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LibreOffice with TexMaths

Tsuyoshi Arai
February 28, 2020
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LibreOffice with TexMaths

LibreOffice でプレゼンテーションや作図をしているときに、ちょっとした数式を latex で入れたい、という場合によく使われている TexMaths についての説明をまとめたものです。ちょっとしていない数式やらなにやらを入れたい場合の説明は需要が出来たら考える。
要点だけまとめた記事がこちらになります。ちょっとしてない数式やらなにやらを入れる方法も付録に掲載。
https://qiita.com/taraijpn/items/28e11f29e4d0eb2626e9

Tsuyoshi Arai

February 28, 2020
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Transcript

  1. 2 むすびのないはじめに   LibreOffice のプレゼン資料などに数式を貼り付けたい場合,別途インストー ルした LaTeX 処理系を用いて数式画像を作成し,貼り付けることが出来る TexMaths 拡張機能がよく用いられる。

      TexMaths の設定で latex コマンドを設定しただけでは,普段から組版に 使っている命令を利用できないかもしれない。大抵は TexMaths が読む雛型に対 し,よく使うパッケージ (usepackage) を設定出来ていないことが原因である。  そこでこの資料では,細かな設定方法を含め,今一度 TexMaths の使い方を確 認する。   LaTeX 処理系の導入は済んでおり,コマンドラインで latex (もしくは xelatex ) , dvipng, dvisvgm が適切に動作することを前提とする。
  2. 3 TexMaths のインストール • 拡張機能マネージャーの【他の機 能をオンラインで取得】を用い, 誘導された Web ページで texmaths

    を検索してダウン ロードし,インストールすればよ い。 • 左上にこんなアイコンが追加され ているはず。 (Impress の場合 ) • スパナとドライバのアイコンを押 して設定画面を開く。 公式に動作確認されている LibreOffice のバージョンは 6.2 止まり。 アップグレードした 6.3 や 6.4 に導入すると,凡例が表示されなくなるなど, 若干不具合が出ることがある。その場合は LibreOfiice のユーザ環境を一旦 リセットし , 拡張機能を再インストールしてみよう。
  3. 4 関連コマンドを full path で指定する • 利用する組版コマンドを full path で指定する。

    • OS は何か, texlive や w32tex などをどこにインストー ルしたか,などによって,書き方 が微妙に異なるので,自分に合っ た書き方をして Save する。 • 日本語の文字列を含む数式などを 正しく組版するのは容易ではない ようだ。
  4. 5 組版命令や設定を指定する • Options を押して,組版する命令を LaTeX にするか XeLaTeX にするか 指定する。

    XeLaTeX で作成出来るの は SVG 画像のみなので注意すること。 • 好みに応じて数式エディタのフォント とサイズを指定する。 16pt くらいにし ておくと楽だろう。 • Writer などでは数式に式番号を振る機 能を併用でき,ここでその挙動を設定 することが出来る。 • その他,詳しくは Help を参照してほし い。
  5. 6 • 数式画像を貼りたい箇所をクリックし,他になにもオブ ジェクトが指定されていないことを確認してから, πア イコン を押す。 • 数式の LaTeXコードを大きいエリアの空欄に入力して右

    下の LaTeXボタンを押すと,画像が生成されて貼りこま れる。 • LaTeXコードは, Display, Inlineタイプを選んでいる ときには 数式モード であるものと解釈される。 • 数式を再編集したければ,数式画像を一度クリックして 選択してから, πアイコン を押すと, LaTeXコードを 修正できる。 • 本格的に使い始める前に,次ページや確認(2)も参照 していただきたい。 確認 (1/3) ちゃんと使えるか?
  6. 7 • 数式画像をダブルクリックしないこと。組み込まれた数式組版命令が消える場合がある。再編 集(組版)できなくなるので地味につらい。(テキストファイルにメモしておくと良い?) • 貼りこまれた画像の拡大縮小は可能だが, SVG 画像の場合,縦横比が簡単に崩れるので気を付 けること。グループ化されたオブジェクトであるため,縦横比の固定が働かない場合があるよ うだ。

    Shift キーを押しながら扱うとよい。 • 画面に表示した数式が若干太い場合,おそらく OpenGL レンダリングを解除していない (Windows) ものと思われる。ツール→オプション→ LibreOffice- 表示の設定を確認する。 • PNG 画像として貼ると縦横比を固定出来て若干楽だが,ファイルサイズが大きくなるとか,背 景透過にしないと数式画像を前面に持ってきたとき重なった部分が白抜きになるとか,拡大し た際にぼやける,など,相応のデメリットもある。また XeLaTeX では作成出来ない。 貼りこまれた画像を扱う際の注意事項
  7. 8 確認 (2/3) 数式組版の設定をしたか? • Preferences は,数式のサイズや組版タイプ,画像の設定を行う。 Save で保存する。 –

    基本的には Display タイプにしておくとよいだろう。 – Display タイプは $\displaystyle ~ $ で括られたディスプレイスタイル, Inline タイプ は $ ~ $ で括られたテキストスタイルの見栄えになる。いずれも単一行の数式を組版すると きに用いる。これらのタイプにしているときの LaTeX コードは数式モードとして扱われる。 – LaTeX タイプの LaTeX コードは通常モードで扱われる。例えば align 環境を組み合わせた複 数行の数式や,表などを組版することが出来る。 – Transparency は PNG 画像の背景を透過にする。 – SVG 画像の場合は文字だけがベクタ画像として生成される。 – その他詳細な説明は Help か http://roland65.free.fr/texmaths/docs.html を参照のこと。 • Preamble を押すと,数式組版に使いたいパッケージなどを設定する画面に移動する。 (次頁)
  8. 9 確認 (3/3) プリアンブルの設定は十分か? • Preamble には標準で amsmath, amssymb, color

    パッケージが設定されて おり, xelatex か否かの分岐を行うために ifxetex パッケージと設定が書き込まれて いる。 • 必要なパッケージを usepackage で追加 して Save する。例えば \bm{v} を使う なら \usepackage{bm} を足す。 • amsmath があるので \boldsymbol{ } を 使えば \bm{ } や \usepackage{bm} は 不要かもしれない。 \boldsymbol{ } の有 無の差はこんな具合である。 このあたりに入れるとよいだろう。 \ifxetex 以降は itxetex パッケージ で実現される条件分岐なので, よく分からなければ触らないこと。
  9. 10 数式組版の例 %\definecolor{fgcolor}{RGB}{255,255,255} %\color{fgcolor} %\definecolor{bgcolor}{RGB}{0,128,0} %\pagecolor{bgcolor} \begin{tabular}{|c|c|}\hline test-A & $f(x)=\sin(\pi

    x)/(\pi x)$ \\ \hline test-B & $g(x)=\exp(-\frac{x^2}{2})$ \\ \hline \end{tabular} \begin{align*} a_n &= \frac{1}{T_0}\int_{-T_0/2}^{T_0/2} f(t)\cos(n\omega_0 t) dt \\ b_n &= \frac{1}{T_0}\int_{-T_0/2}^{T_0/2} f(t)\sin(n\omega_0 t) dt \end{align*} • Display / Inline タイプ • LaTeX タイプ b=\frac{1}{T} \int_{-T/2}^{T/2} f(t) \sin\left(\frac{2\pi}{T} t \right) dt
  10. 11 数式の一括再生成 • π に歯車がついているアイコンをクリック すると,数式の一括再生成を行うためのメ ニューが表示される。 • Preamble を押すと,一括再生成を行う際

    の設定を調整する画面に移動する。単独数 式組版のときの画面と同じである。保存し てある Preamble も利用可能。 • Run を押すと, Selection で選んだオプ ションに合わせて数式を組版しなおす。例 えば,既に複数のスライドで数式を組版し 拡大縮小などしてレイアウトを終えた状態 で,すべての数式を組版し直すと,作業の やり直しが酷いことになるので気をつける こと。