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FINN (Fire INventory from NCAR)のための地理情報処理:山火事からの大気汚染物質排出量の推計

Yosuke Kimura
September 21, 2023

FINN (Fire INventory from NCAR)のための地理情報処理:山火事からの大気汚染物質排出量の推計

FOSS4G 2023 Japan@FUKUI コアデイ
一般発表5:
木村 陽介

Yosuke Kimura

September 21, 2023
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Transcript

  1. FINN (Fire INventory from NCAR)のため
    の地理情報処理:
    山火事からの大気汚染物質排出量の
    推計
    FOSS4G 2023 Japan@FUKUI
    2023-09-18
    木村陽介

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  2. 自己紹介
    • テキサス大学(アメリカ合衆国) Center for Energy and
    Environmental Resources勤務してます(助教?助手?技官? )
    • エネルギーと環境部門が専門です
    • ArcGIS, QGIS, GDAL, PostGIS, cartopy, leafletなどを使います

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  3. やりたかったこと
    • 山火事からの大気汚染物質の排出量を推定
    • 土地被覆(land cover)や植生連続場(vegetation continuous field)をも
    とに、単位面積当たりの燃料量(B; fuel loading, kg/m2)、燃焼割合
    (FB; fraction burned, m2/m2)、排出係数(EF; emission factor, kg/kg)を
    きめる
    • 衛星から観測された熱異常(thermal anomaly)をもとに燃焼面積(A;
    Area Burned, m2)をきめる
    • 排出量(E; emissions, kg)は次のように求められる。
    𝐸 = 𝐴 ∙ 𝐵 ∙ 𝐹𝐵 ∙ 𝐸𝐹

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  4. 方法
    • NOAAのActiveFireデータを
    使う
    https://firms.modaps.eosdis.n
    asa.gov/active_fire/
    • 24時間以内に観測された熱
    異常の位置をを地図にのせ
    る。
    • 二種類の精度の異なるデー
    タを同時に扱う(~1000mと
    ~375m)

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  5. 方法
    • 正方形の燃焼域を仮定する
    • ➔隣同士の正方形の間に隙間
    ができる。実際には連続した
    焼け跡ができていると思われ
    る。
    • どうしよう?

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  6. 方法
    • ActiveFireデータの点は衛星のセ
    ンサーに対応している。
    • センサーは同じものが格子状に
    並んでいるが、真下に向いてる
    ものに比べて斜めに向いている
    ものは位置の精度が悪い。
    • この精度を長方形で表すと、隣
    同士のセンサーの長方形はほと
    んど接する。
    • 隣同士のセンサーで観察された
    と思われる燃焼域の間はすべて
    燃えていると仮定する

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  7. 方法
    • できれば「凹包」( concave
    hull )を求めたい。湾になっ
    てる部分は埋めたくない。
    • どうするか?

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  8. 方法
    • できれば「凹包」( concave
    hull )を求めたい。湾になっ
    てる部分は埋めたくない。
    • どうするか?
    • となりあっている二つの正方形
    の凸包( convex hull )をつくる

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  9. 方法
    • できれば「凹包」( concave
    hull )を求めたい。湾になって
    る部分は埋めたくない。
    • どうするか?
    • となりあっている二つの正方形の
    凸包( convex hull )をつくる
    • すべての組み合わせに関して繰り
    返す
    • すべての凸包の合併部分を求める

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  10. 方法
    • 太い線で囲まれた部分が推定
    された燃焼域
    • FINNはさらに土地被覆等排出
    に関係する情報を処理して排
    出量を推定する

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  11. むずかしかったこと
    • まずArcPyを使って実装➔北米大陸ではうまくいった
    • “Divide-and-Conquer”
    • 全大陸を処理しようとすると途中で失敗する。多分メモリーが足りな
    い?
    • PostGISに移った
    • ArcPyと比較して安定して効率よく処理できた
    • 多分ほかのRDBMSでもできる(MS SQLServerなど)

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  12. まとめ
    • ベクター及びラスターデータを用いて山火事から大気への排出に必
    要なデータの処理をPostGISをつかって実装しました。この発表では
    ベクター処理部分を主に述べました
    • 処理するデータ量が多い場合、関係データベース(RDBMS)での実
    装が必須でした
    • 結果は査読誌に発表済みです:
    • Wiedinmyer, C., Kimura, Y., McDonald-Buller, E. C., Emmons, L. K., Buchholz, R. R.,
    Tang, W., Seto, K., Joseph, M. B., Barsanti, K. C., Carlton, A. G., and Yokelson, R.: The
    Fire Inventory from NCAR version 2.5: an updated global fire emissions model for
    climate and chemistry applications, Geosci. Model Dev., 16, 3873–3891,
    https://doi.org/10.5194/gmd-16-3873-2023, 2023.
    • https://www2.acom.ucar.edu/modeling/finn-fire-inventory-ncar
    • https://github.com/NCAR/finn

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