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LSPC博士前期チュートリアル

 LSPC博士前期チュートリアル

2022年3月31日に筑波大学人と音の情報学研究室で行った,新M1向けのチュートリアルのスライド資料です.

Yuya Yamamoto

March 31, 2022
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Transcript

  1. 年間スケジュール M1 春AB 春C 夏休み 秋AB 秋C 春休み 4 5

    6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 5月~6月:主指導 教員と副指導教員 の決定 6~7月ごろ:夏のイ ンターンの 応募スタート 10月〜:就活説明 会シーズン 2月〜:(主に大 手)就活の選考が 開始 必要な手続きは指導教員の決定のみ.(細々としたものはあるけど) あとはひたすら講義の履修と就活の準備,研究. 研究に割ける時間は意外とない 講義密ゾーン① 講義密ゾーン② 7
  2. 年間スケジュール M2 春AB 春C 夏休み 秋AB 秋C 春休み 4 5

    6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 7月:修論中間発表 就活の選考 (D進:学振等, 進学のための準備) 前半就活からの後半修論. これまで研究を進めなくて 就活からいきなり戻って苦労するパターンも多い 12月下旬: 修論締め切り 1月上旬: 修論最終発表 2月上旬: 最終稿提出 8
  3. 情報学学位Pの履修について • 修了要件:演習10単位、その他20単位以上 ◦ 演習は選択の余地がほぼない ◦ その他は情報学学位 Pか,他学位Pから選択(8単位まで,要申請) • 情報系(理系)と図書館系(文系)で毛色が違う

    ◦ 前身の”図書館情報メディア研究科 ”の名残 ◦ お互いの系の人を考慮した故に専門的なトピックは多くない • 隔年で英語・日本語が切り替わる講義も多い ◦ M1から計画的に履修しよう 13
  4. 科目の特徴 • とにかく課題・レポートが多い ◦ 毎週コンスタントに2,3つ,多いと4,5つくらい ◦ 内容に専門的な文献調査・論文読解も含まれる • GPAのために全てをガチると,研究との両立がほぼ不可能に ◦

    研究を頑張って論文がかけている方が諸々コスパがいい( GPAはあれば嬉しい,程度) ▪ 学務の方曰く,院はGPAの概念自体がないらしい?(評価はつく) ◦ 院の奨学金返済免除は研究業績も考慮に入れられる ◦ もちろん学びたいことはしっかり学んでよし. そうでないことを程々にこなす事も覚えよう • 同期で協力,過去資料を参考にする等賢く乗り切ろう 14
  5. 就活:LSPCでは • 期間:M1春(インターン応募)〜?(納得するまで) ◦ 大体4~6月に内定をもらうことが多かった ◦ 早いとM1のうちにインターンから内定 GET,遅いとM2の秋という事例もあった ◦ 就活中まともに研究を行うのはほぼ不可,確実にスピード

    DOWN • 過去の内定先はジャンルが広め ◦ 音の専門職(測定・補聴器・楽器等)から IT,ゲーム,金融,知財まで ◦ 気になる業界,企業の先輩に話を聞いたり添削をお願いしたりするのもあり 18
  6. 就活を意識してスキルを伸ばす • まずは行きたい企業が何を求めているかをチェック ◦ 「相手を知る」は全ての定石 ◦ 専門性,協調性,リーダーシップ等,重視する項目は異なる • その上で汎用的スキルは十分に伸ばしておく ◦

    研究を主体性・実行力・課題設定能力 etc…を伸ばす材料として利用する ◦ 実績も積んでおくと,その結果として使える ▪ 研究なら学会発表,論文執筆等 ◦ 研究内容そのものというよりは, 研究から得た学びや能力を意識しよう 22
  7. ex. 投稿パターン • 音楽系の研究 ◦ 国内:春季音響学会 /2月SIGMUS/情報処理学会全国大会 ◦ 国際:1月ICMC, 2月SMC,

    EUSIPCO, 4月CMMR このどれかに投稿 • 音・聴覚・認知系の研究 ◦ 国内:春季音響学会 /3月SIGAAC ◦ 国際: 2月 EUSIPCO, 4月Audiomostly, ICAD, IEEE SMC このどれかに投稿 ※毎回時期は違うので都度チェックしよう 24
  8. LSPC5年目の私が思うLSPCのいい点,(一見)悪い点 by山本 • いい点 ◦ ガツガツしていない ◦ 先生の面倒見が良く,外部の強い人との繋がりもある ◦ 多様な研究スタイルができる

    • 悪い点 ◦ 研究テーマがみんなバラバラ(バラバラであることをあまり活かせてないような ...)-> 必要となる知 見を共有しにくく,個人プレイになりがち ◦ 一部のテーマに弱い(正直,数理・ ML系の指導はあまり期待できない) ◦ あまりラボに人がいない(自宅派多し,わいわいやりたいタイプは寂しいかもしれない) ◦ 時間にルーズな雰囲気がある 26
  9. 知っておこう①:研究生活はOJT • On the Job Training:研究という実践を通して学ぶ • 先生に頼りすぎるのはNG ◦ 先生は間違えることもあるし知らないこともある

    ◦ 音楽・音だからといって全て詳しいわけではない • 「指導は乞う」 ◦ わからないことや補助して欲しいことがあれば能動的に動こう • 他人を見て学ぶ ◦ 他の人の良い習慣や言動,立ち回り等を積極的にパクろう 27
  10. 知っておこう②:大学院では何を得られるの? • 専門的なスキル ◦ 情報学学位プログラムでは,情報系のスキル(主にメディアデータ処理系.) ◦ LSPCでは音や音楽,その知覚,処理の方法論等 • 汎用的なメタスキル ◦

    情報収集・整理力 ◦ 文章作成能力 ◦ プレゼンテーション・コミュニケーション力 ◦ プロジェクト管理・遂行能力 ◦ 炎上の対処能力 etc… 講義を受ける,ゼミに出るだけではわず かに身に付く 能動的に色々やればすごく身に付く 28
  11. 知っておこう④:メンタルコンロトール • 大学院生活はメンタルがやられやすい ◦ 講義が大変すぎる ◦ 研究がうまくいかない ◦ 就活がうまくいかない ◦

    学部卒で働いている同期がキラキラしている etc… • どうやってメンタルを保つかの術を調べておこう(防火・消火・耐火それぞれ) ◦ 休息の入れ方,気を強く持つ方法,うまくいかないことを見越して計画する方法 etc… ◦ 以下は大事 ◦ 複数のコミュニティと関わりを持つこと ◦ 運動・日光・食事・睡眠に気をつけること ◦ 周りと比べないこと,自分に期待をかけすぎないこと 30
  12. 謝辞と参考資料 • 謝辞 ◦ 卒業生の三井くん,大中くん,小島くん(履修・就活の項を一部加筆,参考) ◦ 寺澤先生 • 参考資料 ◦

    2020.06.01 M1勉強会 論文の読み方・書き方・研究室の過ごし方 https://speakerdeck.com/sei88888/2020-dot-06-dot-01-m1mian-qiang-hui-lun-wen-falsedu-mi fang-shu-kifang-yan-jiu-shi-falseguo-gosifang ◦ Music Technology conference list http://conferences.smcnetwork.org/ ◦ 伊藤研究室への配属志望学生の皆さんへ http://itolab.is.ocha.ac.jp/~itot/message/itolabrecruit2021.html ◦ 研究を始める前に知っておいて欲しい 7つのこと https://speakerdeck.com/kaityo256/welcome-to-lab 33
  13. 国際会議 • 難しめ(トップ会議, 採択率 20~50%) ◦ 信号処理系:ICASSP, WASPAA, Interspeech ◦

    音楽系:ISMIR ◦ マルチメディア系:ACM MM, IUI, UIST • 中堅(狙い目.修士で通ると上々) ◦ 信号処理系:EUSIPCO, APSIPA, DAFx ◦ 音楽系:SMC, CMMR, NIME, ICMC ◦ 音全般:Audiomostly, ◦ その他:IEEE SMC, MMM, WAC, ICAD • 査読なし(国内研究会 + αくらい) ◦ ICA, ICMPC その他: http://conferences.smcnetwork.org/ 行きたい場所で選ぶという手もある(今 年はハイブリッド開催が多い) 35
  14. 夏のインターン(中長期) 1つのテーマについて一定期間取り組むインターン,行っておくと大きくアドバンテージを 持てる(一部,そこで内定が出る企業もあり) • 研究型 ◦ 違う研究テーマにお膳立てされた状態で取り組む ◦ NTT, Yamaha,

    PFN, Sony, 日立, Panasonic等の企業 ◦ 理化学研究所, 産業技術総合研究所等の研究機関 ◦ 場合によっては修論のテーマにもできるし,コネで繋げてもらえるかも • エンジニア型 ◦ ある課題について取り組む・アプリの開発をする,など ◦ CyberAgent, LINE, Yahoo等ベンチャー・メガベンチャー系に多い ◦ 開発の経験が必須(ないとまず落ちる) • 選考は高倍率.落ちる方が当たり前くらいに捉える 36
  15. 夏のインターン(短期・1day) 1日〜一週間.どちらかというと体験・説明会的な意味合いが強い • 多くの企業で実施 ◦ グループワーク ◦ 説明会 + その職業を体験

    ◦ アイデアソン etc… • 業界を知るためにも,どんどん参加しておくと吉 • 運がよければ選考一部免除,特別選考ルートの案内等がある 37
  16. オファー型求人 • Offer box https://offerbox.jp/ • Lab base https://business.labbase.jp/lp001/?utm_source=google&utm_medium=cpc •

    以下はITエンジニアが中心 ◦ 逆求人 http://www.studenthunting.com/gf_list ◦ サポーターズ https://talent.supporterz.jp/ ◦ Wantedly https://www.wantedly.com/projects 38
  17. 学校推薦 • 大学の推薦は余るほどあるので,活用しよう ◦ 企業によって先生の推薦書が必要,という場合もあるのでなる早で確認しよう ◦ 締め切りも早め • 推薦獲得 ≠

    応募後即内定なので注意 ◦ せいぜい書類・一次面接免除という程度のところも • 詳しくはhttps://manaba.tsukuba.ac.jp/ct/course_8944032をチェック 39
  18. メンタルが折れてしまう前に相談しよう • 相談先 ◦ 友人・家族 ◦ 先輩・先生:研究関連なら,話を聞くくらいはできるかも • プロに頼る ◦

    カウンセリング ▪ 学生相談室(https://www.tsukuba.ac.jp/campuslife/support-sodan/) ◦ 精神科・心療内科 ◦ これらメンタルヘルスのプロに頼ることは全然異常でも特別でもないです.       本当にきつい ときは他者を頼る勇気を持ちましょう 41
  19. Q. 院試のときとテーマが変わっても良い? 全く問題ありません! • 修論のテーマが最終決定するのは題目届を提出するとき=M2の秋 • 変わった例はたくさん(2019: 森山, 川島 2020:

    松本, 山本 2021: 三井) • いけそうか一度吟味してダメだったから変えるパターンもあれば,最初からできそう な研究に鞍替えしたり,インターン・共同研究からテーマを持ってきたりと色々 42
  20. Q. D進考えてます 1%でも可能性があれば,M1のうちに絶対その意思を伝えてください • 早いほうが絶対いい ◦ 研究のプランや,お金周りの戦略,博士として成り立つ研究テーマ等 • 早めに言っておけ ◦

    自分に本当に合う他の研究室を紹介できたりもする • とにかく,絶対に早く言え ◦ 山本はM2で意思が芽生え,DC1を出せない,研究テーマがあやふやなまま博士課程に突入する など悪い事づくめだった 44