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こがヘンだよ!Snowflake?サービス名称へのこだわり
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タロウ
November 28, 2025
Technology
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こがヘンだよ!Snowflake?サービス名称へのこだわり
【SnowVillage&みん強コラボ企画】 ここがヘンだよ!? Snowflake ? みんなが考えた最強のデータ基盤には、なんでSnowflakeが多いのか?
LT3
タロウ
November 28, 2025
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Transcript
ここがヘンだよ!? Snowflake サービス名称へのこだわり 【SnowVillage&みん強コラボ企画】 ここがヘンだよ!? Snowflake 〜 みんなが考えた最強のデータ基盤には、なんでSnowflakeが多いのか?
松井太郎と申します Vポイントの会社でシステム責任者やってます Snowflakeは2020年から使ってます Snowflake DataSuperheroes 2025 SnowVillageラーメン部部長(自称) 長い記事書く人
Snowflakeを使っていて、他社の営業さんから、よく言われること
Snowflakeを使っていて、他社の営業さんから、よく言われること Snowflakeさんは マーケティングとコミュニティが強くて ズルいですよね
つまり、Snowflakeは、 製品はそこそこのくせに「イメージ」で勝ってる と他社から思われているヘンなプラットフォームなんです
そんな、Snowflakeの「イメージ」重視な戦略は機能名称にも
Time Travel(タイムトラベル=時間旅行) ・当時、画期的なデータの時点復旧機能(直訳:Point Recovery) ・Time Travelと言えば、いつでも、任意の時点のデータを復旧できる機能として定着 ・Snowflakeの固有名称を、のちに他のDWHも採用 プラットフォーム 機能名 命名の特徴
Snowflake Time Travel SF映画的メタファー、直感的 (2014年~) Databricks Time Travel Snowflakeと同じ名称 (2019年~Delta Lake初期機能) BigQuery Time Travel Snowflakeと同じ名称 (2020年~) Redshift なし(代替:Snapshots/Restore) -
Data Sharing(データシェアリング=データを共有する) ・当時、画期的なDB間のコピーレスのデータ共有機能(直訳:Zero Copy) ・Data Sharingと言えば、データコピーせずにオブジェクト共有する機能として定着 ・Snowflakeの固有名称を、のちに他のDWHも採用したり、類似名称で提供 プラットフォーム 機能名 命名の特徴
Snowflake Data Sharing ビジネス価値を直接表現 (2017年~) Databricks Delta Sharing Snowflakeと類似の名称 (2021年~) BigQuery Analytics Hub / Authorized Views 技術的・機能的説明 (2022年~) Redshift Data Sharing Snowflakeと同じ名称 (2020年~)
Snowflakeは、先進的な機能に対して、 「イメージしてもらいやすい名前」を付けることに拘っている、 とてもヘンなプラットフォームなんです
そんなSnowflakeの最近の機能も見てみましょう
Snowflake Intelligence ・AI開発プラットフォーム プラットフォーム 機能名 命名戦略 何を表現しているか Snowflake Snowflake Intelligence
抽象的なイメージ 「知能」「インテリジェンス」 =なんか頭良さそうに聞こえる Databricks Databricks ONE シンプルさ・統合 「ワン」 =「統一」「唯一」「シンプル」 Redshift Amazon Q in Redshift 機能説明的 Q =「質問に答える」 BigQuery Gemini in BigQuery ブランディング Gemini=GoogleのLLMブランド NASAのジェミニ計画由来(諸説)
Snowflake Optima ・自律型パフォーマンス最適化サービス プラットフォーム 機能名 命名戦略 何を表現しているか Snowflake Snowflake Optima
抽象的なイメージ 「最適」という意味のラテン語 =なんか最適してくれそう Databricks Predictive Optimization 技術説明型 予測的な最適化 自動統計管理+レイアウト最適化 Redshift Automated Materialized Views Automatic Table Optimization 機能説明型 自動化されたMV 自動テーブル最適化 BigQuery History-Based Optimizations Short Query Optimizations 技術・機能説明型 履歴ベースの最適化 短時間クエリ最適化
プラットフォーム 機能名 命名戦略 何を表現しているか Snowflake Snowflake Postgres 愛称を採用 正式名称ではなく、愛称を採用 プロダクト愛+後発差別化
Databricks Databricks Lakebase 新しい概念 LakeHouse系ブランディング 「Postgresを組み込む」戦略 AWS Amazon RDS for PostgreSQL / Aurora PostgreSQL 機能説明型 Amazon RDS の PostgreSQL版 Aurora 互換 PostgreSQL Google Cloud SQL for PostgreSQL 機能説明型 Cloud SQL の PostgreSQL版 Azure Azure Database for PostgreSQL 機能説明型 Azureのデータベースの PostgreSQL版 Snowflake Postgres ・マネージドPostgreSQL PostgreSQL(ポストグレス キューエル) 正式名称 SQLのサポートを明示する意味が込められている Postgres(ポストグレス) 開発者コミュニティやカジュアルな会話で最も好まれる呼び方 2007年の検討で、正式名称「PostgreSQL」と愛称「Postgres」の両方を維持に決定 ポスグレ 日本国内で広く使われている略称で、主に口頭やチャットなどで使用
マーケティングが上手いというより、 僕らが思っている以上に、「言葉やイメージ」に拘っている、 とってもヘンなプラットフォームなんです
ところで、Snowflake勢の皆さん!! 大事な機能を忘れていませんか??
Snowflake Horizon
カテゴリー 主要機能 コンプライアンス タギング、分類、データ品質、データ系譜、監査 セキュリティ トラストセンター、RBAC権限管理、暗号化、タグベースドマスキング プライバシー 集計ポリシー、投影ポリシー、差分プライバシー、データクリーンルーム ディスカバリー ユニバーサルサーチ、データカタログ、メタデータ管理
コラボレーション データシェアリング、クロスクラウドコラボレーション、マーケットプレイス 公式ドキュメントより Snowflake Horizonは、 コンプライアンス、セキュリティ、プライバシー、相互運用性、データガバナンスの機能を統合したスイートです。 組織がコンプライアンス要件を満たしながら、データを管理し、最大の価値を引き出すことを支援します。 Snowflake Horizon is Nani?≒
Snowflake Horizon ≒ Databricks Unity Catalog
Snowflake Horizon ≒ Databricks Unity Catalog って考えると超重要な機能だね!!
でも、Snowflake Horizonの記事って あんまり見たことないような・・ Databricks Unity Catalogの記事数をカウントしてみよう!
Databricks Unity Catalog 831件 Snowflake Horizon 18件 Snowflake Horizon 全然浸透してないやん!
2025年10月31日調べ(Qiita/Zenn) 40倍
イメージに拘る、とってもヘンなプラットフォームのはずが こんなに浸透していない・・ なにか理由があるのだろうか?
疑問を抱えつつ、他のプラットフォームと比較してみましょう
他プラットフォームの統合管理機能 プラットフォーム 製品名 製品タイプ 命名の特徴 提供開始 AWS Lake Formation データレイク管理
※AWS全体 機能説明型(レイク・編成) 2019 Google Cloud Dataplex データ管理PF ※GCP全体 技術的複合語(データ・複合) 2021 Databricks Unity Catalog 統合管理 (カタログ+ガバナンス) 機能説明型(統合・カタログ) 2021 Microsoft Purview 統合管理 概念的英単語(視野) 2021 Snowflake Horizon 統合管理 意味不明(地平線) 2023
各社の統合管理機能が一斉に出たのは、2021年頃 SnowflakeがHorizonを発表したのは、2023年末 競合サービスから2年も遅れてリリースした上に浸透もしていない イメージ重視のSnowflakeにしては、とってもヘンじゃない?
という訳で、ここからは「諸説あります」的な話をします
2021年、ある日のSnowflake社内
偉い人: 大変だ!色んな会社が統合管理機能をリリースしてきたぞ!! 開発中の統合管理機能の対応方針を検討しよう! Snowflake本社 プロダクト会議
担当A: ボス!我々も今の機能であれば、いつでもリリースできます! Snowflake本社 プロダクト会議
担当A: 機能名称の候補も用意しました! Snowflake Unity Catalog Snowflake Dataplex Snowflake Pur.. Snowflake本社
プロダクト会議
担当B: 俺たちは、名前に拘ってるんじゃないのか!! そんな競合の後追い丸出しの名前でいいのか? Snowflake本社 プロダクト会議
担当A: そんなに言うなら、お前もなんかアイデア出せよ! Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: ・・ Snowflake Horizon って名付けたい Snowflake本社 プロダクト会議
担当A: は?なんや、その訳わからん名前?! Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: ちゃんと説明するから聞いてくれ! これだけの機能群を表せる的確な言葉って、探すのは正直なところ難しいと思う Snowflake本社 プロダクト会議 カテゴリー 主要機能 コンプライアンス タギング、分類、データ品質、データ系譜、監査 セキュリティ
トラストセンター、RBAC権限管理、暗号化、タグベースドマスキング プライバシー 集計ポリシー、投影ポリシー、差分プライバシー、データクリーンルーム ディスカバリー ユニバーサルサーチ、データカタログ、メタデータ管理 コラボレーション データシェアリング、クロスクラウドコラボレーション、マーケットプレイス
担当B: さらに俺たちはAIやアプリケーションも開発できるプロジェクトを進めてる 今は的確な言葉であっても、いずれミスマッチになる可能性すらある カテゴリー 主要機能 コンプライアンス タギング、分類、データ品質、データ系譜、監査 セキュリティ トラストセンター、RBAC権限管理、暗号化、タグベースドマスキング プライバシー
集計ポリシー、投影ポリシー、差分プライバシー、データクリーンルーム ディスカバリー ユニバーサルサーチ、データカタログ、メタデータ管理 コラボレーション データシェアリング、クロスクラウドコラボレーション、マーケットプレイス AI/ML Cortex AI、MLOps、セマンティックモデル、LLM-o11y アプリケーション Streamlit、NativeAppsFramework、Notebook、オーケストレーション Snowflake本社 プロダクト会議
担当A: それは・・確かに・・ Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: 俺たちは、ユーザーの実現したいことを支援するためにそれぞれの機能を作ってる その機能によって、ユーザーはもっと高い目標を実現できるようになって欲しい Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: でも、機能を提供しただけでは管理業務が複雑になり、運用しにくくなってしまう それは結果的にユーザーの負担になって、高みではなく、地上に縛り続けてしまう Snowflake本社 プロダクト会議
担当A: 機能が増えるとそれだけ運用は複雑になる 新しい機能を作れば作るほど、俺たちが目指している、 Simplicity(シンプルさ)=複雑性からの解放 に逆行して、 むしろ足かせになってしまうってことか Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: そう、ただ開発するだけでは運用の複雑さや見通しの悪さを生むだけになる 運用に不安や負担を感じたユーザーは高みを目指すのを辞めてしまうかもしれない Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: ユーザーの高い要求に応えるためにSnowflakeの領域はどんどん広がっていく ユーザーがより高みを目指す時、そこから見えるSnowflakeの大地は広がる そのユーザーに提供する機能の最大境界線が、ある意味「地平線」だと言える Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: その境界である地平線の多くは、革新的な新機能になるはず それらが、実際の地平線のように遠い存在で不確かなものであってはいけない その全てを見通せて、手元にあるかのように確かに運用できる必要があります Snowflake本社 プロダクト会議
偉い人: ユーザーニーズが「高くなる」ほどに、Snowflakeの機能は増え続ける それはSnowflakeが「広がっている」と言える その広がっている大地の端である「地平線」までもしっかり見渡せるように Snowflake全ての機能を「安心して運用できる」ための統合管理基盤か Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: そうです Snowflake Horizon これは俺たち自身の誓いの言葉です 我々を信じて、チャレンジしようとするユーザーを裏切らない信頼の言葉です Snowflake本社 プロダクト会議
担当B: この機能が注目されるとき、 それは、きっとそのユーザーから見える地平線が霞んで、不安を感じている時です ユーザーに意識されることなく、当たり前にそこにある存在になろう! そんな思いを込めています Snowflake本社 プロダクト会議
偉い人: そこまでの熱意を込めた名前であれば、これはもう決まりだな Snowflake Horizon で進めよう Snowflake本社 プロダクト会議
偉い人: そして、戦うべきは競合じゃなく、社内の各プロジェクトだな笑 それら全てを安心して簡単に運用できる、当たり前にある機能を準備しよう! もしかすると、この機能は書かれる記事の少なさが評価になるかもしれんな笑 Snowflake本社 プロダクト会議
担当A・B: はい、ユーザーに必要な機能のイメージをさらに想像して開発していきます! Snowflake本社 プロダクト会議
・・・
そして2年後
Snowflake Horizon 2023年10月31日発表
Snowflake Horizon 2023年10月31日発表 同年 Snowflake Summit(6月)/ SnowDay(11月)発表機能 ・Cortex AIシリーズ(AI機能) ・Snowpark
Contena Service(コンテナサービス) ・Streamlit in Snowflake(オープンソースWebアプリフレームワーク) ・Native Apps Framework(Snowflake アプリケーション開発) ・SOS/QAS(パフォーマンスチューニング機能) ・Iceberg Table対応(オープンフォーマット対応) ..etc
・・・
そんな話があったかどうかは、全く分かりません
でも もし、Snowflakeがこんなことを考えて この名前を付けていたとしたら
Snowflakeは、僕らが思っている以上に 「僕らの未来をイメージ」してくれていて、 その実現にめちゃくちゃ拘っている、 とってもヘンなプラットフォームではないでしょうか?
そんな、拘り屋のヘンなプラットフォームのせいで いつの間にか 僕らは「どんな目標も実現できる!」と 彼らの「イメージ通り」になっているのかもしれません
そして「皆さんのプラットフォーム」も、 こんなことをたくさん考えてくれているかもしれません!
もっともっと自分たちのプラットフォームを信じてみましょう
この話、信じるか、信じないかは、あなた次第です
Fin