CI_CD「健康診断」のススメ。現場でのボトルネック特定から、健康診断を通じた組織的な改善手法

iOSDC Japan 2025にてチームラボのスマホアプリエンジニアが登壇用に作成したスライドです。

iOSDC Japan 2025とは
2025/9/19〜9/21に開催される、iOSDC Japan はiOS関連技術をコアのテーマとした技術者のためのカンファレンスです。

Transcript

1. CI/CD「健康診断」のススメ。 現場でのボトルネック特定から、 健康診断を通じた組織的な改善手法 鵜沼慶伍 チームラボ株式会社 スマートフォンチーム 1
2. 2 プロフィール 出身：沖縄県 名護市 大学：琉球大学 工学部工学科 知能情報コース (元高専生) 趣味：スマブラ、服屋巡り 鵜沼 慶伍 スマートフォンチーム 2年目（2024年度 4月 新卒入社）
3. 3 会社紹介
4. 4 会社紹介 社員数 61人 累計ダウンロード数 1.6億DL 平均ストア評価 4.4点
5. 5 本題
6. 6 CI/CD 導入していますか？
7. 7 CI/CD 導入していますか？ • 自動テストによる品質の担保 • 自動デプロイによる開発の効率化 CI/CDの導入によって得られるもの
8. 8 一度設定すると追加の作業は不要と思っていませんか？ CI/CDを信頼しすぎてはいないでしょうか？
9. 9 CI/CD 導入していますか？ 参画したプロジェクトでもすでに導入済み 少し気になることが、、、 • 実行時間が遅い • 自動テストが失敗することがある ただ、CIは成功しているからOK！ プロジェクトの現状
10. 10 CI/CD 導入していますか？ • 実行時間が遅い ◦ 配布作業に待ちが発生する • 自動テストが失敗することがある ◦ その度に確認、再実行と効率が悪い プロジェクトの現状
11. 11 CI/CDでみるべきポイント
12. 12 CI/CDでみるべきポイント ワークフローの実行時間 ワークフローの実行回数 / スループット 平均修復時間(Mean Time To Recovery) 成功率 ※ワークフロー：CD/CDで自動化されたプロセスの流れ
13. 13 CI/CDでみるべきポイント ワークフローが完了するまでにかかる時間 テストの実行時間が長い →フィードバックを受けるまでに時間がかかり作業が中断 デプロイの時間が長い →他のタスクの待ちが発生 ワークフローの実行時間
14. 14 CI/CDでみるべきポイント スループット：1日あたりに実行されるワークフローの数 ワークフローの実行回数が少ない →開発が効率化できていない →手作業になっている箇所がある ワークフローの実行回数 / スループット
15. 15 CI/CDでみるべきポイント ワークフローが失敗したときに次のワークフローが 正常に実行されるまでにかかった時間 MTTRが長い → 失敗を確認できていない → 失敗を放置している → 復旧するのに時間のかかる問題がある 平均修復時間(Mean Time To Recovery)
16. 16 CI/CDでみるべきポイント ワークフローが失敗せずに完了する割合 成功率が悪い →不安定なテストを含んでいる →配布ができず次の工程に影響を与える 成功率
17. 17 確認するには？
18. 18 CI/CDでみるべきポイント Insights
19. 19 CI/CDでみるべきポイント Insights
20. 20 CI/CDでみるべきポイント Insights
21. 21 CI/CDでみるべきポイント Insights
22. 22 CI/CDでみるべきポイント Insights
23. 23 CI/CDでみるべきポイント Test Insights
24. 24 CI/CDでみるべきポイント Test Insights
25. 25 CI/CDでみるべきポイント Test Insights
26. 26 何と比較したらいい？
27. 27 プロジェクトの規模や複雑さによって異なる
28. 28 CI/CDでみるべきポイント 出典: The 2025 State of Software Delivery (CircleCI)
29. 29 CI/CDでみるべきポイント 出典: The 2025 State of Software Delivery (CircleCI), p.10
30. 30 CI/CDでみるべきポイント 実行時間 10分以内 スループット 1回以上 平均修復時間 60分以内 成功率 90%以上 ベンチマーク
31. 31 プロジェクトの状態を確認
32. 32 CI/CDでみるべきポイント
33. 33 CI/CDの改善
34. 34 CI/CDの改善 ワークフローの見直し • ワークフロー内で重複していた処理を削除 • 仮想マシンのリソースを最新にアップデート • ビルドツールや関連パッケージのアップデート • キャッシュの見直し テストコードのパフォーマンス改善 • 不安定なテスト、時間のかかっているテストを洗い出して改善
35. 35 CI/CDの改善 成果 改善前 改善後
36. 36 まとめ CI/CDには評価するための4つの指標がある サービスの機能や基準を有効活用して個人の感覚だけでなく 定量的に改善することができた CI/CDの改善を通して
37. 37 まとめ • 実行時間が遅い • 自動テストが失敗することがある 見てみぬふりをしていたり、そもそも気づいていなかった CI/CDが不健康な状態 CI/CDの改善を通して
38. 38 自分のプロジェクトでの改善は終わり
39. 39 組織全体で改善するには
41. 41 プロジェクトごとに意識する必要がある
42. 42 組織全体で改善するには プロジェクト内だけで確認していると効率が悪い • ノウハウが共有されない • 属人化する 組織で横断的に取り組 む必要がある プロジェクトそれぞれで確認？
43. 43 3つの施策を紹介
44. 44 組織全体で改善するには メトリクスチェック コストチェック プロジェクト診断
45. 45 組織全体で改善するには 月に1度CIの情報から成功率の低いプロジェクトを警戒状態として通知 全体成功率が70%をきっているプロジェクトに対して以下を通知 • プロジェクト全体成功率、総実行回数 • 各ワークフローごとの成功率、実行回数 プロジェクト外の人が批評を行い、プロジェクトに気づきを与える メトリクスチェック
46. 46 組織全体で改善するには 月に1度メトリクスと月あたりの利用量から 利用料金の妥当性 を評価する 利用料金の意図しない急増がないかを確認して コスト面で異常がないかを確認する コストチェック
47. 47 組織全体で改善するには 半期ごとにプロジェクト単位で開発しやすい状況かチェック チェックリストを担当者が埋め、プロジェクト外の人が確認する • READMEなどのファイルが整備されているか • 開発環境や言語、ライブラリが適切にアップデートされているか • CI/CDが整備されているか • テストが導入されているか プロジェクト診断
48. 48 組織全体で改善するには メトリクスチェック コストチェック プロジェクト診断 互いに批評することで、プロジェクトの問題に気づくことができる 限られたリソースを適切に運用できる プロジェクトメンバーが品質向上で意識するべき観点を把握し、 組織全体でプロダクトの品質の基準を高めることができる
49. 49 CI/CDを不健康にしないために定期的に確認する
50. 50 まさに健康診断
51. 51 まとめ
52. 52 まとめ ワークフローの実行時間 ワークフローの実行回数 / スループット 平均修復時間(Mean Time To Recovery) 成功率
53. 53 まとめ • CI/CDで感じる違和感を見てみぬふりをしている • CI/CDの状態が悪いことに気づいていない CI/CDが不健康な状態 不健康なCI/CD
54. 54 まとめ プロジェクト数の多い組織では横断的な取り組み が必要 組織全体での改善
55. 55 まとめ メトリクスチェック コストチェック プロジェクト診断 互いに批評することで、プロジェクトの問題に気づくことができる 限られたリソースを適切に運用できる プロジェクトメンバーが品質向上で意識するべき観点を把握し、 組織全体でプロダクトの品質の基準を高めることができる
56. 56 CI/CDに対して一人ひとりが意識することが大切
57. 57 ぜひ皆さんも健康診断を始めてみましょう！
58. 58 Flutter, iOS, Android エンジニア募集中！ 新卒採用・インターンシップも通年で 募集しています！ 採用情報
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