Elixir におけるリスト反転処理の実装を覗いてみよう

Elixir におけるリスト反転処理の実装を覗いてみよう

2019/07/01 【学生限定】Akatsuki Geek Live Vol.3【LT会:7/1(月)】 にて発表した資料です。

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Shohei Kajihara

July 01, 2019
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Transcript

  1. Elixir における Elixir における リスト反転処理の実装を リスト反転処理の実装を 覗いてみよう 覗いてみよう 2019/07/01 Akatsuki

    Geek Live Vol.3 アカツキ サーバーエンジニア 梶原星平 (@s-capybara)
  2. ⾃⼰紹介 ⾃⼰紹介 2017 年 アカツキに新卒⼊社(3 年⽬) Elixir でゲームサーバーを書いています

  3. 今⽇の⽬的 今⽇の⽬的 Elixir の紹介 プログラミング⾔語の中⾝の学び⽅

  4. Elixir とは Elixir とは プログラミング⾔語 関数型 動的型付け 不変性 (immutability) Erlang

    VM 上で動作 並⾏性 (concurrency) 耐障害性 (fault-tolerance) Erlang の関数を呼び出せる
  5. 不変性 不変性 予想外の値変更による実装ミスが起きにくくなる defmodule Sample do def foo() do bar

    = 1 if :rand.uniform() > 0.5 do bar = 2 IO.puts("Modified bar to 2!") end bar end end iex(1)> Sample.foo() Modified bar to 2! 1
  6. List List iex(2)> numbers = [1, 2, 3] [1, 2,

    3]
  7. List の基本操作 List の基本操作 Lisp と同じく Car, Cdr, Cons 処理ができる

    Car: リストの先頭を取り出す Cdr: リストの残り部分を取り出す Cons: リストの先頭に要素を⾜す iex(3)> [head | _] = numbers iex(2)> head 1 iex(4)> [_ | tail] = numbers iex(4)> tail [2, 3] iex(5)> [0 | numbers] [0, 1, 2, 3]
  8. Enum.reverse Enum.reverse リスト(など)を反転する関数 標準の関数が⾼速なので、 ⾃前実装は NG と⾔われている iex(6)> Enum.reverse(numbers) [3,

    2, 1]
  9. 気になるところ 気になるところ 1. リストはどういうデータ構造なのか? 2. 標準の関数はなぜ⾼速なのか?

  10. 解決策1: 本を読む 解決策1: 本を読む The Beam Book ( ) Erlang

    VM の中⾝が紹介されている (プロセス、スケジューラ、型システム、... ) 無料で読める(ただし英語) 書籍は著者視点による説明 説明の順序にストーリーがあるので⼊⾨に最適 公式ドキュメントなどより先に書籍にあたるのが おすすめ https://github.com/happi/theBeamBook
  11. Erlang VM の型システム Erlang VM の型システム 64 ( または32) bits

    で 1 word 末尾 2 bits ( あるいはもっと) で型を表現 リストは「アドレス + 01 」という形の 1 word 00 Header (on heap) CP (on stack) 01 List (cons) 10 boxed 00 11 Pid
  12. 単⽅向リストの実体 単⽅向リストの実体 リストはポインタであり、 参照先の隣のアドレスがまたポインタになっている

  13. 解決策2: ソースコードを 解決策2: ソースコードを 読む 読む Elixir: Erlang: https://github.com/elixir-lang/elixir https://github.com/erlang/otp

  14. Enum.reverse/1 の実装 Enum.reverse/1 の実装 簡単なやつだけ Elixir レイヤーで定義 結局、Erlang のコードを呼び出している @spec

    reverse(t) :: list def reverse([]), do: [] def reverse([_] = list), do: list def reverse([element1, element2]), do: [element2, element1] def reverse([element1, element2 | rest]), do: :lists.reverse(rest, [element2, element1])
  15. lists:reverse/2 の実装 lists:reverse/2 の実装 結局、C ⾔語実装の Built in Funciton (BIF)

    を呼び出し ている %% Shadowed by erl_bif_types: lists:reverse/2 -spec reverse(List1, Tail) -> List2 when List1 :: [T], Tail :: term(), List2 :: [T], T :: term(). reverse(_, _) -> erlang:nif_error(undef).
  16. lists_reverse_2 lists_reverse_2 erts/emulator/beam/erl_bif_lists.c というそれっぽい名前のファイルに lists_reverse_2 というそれっぽい名前の関数を発⾒

  17. lists_reverse_2 ( 抜粋) lists_reverse_2 ( 抜粋) CAR, CDR, CONS をやっているらしい

    (説明は後で図⽰) while (alloc_top < alloc_end) { // リストをポインタ化する Eterm *pair = list_val(list); // 確保したヒープ領域の先頭を [ リストの先頭 | 反転済みリスト ] に tail = CONS(alloc_top, CAR(pair), tail); // 続きは Cdr から list = CDR(pair); ASSERT(is_list(list) || is_nil(list)); // 2 words 分ヒープ領域のへのポインタを進める alloc_top += 2; }
  18. リスト操作のマクロ リスト操作のマクロ CAR, CDR, CONS の定義(説明は割愛) #define TAG_PRIMARY_LIST 0x1 //

    01 の⾜し算でポインタをリストに、引き算でリストをポインタに #define _unchecked_make_list(x) ((Uint)(x) + TAG_PRIMARY_LIST) #define _unchecked_list_val(x) ((Eterm*) ((x) - TAG_PRIMARY_LIST) // ポインタの指すアドレスに値を仕舞ったのちリストにする #define CONS(hp, car, cdr) \ (CAR(hp)=(car), CDR(hp)=(cdr), make_list(hp)) // ポインタの指すアドレスが CAR, その隣が CDR #define CAR(x) ((x)[0]) #define CDR(x) ((x)[1])
  19. lists_reverse_2 の概観 lists_reverse_2 の概観 (1/4) (1/4)

  20. lists_reverse_2 の概観 lists_reverse_2 の概観 (2/4) (2/4)

  21. lists_reverse_2 の概観 lists_reverse_2 の概観 (3/4) (3/4)

  22. lists_reverse_2 の概観 lists_reverse_2 の概観 (4/4) (4/4)

  23. 標準の関数は 標準の関数は なぜ速いのか? なぜ速いのか? そもそも C ⾔語なので速い 不変性を保つ必要がない result は

    C ⾔語上のローカル変数
  24. 結局、理解できて 結局、理解できて 何が嬉しいのか? 何が嬉しいのか? すぐに役⽴つわけではないが... 「この⾔語ではどういう操作のコストが⾼いの か?」など理解したうえでコードが書けるようにな る(かも) トラブルシューティングに強くなる(かも)

  25. まとめ まとめ まず本を読み、その後ソースコードを読もう すぐには役に⽴たないが、中⾝を知っておいた⽅が 安⼼