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240315_発表資料_清水.pdf

yuki
March 15, 2024
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March 15, 2024
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  1. 5/20 単目的最適化と多目的最適化 ( ) ( ) ( )  

    1 2 min , ,..., n x f x f x f x ( ) min x f x f1 f2 better な方向 ✓ 最大化問題は、目的関数に-1をかけることで最小化問題に変換できる ✓ 目的関数が5以上の多目的最適化は特に多数目的最適化と呼ばれ 最適化アルゴリズムの性能が著しく悪化するため 目的関数の数は2,3程度に留めるのが望ましい 単目的最適化 多目的最適化 単一の目的関数 複数の目的関数 多目的最適化の解分布 パレートフロント (パレート解の集合) *他のどの解よりも少なくとも 1つの目的関数で優れる解の集合
  2. 6/20 制約条件 等式制約問題 不等式制約問題 ( ) min . . (

    ) 0 x f x s t g x = ( ) min . . ( ) 0 x f x s t g x  目的関数の計算前に設計変数を実行 可能解に修正する修正オペレータを使用 制約条件自体を目的関数のように扱う 手法が代表的 目的関数の計算を必要とする制約条件 (ex. トルク200Nm以上など) 目的関数の計算を必要としない制約条件 (ex. 磁石厚さ5mm以上など) [2] 原田+, 人工知能学会論文誌, 2007 ペナルティ法 パラメータレス制約処理 ペナルティ関数 [3] Deb+, John Wiley & Sons, Inc., 2001 目的関数 制約満足の場合 制約違反の場合 目的関数最大値
  3. 7/20 目的関数の数を減らす方法 目的関数の制約化 目的関数の線形和 ✓ 目的関数が複数の場合、目的関数の数を減らすことが可能 ✓ トレードオフ情報の入手のため、目的関数の数を2,3程度とするのが好ましい ( )

    ( ) ( ) 1 1 2 2 min ... n n x w f x w f x w f x + + + 目的関数の線形結合により 新たな目的関数を作成 min 0.5 0.3 0.2 avg rip x T T Cost − + + (例) 平均トルク最大化:50% トルクリプルの最小化:30% 材料コストの最小化:20% 1つを除いて目的関数を制約条件として扱う (例) ・平均トルク:最大化 ・磁石減磁率:最小化 ・最大応力:最小化 ・コスト:最小化 ・平均トルク:200Nm以上 ・磁石減磁率:3%以下 ・最大応力:300MPa以下 ・コスト:最小化
  4. 8/20 最適化のパラメータはどうすべきか? ✓ 最適化には様々なパラメータや条件を設定する必要がある • 評価世代数 • 評価個体群のサイズ • 終了条件

    • 最適化アルゴリズムの各種パラメータ ✓ これらをどのように設定すべき?最適なパラメータは無いの? ⇒誰も最適なパラメータなんて知りません(NFL定理) ⇒自分が取り組みたい問題に似た最適化問題の文献や アプリ、ライブラリの初期値・推奨値を参考に、試行錯誤するしかない
  5. 9/20 形状最適化とトポロジー最適化 ✓ 最適化の対象による分類では、形状最適化とトポロジー最適化の2種類が存在 トポロジー最適化 形状最適化 [4] Shimizu+, IEEJ J.

    Ind. Appl., 2021 [5] 佐藤+, 電学論D, 2015 ※本発表では形状最適化と寸法最適化は区別しない ある基準の形状に割り当てられた 設計パラメータを対象とした最適化 寸法だけでなく、電流、速度、材料など、 パラメトリックに表すことができる変数全てに 対象を拡張することも容易 形状の穴の数や配置までを考慮できる最適化手法で 全く新しい形状を生成することが可能 非常に高い設計自由度が課題であり NGnet法と呼ばれる次元削減手法が モータ設計ではよく用いられる
  6. 11/20 オンライン学習と最適化;ベイズ最適化など オフライン学習と最適化 機械学習を応用した設計最適化 データの生成 特性予測モデルの学習 設計最適化 データの生成 特性予測モデルの学習 追加データの生成

    設計最適化 メリット ・最適化計算がFEAに対して短時間で完了 ・一度学習すれば異なる条件で 何度も最適化が試行可能 デメリット ・予測精度はデータ範囲外では著しく低下 最適化結果がデータに依存 ⇒データバイアス メリット ・最適化計算中にモデルを追加学習するため モデルの適用範囲を効率的に拡大 データバイアスの問題の解決が期待 デメリット ・計算負荷とシステム設計が複雑に
  7. 12/20 モータ設計最適化によく用いられる最適化アルゴリズム ✓ モータ分野でよく用いられる最適化アルゴリズムを示す アルゴリズム 特徴 遺伝的アルゴリズム (GA: Genetic Algorithm)

    生物の進化過程を模した近似最適化アルゴリズム。 連続問題を扱う実数値遺伝的アルゴリズムが モータでは良く用いられる。 差分進化法(DE: Differential Evolution) 集団内の個体間の差分に基づいて進化を行う 最適化アルゴリズム。単目的最適化によく用いられる。 粒子群最適化 (PSO: Particle Swarm Optimization) 主に単目的最適化に用いる生物の群行動を模した アルゴリズム。多目的最適化に拡張した様々な派生形が存在。 CMA-ES(Covariance Matrix Adaptation Evolution Strategy) 多変量正規分布を仮定して個体を生成するアルゴリズム。 主に単目的最適化に用いられ、収束性に優れる。 MOEA/D(Multiobjective Evolutionary Algorithm Decomposition) 多目的問題を複数の単目的最適化問題に分解して扱う アルゴリズム。計算量が少ない。 NSGA-II(Elitist Non-dominated Sorting Genetic Algorithm) 高速非優劣ソートによるランキング法に基づく 多目的遺伝的アルゴリズム。 多目的最適化で最もよく用いられるアルゴリズムの一つ。 *勾配法などの微分可能性を前提とするアルゴリズムは未記載
  8. 14/20 モータ設計最適化に特有な問題 ✓ 最適化アルゴリズムは数理最適化の分野で発展してきたが モータ設計最適化にはモータ分野特有の問題を考慮する必要がある • 寸法などの設計変数が多数存在し 要求特性に基づく目的関数や制約条件も幅広い • 有限要素解析を使用する場合,評価値計算に長時間を要する

    • 有限要素解析やサロゲートモデル(機械学習など)を用いた評価値計算では 数値誤差が生じることがある • 要求仕様の突然の変更や,意思決定者の交代などにより, 経時的に「最適な設計」の定義が変化することがある ✓ 本特徴に基づいて、モータ設計最適化で注意すべき3つの点について説明 モータ分野特有の問題
  9. 15/20 ①大規模な問題設定は避けるべき ✓ モータ設計には多数の設計変数や運転特性が存在 ✓ 変数が増加すると、探索空間は指数関数的に増加、最適化の収束が困難に 磁性材料 (磁石、鋼板) 効率特性 応力分布

    温度変化 速度ートルク特性 駆動回路 ロータ 極数、直径、積厚、各寸法 形状;V,∇,2D,… トポロジー 種類;IPM,SPM,… ステータ 極数、スロット数、 直径、巻き方、 形状、トポロジー 電流・速度・電圧 , , , d q lim DC i i N V     Ψa Lq Ld モータパラメータ 不可逆減磁 (磁束密度分布) コギング、リプル 絶縁、組付け性、 生産技術
  10. 16/20 感度解析を用いた設計変数の決定 段階的な最適化対象と範囲の修正 ①大規模な問題設定は避けるべき ✓ 大規模な設計最適化を一度に行うより、小規模な設計最適化を段階的に行うべき H. Sasaki+, IEEE Magn.,

    2021 トルクに関してトポロジー最適化 高トルク化に重要なエリアを除いて トルクリプル最小化(Grad-CAMを使用) X. Sun+, IEEE Ind. Electron., 2021 ①重要なステータ変数 ②重要なロータ変数 ③その他、に変数を分類 ①で最適化,②③は固定 ②で最適化,①③は固定 ③で最適化,①②は固定 設計変数を振って 感度を計算
  11. 17/20 ②得られた最適解は必ず検証すべき ✓ ロータの一部分にトポロジー最適化を施した例 平均トルク:139.8Nm トルクリプル:18.3Nm 平均トルク:202.3Nm トルクリプル:22.4Nm NGnetの設定 メッシュ

    トルク最大化& リプル最小化 のトポロジー最適化 空隙を追加しただけで 平均トルクが45%増加? 正しいか? メッシュの品質が悪く 解析結果の信頼性が低い
  12. 18/20 ②得られた最適解は必ず検証すべき ✓ 実機に対するFEAモデル、FEAモデルに対する機械学習モデル、など モデル化を行うと必ず評価計算誤差が発生 特性 真の 特性曲線 真の最適解 評価結果1

    評価結果2 回帰誤差 モデリング誤差 形状 • 回帰誤差: 縦軸の誤差。最適解への収束自体には影響 しないが、制約条件へ影響 ⇒制約条件には許容誤差を追加しておくべき • モデリング誤差: 横軸の誤差。最適化の結果が真の最適解とかけ 離れる危険性がある ⇒モデリング精度に注意すべき ✓ 特に多目的最適化を行うと 評価計算誤差が大きい解に収束しやすい ⇒最適化の解はより信頼性の高い別手法で必ず検証する必要がある (FEAでの最適化結果を、メッシュ条件や形状を整理して再解析、など)