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AIの今とこれから、開発と課題

 AIの今とこれから、開発と課題

CoCoプレイス会員向けセッション
(2023/5/2 開催、http://www.c-mam.co.jp/event/e/010974.php)

AIやITの専門家ではない方を対象に、AIの基本的なことがらを共有しました。

瀬尾佳隆

May 02, 2023
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Transcript

  1. 自己紹介 瀬尾 佳隆 (せお よしたか) • フリーランスのソフトウェアエンジニア • MVP for

    AI (Jul 2018 – Jun 2023) / MVP (Jan 2009 – Jun 2018) • Microsoft Certified Trainer Alumni • IDEACTIVE JAPAN PROJECT AI トピックリーダー • 専門学校 ディープラーニング講師 (2022年度) • 学生向け・企業向け AI / IT トレーニング (2020-2021) • 坂道シリーズ(乃木坂、櫻坂、日向坂)が好きです • 京都、お寺、仏像が好きです 2
  2. 今日のテーマ ◼そもそも AI って何? ◼AI 開発はどうやるの? ◼AI 利用の注意点は? ◼AI はこれからどうなるの?

    3 AI や IT を専門としない方を対象とします。 簡単のために抽象度の高い表現をしている箇所があります。 また個人的な見解を含みます。
  3. そもそも “AI” とは ◼たくさんの データの特徴 を コンピューター自身に見つけさせる 技術のこと • データの特徴をコンピューター自身に見つけさることを

    “学習” と言います • 学習によって得られたデータの特徴を表す式を “モデル” と言います • モデルを使うと、新しいデータの意味を “推論” (予測) できます ◼面倒で時間がかかる作業をコンピューターにやってもらうのが AI • 人間にも不可能ではありませんが、あまりやりたくない作業をやってもらう 6
  4. x y 0 1 1 3 2 5 3 7

    4 9 5 11 6 ? 簡単な例) 「?」 の値を求めたい 7
  5. x y 0 1 1 3 2 5 3 7

    4 9 5 11 6 ? ◼グラフにするとデータの特徴が見えてきます 簡単な例) まずデータの関係を考えてみます 8
  6. x y 0 1 1 3 2 5 3 7

    4 9 5 11 6 ? y = 2x + 1 データはこの式で表されることが分かりました この式を “モデル” と言います 簡単な例) 求めた式が “モデル” 9
  7. x y 0 1 1 3 2 5 3 7

    4 9 5 11 6 13 y = 2x + 1 モデルを利用すると 「?」 が 13 であると “推論” できます ※ 実際には、このようにきれいな式で表現できることは ほとんどありません 簡単な例) 答えは 13 10
  8. 少し面倒な例 ある商品のこれまでの販売データ: • 性別 • 年齢 • 一人か他の人と一緒か • 地域、季節、曜日など・・・

    ◼購買層の特徴を見つけ出すのは人間には意外と面倒 ◼従来は KKD (経験と勘と度胸) で決めていました ◼コンピューター を使って データの特徴 を見つけさせるのが “AI” です 11
  9. デモ) DALL E-2 / Image Creator ◼言葉で指定した画像を生成してくれます • 生成系 AI

    と言われるモデルです • https://labs.openai.com/ • https://www.bing.com/create 14
  10. デモ) Form Recognizer ◼画像の文字を認識します • 単語の内容まで教えてくれます • 会社名、住所 • 明細品目、価格

    • 合計金額など • 帳票の個別のフォーマットを 追加学習させることもできます https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/form-recognizer/ 16
  11. デモ) Video Analyzer for Video ◼動画を詳細に解析します • 話者の認識と話している時刻 • 話題

    • 感情 (好意的 / 否定的) • 文字起こし https://aidemos.microsoft.com/video- indexer 17
  12. 画像を扱う場合 (物体検出) 1. 各画像のラベル付け (アノテーション) 2. 学習環境への取り込み / 学習 3.

    評価 ※比較的少数の画像でも 満足のいくモデルが 作れることがあります (扱う画像にもよります) 21
  13. 補足) 特定の課題の回答 ◼大手クラウドベンダーがサービスを提供しています • 独自データを追加学習させればモデルは完成です • ただし利用料が発生します • 例えば https://language.cognitive.azure.com/home

    ◼無償のものを含めてモデルが公開されています • AI についての十分な知識とプログラミングの知識が必要です • サービスの管理と運用コストが発生します • 例えば https://huggingface.co/ 28
  14. データは十分な数を偏りなく集める ◼データが少ないと十分に学習できません • データの特徴を見つけるためにはデータ量は大事です • とはいえ、増やせば良いモデルになるとも言えません • データ分析のスキルが重要です • ベストは品質を見ながらデータを追加していくこと

    • 実務ではなかなか難しいですが・・・ ◼データの偏りは品質に大きく影響します • 例えば、良品・不良品の仕分けをしたい場合 • 良品の写真 1000件、不良品の写真 10件では多分うまくいきません 31
  15. 著作権の侵害などの問題 ◼モデルが自発的に著作権侵害となる出力をすることは ありません • 個人情報に限らず一切の知識を内部に持っていません • モデルは単なる計算式です ◼プロンプト (利用者の入力) によっては著作権を侵害する

    出力が得られることがあります • 利用者の倫理観に委ねられます • サービル提供者が免責事項や適切な利用の呼びかけをすることは 大事です • 試しに「◦◦によく似た新しいキャラクター」と入力すると分かります 34
  16. 今後について (私見) ◼モデル開発はより簡単にできるようになると思います • ツールやクラウドサービスの発展が続くと思います • 高い品質のモデルはすでに多数存在しています • 新しいサービスのアイデアとそれを実現する技術力の勝負になります ◼モデル利用はさらに簡単になります

    ◼生成系 AI がさらに発展することはまず間違いありません • プロンプトプログラミングの競争が激しくなると思います • 特定の課題の回答を加えるアイデアが重要です • 特定の課題をどのように教えるかの技術と開発スキル 36
  17. 参考) 3D アノテーション ◼3D アノテーション自体は AI の技術ではありません • 3D の物体に対して各部分の寸法を入力することです

    • モデル開発のデータとして利用することはありえます ◼メタバースでは大事な技術になります ◼建設業界などでは非常に役に立ちます ◼アマゾンで家具などを検索すると AR ビューで効果を体験できます • https://www.amazon.co.jp/b?node=6350135051 37 https://www.oculus.com/exp eriences/quest/2532035600 194083/