Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
いちソフトウェアエンジニアが プログラミング教育をはじめるのに読んで良かった本
Search
Soichiro Yoshimura
September 21, 2024
0
140
いちソフトウェアエンジニアが プログラミング教育をはじめるのに読んで良かった本
Nextbeat Tech Bar:第一回プログラミング教育について語る会
https://nextbeat.connpass.com/event/326635/
のLTだ発表した内容です。
Soichiro Yoshimura
September 21, 2024
Tweet
Share
More Decks by Soichiro Yoshimura
See All by Soichiro Yoshimura
Developers Summit 2014 「Play2/Scalaでドメイン駆動設計を利用した大規模Webアプリケーションのスクラム開発の勘所」
sifue
0
180
チームの目標への柔軟な対応
sifue
0
71
並行処理初心者のためのAkka入門
sifue
0
8
2013年末カウントダウン番組におけるAkamai活用事例
sifue
0
49
ソフトウェア設計のすすめ
sifue
0
52
失敗の話
sifue
0
46
6000名以上の高校生に行われた VR教育の実践と課題
sifue
0
5.7k
N高等学校でのSlackの活用
sifue
0
1.1k
N予備校プログラミングコースでのNode.js
sifue
0
970
Featured
See All Featured
Designing for Performance
lara
604
68k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
326
24k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
274
40k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
132
33k
Navigating Team Friction
lara
183
15k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
2k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
73
5.4k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
3
170
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
191
16k
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
28
9.1k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
88
5.7k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1031
460k
Transcript
いちソフトウェアエンジニアが いちソフトウェアエンジニアが プログラミング教育をはじめるのに プログラミング教育をはじめるのに 読んで良かった本 読んで良かった本 Presented by 吉村総一郎(@sifue)
「作ることで学ぶ」 「作ることで学ぶ」 原題: Invent To Learn 原題: Invent To Learn
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873117201/ 2015年に発刊されたこの本を紹介。 Scratchコミュニティを生み出したMITメディアラボの教育手 法、創造的学びの手法、構築主義についての本。
吉村総一郎 (@sifue、しふー) 吉村総一郎 (@sifue、しふー) Xは、LoLやVR関係、FF14や息子とやってるポケカのことが多く、あまり プログラミング教育の話をしてない。詳しくは → www.soichiro.org 2007- 2012
製造業系のSIerとしてひたすら Java/JavaScript 2012- 2015 ニコ生のエンジニアとしてひた すらPHP/Java/Scala/TypeScript 2015- 2022 N高等学校のプログラミング教育 を責任者として立ち上げる。気 づけば生徒はN/S高合わせて3万 人。S高等学校の校長と教育事業 部の副本部長を2年務める。 2022- 情報系クリエイティブ系科目の カリキュラム責任者としてZEN大 学の立ち上げ準備中。
2015年からはじめて、 2015年からはじめて、 今のプログラミング教育の現状に 今のプログラミング教育の現状に 概ね満足 概ね満足 ICT教育および情報教育から先端的なプログラミング 教育まで地続きとなり、公立の教員は足りないとい う問題があるものの、音楽教育や美術教育に近いぐ らい社会的認知度が高まり、良いオンライン教材や
コミュニティが整備されたという認識がある。
プログラミング教育をはじめて10年目な プログラミング教育をはじめて10年目な ので、最も役に立った本を紹介したい ので、最も役に立った本を紹介したい めっちゃ読みにくくて厚い本、でも読む価値あり。 内容をおおざっぱにまとめると 「作ることで学ぼう。教師は生徒と共に作業する者。 彼ら彼女らが熱中して能動的にものづくりできる環境 を整備し記録しよう」 のようなことが書いてある。
時間がないのでさらっと紹介 自分の心に 自分の心に 響いたこと5選 響いたこと5選
プログラミング教育には プログラミング教育には 遊びが重要。 遊びが重要。 遊びと学びを分けることは 遊びと学びを分けることは できない。 できない。 xiii P45
P45 ちょっとした工夫のことを 「ティンカリング」という ア ブ ラ ハ ム ・ マ ズ ロ ー (Abraham Maslow)「ほぼす べての創造には、意図的な遊 びが含まれる」 遊びに没入しているとき、子供たちは学んで いるのです。その情熱、勢い、時間を忘れる さまは、ティンカリングの活動を反映したも の で す ( チ ク セ ン ト ミ ハ イ (Csikszentmihalyi)、1991)。
教師は生徒と共に作業し、 教師は生徒と共に作業し、 彼らのための環境の整備と 彼らのための環境の整備と 記録に専念しなくてはなら 記録に専念しなくてはなら ない。主人公は生徒。 ない。主人公は生徒。 xix P229
P234 私たちは「教師(teacher)」という用語を、 「若い人たちとともに作業する教育的な立場 に立つすべての大人たち」という意味で用い ます。 9章 学習環境を作り上げる ドキュメント(記録)は、実験レポート、発明 者のノートブック、ビデオ、ポッドキャス ト、デザイン・ポートフォリオ、ブログ、壁 のポスターなど、いずれの形式であろうと も、複数の機能とたくさんの教えを提供しま す。
プログラミング教育には、 プログラミング教育には、 開発コミュニティや 開発コミュニティや 仲間が重要。 仲間が重要。 P24 P67 P144 活発な”ワイガヤ”が行われ
るとき、メイカー文化はより 洗練されたものになります。 改良する プロセスには例えば以下のような ものがあります。調査する。発表する。仲間 と議論する。別な視点から問題を見る。異な る素材を使ってみる。一度に1つのパラメー ターを変えてみる。 助言を与えてくれる教育者の 仲間やコミュニティーを見つ け る こ と も 、 1 つ の 手 段 で す。
思い出を作ることは大切。 思い出を作ることは大切。 個人的な目的を持つプロジ 個人的な目的を持つプロジ ェクトに、情熱をもって取 ェクトに、情熱をもって取 り組むことが重要。 り組むことが重要。 P75 P90
P264 よいプロジェクトの8つの要素 その1. 目的 と関連性、そのプロジェクトには個人的な意 味がありますか?そのプロジェクトは彼また は彼女の時間や努力、そして創造性を注ぎ込 むに足るだけの魅力を備え、誘いかけるもの ですか? プロジェクトとは、ベルがなって授業が終わ ってからも、長く生徒たちの心の中に残され るものなのです。偉大な教師は、思い出づく りこそがその最高の使命だと言うことを知っ ています。 彼らが何かよいことを成しとげるだろうと周 囲が信頼して彼ら自身も責任を背負うことで エンパワーが実現されるのですし、彼ら自身 の情熱が実現していくことで魅力が増すので す。
彼らが自らの力で得る 彼らが自らの力で得る アハ体験を邪魔しない。 アハ体験を邪魔しない。 教えすぎない。 教えすぎない。 先にゴールを 先にゴールを 見せてしまわない。 見せてしまわない。
P105 P239 P241 子供が自分でうまくやれると 感じているときに、決して手 助けをしてはいけません。 ー マリア・モンテッソーリ 生徒たちを指導する際には、ティーチング・ マントラ、 「我らに薄く、彼らに厚く」(5章) を忘れないようにしましょう。教室を支配す る”教祖”にならないように注意してくださ い。 プロジェクトに着手する前に、前の生徒の最 終作品を見せて、生徒たちを刺激することが 好きな教師もいます。しかし分別のある教育 者なら、このやり方に反対するかもしれませ ん。それは明らかに危険と背中合わせの行為 だからです。
自分がやってきたプログラミング教育では、オン ラインで出来ることも限られることがありました が、教材制作や学習システムの整備の他に、 自身の作りたいものを作るコンテストの開催 Slackでの開発コミュニティの支援 LT大会などの発表する場の支援 無償、有償でのメンタリング このようなことをやってきた9年間でした。
おすすめです! おすすめです!
以上 以上 ご清聴ありがとう ご清聴ありがとう ございました! ございました! 何かご質問あれば @sifue までどうぞ