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地方自治体業務あるある

 地方自治体業務あるある

どうも地方自治体は住民のどんな情報でも持っていて、どんな条件で制度設計をしても簡単に対応できると誤解されているフシがありますが、そうじゃないんだよという事例を集めてみました。
実際にデータがない、データはあるけど連携しようと思うと法律の縛りでできない、などパターンは色々です。
真に国民に優しいデジタル社会の実現に向けてこれらを解決するのか、または「できないこと」をきちんと把握した上で紙と窓口の時代に戻るのか、社会全体で考えていく必要があると感じます。

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Sayaka Ishizuka

October 23, 2021
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  1. 地方自治体業務あるある できないものはできないんですシリーズ 総務省地域情報化アドバイザー 石塚

  2. どうも地方自治体は住民のどんな情報でも持っていて、どんな条件で制度設計をしても 簡単に対応できると誤解されているフシがありますが、そうじゃないんだよという事例を 集めてみました。 実際にデータがない、データはあるけど連携しようと思うと法律の縛りでできない、など パターンは色々です。 真に国民に優しいデジタル社会の実現に向けてこれらを解決するのか、または「できな いこと」をきちんと把握した上で紙と窓口の時代に戻るのか、社会全体で考えていく必要 があると感じます。

  3. 低所得者把握できない問題 【事象】 低所得者向けの給付をするために、収入が一定レベル以下の人を抽出しろといわれて もできません。 【理由】 「未申告(税情報なし)」の人の所得把握はできませんので、申告してもらう必要がありま す。特に世帯で把握しろとか言われると地獄まっしぐらです。

  4. 子どもの保護者把握できない問題 【事象】 同一世帯に、世帯主、複数の世帯主の子どもとその配偶者、世帯主から見た時の「孫」 が複数いる場合、どの孫がどの保護者の子どもかわかりません。 【理由】 世帯主を基準に関係性を表す住民基本台帳では、世帯主の子は全て「子」、その孫は 全て「子の子」で表現されますので、「子の子」がどの「子」に結びつくのかわかりませ ん。戸籍連携したくても色々な縛りでできません。

  5. ひとり暮らし高齢者把握できない問題 【事象】 住民登録上で単身世帯となっていても、実際は違う場合があるので、結局全件アナログ に確認するしかありません。 【理由】 恐怖の「世帯分離」。子どもとひとつ屋根の下に住んでいても、分離すると非課税世帯に なる等の理由で住民登録上分けているというパターン。本当のひとり暮らし高齢者が把 握できないので、すぐ手が差し伸べられません。

  6. ひとり暮らしどころか、そもそも住んでるかどうかわからない問 題 【事象】 住民票はそこにありますが、本当に住んでるかどうかはわかりません。 【理由】 住民票を移さないままで有料老人ホームやサービス付高齢者向住宅に入所されたら、 家族に聞く以外に補足する術はありません。 住所地特例はなんのためにあるのか…。(-_-;)

  7. 医療費把握できない問題 【事象】 医療費の把握は自治体単独では到底できません。 【理由】 自治体には国保と後期高齢者の被保険者データしかありませんので、社会保険はそれ ぞれの保険者に聞いてください。 ちなみに転職や失業などで社保と国保がコロコロ変わりますのでご注意を。

  8. 選挙人名簿二重に登録されちゃう問題 【事象】 複数自治体の選挙人名簿に同じ人が登録される場合があり、選挙前は地獄。 【理由】 選挙人名簿登録は転入3か月後、一方で削除は転出4か月後という誤差のために、名 簿に二重登録される期間ができ、郵送やFAXで登録の有無を調べる羽目になります。マ イナンバーで確認? 社会保障でも税でも災害対策でもないので法的にアウトです。独 自事務として1700の自治体がそれぞれ仕組みを作るしか方法はありません。

  9. 震災による避難中の方が探せない問題 【事象】 原発事故により避難された町民に案内を発送するのが大変 【理由】 原発事故に伴う避難者は、住民票住所とは別に避難先住所というものがありますが、現 在の居住地と異なるケースがあり、案内等を個別通知する際に手間がかかってしまいま す。

  10. 公務員どこいった問題 【事象】 子育て支援するから児童手当を受給してる人を全員抽出しろとか無理です。 【理由】 だって公務員は勤務先から手当を支給してるから児童手当システムで管理してないも ん。 もちろん口座も補足してないもーん。

  11. こういう実態を知らずに悪気なく作られた新しい仕組みや臨時給付などがあっても、法 令で決められたことであれば「できない」とはいえません。 そしてまたアナログな作業を生み出し、眠れぬ地方公務員を増やすのです。 せめて仕組み化する前に「それはできるのかどうか」を確認してください。 できない場合は仕組みも含めて法制化してください。 それだけで多くの地方公務員がアナログ地獄から救われます。