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Claude Code でアプリ開発をオートパイロットにするためのTips集 Zennの場合 ...

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September 17, 2025

Claude Code でアプリ開発をオートパイロットにするためのTips集 Zennの場合 / Claude Code Tips in Zenn

Zennの開発チームは、エンジニア3人で開発しています。わたしたちがAIコーディングエージェントのClaude Codeを、単なる便利なツールとしてではなく、開発に不可欠な同僚として迎え入れるにはなにが必要か、をTipsとして紹介しました。

Claude Code の力を最大限発揮するには、「あとはやるだけ」という小さなタスクに分解することが近道です。これにより開発のオートパイロット化を目指しています。

・バグ修正や小規模な機能追加といった日常的なタスク
・お知らせに載るレベルの機能開発
この2例を通して、ZennチームがClaude Codeをオートパイロットに近づけるために実施しているtipsをまとめました。

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September 17, 2025
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  1. 自己紹介 クラスメソッド株式会社 Zennチーム エンジニア 和田祐介 Zennの開発と運営を担当 Zennチームへ異動 2021年7月 勤務地 生まれ

    大学時代 東京 福岡県 北九州市 糸島市(九州大学) Google Developer Experts プログラム認定 Google Cloud / 2024年04月 クラスメソッドへ入社 2016年2月 AWS EC2、Scala、Backend API Cloud Run、Next.js、Ruby on Rails、 Zenn全般
  2. おさらい: Claude Code とは? コーディングに特化したAIエージェント npm install -g @anthropic-ai/claude-code cd

    zenn-repository claude > LP の zennfes2024という文字列をすべて zennfes2025にして なぜ流行っている? ▶ エディタを選ばないから 1. インストール 2. プロンプト入力 3.編集までやってくれる
  3. Ruby on Rails と Next.js がメイン イベントデータ Cloud Load Balancing

    データベース Cloud SQL Analytics 画像など Cloud Storage タスク API Cloud Run 管理用サーバー Cloud Run ユーザーAPI Cloud Run HTML / JS Cloud Run Assets Stats BigQuery Scheduled Tasks Cloud Scheduler タスクAPIへ Monitoring Logging Bulk Tasks Cloud Tasks タスクAPIへ 著者‧読者 管理者 WAF CDN Cloud Armor
  4. Ruby on Rails と Next.js がメイン イベントデータ Cloud Load Balancing

    データベース Cloud SQL Analytics 画像など Cloud Storage タスク API Cloud Run 管理用サーバー Cloud Run ユーザーAPI Cloud Run HTML / JS Cloud Run Assets Stats BigQuery Scheduled Tasks Cloud Scheduler タスクAPIへ Monitoring Logging Bulk Tasks Cloud Tasks タスクAPIへ 著者‧読者 管理者 WAF CDN Cloud Armor
  5. Claude Code 活用しています zenn-repository ├── backend (Ruby on Rails) ├──

    frontend (Next.js) ├── CLAUDE.md └── .cursor/rules > https://github.com/zenn-dev/zenn-repo sitory/issues/9999 これ実装して
  6. Tips: CLAUDE.md でアプリ実行コマンドを指南する • テストやビルドの実行方法をコマン ドで記載しておく • とくにDockerを利用している場合は おすすめ •

    (私見)日本語でいろいろ書くより は、Claude Code が試行錯誤するた めの材料を提供するほうが効果を実 感した ### Backend (Rails) ```bash # 開発 docker compose up -d # テスト docker compose run --rm -e RSPEC_SILENT=1 backend bundle exec rspec docker compose run --rm -e RSPEC_SILENT=1 backend bundle exec rspec spec/path/to/file_spec.rb # リント docker compose run --rm backend rubocop -A --parallel ```
  7. 保守開発 • 実現のためのファイル変更数が10以内 • リリースしてもお知らせには載らない • バグ修正・小規模な機能追加 • 例 ◦

    Exploreページで意図せずスクロールされ る問題を修正 ◦ ブックマークアイコンの視認性を改善 ◦ ユーザーメニューでPublicationへの導線 を追加
  8. 保守開発 • 実現のためのファイル変更数が10以内 • リリースしてもお知らせには載らない • バグ修正・小規模な機能追加 • 例 ◦

    Exploreページで意図せずスクロールされ る問題を修正 ◦ ブックマークアイコンの視認性を改善 ◦ ユーザーメニューでPublicationへの導線 を追加
  9. Tips: CI/CDの整備は必須 • Claude Code を同僚に迎えるために必要。オートパイロットのために道路を 舗装し、白線を引くイメージ • Ruby on

    Rails アプリ ◦ Linter、Formatter - RuboCop ◦ Unit Test - RSpec • Next.js アプリ ◦ Linter - ESLint、Formatter - Prettier、型チェック - tsc ◦ Unit Test - Vitest • E2E テスト - Playwright
  10. Tips: 「とりあえず実装してもらう」 はアリ • 小規模な開発やバグ修正の場合、Claude Code にやってもらったらあっさり 解決することもある • Claude

    Code は投機的な実装が得意なため、小規模なものであれば動くもの ベースで議論したほうが全体のスループットが大きく出る Exploreページで意図せず勝手にスクロール される。原因しらべて修正して。 GitHub Actions の Node.js を v22 にアッ プデートして。
  11. 機能開発 • 実現のためのプルリクエストが10以内 • リリースするとお知らせに載る • 執筆体験の向上・Publicationの拡充など • 例 ◦

    Publicationでの記事作成・レビュー・公 開をメール通知できるように ◦ コンテストやハッカソンの栄誉を称える Award機能 ◦ 記事のAIレビュー機能
  12. 機能開発 • 実現のためのプルリクエストが10以内 • リリースするとお知らせに載る • 執筆体験の向上・Publicationの拡充など • 例 ◦

    Publicationでの記事作成・レビュー・公 開をメール通知できるように ◦ コンテストやハッカソンの栄誉を称える Award機能 ◦ 記事のAIレビュー機能
  13. 具体例: Publicationでの記事作成をメール通知 1. 仕様検討 + レビュー Publicationでおきた記事の下書き作成などをメンバーへメー ル通知する メール通知設定はPublicationメンバーが自分の設定を編集で きる

    2. DB設計 + レビュー PublicationNotification テーブルを新設する Claude Code は壁打ちや設計のドラフト作成で使いました 通知設定はユーザー テーブルに持たせたほ うがいいと思う?別の テーブルを新設したが ほういいとおもう?
  14. Tips: /review-pr カスタムコマンド。レビューの下読み に利用。レビュー負荷を下げる。 /review-pr https://github.com/zenn-dev/zenn-repo sitory/pull/9999 7. 総合評価 承認推奨度:

    ★★★★☆ (4/5) 良い点: - Publicationメンバー向けのメール通知設 定機能が適切に実装されている - UIの一貫性が保たれている(既存のダッ シュボードレイアウトを活用) - エラーハンドリングとローディング状態 の管理が適切 - アクセシビリティを考慮したフォーム実 装 改善提案:
  15. Tips: /review-pr - review-pr.md ### 包括的なレビュー分析 以下の各観点でプルリクエストを分析します 1. **コーディング規約への準拠** 2.

    **バグやセキュリティ上の問題** 3. **パフォーマンスの懸念点** 4. **テストカバレッジ** 5. **DRY原則** 6. **YAGNI原則** ### 構造化された出力 レビューをこの構造化されたフォーマットで 提供します: ``` ### 承認推奨度: ★★★☆☆ (3/5) ### 良い点: - [具体的な良い実装] - [評価できる設計判断] ### 改善提案: - [優先度の高い改善点] - [中長期的な改善提案] ```
  16. おためし中のもの • サブエージェント ◦ 10ファイル以内の差分であれば通常のカスタムコマンドで十分 ◦ より広いコードベースに対してセキュリティチェックをする場合に備えて用意し ているが、明確な優位性をまだ認識できていない🤔 • GitHub

    上での @claude による呼び出し ◦ 試行錯誤スピード勝負のなか、GitHubでそれをやるメリットが見いだせていない ◦ Zennチームの場合、GitHubに載せる情報がフローよりストック寄りなので相性 が良くないだけかも ◦ Vertex AI 経由で利用しており、課金が怖い
  17. Tipsまとめ • CLAUDE.md でアプリ実行コマンドを指南する • CI/CDの整備は必須 • 「とりあえずClaude Codeに実装してもらう」 はアリ

    • /review-pr でプルリクエストの下読み • フィーチャーフラグで安心してコードベースを更新
  18. Claude Code と Cursor の併用 - rulesync • Claude Code

    でベース実装、Cursorエディ タで細かい修正などを行うケースが多い • CLAUDE.md と .cursor/rules/*.md を用意 • ルールファイルは rulesync で一元管理 https://github.com/dyoshikawa/rulesync
  19. 抽象度低 抽象度高 保守する 書き捨て コーディング支援 文章の校正・翻訳 コードスニペットの解説 ①AIコーディング ②自動化・自分用ツールの開発 -

    GAS による集計 - マーケティングメールの作成 - チーム専用の雑談タイマーアプリ作成 ③壁打ち・発想支援 - ブレインストーミング - 思考の整理 - DB設計の壁打ち ④戦略・企画の自動生成 事業戦略作成 キャンペーンのLP
  20. tsumikiについて 仕様駆動開発のためのツールだが、課題とゴールがあいまいなタスクを AIと伴走 でるレベルまで分解してくれるツールだと理解している - 実行するべきタスクを目で見て選べるのも◯ - Next.js のアップグレードで使いました -

    途中成果物(要求・仕様)が言語化されることで、要否を整理できる - タスクリストから取捨選択できた - Reactのアップグレード:やる - ユニットテストの実行と修正: CI/CD で完了とみなしてOK - 24時間連続稼働テスト: やらない クラスメソッド、 AI支援型テスト駆動開発フレームワーク「 Tsumiki」を公開〜AIを活用しながら品質を確保する開発手法をオープンソースで提供〜 https://classmethod.jp/news/20250729-tsumiki/
  21. 評価について • Claude Code の導入成果をどう評価するか? ◦ 売上に寄与する活動量 / 部門ごとのKPIがあるはずなのでそれを使う •

    Zenn の場合 ◦ デプロイ回数 ◦ Zennからのメール送信数 Zennメール送信数 Zennのデプロイ回数