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MoQとか勉強会#2 発表資料

yuki_uchida
November 21, 2024

MoQとか勉強会#2 発表資料

第2回 Media over QUIC とか勉強会 - moq-wasm 開発秘話!!
https://teket.jp/10716/42505

にて[@tttr_mt](https://x.com/tttr_mt) と共同で発表した資料です。

yuki_uchida

November 21, 2024
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Transcript

  1. SkyWayのWebRTC Researchチーム - 現メンバー - ucchy(@yuki_wtz) - tetter(@tttr_mt) - 旧:

    y-i(@Kanki2rui) - チームの役割 - 競合調査・業界調査を通してプロダクト方針に口を出す PdM補佐かつR&Dの役割を持つ - イメージ - Cybozu様のフロントエンドエキスパートチーム - WebRTC分野であること・プロダクト方針の寄与する比重が重いのが違い - 具体的な仕事 - 競合のリリースノートやWebRTC関連イベントから得られる示唆をチームに還元する - 社内で50回以上の動向調査共有会を開催 - SkyWayの新機能のための競合調査・ユーザーインタビュー・ PoC開発・正式版設計 - WebRTCの統計分析サービス - ノイズキャンセリング - 最先端技術の調査やPoC開発 - MoQTはココ
  2. Media over QUIC Transportに対する我々の考え - WebRTCを適用するユースケースが年々広がっているものの、 P2P前提な仕様やカスタマイズ性の低さ などが気になっていた - WebRTC界隈ではWebRTCのカスタマイズ性向上が重要視されている

    - KrankyGeekやRTC@Scaleは毎年WebRTCのカスタマイズの話ばかり - ex) keyframeじゃなくてLong Term Reference使ってパケロス耐性を向上させる - ex) bluetoothで視聴only -> 発話モードに切り替えた時にプロファイル変更がされて音質が 下がる問題を独自プロファイルで対処する - ex) ノイズキャンセリング処理を無理やり挟み込む - しかし、WebRTCのカスタマイズ性向上のための機能 (EncodedTransformやRTP Transport)が全 ブラウザで使えるようになるのがいつになるのか分からない - ブラウザが対応しないと (頑張っても)Nativeアプリにしか導入できない - Media over QUIC Transportではこれらの問題に (結果的に)対処できる可能性が高い - (今はライブ配信の比重が大きいが、一応ウェブ会議もユースケースには入っていた )
  3. Media over QUIC Transportへの取り組み - 幾つかの目的でMoQTへの取り組みを開始 - (SkyWayはHLS/WebRTC配信を提供しないため )ライブ配信のユースケースと課題を理解する -

    SkyWayのカスタマイズ性向上のための素振り - MoQTがWebRTCを置き換えてしまうならそれはそれで - そうでない場合もMoQTで自前構築した経験は WebRTCにもそのまま流用できる - 2023年の半ば頃からy-iが初期開発を担当(draft-00 ~ draft-01) - 2024年からucchy / tetterが引き継いで開発(draft-01 ~ draft-07) - ~2024/09 手元でmetaのmoq-go-server/moq-encoder-playerと相互接続試験 -> OSS化 - 2024/09~ IETF121に向けてdraft-06実装 - 2024/11 IETF121(tetter参戦)
  4. SETUP - CLIENT_SETUP / SERVER_SETUPの二つがある - 仕様では書かれていないが基本的にはCLIENT_SETUP -> SERVER_SETUP -

    CLIENTが対応versionを記載してSERVERが確定させる - 仕様的に Supported Version (i) になっているので単数に見えるがいずれ複数になりそう - Paramertersの種類 - ROLE: Pub/Sub/PubSubを指定する(不要論が出ていて議論になっているらしい) - PATH: QUICの時のみ使う。WebTransの場合はURL指定で問題なく動く - MAX_SUBSCRIBE_ID: Subscriberに最大Subscription数を伝える
  5. ANNOUNCE - PublisherがTrack名前空間をアナウンスするためのメッセージ - TrackNamespaceは告知するがTrackNameは告知しない - SUBSCRIBEの時にはTrackNameまで指定するので、何かしらの方法でTrack名を知る必要がある - メディア情報を配布するためのCatalogによって知る想定 -

    Catalogは`Catalog`というTrackNameで一つのTrackとしてSubscribeできる。SubscriberはまずこのCatalogを SubscribeしてTrackの情報を知る - Parameters - AUTHORIZATION_INFO: Trackレベルで認証情報を設定できる
  6. SUBSCRIBE - Track Namespace / Track Nameを指定してSubscribeを開始する - SubscribeID: そのセッション内に存在するSubscriptionを見分けるも

    のであって他のSubscriberとは個別のもの - Track Alias: OBJECTを送信する際にオーバーヘッドを減らすために 設定するIDのようなもの - Subscriber Priority: そのセッション内に存在するSubscriptionの優先 順位を設定するためのもの(0が最優先) - 但し、Controlメッセージ(OBJECT以外)はOBJECTよりも優先さ れる - Filter Type: 受け取りたいOBJECTの指定方法 - LatestGroup - LatestObject - AbsoluteStart - AbsoluteRange - StartGroup/StartObject/EndGroup/EndObject - FilterTypeがLatestGroup/LatestObjectの場合は全てNone - FilterTypeがAbsoluteStartの場合はStartGroup/StartObjectの みを指定。EndGroup/EndObjectはNone - FilterTypeがAbsoluteRangeの場合は全て指定
  7. DataStreams(旧OBJECT) - ControlMessage系とは異なり、unidirectional streamもしくはDatagramを用いてやり取りを行う - Datagramで送るかStreamで送るかで2種類の送信方法がある - StreamはTrackとSubgroupで2種類のデータ構造にさらに分かれる - 06

    -> 07でSubgroupのみになった。 - つまり06時点では3種類の方法がある。 Object Forwarding Preferenceという名前で区別される - Forwarding Preference = Datagram - Forwarding Preference = Track - Forwarding Preference = Subgroup - 07のタイミングでForwarding Preference = Trackは消滅 - Subgroupが複数なかったとしても Subgroupが一つとして使えるため。大は小を兼ねる
  8. DataStreams(旧OBJECT) - Streamの際のObject本体では、Payload Length = 0の時にObject Statusを送信する。 - Payload Length

    = 0な理由を伝達する - Normal object - Object does not exist - Indicates end of Group - Indicates end of Track and Group - Indicates end of Subgroup
  9. SUBSCRIBEシーケンス - relayがまだupstream subscriptionがない場 合は、end subscriberからのSUBSCRIBE メッセージをトリガーにupstream subscription を生成し、生成できたらend subscriberに

    SUBSCRIBE_OKを返す - relayが既にupstream subscriptionを持って いる場合にはend subscriberからの SUBSCRIBEメッセージにSUBSCRIBE_OK を返す
  10. Endシーケンス - EndSubscriber起因の終了 - subscriberがUNSUBSCRIBEによって OBJECTの送信停止をpublisherに依頼す る - publisherはSUBSCRIBE_DONEをレスポ ンスとして返す

    - OriginalPublisher起因の終了 - publisherがSUBSCRIBE_DONEを送信し て特定のSubscriptionを終了させる - 新規のSubscriptionをさせないために publisherがUNANNOUNCEを送信し、 subscriberがANNOUNCE_CANCELをレ スポンスとして返す
  11. SUBSCRIBE_ANNOUCES (旧名: SUBSCRIBE_NAMESPACE) - 事前にSub側からPub側に興味があるANNOUNCEをPrefixで指定できる - 05ではANNOUNCE時に持っているTrack Namespaceをすべて渡すしかなかっ たので、全てのNamespaceは必要ないユースケースで困るため導入 -

    現状これを使わなくてもANNOUNCE可能なので、おそらくこうなる - Pub → Relay: - Namespaceの数はあまり多くないので全部渡されても困らない - SUBSCRIBE_ANNOUCESを待たずに持ってる Namespaceをすべて渡す - Relay → Sub - Namespaceの数が膨大になっている可能性があるので全部渡されると困る - SUBSCRIBE_ANNOUCESが届いたら当てはまるものを ANNOUNCEする
  12. - 2つの提案があった 1. 暗黙的なmax (Object Priority)ではなく明示的なPublisher Priorityを使用する 2. Subscriber PriorityとSubgroup

    Priorityから選択し、もし一緒だったら以下の順で処理 - 同Track: Track毎に設定されたGroup Orderで指定された次のGroupを選択 - 同Track&Group: Subgroup IDを元に選択 Priority update
  13. - Subscribe IDを使い回すの?という声 - Track Aliasを変えて見分ければ良い (Track Aliasを用意していた意味が出てきたね ) -

    通信状況良くなったから次のGroupから解像度上げるならわかるが、通信状況悪く なったらObject取れないので前のGroupから取るべきでは?という声 - その場合はSWITCHではなくてFETCHで取るべき - 似た仕組みを実際に実装して上手くいったという人もいるので、実際に効率よく切り 替えできるか確認することに - 仮にdownsrtream側の通信状況が変化したからといってupstream側まで影響させ て良いのか?サイマルキャストなら刺さりそうだけど (心の声) SWITCH
  14. 最近気になっているIssue / PR - #502: Extensible Object Headerを追加する予定 - SETUPにREQUESTED-EXTENSIONパラメータを追加してネゴシエートする

    - #598: SUBSCRIBEが未来と言いつつ少し前も取得してるよね - Latest Groupで取得すると現在の Groupの最初 (つまり過去) のObjectから取得を始める - 結論は出ていないが、 JOIN(0)もしくはSUBSCRIBE+FETCH(0)で対応する形になるかも? - #603: ROLEが活用されてないのでとりあえず消してみる - #607: Group Orderって本当に必要?DSCって使う? - (Group Order: 送信できるGroupが2つ以上あるときにどちらから送るべきか指定できる ) - 元々Twitchがライブエッジに追いつくための仕組みで tail dropに使っていた - SUBSCRIBEに関してはDERIVERY_TIMEOUTがカバーするようになったので不要 - FETCHでは巻き戻しに対応するために必要 - #612: SubgroupのことをうっかりPeepと呼んでしまってる
  15. 短期間で01 -> 06対応 - IETF121へ参加することが決まったときはまだdraft-01の状態 - 06対応を始めたのは9/25 → 約5週間 -

    機能単位でチケット化してみたら約100件 diffはこんなのが続いてる オワタ\(^o^)/
  16. 苦労したところ - SUBSCRIBEが大成長した - 当時Pub <- Track <- Subという形で管理していたが肥大化しすぎた -

    Pub <- Subscription <- Track, Sub <- Subscription <- Trackの2つに分離させ、Relayに応じて Pub/Subのリストを管理する形式に変更 draft-01 draft-06
  17. Media over QUICの変だと感じたところ - Interim多すぎ問題 - 2週間に1度開催されてる - 回によっては6〜7h x

    2日間とかもある (Boston) - これを全部見ないと全貌にたどり着けない - 基本Meetingの時間が足りなくてみんな早口すぎる - 明確なシーケンスや状態の定義がない - issue#402で進んでいるっぽい - App (WARP) も同じWGで面倒見るのは大変