Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
SREのエッセンスを運用・保守に無理矢理入れようとして失敗した話
Search
土井淳
August 25, 2022
Technology
1
600
SREのエッセンスを運用・保守に無理矢理入れようとして失敗した話
土井淳
August 25, 2022
Tweet
Share
Other Decks in Technology
See All in Technology
雲勉LT_Amazon Bedrock AgentCoreを知りAIエージェントに入門しよう!
ymae
2
200
AI × クラウドで シイタケの収穫時期を判定してみた
lamaglama39
1
390
新しい風。SolidFlutterで実現するシンプルな状態管理
zozotech
PRO
0
130
国産クラウドを支える設計とチームの変遷 “技術・組織・ミッション”
kazeburo
4
8.1k
グローバルなコンパウンド戦略を支えるモジュラーモノリスとドメイン駆動設計
kawauso
3
8.2k
AI時代のインシデント対応 〜時代を切り抜ける、組織アーキテクチャ〜
jacopen
4
120
今すぐGoogle Antigravityを触りましょう
rfdnxbro
0
150
Dev Containers と Skaffold で実現する クラウドネイティブ開発環境 ローカルのみという制約に挑む / Cloud-Native Development with Dev Containers and Skaffold: Tackling the Local-Only Constraint
bitkey
PRO
0
130
ECS組み込みのBlue/Greenデプロイを動かしてELB側の動きを観察してみる
yuki_ink
3
410
個人から巡るAI疲れと組織としてできること - AI疲れをふっとばせ。エンジニアのAI疲れ治療法 ショートセッション -
kikuchikakeru
5
1.9k
2025年 面白の現在地 / Where Omoshiro Stands Today: 2025
acidlemon
0
530
大規模モノレポの秩序管理 失速しない多言語化フロントエンドの運用 / JSConf JP 2025
shoota
0
360
Featured
See All Featured
A Tale of Four Properties
chriscoyier
162
23k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
29
4.1k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
46
2.6k
Music & Morning Musume
bryan
46
7k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
9
680
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
186
22k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
508
140k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
370
20k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
192
56k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
100
5.9k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
38
2.9k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
79
6.7k
Transcript
SREのエッセンスを運用・保 守に無理矢理入れようとして 失敗した話 株式会社mediba テクノロジーセンター 土井
自己紹介 土井 淳 (Jun Doi) 職業: 株式会社mediba テクノロジーセンター テクノロジー統合 UNIT
業務内容: SREチーム リーダー・インフラ開発・運用 メモ: AWS歴5年 GCP歴: 1年程度 好きなサービスはAWS LambdaとStep Functions Twitter: @zuuundayo 2 2
注意 本発表並びにスライドに記載されている内容はあくまで個人の見解・発表であり、 所属する会社の公式な見解・発表ではございません。 3
目次 1. 何を行ったのか 2. SLI/SLOを運用・保守に取り入れてみてど うだった? 3. SLI/SLOを導入するための教訓 4
1. 何を行ったのか 5
1. 何を行ったのか • 弊社のSRE組織の起源はインフラストラクチャー部 ◦ これからの時代はインフラだけでは喰っていけない ◦ インフラ以外にも領域を広げていこう ◦ 部名がSRE推進部に変更
6
1. 何を行ったのか • SREという名前になったが... ◦ 活動内容はインフラストラクチャー部のまま ▪ 運用・保守に我々の活動指標としてSLI/SLOを取り入れよう Service Level
Indicator (SLI) システムの状態・パフォーマンスを把握するための指標 Service Level Objective (SLO) SLIの目標値・範囲 ex.) レイテンシー, エラー率, スループット, 稼働率 ユーザから見た時にあるべきシステム状態の目標(こういう状態であるべき) SLOによって仕事の優先順位を判断することもあり得ます(修繕か改善か 7
1. 何を行ったのか • なぜSLI/SLOを導入するのか? ◦ 様々なサービスのシステムがあるため俯瞰して状況を見づらい ▪ ダッシュボードを作ることで確認しやすく ◦ ユーザファーストを実現する
▪ ユーザが体験している状況を把握し、改善につなげる ◦ インフラは縁の下の力持ちで存在感がない ▪ 存在感を出していくためにも 成果を目に見える形に 8
1. 何を行ったのか • 導入にあたって準備したこと ◦ 全社への説明会 ◦ メトリクスの収集機構 ◦ ダッシュボードの作成
▪ QuickSight+ Azure AD SSO ▪ だれでもログインして閲覧できる 9
1. 何を行ったのか • どのようなSLIを取得したのか ◦ 数多くのシステムがある ▪ 共通で取得できる指標を一 括で集める •
ざっくりとSLOを設定 • ユーザ視点 • 可用性 • 月間稼働率 • 月間エラー率 • 月間レイテンシ • システム視点寄り • 月間アラート数 • 月間平均修復時間(MTTR) 10
2. SLI/SLOを運用・保守に取り入れてみ てどうだった? 11
2. SLI/SLOを運用・保守に取り入れてみてどうだった? • レポート内容を毎月担当からチームに共有 ◦ 要因等を開発チームにフィードバック • 稼働率等は時系列で永続的に記録 12
• よかったこと👍 ◦ QuickSightの知見を得ることができた ◦ SLIを上手く集約して閲覧できるようにできた • よくなかったこと👎 ◦ SLIデータは取得できたが運用・保守にはあまり役立たなかった
▪ 共通で取得したデータからわかることが少ない ▪ システムの現状が如実に表されていない ◦ SLI/SLO を活用した運用のイメージが具体的ではなかった ▪ 数値が悪くなった場合にどのような対応を取るべきか具体的では なかった(原因と結びつきにくい値) 13 → 結果としてあまり利用されずに運用はストップ 2. SLI/SLOを運用・保守に取り入れてみてどうだった?
3. SLI/SLOを導入するための教訓 14
3. SLI/SLOを導入するための教訓 15 • 欲張るな! ◦ 複数プロダクトまとめてやるのは難しい ◦ プロダクトごとの事情を汲み取るべし •
CUJ(Critical User Jorney)を基に決めよう ◦ ユーザにとっての不利益 (= ビジネス機会損失)を検知できる指標 • 運用イメージを具体的に考えられる値にしよう ◦ この値がこうだったらこういう影響が出ているからこうするといった運用をイメージできる指標を探す ▪ 可観測性を重視した メトリクス取得し、観察することでシステム特性も分かる ▪ まあそれが難しいんですけどね...
宣伝 現在弊社では毎月mediba Tech Cafeというイベントを行ってます! mediba Tech Cafe #9 「medibaのエンジニア解体新書〜1日の過ごし方編〜」 •
開催日: 8月30日(火)12:00 ~ 13:00 • 場所: オンライン (Youtube Live) • Connpassにて募集中 ◦ https://mediba-tech-cafe.connpass.com/event/257634/ 16 エンジニアブログもやってます https://ceblog.mediba.jp/ 色んな仲間も募集中です〜 (複業としても・複業やってても OK) https://hrmos.co/pages/mediba/jobs (ご興味あればぜひ)
おわりに 現在、SLI/SLOを用いた運用に再チャレンジ中です。 また別の機会に得られた知見を共有しようと思ってます。 ご清聴ありがとうございました! 17