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創業140年の古い会社でデータの民主化を進めた話 / nikkei data driven 20180823

Yosuke
August 23, 2018

創業140年の古い会社でデータの民主化を進めた話 / nikkei data driven 20180823

THE GUILD勉強会 #03「データ×UXデザイン」資料

データ分析のトレーニング「データ道場」など日経のデータドリブン関連の施策について

Yosuke

August 23, 2018
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  1. 1
    創業140年の古い会社でデータの民主化を
    進めた話
    日本経済新聞社 鈴木陽介

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  2. 鈴木陽介(Suzuki Yosuke)
    ウェブサイトの運用・編集・記者、新聞記者などを経て2009年から
    日経電子版の企画開発に関わる。
    2011年ごろから社内エンジニアによる開発の内製化を主導、初代
    スマホウェブ版や「爆速化」したウェブ版を担当。
    2017年データドリブンを加速するための教育制度「データ道場」を
    開始。現在は機械学習・AIのプロジェクトを管轄しつつ、開発環境
    の改善や社内人員のトレーニングに取り組んでいる。
    自己紹介
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  3. 日本経済新聞社について
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    1876年(明治9年)12月創刊
    約140年の歴史
    全世界で300万部(紙・電子
    版の合計)を発行する世界
    最大の経済新聞社

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  4. 4
    日経電子版って
    消費者向けのインターネット有料サービスの先駆け。
    月額4200円!という高いサービスに60万人もの有料会員がいる
    ※紙とのセット売りでは電子版部分は1000円

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  5. ● ブラウザー向け
    ● iPhone/Android向けアプリ
    ● 認証、課金
    ● CRM・データ分析
    ● コンテンツマネジメント・システム
    ● 広告
    ● グループ会社、サードパーティー連携
    ● ビジュアライゼーションコンテンツ制作
    などの企画・開発を手がける
    日経電子版の開発業務
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  6. 6
    ビジュアライゼーション
    データ、技術、デザ
    インを総合的に駆
    使するコンテンツ開

    vdata.nikkei.com

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  7. 日経電子版で働く人たち
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    エンジニア、データサインティスト、デザイナー、マーケ
    ター、ビジネス企画

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    FTとの連携
    ● 2015年買収
    ● 爆速サイト開発
    ● データ分析プロジェクト
    ○ 1人渡英中
    ● 編集システムなどの情報
    を共有
    ● 英語力++
    ○ 英語ランチ会も実施中

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  9. 新聞販売店が間に入り、読者が誰で、どんな風に、どんな記事を
    読んでいるかの情報は持っていなかった。
    ※アンケート等で収集したものは除く
    日経電子版以前
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  10. 電子版では読者との直接取り引きとなり、いつ、誰がどんな風
    にどの記事を読んでいるかわかるようになった
    日経電子版以降(2010年)以降
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  11. 800万人以上の日経ID会員データ
    250万件の記事
    ● どのボタンを押したか
    ● どこまでスクロールしたか
    ● どの記事の見出しをみて、どの記事を結果的に読ん
    だか/読まなかったか
    平日1日のデータ量 1億件
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  12. 読者の過去20日間の利用頻度、閲覧した記事本数か
    ら算出される数値を事業に関わる人全体で向上させる
    べきものとして定義
    →エンゲージメント指標
    →この数値が高いほど読者が解約しにくい
    データを元に共通の目標を設定
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    ● Super Loyal
    ● Loyal
    ● Middle
    ● Light
    ● Dormant
    エンゲージメントの数値によって5つのカテゴリーにわ
    けている
    エンゲージメントレベル

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    ● 外部のSaaS型+オンプレからAWS上に内製のプラットフォーム
    を構築
    ● データを分析したり、収集したりする自由度が圧倒的に上がった
    ○ RedashやElasticsearch/Kibanaで分析
    新データプラットフォーム Atlas

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  15. ここまでの話
    ● そもそも顧客データを持っていなかった会社が集める
    ようになった
    ● 自社製のデータプラットフォームを構築
    →あとはデータを扱える人を増やしていく
    「データ分析の民主化」
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  16. お金や人をかけて、仕組みは作った。
    、、、でも誰も使わない
    実際よくある話
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    触り方がわからない、
    アクセス方法がわからない、
    忙しくて手が付かない

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  17. 2017年からデータドリブンを進めていくためのトレーニングの枠組み
    として「データ道場」を開始
    そこで「データ道場」
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  18. データ道場の概要
    ● 3ヶ月に渡ってデータ分析のためのノウハウを身につけるための
    トレーニング
    ● 毎週1日3時間、5〜10人ぐらい
    ● 宿題が出るときも
    ● データ分析のトレーニングをやっているデータミックス社にカリ
    キュラム作成と講師役を委託
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  19. データ道場のカリキュラム
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    ● SQL基礎
    ○ 簡単なSELECT文
    ○ 縦持ち横持ち
    ○ with句
    ● 実践編
    ○ PDCAサイクルをど
    う回すのか
    ○ 各チームごとの事
    情に合わせてカス
    タマイズ

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  20. 施策をやるときの基本姿勢を身につける
    ● ビジネス上のゴールに結びついているか
    ● ビジネスゴールに結びつくKPIを設定
    ● KPIとそれをトラッキングするダッシュボード
    ● 施策の中止条件
    ● サンプルサイズの決め方
    ● 予想されるインパクト(期待値)
    ○ できればシミュレーションする
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    ダッシュボード
    各担当者がredashでクエリを書いて、ダッシュボードを作成
    Kibanaなど他の可視化ツールを使うこともある

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  22. ● シミュレーションをしてみると、やろうと思っていた施
    策があまりインパクト出ないかもしれないことがわか

    ○ 例:機械学習でユーザーの回遊性をあげるよりも、
    スマホアプリのインストール率/利用率を上げるほう
    が効果がある
    ● 特に直接経費がかかるようなものは試算してみる
    施策をする前にインパクトを考えてみる
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  23. 事例:PC版の記事下リンクパーツ
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    データ道場に参加した担当者がその後UI改善に取り組んで、クリッ
    ク率を4倍にアップさせた

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  24. ● 分析・マーケティング担当者向け
    ● 編集関係者向け
    ● PCサイト担当者向け
    ● SQL基礎編のみコース(デザイナー、マーケティング、広告担当
    者なども)
    ● B2B担当者向け
    ● マーケティング・プロモーション担当者向け
    社員200人以上がSQLの基礎的な知識を持っている
    これまでのデータ道場
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  25. ● データ分析はまともにやろうとするとかなりコストがかかる
    ○ 一部のデータサイエンティストだけに任しておいても、やれる範
    囲が限られる
    ● 分析をすることで担当者が初めて足りないデータに気がつく
    ○ たいてい最初はPVなどの最低限のデータしかとってない
    ○ 分析ができないことで、追加で取得しないといけないデータがわ
    かる→開発時にそれを入れ込むようになる
    ● 各プロダクトの担当者が関わることで初めて本当に役立つデータ
    が取れるようになる
    そもそも何でデータの民主化が必要なんだっけ?
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  26. ● まだまだ道半ば
    ● より大きな施策にたくさん取り組んでいかないといけな

    ○ その際に必ずデータを見る能力が必要になる
    ○ たくさんの人が同じ知識レベルで話せるようにしたい
    実際には
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