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にほんごのふしぎ①「たい」

tama
February 21, 2024
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 にほんごのふしぎ①「たい」

tama

February 21, 2024
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  1. 丸⼭諒男さん Ø⼤東⽂化⼤学紀要(1963年)に寄稿 ü『形容詞の語尾「なし」・「たし」について』 ühttps://cir.nii.ac.jp/crid/1520853833947198720 ü国⽴国会図書館デジタルコレクションで原典閲覧可能 ühttps://dl.ndl.go.jp/pid/1790776/1/8 • 形容詞語尾の「たし」はすべて「いたし」に基づくものである • ⼤⾔海「痛し、甚しノ意ニテ接尾語ノ如ク⽤フル語」

    • ⼤⽇本国語辞典「接尾語の如く他の語につき、その事の甚だしき意を表 し、⼜其の意を強むる語」 • 「たし」が「甚し」の意なら上にある語根との関係は? • 主格と述格との関係で「何々が甚だしい」を考えるが、 「何々の」「何々的」と解したほうが原意に近い場合もあるのではないか • 「なし」は格助詞「な」から派⽣したもの、「たし」は格助詞「つ」の派⽣? • 「なり」と「たり」の関係にも通じるのではないか? • 「うれたし」←「うら(⼼)いたし」うらめしい、いまいましいなどの意 • 「うしろめたし」←「うしろべ(後⽅)いたし」「後ろ⽬いたし」不安の意 • 「こちたし」←「こといたし」うるさい、事々しいなどの意
  2. ⽯⿊利江⼦さん Ø名古屋⼤学⼤学院 国際⾔語⽂化研究科在籍時に 第 15 回⽇本語教育学講座定例研究会(2007 年)で 『接尾辞「たい」の意味分析』を発表 ü https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/nichigen/0-kyouiku/seminar/pdf/015-2.pdf

    • 「たい」は「その事のはなはだしい意を表す」(広辞苑) • しかし「重たい」は必ずしも「重い」より程度が甚だしいとは考えづらい • 対象が⽬に⾒えるものの場合 • 重いと考える主体の感情の有無で「重い」「重たい」の不⾃然さが変わる • 話し⼿以外の感情に「重たい」は不⾃然、⼈称は話し⼿に制限される • 対象が⽬に⾒えないものの場合 • こちらも「重たい」は⼈称制限があり客観的事実を述べられない • ⇒ 接尾辞「たい」は①⼈称制限があり②客観的事実が述べられない、 話し⼿のみの主観にもとづく • 「眠い」は事実であり制御困難、「眠たい」は願望でありコントロール可能 • 「眠い」は相⼿の許可を待たずに寝るという⾏動をとることができる、 「眠たい」は眠気はあるがまだコントロール可能であること、もしくは 「眠い」ことを察してほしいという気持ちの表れ、婉曲表現?
  3. kuroracco さん Ø教えて!gooの質問に対する回答としてAmebaブロ グに記事を掲載 ühttps://oshiete.goo.ne.jp/qa/12809967.html ühttps://ameblo.jp/kuroracco/entry-12727410192.html ühttps://ameblo.jp/kuroracco/entry-12727588254.html • NHK放送⽂化研究所の〈「〜たい」〉は〈うっとうしいような「マイナスイ メージ」を表すようなことば〉に反論

    • 「めでたい」がある • 「平べったい」もニュートラルでは • 「眠い」⇔「眠たい」、「重い」⇔「重たい」、「煙い」⇔「煙たい」 • 変形したもので「薄い」⇔「薄べったい」、「厚い」⇔「厚ぼったい」 • 必ずしも「たい」が好ましくないものではない • 「実感がこもっている」もあやしい • 本題を『形容詞に正体不明の「た」を挿⼊した形』としている
  4. ka0********さん ØYahoo!知恵袋で「眠たい」「重たい」について回答 ühttps://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211424217 ühttps://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1217206827 ühttps://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1118389516 • 「たい」は「いたし(痛い・甚)」の略と考えられている • もともとは程度がはなはだしいことを表していた •

    「はなはだしい」の意味が薄れ単にその状態にあることを表す場合もある • 「煙たい」「冷たい」「重たい」「眠たい」など • 「けむり」に「いたし」が付いて「けむたし」→「けむたい」になった⼀⽅で 「けむり」から「けむい」ができた • よって「煙い」と「煙たい」は成り⽴ちが異なる • 「重い」と「重たい」 • 「重い」は物事の重さを客観的・主観的に表すことができる • 原義の「重量のおもさ」以外に広く⽐喩的にも使われる「重い病」等 • 「重たい」は専ら主観的な感覚を表す • 「眠い」と「眠たい」 • どちらも主観的だが「眠たい」の⽅がより主観性が強い