対話を通して、自己管理できる組織に変化する歩み

RSGT2023の発表資料です
https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2023/proposal/17964

Transcript

1. 対話を通して、自己管理できる組織に変化する歩み 株式会社アカツキゲームス 細矢 隆規
2. • 株式会社アカツキゲームス • エンジニア→ プロジェクトマネージャー・スクラムマスター • STARWARS・MARVEL大好き２児の父 細矢 隆規 自己紹介
3. スクラムで自己管理型の組織を目指したい、スクラムではなくても主 体性を持って動けるチームを作りたいという話をよく聞きます。 自分もそこを目指して活動しているのですが、そのような状態にして いくにはさまざまな困難にぶつかることがあります。 今日は自分が実際に体験したこと、その時の考えを対話という軸に沿 ってお話しします。 今日話すこと
4. 1) 現場で起きていたこと・よくあること 2) チームの方向性を合わせる 3) タスク、役割・責任の所在 4) 継続していく アジェンダ
5. 現場で起きていたこと・よくあること
6. 「スクラムマスターが進 行管理をやってくれるん じゃないですか？」とい う人がいる メンバーが「リーダーが タスクマネジメントをち ゃんとやってくれない」 と言っている マネージャーが「チーム が主体性を持って動いて くれない」と言っている 下記状況になっているチームをいくつも見た 現場で起きていたこと・よくあること
7. このような話が出てくる時は、それぞれが思っている自分達のありた い姿やチームが目指している方向がバラバラな状況です。 その状況を解消するためには、対話を通して認識を合わせていくこと が必要になってきます。 実際にどのようなことをしていくと良いか、３つのポイントを紹介し ます。 現場で起きていたこと・よくあること
8. チームの方向性を合わせる
9. チームの方向性を合わせる チームの方向性という観点から、対話を通して以下の状態を作り出す 必要がある。 • 目標や目指すチームの状態などが明確になっている • 各人がなぜそこを目指すかを理解できている 目標や目指すチームの状態が明確になっていないと、それぞれが考え る方向を目指して動いてしまったり、どこを目指していいかわからず 止まってしまったりする。 また、各人がなぜそこを目指しているか理解できていないと、主体性 を持って活動するということができない場合もある。
10. 以前所属していたチームで、以下のような問題が起きているチームがあ りました。 チームの方向性を合わせる 「チームが主体性を持って動いてくれな い」と言って、マネージャーがタスクを巻 き取ることでボトルネックになり、さまざ まな業務が滞っている。 上手くいっていないのはわかるし、なんと かしたいけど、マネージャーがやってくれ てるし、どうしたらいいかよくわからない。
11. チームの方向性を合わせる マネージャーとチームで目指したい方向性の認識を揃えられておらず、 一丸となって改善に向かえないという状況が起きていました。 この状況を改善するために、以下のことを実施しました。 • 方向性の共有 • 共感し、共に推進してくれる仲間作り
12. チームの方向性を合わせる 方向性の共有 起きている問題を解決し、より良い状態 にしていくために、どんなチームであり たいかというベースを考え共有した。 まずは起点となる職能ごとのリーダー一 人一人と対話し、理解を得ていった。そ して各チームごとにも考えを共有し、認 識を合わせていった。
13. チームの方向性を合わせる 共感し、共に推進してくれる仲間作り 共感し、共に推進してくれる仲間を見つけ、 協力して推進していった。 方向性を理解してくれていたり、共感して くれている人はどんどん自主的に考えたり、 行動をしてくれるようになるため、チーム へ与える良い影響も大きい。
14. チームの方向性を合わせる これらのことを通し、チームの方向性を合わせていくことでどのよう に行動していくと良いのかがわかりやすくなり、主体性を持って動け るメンバーが出てくるようになった。
15. むきなおり 「むきなおり」も効果的な手法の１ つ。自分達でどんなチームを目指し ていきたいのか、そのためにはどん なことをする必要があるのかという ことを考えることで、より主体性を 持って取り組むことができるように なる。 チームの方向性を合わせる むきなおり後に、どんなTryができるかをチームで決 め、ふりかえり毎にTryをアップデートしていくとい うことを自主的にできるようになった
16. タスク、役割・責任の所在
17. タスク、役割・責任の所在 タスクや役割・責任という視点で見ると、誰が何をやるのかが明確で ない状態だが、なんとなくお互いにボールが落ちないように空気を読 みながら仕事をしていることがある。 うまく行っているときは問題ないが、お互いの期待値がズレていた場 合、チームはうまくワークしなくなってしまう。
18. 計画を立てたり、進捗をみたりする のは誰がやるのか？ 計画・進捗管理も仕事のうち だろ。それぞれでやってほし い 普通計画とか進行管理はリー ダーの仕事だよね リ
19. みんながそれぞれで話にいく と混乱するから、リーダーが 情報を集約してコミュニケー ションを取るべきだよな 自分のチーム以外とコミュニケーショ ンを取りたいが、どうしたらいいか？ こういうのは担当者間で直接 話した方が早い！ リ
20. 問題が起きているがそれを解決する のは誰か？ マネージャーがなんとかする でしょ！アラートだけ上げて おこう！ 自分たちで問題を解決してい ってほしい リ
21. タスク、役割・責任の所在 どちらが良い悪いという話ではないが、 とはいえ何もしないままだと、それぞれの固定観念のまま仕事を行っ ている。 誰が何をやるのか、どんな役割と責任があるのかを 対話しながら明確にする必要がある。 なんでやってくれないんだ！ いやいや！あなたの仕事でしょ！ 前の現場ではこうだった！ リ
22. タスク、役割・責任の所在 RACIチャート 役割と責任の所在を明確にす ることで、自身がどのような 働きをしたら良いのか、他の 人に何を期待していいのかの 認識のずれを減らすことがで きる。
23. タスク、役割・責任の所在 参考）CTOとエンジニアリングマネージャーでDelegation Boardを作ってみた デリゲーションポーカー タスクに対して、どれくらいのレ ベルで任せ、任せられたいのかを すり合わせることで、どのように タスクに関わればいいのかの認識 のずれを減らすことができる。
24. タスク、役割・責任の所在 このような手法を取り入れつつ、自分の役割・責任はどういったもの があるのか、どこまでなら持てそうなのかを対話の中で見つけ、共通 認識を持つことで、各自がその役割を果たす動きをできるようになっ ていきます。 それならできそうっす！ これはお任せしてもいい？
25. 継続していく
26. 継続していく 一度決めたらゴールではない。 状況も人の気持ちも日々変化していく。 何か違うかも？が出てきたら再び対話をし、今の状況 にあったものに変化させることが無理なく継続してい くためには大切。
27. 継続していく 最初は100%すり合わなかったとしても、対話を繰り 返すことで同じ方向を向いていくことができる。
28. 最後に さまざまな手法・ツールを活用し 有意義な対話をしていきましょう！
29. ご清聴ありがとうございました！