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6000名以上の高校生に行われた VR教育の実践と課題

6000名以上の高校生に行われた VR教育の実践と課題

N高等学校およびS高等学校で2年間に渡って行われたMeta Quest2を利用したVR教育の実践内容と課題について
角川ドワンゴ学園 S高等学校校長 吉村総一郎 (Soichiro Yoshimura - @sifue)

Soichiro Yoshimura

December 21, 2022
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  1. 1
    6000名以上の高校生に行われた
    VR教育の実践と課題
    角川ドワンゴ学園 S高等学校
    校長 吉村総一郎

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  2. 2
    自己紹介



    バーチャル空間上での姿
    EchoVRのプレイの様子
    趣味
    eスポーツの
    「EchoVR」と「LoL」
    S高等学校 校長
    学園のVR教育の責任者
    学園のプログラミング講師
    吉村 総一郎 (よしむら そういちろう)

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  3. アジェンダ
    N高等学校・S高等学校について
    1
    3
    2
    3
    4
    5
    6
    なぜVR教育に取り組むのか?
    実施された教育プログラムについて
    コミュニティ作りのためのVR利用について
    VR教育の課題と展望

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  4. アジェンダ
    N高等学校・S高等学校について
    1
    4
    2
    3
    4
    5
    6
    なぜVR教育に取り組むのか?
    実施された教育プログラムについて
    コミュニティ作りのためのVR利用について
    VR教育の課題と展望

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  5. 5

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  6. N高等学校 と S高等学校 とは
    通信制高校の制度を活用した
    「ネットの高校」
    N高等学校 (沖縄)
    S高等学校 (茨城)
    N高等学校は2016年4月に開校した
    学校教育法第一条に定められた高等学校
    2021年4月、2万人の定員到達予測
    のため、S高等学校も開校
    6

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  7. 創立の背景
    通信制高校の “制度を活用” して
    生徒がやりたいに出会える
    ネットの学校を創ろう
    7
    通信制高校をつくろう

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  8. ネットの高校 の 「特長」
    自分がやりたい学びに使える
    時間が増える
    将来へつながるプログラムを
    学園が提供
    1
    2
    8
    必修授業: 高校卒業資格取得のための必修授業
    課外授業: 将来につながる豊富な課外授業
    ※課外授業は高校卒業資格取得のための授業ではありません。
      任意で学習する選択式の授業です。

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  9. N/S高合わせて生徒数は 23,013名
    9
    (2022年9月時点)

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  10. 10
    選べる4つのコース
    ネットコース オンライン通学コース






    通学プログラミングコース
    通学コース






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  11. 11
    通学コースは、来年度から全国43キャンパス

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  12. 12
    気になる授業が無料で見放題! 学習アプリN予備校の課外授業

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  13. 13
    高校卒業資格取得の為の学習

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  14. 14
    映像学習とレポート提出の流れ
    メンターによる
    サポート
    映像授業
    確認テスト
    レポート
    平均 5 分 × 約 4 講
    2、3 問
    20 問前後

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  15. 15
    年に2度行われる全国拠点でのスクーリング
    友だちができる。先生と会える。

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  16. 16
    ネットの高校の学校生活
    友だちができる
    モチベーションを
    維持する
    社会性を
    育てる

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  17. 17
    Slackは“学校空間”
    ※ネットコースの例

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  18. 18
    13のネット部活と130以上の同好会
    美術部 eスポーツ部 音楽部 囲碁部 将棋部
    クイズ研究会 人狼部 コンピュータ部 起業部 投資部
    ダンス部
    政治部
    研究部

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  19. 19
    美術部 (約2,600名)
    (2022年10月時点)

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  20. 20
    美術部 (約2,600名)
    (2022年10月時点)

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  21. 21
    eスポーツ部 (約2,800名)
    部活HR
    分科会
    教職員が運営する安心安全を感じられる交流の場
    生徒が主体となって運営する「好きを突き詰められる」コミュニティ
    ● 大乱闘スマッシュブラザーズ交流会
    ● スプラトゥーン3交流会
    ● クラッシュ・ロワイヤル交流会
    ● #コンパス交流会 など
    ● スプラトゥーン3
    ● 第五人格
    ● Apex Legends
    ● 荒野行動 など
    (2022年10月時点)

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  22. 22
    eスポーツ部 (約2,800名)
    日本一を本気で目指したい人がプロの指導を受けられる場
    特別顧問
    FAV Gaming 様
    特別顧問
    HANAGUMI 様
    特別顧問
    SCARZ 様
    特別顧問
    Lillebelt 様
    【指導内容】
    ● 週1回、2~3時間の特別顧問によるコーチング
    ● 週1回、担当職員によるグループ面談
    特別強化選手制度
    (2022年10月時点)

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  23. 23
    投資部
    運用資金として
    20万円を提供

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  24. 24
    職業体験・ワークショップ
    宿泊型(4泊5日など)&
    日帰り型
    参加費3~4万円程度+交通費
    実費の半分以上を学園が補助

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  25. 25
    卒業率・卒業後の進路について
    ※2022年4月28日時点。
    ※「大学等進学」は、大学、短期大学、大学・短期大学の通信教育部、高等学校(専攻科)および
    特別支援学校高等部(専攻科)へ 、進学した者または進学しかつ就職した者が対象です。
    ※「専門学校他」には、専門学校(専門課程・一般課程)・公共職業能力開発施設・各種スクール
    等が含まれます。
    卒業後の進路
    対象:N高2019年度入学生で1・2年次に必要単位を取得し、
       3年次を迎えた生徒 2022年3月29日時点
    卒業率
    99.1%

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  26. 2022年5月現在、6,275名の生徒が
    Meta Quest 2 を手に取り学んでいる
    26
    オリジナル制作された 

     豊富なガジェット
    2021年からメタバースで学べる 普通科 を開始

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  27. AR・VRに関する教育プログラムを共同で展開
    27
    2022年9月、Metaと角川ドワンゴ学園がXR分野で提携

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  28. イギリスの教育支援団体「T4Education」の
    「World’s Best School Prizes」 イノベーション部門にて
    28
    2022年10月、「世界最高の学校賞」イノベーション部門のTOP3に

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  29. アジェンダ
    N高等学校・S高等学校について
    1
    29
    2
    3
    4
    5
    6
    なぜVR教育に取り組むのか?
    実施された教育プログラムについて
    コミュニティ作りのためのVR利用について
    VR教育の課題と展望

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  30. 従来型のオンライン教育の利点
    ZoomやSlackを活用して生徒・
    教師とコミュニケーションが可能
    通学や移動に要する時間が
    削減でき時間を有効に使える
    1
    2
    30
    日本一のクオリティの教材を
    利用できる
    3

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  31. オンライン教育の課題
    31
    小さな画面越しでは
    集中しづらい
    対面のコミュニケーション力
    がつきづらい
    1
    2
    運動不足になりがち
    3

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  32. VRで従来型のオンライン教育の課題を克服
    小さな画面越しでは
    集中しづらい
    対面のコミュニケーション力
    がつきづらい
    1
    2
    32
    運動不足になりがち
    3
    VRはオンライン教育の弱点を克服する技術
    360度視界の没入経験学習
    非言語でシチュエーショナル
    なコミュニケーション体験
    日々の運動や体感学習

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  33. 学園オリジナルの教材ラインナップ
    33
    VR授業+ガジェット+
    全天球動画
    VRxAI英会話
    VR面接練習
    VR授業とVR面接練習はQuest2アプリ VirtualCast、 

    VRxAI英会話はQuest2アプリ Smart Tutor との提携によって実現

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  34. 学術的なVR教育の特性
    34
    (DeepLによる自動翻訳で概要を抜粋)
    レビューでは、HMDがスキル習得に有効な場面が数多くあることが確認されました。空間的・
    視覚的情報や知識の記憶・理解に関連する認知スキル、視覚スキャンや観察スキルなど頭の動
    きに関連する精神運動スキル、ストレスや困難な状況に対する感情反応のコントロールに関連
    する感情スキルなどが挙げられます。これらの状況以外では、HMDは、より没入感の低い技術
    や従来の指導と比較して、何の利点もなく、場合によっては、広範なサイバーシックネス、技術
    的課題、没入体験が学習課題から気を散らすため、逆効果になることさえ証明されました。
    A review of the use of virtual reality head-mounted displays in education and training
    Lasse Jensen & Flemming Konradsen, Education and Information Technologies volume 23, pages1515–1529 (2018)より
    どういうことか?

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  35. 空間認知スキル、観察思考スキル、情緒制御スキル開発に有効
    35
    空間認知スキル 空間的・視覚的情報や知識の記憶・理解に関連する認知スキル
    観察思考スキル 視覚的走査や観察スキルなど頭の動きに関連する精神運動スキル
    情緒制御スキル ストレスや困難な状況に対する感情反応をコントロールするスキル
    この3つのスキル開発に有効。他はデバイス技術ハードルがあって非効率な場
    合もある。この3つのスキルを求める例で言うと
    ● 宇宙飛行士トレーニング
    ● 消防士トレーニング
    ● 外科医トレーニング
    など。これらはこの3つのスキルが高いレベルで求められる上、現実でトレーニ
    ングを用意するコストも高いため、非常に有効。

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  36. 学園の教材ラインナップと照らし合わせると
    36
    VR授業+ガジェット+
    全天球動画
    VRxAI英会話
    VR面接練習
    ● 空間認知スキル
    ● 観察思考スキル
    ● 観察思考スキル
    ● 情緒制御スキル
    ● 観察思考スキル
    ● 情緒制御スキル

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  37. 我々の仮定: 友だち作りにもこのスキルが必要
    37
    友だち作りにも
    ● 空間認知スキル
    ● 観察思考スキル
    ● 感情制御スキル
    が高いレベルで求められる。相手の空間的
    な距離感、振る舞いから相手の感情を察
    し、また初対面の相手への緊張に打ち勝つ
    ための自身の不安制御などが必要。
    VR教育は友だち作りの経験を得ていくためにも有効だと仮定

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  38. VR空間での各種イベントの結果
    38
    のべ参加人数 イベント回数
    2021年度(1年間) 1,209 362
    2022年度(6ヶ月間) 2,285 218
    VRイベントは非常に満足度が高く、リアルの交流イベントと比較しても遜色なし。
    そのため、友だち作りの機会として十分に機能すると考えられる。
    利用プラットフォームは、バーチャルキャスト、VRChat、Rec Room、VARK、cluster、Wander、EchoVR、Beat
    Saber、アンネフランクVR、オーシャンリフト、Bigscreen Beta、ENGAGE、Glue、Gun Raiders、その他多数
    今年度の199回(1550名)の交流会に
    おける平均満足度 (とても満足/満足率)
    98.5%

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  39. VR教育で得られるものは現実社会で役立つスキル
    39
    ● 空間認知スキル
    ● 観察思考スキル
    ● 感情制御スキル
    これらは、ペーパーテストで高い点を取る
    スキルというより、現実世界で生きていく
    のに役立つスキルとなる。
    ペーパーテスト向けの学習では、外国人の
    前でプレゼンテーションする際の緊張への
    対応能力は向上しづらい。

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  40. VR教育は他のスキル開発をする経験学習も安価に実現できる
    40
    身体動作スキル
    実体を動かすことによって身に付く筋力や体を正
    確に制御するスキル
    表現創作スキル
    さまざまなが素材や音源、物体の動きなどを利用
    して表現するスキル
    非言語コミュニケー
    ションスキル
    文字や言葉を利用しないコミュニケーションスキ

    外国語コミュニケー
    ションスキル
    外国語を利用したコミュニケーションスキル
    VR機器を用意したり、VR慣れが必要という側面はあるものの、以上のス
    キル開発はリアルで集まったり、教材や器具を用意するのに費用がかかり
    やすいため、VR教育でスキル育成をすることにメリットがある。

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  41. アジェンダ
    N高等学校・S高等学校について
    1
    41
    2
    3
    4
    5
    6
    なぜVR教育に取り組むのか?
    実施された教育プログラムについて
    コミュニティ作りのためのVR利用について
    VR教育の課題と展望

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  42. 実施された教育プログラムのジャンル
    学園オリジナルの教材
    1
    42
    2
    3
    4
    VR教育推進担当の部署によるイベント
    経験学習担当の部署によるワークショップ
    生徒主体のコミュニティ

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  43. 学園オリジナルの教材
    43
    1. VR授業+ガジェット
    2. VR面接練習
    3. AIxVR英会話
    4. ボキャブラリズム
    5. 学びの塔
    6. N/S高バーチャルキャンパス
    7. 大学オープンキャンパス
    8. バーチャルツアー
    9. 制服
    10. ラジオ体操
    11. せきぐちあいみさん特別授業
    12. NED 2021

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  44. VR授業+ガジェット (VirtualCast)
    44

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  45. VR面接練習 (VirtualCast)
    45
    進路指導スタッフとの1対1の模擬面接(60分)も可能

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  46. AIxVR英会話 (Smart Tutor)
    46
    AIが発音、スピード、姿勢、目線なども判断。英検2級面接対策も。

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  47. 47

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  48. ボキャブラリズム (VirtualCast)
    48
    楽しみながら英単語が覚えられるリズムゲーム

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  49. 学びの塔 (VirtualCast)
    49
    隈研吾氏設計の学びの塔。生徒のためのバーチャル交流空間。

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  50. N/S高バーチャルキャンパス (VirtualCast)
    50

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  51. バーチャルツアー (VirtualCast)
    51
    京都にある世界遺産、仁和寺などの史跡や観光地を訪問。

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  52. 制服 (カスタムキャスト & VirtualCast)
    52
    スマホアプリで好きな格好の自分になれ、制服も着れる。

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  53. ラジオ体操 (VirtualCast)
    53
    夏の間、毎日開催。皆勤賞には特別アイテムをプレゼント。

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  54. せきぐちあいみさん特別授業 (N予備校)
    54

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  55. NED 2021 (Cluster/Rec Room)
    55
    プレゼンテーション発
    表会や展示ブース、交
    流会などをVR空間内
    で実施。

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  56. VR教育推進担当の部署によるイベント
    56
    1. レクチャー会
    2. 生徒交流会
    3. バーチャル体育祭
    4. バーチャル修学旅行
    5. アンネの日記と平和
    6. カラオケイベント
    7. アバターコンテスト
    8. 3年生を送る会
    のべ
    参加人数
    イベント
    回数
    2021年度
    (1年間)
    632 324
    2022年度
    (6ヶ月間)
    1,550 199
    今年度の199回(1,550名)の交流会に
    おける平均満足度 (とても満足/満足率)
    98.5%

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  57. レクチャー会 (VirtualCast/Rec Room/VRChat)
    57
    Meta Quest 2の初期設定、N予備校連携だけではなく、交流で
    よく用いるRec RoomやVRChatのアカウント作成をレクチャー。

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  58. 生徒交流会 (VirtualCast/Rec Room/VRChat)
    58
    ゲーム、ワールドめぐりの他、さまざまな交流イベントを実施。

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  59. バーチャル体育祭 (VirtualCast/Rec Room/VRChat/EchoVR)
    59
    2022年度は、ロボットバトル、大迷宮、地雷原競争、EchoVRトー
    ナメントなどの競技を実施。

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  60. 60

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  61. 61

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  62. バーチャル修学旅行 (Wander)
    62
    【Aコース】名作マンガと名所をめぐる ー古代から現代への視点でー
    【Bコース】なんでこんなにデカく作った?巨大文化遺跡探検
    【Cコース】世界の歴史は宗教の歴史でもある! キリスト教、イスラム教、仏教の
    誕生地とキリスト、ムハンマド、釈迦の生誕祭ツアー

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  63. アンネの日記と平和 (Anne Frank House VR)
    63
    アンネの隠れた家を体験し、英語を通じて戦争と平和を考える。

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  64. カラオケイベント (VARK/Bigscreen Beta)
    64
    VARKは800曲以上が、Bigscreen BetaではYouTubeの同
    期配信が利用でき、両者とも遅延を気にせずにカラオケができる。

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  65. アバターコンテスト (VirtualCast/カスタムキャスト)
    65
    VR空間内で撮影した写真で、人気投票を行うコンテストを実施

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  66. 3年生を送る会 (Rec Room/VRChat)
    66
    Rec Roomでは、ものづくりやプログラミングも駆使

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  67. 経験学習担当の部署によるワークショップ 1
    67
    VRで好きなものをつくってみよう Rec Room
    この世にいない生き物の動物園をつくろう Rec Room
    趣味全開の博物館をつくってみよう Rec Room
    RecRoomでコスチュームをつくろう Rec Room
    アドリブ・プレゼンテーションに挑戦しよう ENGAGE
    VRでからだを動かしてできる遊びを考えよう Rec Room
    「VRお絵かき」で自己分析 Glue
    VR人狼で聴き上手を目指そう Rec Room
    絵を描きながらアイデアを出すワークショップ Glue
    「自分らしさ」を活かしたチームの作り方を考えよう ENGAGE
    オリジナルのピクトグラムをつくって遊ぼう Rec Room
    月面探検チームのトラブル解決チャレンジ ENGAGE
    VRでできる遊びを考えよう Rec Room
    VRでオモシロイ写真を撮ろう ~RecRoom編~ Rec Room
    星座 ENGAGE
    プレゼンカラオケ第2弾前編 ENGAGE
    プレゼンカラオケ第2弾後編 ENGAGE
    VirtualCast企画① VRお絵描きをしながら「ワタシ」分析 VirtualCast
    VR演劇で心理学を学ぶ(福井さん連携企画①) ENGAGE
    【専用アプリ必須】ワタシの聖地を紹介するヴァーチャル旅行 〜Oculus Quest 2アプリ「Wander」を使用〜 Wander

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  68. 経験学習担当の部署によるワークショップ 2
    68
    【無料トークセッション】VTuberと考える、SNS・ヴァーチャルの未来 with 九条 林檎 Zoom
    すぐできる「アイデアが溢れ出す」ヴァーチャルワークショップ (大人数VRWS(30人規模)) ENGAGE
    【無料】ヴァーチャル世界で宝探しゲーム(OculusQuest2が必要) Rec Room
    【無料トークセッション】カスタムキャスト運営メンバーと考えるアバター・VRの未来 Zoom
    【参加無料】RecRoomでヴァーチャル・クリスマスツリーを作ろう!(前半) Rec Room
    【参加無料】RecRoomでヴァーチャル・クリスマスツリーを作ろう!(後半) Rec Room
    MIMIGURI第一回 哲学対話 ENGAGE
    【コンテンツ開発部】バーチャル・オープンキャンパス VirtualCast
    MIMIGURI第二回 対話型アート鑑賞 ENGAGE
    MIMIGURI第三回 3Dペン造形 ENGAGE
    お医者さんと考える「テクノロジー x 医療」の可能性(ゲスト講師:寺田哲さん) ENGAGE
    3Dアート鑑賞を通して自分なりのものの見方を知ろう! Cluster
    理想の空間を考えるワークショップ Cluster
    PROJECT ADVENTURE 〜バーチャル世界でチームづくりを体験〜 Rec Room
    【無料】ファンタジーを形にするワークショップ ~Quest2アプリ・Clusterでキャラクターづくり~ Cluster
    雨声シトらトークセッション Zoom
    【初心者も大歓迎】VRアプリお試し会 多数
    【初心者歓迎】はじめてのVR 〜RecRoomで遊ぶ〜 part2 Rec Room
    【VR初心者歓迎!】この世にいない生き物の動物園をつくろう Rec Room
    VRChatで遊ぼう!~ゲームワールドめぐり編~ VRChat

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  69. 経験学習担当の部署によるワークショップ 3
    69
    ワールド巡り ~VR空間で交流の輪を広げよう!~ Rec Room
    言葉はいらない!バーチャルコミュ力を高めよう Cluster
    【VR初心者歓迎!】RecRoomでコスチュームをつくろう! Rec Room
    はじめての3Dプリンターワークショップ Rec Room
    【VR初心者大歓迎!】はじめてのVR~RecRoomで遊ぶ 編 Rec Room
    【VR】バーチャル世界でオリジナルのピクトグラムをつくろう! VRChat
    【VR初心者大歓迎!】はじめてのVR~VR Chatで遊ぶ 編~ VRChat
    【VR】バーチャル空間でオリジナルの星座を考えよう! Rec Room
    【初心者歓迎】バーチャル空間でみんなで遊ぼう! Rec Room
    【初心者歓迎!】第2弾バーチャル空間でみんなで遊ぼう~Rec Room編~ Rec Room
    ヴァーチャル世界の作り手に訊く、3Dモデリングの世界 Zoom
    大学の話を聞いてみよう 〜N/S高生限定のオープンキャンパス立命館大学編〜 VirtualCast
    メタバースの学校プロジェクト発表会 〜N/S高生が考えた未来の学校を見てみませんか?〜 VRChat
    以上のワークショップから一部抜粋して紹介

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  70. 月面探検チームのトラブル解決チャレンジ
    70
    授業のテーマは「合意形成」。合意形成とは、ある事柄に対し
    て、関わり合っている人たちの間で話し合って意見や考え方
    を合わせていくことを学ぶ。

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  71. この世にいない生き物の動物園をつくろう (Rec Room)
    71
    バーチャルの世界の中でものづくりを体験をする。それぞれ
    の想像力を生かして新しい生き物を創造する。

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  72. 生徒主体のコミュニティ
    72
    1. バーチャルイベント実行委員
    2. EchoVR同好会
    3. Rec Room交流会
    4. Blender Unity勉強会
    5. 一緒にチュートリアルやろうの会
    以上のコミュニティから一部抜粋して紹介

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  73. バーチャルイベント実行委員
    73
    教職員のサポートのもと、バーチャルイベントの週次開催を
    行っていく生徒の委員。2022年10月現在、26名で構成。
    生徒交流会などの他、夏祭りなどの大規模なイベントを企画。

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  74. EchoVR同好会
    74
    学校公認の有志の同好会。週2回の交流会(初心者向けと上
    級者向け)を実施。2022年10月現在、61名が参加。

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  75. Rec Room交流会
    75
    隔週で有志によって行われるRec Roomを利用した交流会。
    2022年10月現在、79名がチャンネルに参加。

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  76. アジェンダ
    N高等学校・S高等学校について
    1
    76
    2
    3
    4
    5
    6
    なぜVR教育に取り組むのか?
    実施された教育プログラムについて
    コミュニティ作りのためのVR利用について
    VR教育の課題と展望

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  77. コミュニティリーダーを育て、支援することが重要
    77
    ● 最初は教職員主体でコミュニティを形成して生徒にリー
    ダー移譲、サポートしていく。
    ● コミュニティリーダーさえ育てば、VR教育の体制がスケー
    ルしていくというメリットがある。
    ● バーチャルイベント委員の中にも班長が複数人おり、あら
    たなリーダーを育てる体制になっている。
    ● 今ではレクチャー会などを自主的にやってくれる他、高い
    技術力でBOOTHなどでショップを運営し、技術、リー
    ダーシップ共に高いスキルを身につける生徒も登場。

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  78. バーチャル空間利用ポリシーの運用と適切な生徒指導
    78
    ● VRの世界がリアル世界と同様であ
    ることがまだ理解できていない、特
    に中高生の場合、ネットでは暴言を
    吐いたり失礼な行動を取り、問題に
    なりがち
    ● 相手を尊重し、相手が嫌がることを
    やめるという基本的なことから生徒
    指導していく必要がある
    ● ポリシーの徹底と、録画および通報
    の促しをしている

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  79. VR系のSlackチャンネルの参加人数 (2022年10月12日時点)
    79
    生徒が持つMeta Quest 2で無
    料で利用できる、SNS機能を持つ
    アプリのうち、VRChat、Rec
    Room、EchoVRが一番大きい
    学内コミュニティとなっている。
    #vrchat 219
    #recroom 175
    #echovr 127
    #recroom交流会 79
    #echovr同好会 61
    #vr_一緒にチュートリアルやろうの会 48
    #vrchat_アバター制作質問チャンネル 45
    #beatsaber 38
    #blender_unity勉強会 36
    #virtualcast 34
    #vrカラオケ 28
    #a-township-tale 26
    #smart-tutor 24
    #ultimechs 22
    #echoの普及や技術アップを考える会 21
    #zenith 16
    #cluster 10

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  80. 卒業生のTA(ティーチング・アシスタント)としての活躍
    80
    高度なVR経験値を持つ卒業生が、TAとしてイベント運営やコミュニティサ
    ポートに参加することでよりコミュニティが成長できている。
    卒業生のKaikaさん 卒業生のYuiさん

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  81. アジェンダ
    N高等学校・S高等学校について
    1
    81
    2
    3
    4
    5
    6
    なぜVR教育に取り組むのか?
    実施された教育プログラムについて
    コミュニティ作りのためのVR利用について
    VR教育の課題と展望

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  82. 生徒へのVR普及の課題が大きい
    82
    ● 2021年度中のアンケート回答者の5.19%の人がMeta Quest 2があっても
    セットアップを完了させておらず、またセットアップをした人の中のさらに
    5.79%がなんのアプリも利用していない
    ● VR利用に対する高い障壁が存在している
    ● 技術的に難しそうということの他にも、VR酔い対応なども一つの大きな課題
    人数 割合
    はい 1,899 94.81%
    いいえ 104 5.19%
    設定を試みたがやり方がわからない 43 2.15%
    合計 2,003 100.00%
    人数 割合
    はい 1,789 94.21%
    いいえ 110 5.79%
    合計 1,899 100.00%
    ■ VRが到着した人で初期セットアップをした人の割合 ■ 設定後、何かアプリを利用した人の割合

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  83. 保護者の方にあまりVR教育のことが知られていない
    83
    アンケート回答をした保護
    者の半分相当がVR教育に
    ついて認知していないとい
    う状況
    ■ 2021年度下期 保護者アンケートの結果

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  84. VR普及の課題に対する対応
    84
    ● VRの初期セットアップ率の改善対策
    ○ 設定サポート会の実施
    ● VR利用自体の改善に対する対策
    ○ 交流会、ワークショップの数を増やす
    ○ 多種多様なアプリの体験会の実施
    ○ ポータルサイト、ブログ、配信、動画での
    情報発信
    ○ 生徒たちのコミュニティ支援
    ○ 教職員へのVR利用研修の実施
    ● 保護者の認知に対する対策
    ○ noteでのブログ情報発信

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  85. 教職員のVR経験獲得に時間がかかるという問題
    85
    ● VR教育人材の育成が高コスト。
    ● 教職員のセットアップ含めたVR理
    解に最低限の知識獲得に10時間。
    ● 右記述の到達レベル3を目指し研
    修や交流会を実施。
    ● 仕事で依頼する場合にはアネロン
    等の酔い止め薬の利用も推奨。
    ● 根気強い研修や支援が必要。
    ● 現在では、メンター活動や通学系
    コースの中でVRを利用してくれる
    教職員も少しずつ出てきた。
    レベル1:VR初期セットアップ 
    レベル2:N予備校の受講
    レベル3:Rec Room、VRChatでの交流
    レベル4:VRアプリで日常的に遊ぶ
    レベル5:Rec Roomでの創作活動

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  86. 生徒トラブルとその対応事例
    86
    VR酔い問題
    少しでも酔う生徒には利用を即時にやめてもらう。苦しい体験と一緒にするとVRが嫌い
    になってしまうため。自身の動きのないアプリから慣れてもらうことを勧めていくが、体
    調で酔いやすくなることもあるので柔軟に対応が必要。
    セクハラ問題
    露骨に性的なアバターの利用や性的な嫌がらせ発言、接触、恋愛関係やお砂糖関係(VR
    上の疑似恋愛関係)からのストーキングを伴うSNS上の嫌がらせなど。これらの問題が起
    きたVRSNSからの距離を取ってもらうなどの対処が良い。基本的には教職員主催のイ
    ベントであったり、学内生徒のみとの交流を推奨する。LGBTQ+の生徒にも要配慮。
    VR感度問題
    VR空間内での衝撃に痛み等の触覚などを感じること。稀にそのような生徒がいるため、
    そのような生徒への配慮をしたイベント運営などが必要。
    VR依存症問題
    現実世界での嫌なことから逃れるためのVR利用とその依存。そのようにならないよう
    VRイベントといえどが学業(レポート進捗)を優先し、参加にはレポートの進捗を条件とす
    るなどの対応をする。
    人間関係問題
    よりリアルに近い生徒同士のトラブルが起こりがち、リアルに近い生徒対応も必要。ノン
    バーバルなコミュニケーションも成立するが故にそれがトラブルになることもある。

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  87. VR教育の強みと弱み
    87
    強み ● 360度視界から得られる大きな感動
    ● 手足を動かす体感学習によるより現実に近い深い学び
    ● よりリアルに近いコミュニケーション経験 (非言語かつシチュエーショナル)
    ● 体力づくりへの寄与
    弱み ● 新しいデバイスゆえの技術的な習得が必要
    ● 人によってはVR酔いを克服するまでに時間がかかる
    ● デバイス自体の重さに耐えられない人がいる
    ● いいアプリがあるが有料コンテンツである場合もある
    ● VR機器の価格が高い(2021年までは安かったが)
    VR教育には既存のオンライン教育では得られない大きな価値があり、
    特にオンラインしか選択できない生徒には非常に重要な技術。
    今後も学園として弱みを打ち消す方法を模索したい。

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  88. これからVR教育をされる方へ
    88
    ● Facebookアカウントから解放されたため、Quest2の運用がかなり楽に。
    ● 1つの部屋で一般的なWiFiアクセスポイントで複数のVR端末を繋ぐのはか
    なり大変。WiFi6対応ゲーミングルーターが複数台あると便利。
    ● 優れた教育アプリのおすすめ
    ○ Wander (990円) - 学内修学旅行企画向け、ストリートビューのVR
    ○ VARK (無料) - 学内カラオケ企画向け、800曲以上あり
    ○ Mondly (990円) - 音声認識有のシチュエーショナルな英会話
    ● VRChatは違法権利物があったり、Publicではお砂糖(擬似交際)、
    Just(擬似性行為)などの文化があり、保護者を巻き込んだトラブルに発展
    する文化もあるので要注意。
    ● Rec RoomやVRChatはある程度VR慣れしないと酔いやすい。

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  89. 今後の展望
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    ● 生徒、保護者、教職員への更なるVR教育の啓蒙活動
    ● VRはAI(音声認識やAIコーチ等)と相性が良いため、AI活用の模索
    ● 新しいデバイスへのチャレンジ
    近い将来、VR/ARデバイスがもっと身近になり、自分の部屋が職場になり、
    学校になり、旅行先になり、ライブ会場、体育館、お店、カフェなどになる、そ
    ういった時代の品質の高いオンライン教育のあり方を模索していきたい。

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  90. まとめ
    VR教育は、空間認識スキル、観察思考スキル、情緒制御スキ
    ルなどを鍛える経験学習を安価で提供できるメリットがある
    VR教育は、友だち作りのスキルやコミュニティ形成のスキ
    ルの育成にも寄与できる
    90
    6000名以上の生徒たちに機器は導入したものの、VRを利
    用したサービスを受けてもらうには普及の課題がある

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  91. 91
    以上

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