Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
メンテが命: PHPフレームワークのコンテナ化とアップグレード戦略
Search
shunta ichikawa
February 21, 2025
Programming
0
400
メンテが命: PHPフレームワークのコンテナ化とアップグレード戦略
shunta ichikawa
February 21, 2025
Tweet
Share
More Decks by shunta ichikawa
See All by shunta ichikawa
20240711_RAGを用いたシンプルな 社内情報検索システムを導入した話とつらみ
shunta27
2
5.2k
Other Decks in Programming
See All in Programming
Development of an App for Intuitive AI Learning - Blockly Summit 2025
teba_eleven
0
110
機械学習って何? 5分で解説頑張ってみる
kuroneko2828
0
200
KotlinConf 2025 現地で感じたServer-Side Kotlin
n_takehata
1
200
実はすごいスピードで進化しているCSS
hayato_yokoyama
0
110
つよそうにふるまい、つよい成果を出すのなら、つよいのかもしれない
irof
1
280
JSAI2025 RecSysChallenge2024 優勝報告
unonao
1
450
Beyond Portability: Live Migration for Evolving WebAssembly Workloads
chikuwait
0
340
2度もゼロから書き直して、やっとブラウザでぬるぬる動くAIに辿り着いた話
tomoino
0
150
カクヨムAndroidアプリのリブート
numeroanddev
0
410
Cursor AI Agentと伴走する アプリケーションの高速リプレイス
daisuketakeda
1
100
Cloudflare Realtime と Workers でつくるサーバーレス WebRTC
nekoya3
0
390
イベントストーミングから始めるドメイン駆動設計
jgeem
4
810
Featured
See All Featured
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
41
7.3k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
233
140k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
2.8k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
50k
Speed Design
sergeychernyshev
30
990
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
52
2.8k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
30
2.1k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
331
22k
The Invisible Side of Design
smashingmag
299
51k
Optimizing for Happiness
mojombo
379
70k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
252
21k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
667
120k
Transcript
メンテが命: PHPフレームワークのコンテナ化とアッ プグレード戦略 PHPカンファレンス名古屋2025
自己紹介 市川 俊太 いちかわ しゅんた (38歳) 株式会社助太刀 開発部 開発部長 •
猫が好き • 趣味はサッカー観戦 • Ruby/PHPなどのLL言語が好き • 三重県四日市出身、愛知県内の大学通ってました!
会社紹介 事業者間マッチング 協力会社探し 正社員採用 工事会社の人手不足を マッチングと 正社員採用で解決
アジェンダ 1. サービスは生き物だ 2. レガシー環境が生まれる理由 3. 解決するための3つのアプローチ
アジェンダ 1. サービスは生き物だ 2. レガシー環境が生まれる理由 3. 解決するための3つのアプローチ
サービスは生き物だ サービスは生き物(or 水物?)。放置すると...? ?
サービスは生き物だ 腐ります。(鮮度が落ちます )
ソフトウェアに例えると • PHP / アプリケーション(Laravelなど)/ データベース(MySQLなど)のバージョンが古い(EOL) • メンテされてないコード • AWSのインスタンスのスペックが古い
• インデックス管理がされていない 放置すると...?
ソフトウェアに例えると • PHP / アプリケーション(Laravelなど)/ データベース(MySQLなど)のバージョンが古い(EOL) => セキュリティリスク • メンテされてないコード
=> デプロイ(リリース)するのが怖い • AWSのインスタンスのスペックが古い => パフォーマンス低下 • インデックス管理がされていない => クエリが遅くなる
これが続くと... • リリースするのが怖くなる • (開発しにくいから)エンジニアが離職 • ユーザ体験が悪化(バグ・遅い・クラッシュなど)
アジェンダ 1. 自己紹介 2. サービスは生き物だ 3. レガシー環境が生まれる理由 4. 解決するための3つのアプローチ
レガシー環境が生まれる理由 • 動いているから放置 • 新機能開発が優先され、アップデートなどは後回し
動いているから放置 「壊れるリスクを負ってまで触りたくない」 「アップデートしなくても動いてるから大丈夫でしょ?」
動いているから放置 「壊れるリスクを負ってまで触りたくない」 「アップデートしなくても動いてるから大丈夫でしょ?」 動いてるから「このままで問題ない」という心理が働き放置
動いているから放置 「壊れるリスクを負ってまで触りたくない」 「アップデートしなくても動いてるから大丈夫でしょ?」 動いてるから「このままで問題ない」という心理が働き放置 突如、AWSからメールがやってきます...
動いているから放置 放置すると最悪データベースが止まります...
レガシー環境が生まれる理由 • 動いているから放置 • 新機能開発が優先され、アップデートなどは後回し
新機能開発が優先され、アップデートなどは後回し 「✅新機能開発」 「✅新機能開発」 「🚀 リリース」 「🚀 リリース」 「🛑アップデート後回し(忙しいから後で …)」
新機能開発が優先され、アップデートなどは後回し 「✅新機能開発」 「✅新機能開発」 「🚀 リリース」 「🚀 リリース」 「🛑アップデート後回し(忙しいから後で …)」 「AWSからメールも来てるし、アップグレードするか
…」
新機能開発が優先され、アップデートなどは後回し 「✅新機能開発」 「✅新機能開発」 「🚀 リリース」 「🚀 リリース」 「🛑アップデート後回し(忙しいから後で …)」 「❌いざ変更変更しようにも、影響範囲がわからない…」
「😨当時を知る人間もいない...」 変更が怖くなり、そのまま放置
アジェンダ 1. 自己紹介 2. サービスは生き物だ 3. レガシー環境が生まれる理由 4. 解決するための3つのアプローチ
解決するための3つのアプローチ 1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) 2. コンテナ化 3. 継続的なアップグレード
1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) テストが存在しないと... • コードを変更したら、別の場所でエラーが発生 • リファクタリング、バージョンアップの度に確認が大変 • 変更の度に手動テストを頑張ることになる
1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) どうやって導入していくのか • テストがない環境で、いきなり理想的なテストを導入するのは難しい • 簡単なところから始める
1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) どうやって導入していくのか • テストがない環境で、いきなり理想的なテストを導入するのは難しい • 簡単なところから始める 「小さくはじめる」のが大事
1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) 例えば「ログインAPI」のレスポンスの機能テスト
1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) 例えば「ログインAPI」のレスポンスの機能テスト • 最初は大味なテストでも良い ◦ 最初から全てのケースを網羅しよう としなくていい ◦ APIのレスポンスが期待通りかどう
かを確認するだけでいい • テストが習慣化されていることが大事 ◦ 最初は「最低限の動作確認」を意識
1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) CI/CD に組み込んでテストを継続的に実行する • テストは書くだけでは意味がない => 継続的に実行することが重要 • CI/CDに組み込むことで
◦ コード変更時に自動テストが実行される ◦ テストの陳腐化を防ぐ
1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) テストが存在すれば... • コードを変更したら、別の場所でエラーが発生 => 影響範囲が明確になり、エラーがすぐ検知できる • リファクタリング、バージョンアップの度に確認が大変 =>
テストがパスしていれば、既存の機能に大きな影響を与えずに変更できることが 確認できる • 変更の度に手動テストを頑張ることになる => 手動で行う必要はなく、テスト実行に関する負担を軽減
解決するための3つのアプローチ 1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) 2. コンテナ化 3. 継続的なアップグレード
2. コンテナ化 • 環境差異によるエラー • デプロイの手間が増えることによるミス • ロールバックによるダウンタイム発生 コンテナ化しないと起こる問題
2. コンテナ化 なぜコンテナ化するのか 1. 環境の一貫性 2. スケーラビリティの向上、リソースの最適化 3. CI/CDパイプラインとの統合が容易
2. コンテナ化 • 環境差異によるエラー => コード管理されたイメージファイルを利用するだけ • デプロイの手間が増えることによるミス => GithubActionsなどのCI/CDパイプラインに統合することで
ビルド 🏭 => テスト✅ => デプロイ🚀 まで自動化(属人化なども排除) • ロールバックによるダウンタイム発生 => 過去のイメージをデプロイするだけ コンテナ化しないと起こる問題
解決するための3つのアプローチ 1. テストの導入(ユニット、機能テストなど) 2. コンテナ化 3. 継続的なアップグレード
3. 継続的なアップグレード 時間とともに通常開発とアップグレード作業の差が開いていく
3. 継続的なアップグレード 時間とともに通常開発とアップグレード作業の差が開いていく
• テスト・検証サイクルの高速化 ◦ CI/CDパイプラインにて自動実行 • ローカル環境での検証が容易 3. 継続的なアップグレード テストの導入とコンテナ化による開発・検証の効率化 通常開発と並行して、バージョンアップ作業もスムーズに実施可能
3. 継続的なアップグレード • データベースをバージョンアップ予定のコンテナイメージを利用する • PHPなども同様、バージョンアップ予定のコンテナイメージを利用する データベースやPHPのバージョンアップがしたい バージョンアップ予定のコンテナイメージを利用しテスト実行する
• PHP7.1 => PHP8.3 • Laravel5.8 => Laravel11 • 同時にMySQL5系
=> 8系 3. 継続的なアップグレード このアプローチを通して、通常の開発と並行しながら、 約3年間かけて… (無事故で)バージョンアップすることに成功🥳
サービスは生き物だ 鮮度を保つことができます
None
あなたはこの3つのアプローチなしで、バージョンアップを無 事故で行える自信がありますか?
とはいえ、やっていることは特別なことではなく...
テストとか、コンテナ化とかって
「やらなきゃならないことをやるだけさ、だからうまくいくんだ よ」 映画「アイデン&ティティ」(みうらじゅん原作)
皆様、ご清聴ありがとうございました!