Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
静的型付け言語Python
Search
utagawa kiki
July 14, 2016
Technology
0
170
静的型付け言語Python
KMC例会講座
utagawa kiki
July 14, 2016
Tweet
Share
More Decks by utagawa kiki
See All by utagawa kiki
自動で //nolint を挿入する取り組み / Gopher's Gathering
utgwkk
1
270
ゆるやかにgolangci-lintのルールを強くする / Kyoto.go #56
utgwkk
2
1.3k
君たちはどうコードをレビューする (される) か / 大吉祥寺.pm
utgwkk
21
14k
Dive into gomock / Go Conference 2024
utgwkk
14
6.2k
Goでリフレクションする、その前に / Kansai.go #1
utgwkk
5
2.7k
Go製Webアプリケーションのエラーとの向き合い方大全、あるいはやっぱりスタックトレース欲しいやん / Kyoto.go #50
utgwkk
7
3.9k
ありがとう、create-react-app
utgwkk
4
11k
mockgenによるモック生成を高速化するツール bulkmockgenのご紹介 / Kyoto.go #43
utgwkk
2
2.3k
SPAでもデータをURLでシェアしたい / Kyoto.js 19
utgwkk
2
1.9k
Other Decks in Technology
See All in Technology
抽象化をするということ - 具体と抽象の往復を身につける / Abstraction and concretization
soudai
20
8.2k
室長と気ままに学ぶマイクロソフトのビジネスアプリケーションとビジネスプロセス
ryoheig0405
0
370
分解して理解する Aspire
nenonaninu
1
300
トラシューアニマルになろう ~開発者だからこそできる、安定したサービス作りの秘訣~
jacopen
2
2k
Classmethod AI Talks(CATs) #17 司会進行スライド(2025.02.19) / classmethod-ai-talks-aka-cats_moderator-slides_vol17_2025-02-19
shinyaa31
0
130
レビューを増やしつつ 高評価維持するテクニック
tsuzuki817
1
740
現場の種を事業の芽にする - エンジニア主導のイノベーションを事業戦略に装着する方法 -
kzkmaeda
2
2.1k
プロセス改善による品質向上事例
tomasagi
2
2.6k
「海外登壇」という 選択肢を与えるために 〜Gophers EX
logica0419
0
710
ソフトウェアエンジニアと仕事するときに知っておいたほうが良いこと / Key points for working with software engineers
pinkumohikan
0
100
デスクトップだけじゃないUbuntu
mtyshibata
0
170
関東Kaggler会LT: 人狼コンペとLLM量子化について
nejumi
3
600
Featured
See All Featured
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
137
6.8k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
6
550
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
29
1k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
158
23k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
100
18k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
22
3.3k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
53
5.2k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
133
33k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
790
250k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
78
6.2k
Side Projects
sachag
452
42k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
251
21k
Transcript
静的型付け言語Python
こんにちは • @utgw (うたがわ) • 工学部情報学科 計算機科学コース2回生 • 第39代副広報・root •
Twitter: @utgwkk • GitHub: @utgw
アンケートです • 動的型付け言語を書いたことがある • Python を書いたことがある • 型理論に詳しい
前置き • 型に関する踏み込んだ話はしません(できません) • あくまで言語機能の紹介としてやっていきます • Python 3 系の話をします ◦
Python 2 系は各位うまくやってくれ ◦ https://blog.ymyzk.com/2016/02/python-2-type-hints/ とかに載ってそう
Pythonの型ヒントの経緯 • 2006/12/2: PEP 3107 - Function Annotations ◦ Python
3.0 で関数の型ヒントだけ導入された ◦ あくまでもヒント • 2014/9/29: PEP 484 - Type Hints ◦ 変数の型ヒントやジェネリクスなど、より踏み込んだ型ヒン トに関する提案 • 2015/9/14: Python 3.5 リリース ◦ PEP 484 を実現するモジュール typing が導入された
動的型付け言語に静的型を導入する試み 1. TypeScript の場合 1.1. TypeScript のコードを書く 1.2. コンパイラが型チェックをする 1.3.
JavaScript にコンパイルされる 2. Python + 型ヒントの場合 2.1. Python のコードに型の情報を書く 2.2. 各位うまくやってくれ!!!!!
各位うまくやってくれ!!!!! • 各位うまくやっていきましょう ◦ 実行時に型チェックがされるわけではない ◦ そもそも言語としては動的型付け言語のまま ◦ むやみに互換性を壊したくない •
型チェックツールを使いましょう ◦ mypy を使いましょう ◦ そのうち PyCharm とかでも対応しそう
動的型付け言語に静的型を導入する試み(修正) 1. TypeScript の場合 1.1. TypeScript のコードを書く 1.2. コンパイラが型チェックをする 1.3.
JavaScript にコンパイルされる 2. Python + 型ヒントの場合 2.1. Python のコードに型の情報を書く 2.2. mypy 等で型チェックをする 2.3. よさそうだったら本番投入
従来のコード def fib(n): a, b = 0, 1 i =
0 while i <= n: yield a a, b = b, a + b i += 1
型情報のあるコード from typing import Iterator def fib(n: int) -> Iterator[int]:
a, b = 0, 1 i = 0 while i <= n: yield a a, b = b, a + b i += 1
型情報のあるコード from typing import Iterator def fib(n: int) -> Iterator[int]:
a, b = 0, 1 i = 0 while i <= n: yield a a, b = b, a + b i += 1
どのようにして型情報を記述するのか • ざっくり見ていきましょう ◦ 変数の型ヒント ◦ 関数の型ヒント ◦ cast ◦
Callable ◦ ジェネリクス ◦ 直和型 ◦ Optional ◦ Any ◦ その他
変数の型ヒント • 変数名 = 値 # type: 型名 • コメントに型名を記述することで型ヒントとする
• 型名の alias が定義できる ◦ 別名 = 型名
関数の型ヒント • def 関数名(x: 型, y: 型, ...) -> 返り値の型:
• 引数の既定値は x: 型 = 値 のように書く
cast • cast(キャストする型, 値) • 値をある型にキャストしていることを示す ◦ 実際にはキャストしない
Callable • Callable[[引数の型のリスト, ...], 返り値の型] • 呼び出し可能であることを示す
ジェネリクス • T = TypeVar(‘T’) • def hoge(val: T) ->
T: • ジェネリックなクラスが作れる
直和型 • Union[A, B, ...] • A, B, ...のいずれかの型であることを示す •
複数の型をとりうるが、ジェネリクスほどは自由でないときに使 う
Optional • Optional(X) = Union[X, None] • X もしくは None
であることを示す • 失敗するかもしれない操作に使う? ◦ それ例外処理でよくない?
Any • すべての型の親 • auto 型のような感じで使うのかな • 型ヒント書かなきゃいいじゃん
その他 • List[T]: T型のリスト • Dict[K, V]: K型をキーとしてV型の要素を格納する辞書型 • Iterable[T]:
T型の一連の要素を持つ型 • Container: 何らかのコンテナ • SupportsInt: int(x) という操作ができる型
実演
まとめ • Python は言語全体として静的型になるつもりはない • あくまで各位うまくやってくれ • mypy を使って型検査していこう ◦
まだうまくいってない部分もありそう? ◦ ぼくの型の指定がバグってたら許してくれ • 型理論よく分かってないので戸惑った
ありがとうございました • 質問など ◦ 型のことは型に詳しい人に聞いてくれ
参考 • typing — 型ヒントのサポート ◦ http://docs.python.jp/3/library/typing.html • PEP 484
◦ https://www.python.org/dev/peps/pep-0484/ • PEP 3107 ◦ https://www.python.org/dev/peps/pep-3107/ • mypy で静的型付け Python プログラミング ◦ http://t2y.hatenablog.jp/entry/2014/12/22/004525