地方自治体の職員である私がなぜICT活用を必要だと思ったのか、その時代背景などをまとめました。
0No one will be left behindな地方自治体を目指して総務省地域情報化アドバイザー 石塚
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プロフィール本業:横浜市経済局成長戦略推進部新産業創造課ICT専任職(局内外におけるICT活用に関するアドバイス、研修などを担当)副業:総務省地域情報化アドバイザー、ユニバーサルメニュー普及協会研究員サードプレイス:Code for Japan/Code for YOKOHAMA、よこはまYYラボ番外:地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2017受賞GovInsider アジアでGovtechを推進する女性55人石塚 清香 -Sayaka Ishizuka-
2年度 経歴H3 横浜市役所に入庁 都筑区分区担当配属H7~H23教育委員会情報教育課 教育用PC・インターネット環境整備担当総務局情報システム課 新国保システム運用担当H24~H26金沢区福祉保健課 保健活動推進員担当自身で提案した子育てポータル「かなざわ育なび.net」を企画・構築H27~H28金沢区地域振興課地域力推進担当オープンデータ推進&ICTプラットフォーム&かなざわ育なび.net、金澤写真アルバム運用などICT活用に関する企画・実装・運用全般H29~ 情報システム関連業務担当専任職として経済局に所属プロフィール
プロフィール3ちょっとだけライターっぽいこともやっております。
はじめに「横浜」を良い街にしたい!以上!私のモチベーションの源泉
第1歩1999年教育委員会事務局時代➢教育長直轄の課題検討プロジェクトに参加➢テーマは「ICT教育環境の改善策」➢公募で集まった事務職と教員のチームで半年かけて様々な検討・研究➢最終プレゼンでメンバーの教員から鳥肌が立つようなスライドが生みだされ、教育長から高評価当時の上司(課長)との関係が最悪に(笑)
第2歩2009年総務局時代➢横浜港開港150周年記念「開港博Y150」市民創発プロジェクト➢開始から本番まで2年かけたプロジェクトに職員ボランティアスタッフとして参加➢87日間に渡る市民が主役のイベントを創り出す過程に立ち会う➢当初は300人から始まり、最終的に1万人以上の市民が関わる横浜の市民力ってすごい!!と再認識
7http://www.asahi.com/special/sengo/visual/page88.html2011年 シビックテックに出会う自らの持つスキルで被災地を支援しようとしている民間エンジニアたちの存在を知る⇒様々なスキルを持つ人たちと一緒にオープンガバメントをやりたい!と強く思う
オープンガバメントとは?8Transparancy透明化Participation参加Collaboration協働情報(データ)を「公共財」として公開(オープンデータ)対話の場の創造 官民連携協働による社会変革活動の展開データを活用した課題解決プロセスの創造自ら手を動かし、データを生み出す行政による市民による行政側のオープン化と、市民側の積極的な課題解決への関与をもって達成する、社会全体の新しい統治プロセス体系
➢オープンデータをベースにした「子育てポータル構想」を市長提案➢仲間達と作った提案が市長から評価されるも事業化ならず➢当時所属していた区役所区長の鶴の一声で自主事業として奇跡の事業化かなざわ育なび.netの誕生全国各地に子育てアプリが広がる第3歩2011⇒2012年総務局⇒金沢区時代
育なび.netとは10WEBサイトでバラバラになっていた子育て関連オープンデータを集約し、子どもの生年月日と居住地の郵便番号でパーソナライズして届ける子育てポータルサイト&アプリ。
➢常に仲間と創り続ける経験⇒「私ひとりじゃ何もできない!」➢「コラボレーションのチカラってすごい」➢私と同じ「横浜大好き!」って人達の力を集めたい出ていかなければつながれないでしょ!学んだこと
➢庁内には同じ思いを持つ職員が大勢いる➢そういう職員が自由に動けるように「サードプレイス」が必要だ!➢4年前に庁内の職員仲間達と自主勉強会「よこはまYYラボ」を立ち上げるアウトプット重視の「超実践型勉強会」勝手に新採用職員集めてまちあるき研修したり・・局長級を呼んでビブリオバトルで戦わせたり・・色々やらかしております。その後・・・
Code for YOKOHAMAに参加横浜市のICT政策に対する提言「技術駆動都市ヨコハマ2030」にこっそり参加したりメンバーが作った新市庁舎VRを経〇局のイベントブースで公開させちゃったり色々やらかしておりますその後・・・
そんな活動をする中でテクノロジーとコラボレーションの力を実感ただしテクノロジーを使うことが目的化するのは×
15No one will be left behindー誰ひとり取り残さないー
16日本では実はテクノロジー活用前提Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)SDGsの数値目標は国連ハイレベル政策フォーラム(HLPF:High LevelPolitical Forum)で定期的にモニタリング持続可能な開発目標(SDGs)達成に 向けて日本が果たす役割外務省 国際協力局 地球規模課題総括課https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/2001sdgs_gaiyou.pdf
17持続可能な開発目標(SDGs)達成に 向けて日本が果たす役割https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/2001sdgs_gaiyou.pdfここに注目 『SDGsアクションプラン2020』のポイント
18Society5.0??
変革してきた社会19
変革してきた社会20➢ 生産・備蓄・定住・人口増加➢ 食料共有の安定化と生産性の向上➢ 人口の増加、定住化および集団・組織化➢ 職人などの専門的技術を担う職種が生まれる➢ 社会構造の複雑化狩猟・採集から農耕へ
変革してきた社会21➢ 産業革命の発端 ⇒綿織物工業における技術革新➢ 紡績機の技術革新が工場制機械工業へ➢ エネルギーの変遷 木炭⇒石炭⇒石油・電気⇒原子力➢ 短時間の移動できる距離が大幅にアップ農耕から工業へジェニー紡績機出典:http://www.ne.jp/asahi/okuyama/techis/1001/Hargreaves.html
変革してきた社会22➢ インターネットの登場による様々なオンラインサービスの登場➢ ハードウェアのダウンサイジングによるコモディティ化➢ 情報が瞬時に「地球の裏へ」行く世界の実現➢ ソーシャルメディアの普及による「一億総メディア化」産業から情報化へ
変革してきた社会23➢ 手の平化した情報機器とクラウド等による「場所」と「時間」の制約からの解放➢ フィジカルとバーチャルの連携により、これまでの常識を覆すサービスの登場➢ 5G等の超高速・大容量ネットワークによるさらなるデジタルディスラプションそしてSociety5.0へ社会の発展に応じて様々な課題も
国際的なデジタルデータ量の増加予測24出典 総務省「平成26年版情報通信白書(ICTコトづくり検討会議報告書)」⇒この裏でなにが起こっているか。
限界費用ゼロ社会の到来25財・サービスの生産量を1単位増やしたときに追加的にかかる費用テクノロジーの進化により、最少コストで財を生産できる世界が到来限界費用とは
26Internet of Things(IoT)様々なモノと多くのヒトで満ちあふれる「現実世界(Physical World)」を、モノに組み込まれたセンサーによってデジタル・データとして捉えようという仕組みモノのインターネットそれらをさらに後押したもの
27要素①:モノ(デバイス)「モノ」は、あらゆる物体が対象となりえます。⼀般⽣活の中であれば、⾞や家電やペン、トイレなど、物理的にセンサーを取り付けることのできる物体全てが対象。要素②:センサーモノまた周辺環境の状態(存在有無、形状、位置、重さ、圧⼒、速度、⾳声、振動、温度、湿度、におい、電磁気、光など)を感知し、データとして読み取ることのできる装置。要素③:通信⼿段(ネットワーク)モノの状態をセンサーが感知してデータとして読み取ったら、今度はそのデータを可視化する端末に送る役割。要素④:可視化する情報処理(アプリケーション)データの抽出・整理・解析・最適化といった処理を加え、⼈間が理解しやすいグラフや図にまとめる。⼤半のビジネスでは、モノ(⼈、その周辺環境)の状態や変化を察知し、随時適切な対応を取ることが求められる。つまり「状態チェック」や「監視」は必須。そこを⾃動化する。概要(構成要素と必要性)
28• GPS• 加速度• ジャイロ(傾き検知)• 光センサー• イメージセンサー(CCD、CMOS)• 温度センサー• 湿度センサー• 圧力センサー• 地磁気センサー(電子コンパス)実はスマホはセンサーのかたまり代表的なIoTセンサー時代 技術のハードル 顧客のハードル以前(高度成長期)高い(多くの資本が必要)低い(作れば売れる)現在(限界費用ゼロ時代)低い(センサー1つ数百円)高い(ライフスタイル多様化)• 距離センサー• 超音波センサー• 振動センサー• 水位センサー• 荷重センサー• 指紋センサー
29スマートフォン位置情報を取得するGPSや身体の動きや動作を取得する様々なセンサーが組み込まれ、それを持ち歩き使用することで、日常の生活や活動がデータ化される。自動運転システムセンサーを搭載した自動車は「走る」「回る」「止まる」などの動作を自動で行う。物流(ロジスティクス)倉庫の在庫管理やドローンや自動運転車を使った配送。医療患者の生体データを収集・蓄積し、自動的に医療機関に送信する。農業日射量や土壌状況などによりハウス栽培における、肥料や水やりの自動化活用例
どんなコストが削減されたか30テクノロジー 削減されたコストブロードバンド 情報流通コスト半導体チップ処理性能向上 ハードウェア・データ処理コストクラウドコンピューティング データ蓄積コストオープンソース、API システム構築・バージョンアップコストソーシャルメディア 情報発信コストクラウドファンディング 資金調達コスト3Dプリンタ プロトタイプ・部品製造コストセンサー技術・AI 人的コスト
実例:あるITサービス企業Mの決算31売上原価(仕入、原材料)が非常に少ない単位:百万
限界費用ゼロがもたらすもの32コミュニケーション、エネルギー、交通などが限りなく無料に近付き中央集権型の資本主義から分散型の共有経済へ移行するYoutubeメルカリAirbnbカーシェアリングUberシェアエコノミーの台頭(出典)H27情報通信白書PwC「The sharing economy - sizing the revenue opportunity」シェアリング・エコノミーの市場規模※金融・人材、宿泊施設、自動車、音楽、ビデオ配信の5分野を対象
限界費用ゼロがもたらすもの33生産消費者(プロシューマー)の時代生産消費者=生産活動を行う消費者大資本を必要とせずに誰でもが生産者になれるあらゆる人が「イノベーションの種」を持つ世界クローズドからオープンなイノベーションへの変革
破壊的イノベーション時代の到来34ディスラプター ディスラプトされた業界Apple 音楽業界Google 広告産業Uber タクシー業界Airbnb ホテル業界Amazon 小売業界すでに社会は「不可逆的に」変革しつつある
35Cyber Physical Systemが支える社会現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム
ITの力を借りたスマート自治体=人間中心ガバメント36
加速するデジタル・ガバメントとその先37昨今のICTに関する国の動きを一言で言えば「ものすごくアグレッシブ」
3838電子自治体の取組みを加速するための10の指針自治体戦略2040構想研究会報告書世界最先端デジタル国家推進宣言Society5.0デジタルガバメント推進方針デジタルガバメント実行計画スマートシティの実現に向けて【中間とりまとめ】国土交通データプラットフォーム(仮称)整備計画オープンデータ基本指針デジタル手続法官民データ法分野間データ連携基盤の整備に向けた方針社会インフラスマートシティ自治体オープンデータデジタルガバメント2018-4-92018-8-212019-5-302019-6-142014-3-242018-7-32018-7-202019-6-72017-5-302016-12-142019-5-242016-1-22行政デジタル化を支える主な法律、戦略、方針
Digital or Die39政府CIO上席補佐官デジタル化 or 死
40この方も言っておりました
ゼロトラスト・ネットワーク・セキュリティ41ネットワーク境界従来のネットワークベースのセキュリティネットワークを突破された侵入済みの脅威に対して脆弱ネットワーク境界は容易に越えられる1台を乗っ取れば他のデバイスに侵入拡大社外からのID/デバイス/データ/アプリへの攻撃に対して無防備ファイヤーウォールデバイスIDデータゼロトラスト・ネットワーク・セキュリティ“ID” をセキュリティ境界とし、ネットワークに依存しないこれらの信頼度に基づいて動的に認証、認可×××××自動的な分類・保護・追跡機密情報の保護アプリ標的型メールの検出と排除メールからの保護機密情報の保護(監視)未許可アプリ、不正な操作の監視なりすまし検知・防止ID の保護 (クラウド&オンプレ)PC への侵入検知・隔離デバイスの保護
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