Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

ハラスメントと内部調査_(抜粋)

Sponsored · Your Podcast. Everywhere. Effortlessly. Share. Educate. Inspire. Entertain. You do you. We'll handle the rest.
Avatar for Tomihiro Takahata Tomihiro Takahata PRO
August 03, 2026
9

 ハラスメントと内部調査_(抜粋)

Avatar for Tomihiro Takahata

Tomihiro Takahata PRO

August 03, 2026

Transcript

  1. AG EN D A 本日の流れ 01 ケースで考える 報道された「ある一件」を題材に、何が問題になったのかを整理 02 2つの教訓

    ①ハラスメントの判断軸 ②組織対応・情報連携の落とし穴 03 ハラスメントの基礎 3類型とパワハラ6類型・成立の3要素を確認 04 通報と内部調査 被害・目撃時の行動と、会社の調査プロセスの全体像 05 実践事例に学ぶ 当事務所が実際に取り扱った調査事案の判断プロセス 06 明日からの行動 全員がとるべき姿勢と、やってはいけないこと 2
  2. C AS E ST U DY 報道された「ある一件」 本事例の扱い方 以下は2026年7月の各種報道をもとにした概要です。当事者間で主張が対立し係争中の要素を含みます。個人の断罪が目 的ではなく、「組織として何を学ぶか」を考えるための教材として扱います。

    何が報じられたか 主張は対立している • • 俳優側の所属事務所は報道内容を否定し、専門家の見解と して「ハラスメントに当たらない」と反論。 • 局は謝罪し、配慮事項を把握しながら現場に十分伝えられ なかった等の運用上の課題を認めた。 • 世論では「どちらも被害者」「局の責任」との見方も広が った。 • • テレビ局の制作現場で、ベテラン俳優が共演者に対し、ア ドリブでの身体的接触や、その後に楽屋で相手の俳優活動 を否定するような発言を行ったと報道。 共演者は長時間涙するなど強い精神的苦痛を受けたとされ る。 局が外部弁護士に調査を委託し、「重大(深刻)なハラス メント」と認定したと報じられた。 3
  3. C AS E ST U DY 時系列で見る ― どこで防げたか 1

    2 3 4 5 事前 共演者側から『過去のハラスメント被害・トラウマ』が局に共有される 判断 『演技を制限したくない』等の理由で、その配慮情報が俳優側に伝えられず 現場 アドリブでの接触。プロデューサーが注意するも、その後トラブルが再燃 楽屋 俳優が楽屋で俳優活動を否定するような発言。共演者が強い苦痛を訴える 事後 局が外部弁護士に調査を委託 → 『重大なハラスメント』と認定・公表 4
  4. LE SSON 2 個人だけの問題ではない ― 組織の対応が結果を左右する この事例では「配慮情報が現場に正しく伝わらなかったこと」が事態を深刻化させたと指摘された。 ! ! !

    情報連携の欠落 対応ルールの不徹底 初動の遅れ 配慮すべき事情を把握しながら、関係 者に適切に共有しなかった 注意はしたが、その後のフォローや線 引きが曖昧なままだった 問題把握から公表・調査までの初動と 説明が後手に回った 教訓 ハラスメントの被害を最小化できるかは、通報後の会社の対応 ― 情報共有・初動・公正な調査 ― にかかって いる。 6
  5. B AS IC S ハラスメントの主な類型 P パワーハラスメント 職場の優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える S セクシュアルハラスメント

    性的な言動により就業環境を害し、または対応で不利益を与える M マタニティ/ケア等 妊娠・出産・育児・介護等に関する言動で就業環境を害する 7
  6. B AS IC S パワハラの6類型 1 2 3 身体的な攻撃 精神的な攻撃

    人間関係からの切り離し 暴行・傷害 脅迫・侮辱・暴言 隔離・無視・仲間外し 4 5 6 過大な要求 過小な要求 個の侵害 遂行不能な業務の強制 能力とかけ離れた仕事・仕事を与えな い 私的なことへの過度な立ち入り 8
  7. B AS IC S パワハラ成立の3要素 原則として次の3つを『すべて』満たすものを指す 1 2 3 優越的な関係を背景

    業務上必要・相当な範囲を超 える 就業環境を害する 抵抗・拒絶しにくい関係性のもとで行 われる 業務上明らかに必要性がない、または 態様が不相当 身体的・精神的な苦痛で能力発揮に重 大な悪影響 ※ 適正な範囲の業務指示・指導はハラスメントには当たらない。線引きは「必要性」と「相当性」。 9
  8. AC T IO N 被害・目撃したら ― 全員がとる行動 1 記録する いつ・どこで・誰が・何を。日時や状況をメモ・保存する

    3 相談窓口を使う 社内窓口/外部窓口いずれも可。相談は不利益取扱いの対象 にならない 2 ひとりで抱えない 信頼できる上司・人事・相談窓口へ。目撃者も通報できる 4 加害を止める・支える その場でできる範囲で止め、被害者に寄り添う。孤立させな い 10
  9. I NV ES T I GAT I ON 内部調査の流れ(全体像) 1

    受付・初動 相談を受理。緊急性・被害拡大の有無を確認し、被害者の安全を確保 2 調査計画 調査担当・範囲・スケジュールを決定。中立性と秘密保持の体制を整える 3 ヒアリング 被害者→関係者→行為者の順で個別に聴取。客観証拠も収集 4 事実認定 収集した情報を突き合わせ、事実を認定。ハラスメント該当性を判断 5 措置・再発防止 配置・懲戒等の措置、被害者ケア、再発防止策の実施とフォロー 11
  10. I NV ES T I GAT I ON 調査で守るべき原則 ✓

    中立・公正 ✓ 予断を持たず、双方の言い分を等しく聴く。行為者にも弁 明の機会を ✓ 迅速・丁寧 知り得た情報は関係者に限定。プライバシーと名誉に配慮 する ✓ 被害拡大を防ぐため速やかに。同時に事実確認は丁寧に行 う ✓ 二次被害の防止 興味本位の詮索・噂の拡散を防ぎ、被害者・関係者を守る 秘密保持 不利益取扱いの禁止 相談・協力を理由に、解雇・降格などの不利益を与えては ならない ✓ 記録の保全 聴取内容・証拠・判断根拠を記録し、後日の検証に耐える 形で保存 12
  11. 実践事例 | 03 判断枠組み パワハラの3要素を本事案にあてはめる 根拠:労働施策総合推進法30条の2/パワハラ指針。3要素を『すべて』満たす場合に認定される。 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 優越的な関係を背景とした言動

    業務上必要かつ相当な範囲を超え る 就業環境が害される 職務上の地位・人間関係・専門知識等に基 づくこと 業務上の必要性がない、または態様が相当 でないこと 苦痛により能力発揮に重大な悪影響が生じ ること 本事案: 本事案: 本事案: 16
  12. N OT E S & S OU R CE S

    出典・注記 免責 本資料の事例は2026年7月時点の各種報道に基づく概要であり、当事者間で主張が対立し係争中の要素を含みます。特定個人の評価 ・断罪を目的とするものではなく、社内教育のための素材です。実際の対応は自社規程および専門家の助言に従ってください。 主な参照報道 • 週刊文春 / 文春オンライン(一連の報道) • 東洋経済オンライン「どちらも被害者…フジの報告書から何が読み取れたか」 • スポニチアネックス(フジテレビの経緯公表・謝罪) • SmartFLASH、日刊ゲンダイDIGITAL、東スポWEB ほか 参考法令等:労働施策総合推進法(パワハラ防止)、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、厚生労働省の各指針 21