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AWS環境におけるPCI-DSS準拠のポイント

和田響
August 13, 2024
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 AWS環境におけるPCI-DSS準拠のポイント

和田響

August 13, 2024
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  1. 2 自己紹介 和⽥ 響(わだ ひびき) • AWS事業本部コンサルティング部 • ソリューションアーキテクト •

    25歳(社会⼈3年⽬) • 2023年9⽉⼊社 • 2024 Japan AWS Jr. Champions • 2024 Japan AWS All Certifications Engineers
  2. 3 2024 Japan AWS Jr. Champions とは? 「Japan AWS Jr.

    Champion Program」とは、AWS Partner Network (APN) 参加企 業に所属し、現在社会⼈歴 1 〜 3 年⽬で AWS を積極的に学び、アクションを起こ し、周囲に影響を与えている APN 若⼿エンジニアを選出しコミュニティを形成す る、⽇本独⾃の認定プログラムです。 【主な応募資格】 社会⼈歴 : 3 年以内 受賞⼈数:1企業につき2⼈まで 認定資格:計3つ以上(CLF+2個以上) https://aws.amazon.com/jp/blogs/psa/2024-japan-aws-jr-champions-criteria/
  3. 4 アジェンダ • はじめに ◦ AWSとは ◦ PCI-DSSとは • 抑えておきたいポイント

    ◦ 責任共有モデル ◦ コンプライアンスガイド • 最後に ◦ AWS利⽤のメリット ◦ AWS利⽤時の注意点と対策(おまけ)
  4. 5 アジェンダ • はじめに ◦ AWSとは ◦ PCI-DSSとは • 抑えておきたいポイント

    ◦ 責任共有モデル ◦ コンプライアンスガイド • 最後に ◦ AWS利⽤のメリット ◦ AWS利⽤時の注意点と対策(おまけ)
  5. 7 アジェンダ • はじめに ◦ AWSとは ◦ PCI-DSSとは • 抑えておきたいポイント

    ◦ 責任共有モデル ◦ コンプライアンスガイド • 最後に ◦ AWS利⽤のメリット ◦ AWS利⽤時の注意点と対策(おまけ)
  6. 8 PCI-DSSとは PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、クレジットカード 会員データを安全に取り扱う事を⽬的として策定された、クレジットカード業界の

    セキュリティ基準。計12要件で構成されており、各要件の配下でそれぞれ詳細な項 ⽬が定義されているため、合計400項⽬ほどになります。 PCI DSSは定期的に更新されており、PCI DSS v3.2.1の有効期限は2024年3⽉31⽇ま でで、現在はPCI DSS v4.0の準拠が求められている。
  7. 9 PCI-DSS v4.0 の要件 • 安全なネットワークとシステムの構築と維持 ◦ 要件1:ネットワークセキュリティコントロールの導⼊と維持 ◦ 要件2:すべてのシステムコンポーネントにセキュアな設定を適⽤する

    • アカウントデータの保護 ◦ 要件3:保存されたアカウントデータの保護 ◦ 要件4:オープンな公共ネットワークでの送信時に、強⼒な暗号化技術でカード会員データを保護する • 脆弱性管理プログラムの維持 ◦ 要件5:悪意のあるソフトウェアからすべてのシステムおよびネットワークを保護する ◦ 要件6:安全なシステムおよびソフトウェアの開発と維持 • 強固なアクセス制御の実施 ◦ 要件7:システムコンポーネントおよびカード会員データへのアクセスを、業務上必要な適⽤範囲(Need to Know)によって制限する ◦ 要件8:ユーザの識別とシステムコンポーネントへのアクセスの認証 ◦ 要件9:カード会員データへの物理アクセスを制限する • ネットワークの定期的な監視とテスト ◦ 要件10:システムコンポーネントおよびカード会員データへのすべてのアクセスをログに記録し、監視すること ◦ 要件11:システムおよびネットワークのセキュリティを定期的にテストする • 情報セキュリティポリシーの維持 ◦ 要件12:組織の⽅針とプログラムによって情報セキュリティをサポートする
  8. 10 アジェンダ • はじめに ◦ AWSとは ◦ PCI-DSSとは • 抑えておきたいポイント

    ◦ 責任共有モデル ◦ コンプライアンスガイド • 最後に ◦ AWS利⽤のメリット ◦ AWS利⽤時の注意点と対策(おまけ)
  9. 責任共有モデル 利用者が責任を負うセキュリティ範囲 (EC2) EC2 • OSの管理 ◦ パッチ適用 ◦ Windows

    Update • アプリケーションの管理 ◦ アプリケーションのアップグレード ◦ アプリケーションの設定変更 • アプリケーションの監視 ◦ EC2インスタンスの監視 ◦ ログの収集と分析 • データの管理 ◦ バックアップと復元 ◦ 暗号化 • アクセスの管理 ◦ セキュリティグループでの通信制御 ◦ NACLによる通信制御 ◦ キーペアの管理
  10. 責任共有モデル 利用者が責任を負うセキュリティ範囲 (RDS) RDS • データベースの設計と運用 ◦ スキーマの設計 ◦ オブジェクトの作成と管理

    ◦ データのバックアップと復元 • アクセスの管理 ◦ ユーザーの作成と管理 ◦ セキュリティグループでの通信制御 ◦ NACLによる通信制御 • エンジンのアップグレード ◦ データベースエンジン(MySQL、PostgreSQL、Oracle等)ののアップ グレード(内部OSのアップデートなど一部はAWSが強制する) • データの保護 ◦ データの整合性の確保 ◦ データの暗号化の設定(必要に応じて)
  11. 責任共有モデル 利用者が責任を負うセキュリティ範囲 (S3) S3 • データの管理 ◦ データのライフサイクル管理(保存期間の設定など) ◦ データの分類と整理

    • アクセスの管理 ◦ バケットポリシーの設定 ◦ アクセス権限の設定(ACLやIAMポリシー) ◦ 公開アクセスの制限設定 • データの暗号化設定 ◦ サーバー側の暗号化設定 ◦ クライアント側の暗号化設定 • バックアップ ◦ クロスリージョンレプリケーションの設定 ◦ バージョニングの設定
  12. 17 コンプライアンスガイド このガイドは、お客様が PCI DSS 準拠のアプリケー ションを構築し、更新されたバージョン 4.0 の要件 に準拠できるようにするための概念と原則の概要で

    す。 【内容】 1. 共有責任モデルと PCI DSS 要件への影響 2. AWS PCI DSS レベル 1 サービスプロバイダース テータスが顧客にとって何を意味するか 3. カード会員データ環境のスコープ設定 4. 評価に必要な図 5. 要件ごとのガイダンス AWSはPCI DSS v4.0 on AWS コンプライアンスガイドを提供している https://aws.amazon.com/jp/blogs/security/pci-dss-v4-0-on-aws-compliance-guide-now-available/
  13. 19 コンプライアンスガイド 要件4 顧客は、AWSがサービスオプションとして提供する強⼒な暗号化とセキュ リティ制御を設定する責任があります。Amazon CloudFront、Amazon API Gateway、Elastic Load Balancerなどの外部に公開されているAWS

    サービスは、TLS 1.2以上のトランスポート暗号化レベルをサポートしてお り、それを強制するポリシーを実装できます。顧客は、少なくともTLS 1.2 を要求するElastic Load Balancerセキュリティポリシーを選択する責任が あります。セキュリティグループとネットワークACLは、安全でないプロ トコルの使⽤をブロックできます。CloudFrontフィールドレベル暗号化を 使⽤して、追加のセキュリティ層とHTTPSを追加し、処理全体を通じて特 定のデータを保護できます。 顧客は、要件4.2.1.bと4.2.1.cに準拠するために、クライアントとサーバー が強⼒なTLS暗号を... https://d1.awsstatic.com/whitepapers/compliance/pci-dss-compliance-on-aws-v4-102023.pdf Claude 3.5 Sonnetによる翻訳 原文
  14. 20 アジェンダ • はじめに ◦ AWSとは ◦ PCI-DSSとは • 抑えておきたいポイント

    ◦ 責任共有モデル ◦ コンプライアンスガイド • 最後に ◦ AWS利⽤のメリット ◦ AWS利⽤時の注意点と対策(おまけ)
  15. 25 アジェンダ • はじめに ◦ AWSとは ◦ PCI-DSSとは • 抑えておきたいポイント

    ◦ 責任共有モデル ◦ コンプライアンスガイド • 最後に ◦ AWS利⽤のメリット ◦ AWS利⽤時の注意点と対策(おまけ)
  16. 28 1.RI(Reserved Instances) と SP(Savings Plans) RI/SP ≒ AWS リソースの予約購入オプション

    • RI (Reserved Instances) ◦ 1年間または3年間の⻑期利⽤前提で⼤幅な割引 ◦ 特定のインスタンスタイプ、リージョン、可⽤性ゾーンに紐 づく ◦ 使⽤量に関係なく、固定料⾦を⽀払う • SP (Savings Plans) ◦ 1年間または3年間の⻑期利⽤前提で⼤幅な割引 ◦ コンピューティング使⽤量($/時)にコミットする ◦ インスタンスファミリー、リージョン、オペレーティングシ ステムを柔軟に変更可能 EC2 RDS Redshift ElastiCache EC2 Fargate Lambda
  17. 29 2.ログ取得先とライフサイクルルール ログ保管先によって料金・ユースケースが異なる CloudWatch S3 S3 Glacier 料金 データ収集:USD 0.76/GB

    データ保存:USD 0.033/GB 0.025USD/GB (S3 標準) 0.0045USD/GB (S3 Glacier Flexible Retrieval) 特徴 ・ログデータの分析・検索が可能 ・異常時のアラーム設定が可能 ・高可用性/高耐久性 ・Athenaでの分析が可能 ・最も低コストのストレージ ・アクセス頻度に応じたストレージタ イプを選択可能 ユースケース ・アラート機能が必要 ・リアルタイムの監視が必要 ・Athenaでの分析を行う ・コストを抑えたい ・長期保管が目的 ・取り出し頻度が低い
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