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入門統計的因果推論4.4節

Masafumi Abeta
September 05, 2021

 入門統計的因果推論4.4節

「入門統計的因果推論」輪講会で発表した資料です。

Masafumi Abeta

September 05, 2021
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  1. 2 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  2. 3 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  3. 5 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  4. 7 𝐸 𝑌! 𝑋 = 1 を求めたい。共変量の集合𝑍が処置と反応変数についてバックドア基準を満たす場合は、バックド ア公式と定理4.3.1を使⽤して計算できる。これをETT調整可公式と呼ぶ。 𝑃 𝑌)

    𝑋 = 𝑥* = , + 𝑃 𝑌) = 𝑦 𝑋 = 𝑥*, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥* = , + 𝑃 𝑌) = 𝑦 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥* = , + 𝑃 𝑌) = 𝑦 𝑋 = 𝑥, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥* = , + 𝑃 𝑌 = 𝑦 𝑋 = 𝑥, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥* ∵定理4.3.1 ∵定理4.3.1 ∵⼀致性
  5. 8 よって、反事実を含まない式で計算が可能。 ETT = 𝐸 𝑌! − 𝑌" |𝑋 =

    1 = 𝐸 𝑌! 𝑋 = 1 − 𝐸 𝑌" 𝑋 = 1 = 𝐸 𝑌 𝑋 = 1 − , + 𝐸 𝑌 𝑋 = 0, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 1 知性・教養・社会的つながりについて プログラム修了者の重みで プログラム⾮修了者の重み付けをする
  6. 9 練習問題4.4.1(a) 𝑋が⼆値変数の場合、 𝑃(𝑋, 𝑌)と𝑃(𝑌|do(𝑋 = 𝑥))が分かればETTを推定できる。 𝐸 𝑌" =

    , 45",! 𝐸 𝑌) 𝑋 = 𝑖 𝑃 𝑋 = 𝑖 = 𝐸 𝑌" 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 0 + 𝐸 𝑌" 𝑋 = 1 𝑃 𝑋 = 1 ⇒ 𝐸 𝑌"|𝑋 = 1 = 𝐸 𝑌" − 𝐸 𝑌" 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 1 = 𝐸 𝑌|do(𝑋 = 0) − 𝐸 𝑌 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 1
  7. 10 練習問題4.4.1(b) 性別が交絡因⼦と考えた場合のETTを計算する。Doオペレータは調整可公式を使⽤する。 𝐸 𝑌!|𝑋 = 1 = 𝐸 𝑌|do(𝑋

    = 0) − 𝐸 𝑌 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 1 = 𝐸 𝑌 𝑋 = 0, 𝑍 = 0 𝑃(𝑍 = 0) + 𝐸 𝑌 𝑋 = 0, 𝑍 = 1 𝑃(𝑍 = 1) − 𝐸 𝑌 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 1 = 234 270 × 270 + 87 350 + 350 + 55 80 × 263 + 80 350 + 350 − 289 350 × 1 2 1 2 = 20497 28000 X=1: 投与あり Z=1: ⼥
  8. 11 練習問題4.4.1(c) 性別がバックドア基準を満たしている場合。 𝐸 𝑌!|𝑋 = 1 = : "

    𝐸 𝑌 𝑋 = 0, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 1 = 𝐸 𝑌 𝑋 = 0, 𝑍 = 0 𝑃 𝑍 = 0 𝑋 = 1 + 𝐸 𝑌 𝑋 = 0, 𝑍 = 1 𝑃 𝑍 = 1 𝑋 = 1 = 234 270 × 87 350 + 55 80 × 263 350 = 20497 28000 X=1: 投与あり Z=1: ⼥ ETT = 𝐸 𝑌|𝑋 = 1 − 𝐸 𝑌! |𝑋 = 1 = 273 350 − 20497 28000 ~0.048
  9. 12 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  10. 13 例4.4.2 もともと存在する𝑋の値にある値を加える(または除く)ときの効果を推定するとき、それぞれの個体のもと もとの𝑋は個体ごとに異なるとする。このような介⼊の効果を観察研究または𝑋をある値𝑥に予め⼀様に決定し ておく実験研究で推定できるだろうか。 𝐸 𝑌 add 𝑞 −

    𝐸 𝑌 = E "! 𝐸 𝑌"!#$ 𝑋 = 𝑥% 𝑃 𝑋 = 𝑥% − 𝐸 𝑌 = E "! E & 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥% + 𝑞, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥% 𝑃 𝑋 = 𝑥% − 𝐸 𝑌 現在X = 𝑥′の個体をX = 𝑥% + 𝑞に介⼊したとき、つまり𝑌"%#$ をX = 𝑥′の個体で平均すると𝐸[𝑌"!#$ |𝑥′]となる。こ れはETTの表現をしている。介⼊前後の差をとって介⼊効果とする。変数𝑍がバックドア基準を満たす変数と するとETT調整化公式が使える。
  11. 15 また、加法的介⼊効果𝐸 𝑌 add 𝑞 − 𝐸 𝑌 は平均因果効果、 加法的介⼊効果は𝑌"

    と𝑋が⾮交絡のときのみ平均因果効果に⼀致する。 E " 𝐸 𝑌|do(𝑋 = 𝑥 + 𝑞) − 𝐸 𝑌|do(𝑋 = 𝑥) 𝑃 𝑋 = 𝑥 とも異なる。平均因果効果は、被験者をランダムに選んで、割合𝑃 𝑋 = 𝑥 の⼈たちに強制してdo(𝑋 = 𝑥 + 𝑞) をしている。⼀⽅で加法的介⼊効果は、⾃由意志で𝑋 = 𝑥となることを選択した⼈に対して、 𝑞を加える操作 をしている。この違いが効果に影響する。 𝐸 𝑌 add 𝑞 − 𝐸 𝑌 = E " 𝐸 𝑌"#$ 𝑋 = 𝑥 − 𝐸 𝑌|𝑋 = 𝑥 𝑃 𝑋 = 𝑥 ≠ E " 𝐸 𝑌"#$ − 𝐸 𝑌" 𝑃 𝑋 = 𝑥 = E " 𝐸 𝑌|do(𝑋 = 𝑥 + 𝑞) − 𝐸 𝑌|do(𝑋 = 𝑥) 𝑃 𝑋 = 𝑥
  12. 17 練習問題4.4.2(c) (3.15)のフロントドア公式を⽤いる。 𝐸 𝑌" 𝑋 = 𝑥% を求める。 𝐸

    𝑌! = 𝑦 = % !" % # 𝐸 𝑌 = 𝑦 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 𝑥" 𝑃(𝑍 = 𝑧|𝑋 = 𝑥)𝑃 𝑋 = 𝑥" 𝐸 𝑌! = 𝑦 = % !! 𝐸 𝑌! 𝑋 = 𝑥" 𝑃 𝑋 = 𝑥" ⟹ 0 = % !! 𝑃 𝑋 = 𝑥" 𝐸 𝑌! 𝑋 = 𝑥" − % # 𝐸 𝑌 = 𝑦 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 𝑥" 𝑃(𝑍 = 𝑧|𝑋 = 𝑥) ∵フロントドア公式 ∵乗法定理 ∵ 𝑃 𝑋 = 𝑥% >0かつ𝑃 𝑋 = 𝑥% の任意性 = 0 ETT = 𝐸 𝑌' − 𝑌! |𝑋 = 0 = E &(!,' 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 0 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 1 − 𝐸 𝑌 𝑋 = 0 = 0.9× 20 400 + 0.95× 380 400 − 0.9025 = 0.045 X=1: 喫煙者 Z=1: タール蓄積あり 肺がんになる確率4.5%上昇を受け⼊れられるか
  13. 18 ちなみに、喫煙している⼈が、もし喫煙しなかった場合と⽐べたときの肺がんになる確率は次のようになる。 𝐸 𝑌' − 𝑌! |𝑋 = 1 =

    𝐸 𝑌 𝑋 = 1 − E &(!,' 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 1 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 0 = 0.15 − 0.1× 380 400 − 0.15× 20 400 = 0.0475
  14. 19 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  15. 20 例4.4.3 (i)がん摘出⼿術のみ(𝑋 = 0) (ii)がん摘出⼿術+放射線治療(𝑋 = 1) Jonesは(ii)を選択し10年再発なく(Y =

    1)喜び、Smithは(i)を選択し1年後再発し(Y = 0)後悔している。 この喜びや後悔の正しさをデータから推定できるのか。出来たところで何か意味はあるのか。 放射線治療を受けて(𝑋 = 1)再発しなかったとき(Y = 1)、仮に放射線治療を受けず再発していた(𝑌! = 0)確率を 必要性の確率(PN: Probability of Necessity)と呼び、Jonesの結果が望ましい結果を得るのに必要であった度 合いを測るものである。 𝑃𝑁 = 𝑃 𝑌! = 0|𝑋 = 1, 𝑌 = 1 放射線治療を受けず(𝑋 = 0)再発したとき(Y = 0)、仮に放射線治療を受けて再発しなかった (𝑌' = 1)確率を⼗ 分性の確率(PS: Probability of Sufficiency)と呼び、Smithの選択しなかった⽅の選択肢をもし選んでいたとき の回復していたであろう度合いを測るものである。 𝑃𝑆 = 𝑃 𝑌# = 1|𝑋 = 0, 𝑌 = 0
  16. 21 Dailyは放射線治療を受けなければ再発し、受ければ再発しないような腫瘍のときのみ放射線治療をしたい。 仮に放射線治療を受けて再発しない (𝑌' = 1)かつ放射線治療を受けず再発する(𝑌! = 0)確率は必要かつ⼗分で あるような確率を表す。 𝑃𝑁𝑆

    = 𝑃 𝑌# = 1, 𝑌! = 0 このような確率は⼀般には観察データからも実験データからも推定不可能だが、ある条件のもとでは推定でき ることがある。 → 4.5.1項 個⼈のリスクや選択の正しさを確認することで、⾃分の意思決定に対して⾃信を持ったり、思考プロセスの改 善につなげることができる。
  17. 22 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  18. 23 例4.4.4 A社に落とされたMaryは⾃⾝が同性愛者だから落とされたと考えた。A社が異性愛者を優遇し、同性愛者を差 別していることを⽰せるか。 ⼗分性の確率で表せる。 𝑃𝑆 = 𝑃 𝑌# =

    1|𝑋 = 0, 𝑌 = 0 𝑋 = 0は同性愛、 𝑌 = 0が不合格を表す。 個別のケースでは差別か判断できないが、差別が起きた確率を求める事はできる。→ 4.5.2項
  19. 24 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  20. 25 例4.4.5 (i)教育の場や職業訓練において性別の差をなくす (ii)採⽤の決定を性別によらないものにする 成功した場合⼆つのどちらが、採⽤における性間格差を減少させるのに⼤きなインパクトを残せるか知りたい。 採⽤の決定を性別によらないものにしてみよう。雇⽤主は応募者を男性のように扱い(𝑋 = 1)、応募者は資格 (Q =

    𝑞)を持っているとする。男性と⼥性の採⽤結果の差は次のようになる。 E $ 𝐸 𝑌*(',+($ 𝑃(𝑄 = 𝑞|𝑋 = 0) − E $ 𝐸 𝑌*(',+($ 𝑃(𝑄 = 𝑞|𝑋 = 1) これは資格により媒介された採⽤における性別の間接効果である。この効果を⾃然な間接効果(NIE: Natural Indirect Effect)と呼ぶ。媒介変数を⺟集団全体で固定せず、⾃然に様々な値をとるためである。 交絡因⼦がなければ条件付き確率で表せることが知られている。 E $ 𝐸 𝑌|𝑋 = 1, 𝑄 = 𝑞 𝑃 𝑄 = 𝑞 𝑋 = 0 − 𝑃 𝑄 = 𝑞 𝑋 = 1
  21. 26 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  22. 28 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  23. 29 事象は⼆値とする。 𝑋 = 𝑥, 𝑌 = 𝑦をそれぞれ介⼊と反応とし、 𝑋 =

    𝑥′, 𝑌 = 𝑦′をそれぞれの否定とする。 実際には𝑋 = 𝑥, 𝑌 = 𝑦 だが、もし𝑋 = 𝑥′のとき𝑌 = 𝑦′ であろう確率を求めたい。 𝑃𝑁(𝑥, 𝑦) = 𝑃 𝑌)* = 𝑦′|𝑋 = 𝑥, 𝑌 = 𝑦 PNが識別可能である条件は定理4.5.1で⽰される。 過剰相対リスク(ERR: Excess Risk Ratio) 交絡バイアスの修正項(CF: Confounding Factor)
  24. 32 薬xは飲むと死に⾄らせることはあっても、死を防ぐことはないと仮定する(単調性)。 実際には飲んだら死んだ(𝑋 = 𝑥, 𝑌 = 𝑦 )が、飲まなかったら死ななかった(𝑋 =

    𝑥′のとき𝑌 = 𝑦′ )確率を求める。 飲まないほうが死ぬ確 率が⾼いように思える 飲ませると死ぬ 確率が上がる PNは確率なので0 ≤ 𝑃𝑁 ≤ 1を満たさなければならない。 また、もし単調性がなくてもPNの下限が1になるので、 0 ≤ 𝑃𝑁 ≤ 1と合わせて𝑃𝑁 = 1が⽰される。 よって飲まなければ死ななかった確率は100%である。
  25. 33 練習問題4.5.1 変数の定義は下記の通り。 がん摘出⼿術のみ(𝑋 = 0 = 𝑥′) がん摘出⼿術+放射線治療(𝑋 =

    1 = 𝑥) 再発なし(Y = 1 = 𝑦) 再発あり(Y = 0 = 𝑦′) 𝑃 𝑌 = 𝑦′|do(𝑋 = 𝑥′) = 0.39 𝑃 𝑌 = 𝑦′ do 𝑋 = 𝑥 = 0.14 𝑃 𝑦′ = 0.3 𝑃 𝑥′ 𝑦′ = 0.7 𝑃 𝑥", 𝑦" = 0.21 𝑃 𝑦|do(𝑋 = 𝑥′) = 0.61 𝑃 𝑦 = 0.7 𝑃 𝑥 𝑦" = 0.3 𝑃 𝑥, 𝑦" = 0.09 𝑃 𝑥 = 0.5 𝑃 𝑥, 𝑦 = 𝑃 𝑥 − 𝑃 𝑥, 𝑦" = 0.2 Fisher et al. 観察データ 使⽤できるデータは下記の通り。 下限と上限は下記の通り。 LB = max 0, 𝑃 𝑦 − 𝑃(𝑦|do(𝑋 = 𝑥′)) 𝑃(𝑥, 𝑦) = max 0, 0.7 − 0.61 0.2 = 0.45 UB = min 1, 𝑃 𝑦" do 𝑋 = 𝑥" − 𝑃(𝑥", 𝑦′) 𝑃(𝑥, 𝑦) = min 1, 0.39 − 0.21 0.2 = 0.9 Fisher et al. 観察データ 治療あり |do(x) 治療あり |do(xʼ) 治療あり ,x 治療なし ,xʼ 再発あり y 0.86 0.61 0.2 再発なし yʼ 0.14 0.39 0.09 0.21 情報が⾜りないので適 当に追加
  26. 34 4.4 半事実の実践的応⽤ 4.4.1 参加者募集 4.4.2 加法的介⼊ 4.4.3 個⼈の意思決定 4.4.4

    採⽤における差別 4.4.5 媒介とパス切断介⼊ 4.5 介⼊と寄与の分析に関する数学的ツール 4.5.1 原因の確率と寄与に関するツール 4.5.2 媒介についてのツール
  27. 36 反事実における直接効果と間接効果の定義 (a)総合効果(TE: Total Effect) TE = 𝐸 𝑌# −

    𝑌! = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0 = NDE − NIE$ (b)制御された直接効果 (CDE: Controlled Direct Effect) CDE 𝑚 = 𝐸 𝑌#,& − 𝑌!,& = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1, 𝑀 = 𝑚 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 𝑚 (c)⾃然な直接効果 (NDE: Natural Direct Effect) NDE = 𝐸 𝑌#,'$ − 𝑌!,'$ (d)⾃然な間接効果 (NIE: Natural Indirect Effect) NIE = 𝐸 𝑌!,'% − 𝑌!,'$ NIE$ = 𝐸 𝑌#,'$ − 𝑌#,'% (a)(b)はdoオペレータで書かれているのでデータから推定可能である。(c)(d)は別の仮定が必要。
  28. 40 練習問題4.5.2(a) 構造モデルのTE、NDE、NIEを求める。 𝑦 = 𝛽' 𝑚 + 𝛽- 𝑡

    + 𝑢. 𝑚 = 𝛾' 𝑡 + 𝑢/ 𝑀 𝑌 𝑇 NDE = 𝐸 𝑌0(',,(,#$% − 𝑌0(!,,(,#$% = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1, 𝑀 = 𝐸[𝑈, ] − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 𝐸[𝑈, ] = 𝛽' 𝐸[𝑈, ] + 𝛽- + 𝐸 𝑈1 − 𝛽' 𝐸[𝑈, ] − 𝐸[𝑈1 ] = 𝛽- 𝑇E = 𝐸 𝑌0(' − 𝑌0(! = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0 = 𝛽' 𝛾' + 𝛽' 𝐸 𝑈, + 𝛽- + 𝐸 𝑈1 − 𝛽' 𝐸 𝑈, − 𝐸 𝑈1 = 𝛽' 𝛾' + 𝛽- NIE = 𝐸 𝑌0(!,,(,#$& − 𝑌0(!,,(,#$% = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1, 𝑀 = 𝛾' + 𝐸[𝑈, ] − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 𝐸[𝑈, ] = 𝛽' 𝛾' +𝛽' 𝐸[𝑈, ] + 𝛽- + 𝐸 𝑈1 − 𝛽' 𝐸[𝑈, ] − 𝐸[𝑈1 ] = 𝛽' 𝛾'
  29. 41 練習問題4.5.2(b) 構造モデルのTE、NDE、NIEを求める。 𝑦 = 𝛽' 𝑚 + 𝛽- 𝑡

    + 𝑢. 𝑚 = 𝛾' 𝑡 + 𝑢/ 𝑀 𝑌 𝑇 NDE = 𝐸 𝑌0(',,(,#$% − 𝑌0(!,,(,#$% = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1, 𝑀 = 𝐸[𝑈, ] − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 𝐸[𝑈, ] = 𝛽' 𝐸[𝑈, ] + 𝛽- + 𝐸 𝑈1 − 𝛽' 𝐸[𝑈, ] − 𝐸[𝑈1 ] = 𝛽- 𝑇E = 𝐸 𝑌0(' − 𝑌0(! = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0 = 𝛽' 𝛾' + 𝛽' 𝐸 𝑈, + 𝛽- + 𝐸 𝑈1 − 𝛽' 𝐸 𝑈, − 𝐸 𝑈1 = 𝛽' 𝛾' + 𝛽- NIE = 𝐸 𝑌0(!,,(,#$& − 𝑌0(!,,(,#$% = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 𝛾' + 𝐸[𝑈, ] − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 𝐸[𝑈, ] = 𝛽' 𝛾' +𝛽' 𝐸[𝑈, ] + 𝐸 𝑈1 − 𝛽' 𝐸[𝑈, ] − 𝐸[𝑈1 ] = 𝛽' 𝛾' 𝑈, 𝑈1
  30. 42 練習問題4.5.3(a) 構造モデルの𝑇𝐸 − NDEを求める。 𝑦 = 𝛽' 𝑚 +

    𝛽- 𝑡 + 𝛽2 𝑡𝑚 + 𝛽3 𝑤 + 𝑢. 𝑚 = 𝛾' 𝑡 + 𝛾- 𝑤 + 𝑢/ 𝑤 = 𝛼𝑡 + 𝑢4 𝑀 𝑌 𝑇 NDE = 𝐸 𝑌#$%,'$'!"# − 𝑌#$(,'$'!"# = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1, 𝑀 = 0 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 0 = 𝛽) + 𝛽* 𝛼 − 𝛽* 𝐸 𝑈+ = 𝛽) + 𝛽* 𝛼 𝑇𝐸 = 𝐸 𝑌#$% − 𝑌#$( = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0 = 𝛽% 𝛾% + 𝛾) 𝛼 + 𝛽) + 𝛽, 𝛾% + 𝛾) 𝛼 + 𝛽* 𝛼 = 𝛽) + 𝛾% + 𝛼𝛾) 𝛽, + 𝛽% + 𝛼𝛽* NIE = 𝐸 𝑌#$(,'$'!"$ − 𝑌#$(,'$'!"# = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 𝛾% + 𝛾) 𝛼 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑀 = 0 = 𝛽% 𝛾% + 𝛾) 𝛼 𝑊 𝑇𝐸 − NDE = 𝛽) + 𝛾% + 𝛼𝛾) 𝛽, + 𝛽% + 𝛼𝛽* − (𝛽) + 𝛽* 𝛼) = 𝛾% + 𝛼𝛾) 𝛽, + 𝛽%
  31. 43 練習問題4.5.3(b) 構造モデルの𝑇𝐸 − NDEを求める。 𝑦 = 𝛽' 𝑚 +

    𝛽- 𝑡 + 𝛽2 𝑡𝑚 + 𝛽3 𝑤 + 𝑢. 𝑚 = 𝛾' 𝑡 + 𝛾- 𝑤 + 𝑢/ 𝑤 = 𝛼𝑡 + 𝑢4 𝑀 𝑌 𝑇 NDE = 𝐸 𝑌#$%,+$+!"# − 𝑌#$(,+$+!"# = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1, 𝑊 = 0 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑊 = 0 = 𝛽% 𝛾% + 𝛽) + 𝛽, 𝛾% 𝑇𝐸 = 𝐸 𝑌#$% − 𝑌#$( = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 1 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0 = 𝛽% 𝛾% + 𝛾) 𝛼 + 𝛽) + 𝛽, 𝛾% + 𝛾) 𝛼 + 𝛽* 𝛼 = 𝛽) + 𝛾% + 𝛼𝛾) 𝛽, + 𝛽% + 𝛼𝛽* NIE = 𝐸 𝑌#$(,+$+!"$ − 𝑌#$(,+$+!"# = 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑊 = 𝛼 − 𝐸 𝑌 do 𝑇 = 0, 𝑊 = 0 = 𝛽% 𝛾) 𝛼 + 𝛽* 𝛼 𝑊 𝑇𝐸 − NDE = 𝛽) + 𝛾% + 𝛼𝛾) 𝛽, + 𝛽% + 𝛼𝛽* − 𝛽% 𝛾% + 𝛽) + 𝛽, 𝛾% = 𝛼𝛾) 𝛽, + 𝛽% + 𝛼𝛽*
  32. 46 RCTでは𝐸 𝑌! − 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥 𝑋が⼆値変数の場合。バックドア基準を満たす変数𝑊が存在する場合。

    𝐸 𝑌" − 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥 = 𝐸 𝑌 do 𝑋 = 𝑥 − 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥 = E 4 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥, 𝑊 = 𝑤 𝑃 𝑊 = 𝑤 − 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥 = E 4 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥, 𝑊 = 𝑤 𝑃 𝑊 = 𝑤 − E 4 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥, 𝑊 = 𝑤 𝑃 𝑊 = 𝑤 𝑋 = 𝑥 = E 4 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥, 𝑊 = 𝑤 𝑃 𝑊 = 𝑤 − 𝑃 𝑊 = 𝑤 𝑋 = 𝑥 理想的なRCT(ランダム割付、標本無限)で あれば⼀致する。 バックドア基準を満たす変数がない場合、𝑊を𝑋の𝑃𝐴とすればそのまま成り⽴つ。理想的なRCTであれば全て の確率変数の分布が同じ、すなわち𝑃 𝑃𝐴 = 𝑤 − 𝑃 𝑃𝐴 = 𝑤 𝑋 = 𝑥 = 0であるはずなので、理想的なRCTでは 𝐸 𝑌" = 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥 となる。
  33. 47 フロントドアで試してみる 𝑋が⼆値変数の場合。フロントドア基準を満たす変数𝑍が存在する場合。 𝐸 𝑌! − 𝐸 𝑌 𝑋 =

    𝑥 = 𝐸 𝑌 do 𝑋 = 𝑥 − 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥 = % # % !" 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 𝑥" 𝑃 𝑋 = 𝑥" 𝑃(𝑍 = 𝑧|𝑋 = 𝑥) − 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥 = % # % !! 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 𝑥" 𝑃 𝑋 = 𝑥" 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥 − % # 𝐸 𝑌 𝑋 = 𝑥, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥 = % # 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 0 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥 + % # 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 1 𝑃 𝑋 = 1 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥 − % # 𝐸 𝑌 𝑋 = 0, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 0 𝛿!,' − % # 𝐸 𝑌 𝑋 = 1, 𝑍 = 𝑧 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 1 𝛿!,( = % # 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 0 𝑃 𝑋 = 0 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥 − 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 0 𝛿!,' + % # 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 1 𝑃 𝑋 = 1 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 𝑥 − 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 1 𝛿!,( = 1 2 % # 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 0 𝑃(𝑍 = 𝑧|𝑋 = 1) − 1 2 % # 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 1 𝑃 𝑍 = 𝑧 𝑋 = 1 = 1 2 % # 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 0 − 𝐸 𝑌 𝑍 = 𝑧, 𝑋 = 1 𝑃(𝑍 = 𝑧|𝑋 = 1) ∵x=1のケース