS が裏で動くので速い ◦ たまに出る行列累乗系の問題は SIMD を考慮しない制約が付いているので、 ほかにも行列演算が早い言語なら雑に書いても許される • はやい • 書きやすい • 起動に1秒かかる ←ぽんこつ
  7. 制約を見直す ◦ -10,000 ≦ x_i, y_i ≦ 10,000 ◦ 各辺の座標の差は

    2 万以下 ◦ int16_t ◦ VPMADDWD https://www.officedaytime.com/simd512/simdimg/si.php?f=pmaddwd