Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

転職せずに北海道に移住しました - tenntenn Conference 2022

転職せずに北海道に移住しました - tenntenn Conference 2022

この資料はtenntenn Conference 2022にて発表を行った際に用いた資料です。

■ tenntenn Conferenceとは
tenntenn Conferenceはtenntennが主催し、そしてすべてのセッションがtenntennによる登壇のカンファレンスです。

イベントページ:https://tenntenn.connpass.com/event/226562/
ハッシュタグ:#tennconn
資料(Google スライド):https://tenn.in/gotohokkaido
動画:https://tenn.in/gotohokkaido-video
再生リスト:https://tenn.in/conn22-videolist

■ 内容
このセッションではコロナ禍でソフトウェアエンジニアが東京から北海道に移住した際に考えたこと、大変だったこと、良かったことを紹介しています。地方移住を考えている方に参考になるセッションです。

・地方移住
・北海道
・ソフトウェアエンジニア
・リモートワーク

■ 登壇者&主催者

・名前:tenntenn / 上田拓也
・HP:https://tenntenn.dev
・Twitter:https://twitter.com/tenntenn

メルカリ/メルペイ所属。バックエンドエンジニアとして日々Goを書いている。Google Developer Expert (Go)。一般社団法人Gophers Japan代表。Go Conference主催者。大学時代にGoに出会い、それ以来のめり込む。人類をGopherにしたいと考え、Goの普及に取り組んでいる。複数社でGoに関する技術アドバイザーをしている。大学においてGoに関する集中講義も担当している。マスコットのGopherの絵を描くのも好き。

■ Gopher道場 自習室

https://gopherdojo.org/studyroom/

Gopher道場とは、実践的なGoを体系的に学べる場です。
Gopher道場 自習室では、以下のようなコンテンツや学びの場を提供します。

・Gopher道場の講義を録画した動画(10時間以上分)
・Slackにおける受講者同士のコミュニティ
・Gopher道場卒業生による課題のレビュー(ボランティアでご協力頂いているのでベストエフォートです)

■ Meety(カジュアル面談)

・ソフトウェアエンジニアの地方移住ってどうなの?:https://meety.net/matches/jyZgDkEEwmMk
・メルカリグループにおけるGoの使いどころ:https://meety.net/matches/LbeVbIACxLqk
・地方からの技術コミュニティへの貢献:https://meety.net/matches/gVeMtImLkWJE

■ お仕事の依頼について

副業にて技術顧問やアドバイザーなどを行っています。過去の実績や問い合わせフォームは以下のURLからご確認ください。
https://tenntenn.dev/ja/job/

tenntenn - Takuya Ueda

January 15, 2022
Tweet

More Decks by tenntenn - Takuya Ueda

Other Decks in Technology

Transcript

  1. The Go gopher was designed by Renée French. The gopher

    stickers was made by Takuya Ueda. Licensed under the Creative Commons 3.0 Attributions license. 転職せずに北海道に 移住しました 2022/01/15(土) tenntenn Conference 2022 資料:https://tenn.in/gotohokkaido 動画:https://tenn.in/gotohokkaido-video
  2. 上田拓也 Go ビギナーズ
 Go Conference
 @tenntenn tenntenn.dev Google Developer Expert

    (Go) 一般社団法人 Gophers Japan 代表理事 Experts Team
  3. お願いと注意事項 ▪ 家族のプライベートに配慮しています • 家族構成などはあえて伏せています • 家族構成を想像するのはOKですが、SNS等で推測を投稿しないようお願 いします ▪ 金額についてもリアルな値を出しています

    • 参考になればと思い掲載しています • 引っ越し費用や住居費なども出しています • 収入を想像するのはOKですが、SNS等で推測を投稿しないようお願いしま す ▪ パニック障害について話します • 苦手な方やトラウマなどがある方は聞かない方がいいかもです
  4. 東京から北海道に移住しました ▪ 東京都江東区から北海道苫小牧市に移住 ▪ 2020年7月ごろに仮移動 ▪ 2020年12月ごろに移住完了 ▪ これまでの移住歴 •

    [18年] 宮崎県宮崎市(地元) • [09年] 愛知県豊橋市(大学) • [02年] 神奈川県横浜市(就職) • [05年] 東京都(都会に慣れた) 参考:メルカリに入社して5年が経って北海道に移住しました
  5. なぜ移住をしたのか? ▪ コロナ禍 • 家から出れない生活 ▪ リモートワークと部屋の狭さ • 隣がリビングの仕事部屋 ▪

    都会に住む理由が減った • リモートワークで通勤がなくなった ▪ 大きめのライフイベント
  6. 家から出れない ▪ 外出自粛 • 緊急事態宣言 • スーパーにすら行けない(行きたくない) • コンビニに出るのがやっと •

    散歩はベランダ ◦ 3歩で終わる散歩 ▪ 大好きな旅行に行けない • 2019年は...沖縄、福岡、金沢、名古屋、静岡、兵庫 • 車もないのでドライブもいけない
  7. 家庭を侵食するリモートワーク ▪ プライベートスペースが仕事場に変わっていく • 仕事をする前提になっていない ◦ tenntennの場合は部屋があっただけマシ • 家族に配慮してもらう必要がある ◦

    お子さんがいる家庭の場合は大変 ◦ MTG中はテレビすらつけられない • 家にいるのに家事をしない(できない) ▪ 試したこと • Googleカレンダーで事前にざっくりとした予定を共有 • 緊急事態はNature Remo経由で仕事部屋の電気を消す
  8. 私が都会に住んでいた理由 ▪ 仕事と機会や情報が多い • 勤務地が東京だから • 技術カンファレンスや勉強会の開催が多い ▪ リモートワークで必要性が減った •

    通勤しなくてよい • オンラインのイベントが増えた ▪ 実は最初から求めていなかったもの • 都会っぽいキラキラした部分 • 高階層にあるキレイなオフィス ▪ 本当にほしかったもの • 漁港と自然
  9. 移住してよかったこと ▪ 住居費が安くなった • 月々10万円以上安くなった ▪ 部屋が広くなった • 2LDKのマンションから4LDKの一軒家に ▪

    大自然とグルメ • キレイで美味しい ▪ 地方の良さと東京を客観視できる • 地方に住む良さ • 日本は都会だけではない
  10. 家を買いました ▪ 住居費が減りました • 月々17.5万円 → 5万円以下(ローン) • 土地代含めて2000万円以下 •

    転職しなかったのでローンが比較的借りやすかった ▪ 部屋が広くなりました • 2LDK → 4LDK(庭付き) • 北海道の住宅としてはちょっと狭め • 専用の仕事部屋が持てた(6畳くらい) • 庭でBBQできる
  11. 地方移住して実感したこと ▪ 日本 = 大都市圏ではない • 自社サービスを使って頂いてるお客さまは日本全国にいる • 農業、漁業など普段接すること無い業種に溢れている ▪

    サービス開発をする我々にとってのリアルがある • 物流 ◦ 沖縄や北海道、離島は別途送料や配送不可の場合もある • 金融 ◦ メガバンクより信用金庫と都市銀行 • 港区で盛り上がっていることでも地方には伝わってない事が多い • 当たり前ではない ◦ ITリテラシー、D&I、リモートワーク、働き方、育休
  12. パニック障害になった ▪ 慣れないことが多すぎた • コロナ禍によるストレス ◦ 全世界の人々の日常が破壊された • 予想外の北海道の夏の暑さ ◦

    エアコンがない、30℃超え • 親戚の家 ◦ 7月〜11月までお世話になった ◦ 仕事部屋はあった • 個人の活動がやりづらかった ◦ 副業、コミュニティ活動 • 大きめのライフイベント ◦ 慣れないことが多い ◦ 例:結婚、出産・育児、介護 参考:パニック障害になった話
  13. パニック障害の辛い点(私の場合) ▪ 出来てたことができなくなる • MTGに出れない • 悪い冗談やちょっとした意地悪な言葉をスルーできない ◦ 「なんで◯◯できないの?」、「何学んできたの?」 ▪

    完全に理解されることはない(ように思える) • 宇宙兄弟を読むと何となくイメージできるかも • どんなに身近な人でも腫れ物に触るように接する人もいる ◦ 「おかしくなった」と言われる • でも、寄り添ってくれる人も大勢いる ▪ 発作 • 予兆はあるけど、お構いなしにやってくる • 痙攣、過呼吸、動悸 • 薬を飲んで抑える or 寝てごまかす ※ 個人差がある話だと思います
  14. さよなら貯金 ▪ 引っ越し代 • 安いところで25万円くらい(長距離はケチったらダメ...) • 2019年末に引っ越したばっかり... ▪ 住宅購入費 •

    頭金:50万円 • アスファルト + カーポート工事費:165万円 • エアコン:60万円くらい ◦ 2台取り付け+1台購入と取り付け ▪ 自動車購入費用 • 300万円くらい(2回払い) ▪ 東京までの旅費 • 職域摂取の飛行機代、タクシー代(家族3人分 x 2)
  15. 案外大丈夫だったこと ▪ 冬の寒さ • 思ったほど積もらない • 2020年度は雪かきは3回くらい、雪下ろしはなし ◦ 2021年度は例年の5倍降った日もあった(積雪量37cmとか) ▪

    会社との関係 • チームやマネージャーの理解 • 新しいワークスタイル「YOUR CHOICE」による安心感 ◦ https://mercan.mercari.com/articles/32102/ ▪ 副業 • 移動がなくて便利 • しかし、反応が薄くて泣きそうになることも ◦ 大学の講義、イベント登壇、社内勉強会
  16. Mercari New Workstyle 参考:メルカリ、多様な働き方を尊重した 「メルカリ・ニューノーマル・ワークスタイル “YOUR CHOICE”」の導入を開始 / YOUR CHOICE

    個人と組織のパフォーマンスおよび バリュー発揮がもっとも高まるワークスタイルを 自ら選択して決めることができる • オフィス出社も、出社を前提としないフルリモートワー クもYOUR CHOICE • 日本国内であれば住む場所もYOUR CHOICE • 短期だけでなく中長期においても、個人だけでなく組 織としても、どうしたらパフォーマンスやバリューが最 大限に発揮できるかを常に考えてワークスタイルを決 定する • 出社の有無によって不公平な扱いを受けることなく、 評価もパフォーマンスでしっかり評価していく
  17. 地方と技術コミュニティ ▪ オンライン化が進んだ • どこからでも参加できる • 東京の有名なエンジニアが登壇する勉強会に参加できる • 次第に開催頻度が少なくなるところも ◦

    オンライン化はハードルが高い(機材、システム、ノウハウ) • https://github.com/push-f/nouhau ▪ 地域密着のコミュニティの大切さ • 参加のしやすさ • 相互コミュニケーション • 繋がり ◦ その地域に住むエンジニア ◦ その地域の大学や高専の学生および先生 • 見てきた例 ◦ 仙台、名古屋、福岡、会津大、京都大
  18. まとめ ▪ 好きなところに住むのは楽しい • 大自然やグルメ! ▪ 仕事を中心に人生の選択をしなくてよい • 自分や家族の意思で決められる •

    都会に住むのも地方に住むのも自由 • 家業を手伝いながら就職をする新卒 • 親の介護をしながらリモートワーク ▪ エンジニアの地方移住が増えると嬉しい • 地域の技術コミュニティの活性化 • 日本全国にある大学や高専との連携 • 東京を中心とした採用の激化の打開策 • 地方在住者の大手企業からの採用