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OpenAI と Cursor、決裂までの3年
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赤神青空
August 29, 2026
Programming
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OpenAI と Cursor、決裂までの3年
赤神青空
August 29, 2026
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Transcript
2026年8月29日時点 OpenAI と Cursor、決裂までの3年 出資者から、買収候補、競合へ。そして、鍵を握っていたのは誰か 赤神 青空
▪2026年8月28日のOpenAIの発表 何が起きたのか CursorからOpenAIモデルへの直接アクセスは、 2026年11月12日に終了する。 OpenAIの説明 SpaceXが規約内で使うと確信できない Cursorの説明 残念だが、解決に向けて協議中 この説明が十分かどうかは、3年を追ってから戻ってくる。 今ココ
概要 2/29
▪OpenAI公式ブログ(2026年8月28日) 発表の要点 停止予定日 理由 根拠 契約条項 今後のモデル 今ココ 概要 2026年11月12日。契約上とれる最大限の予告期間
SpaceXが規約の範囲内で使うと確信できないため マスク氏傘下企業による契約違反の経緯を挙げている 支配権の移転後、一定期間内に解約できる条項があった 次期モデルAstraを含め、新モデルは提供しない 3/29
01 出会いと、2度の破談 2023年10月 〜 2025年7月 今ココ 第1章 4/29
▪打診は2回、いずれも拒否された 出資者が、買収者になろうとした 2023年10月 2024年 2025年初 2025年4月 2025年7月 今ココ 第1章 運営会社Anysphereがシード800万ドル。OpenAI
Startup Fundがリード 1度目の買収打診。Anysphereが拒否 2度目の買収打診。独立を優先して再び拒否 Windsurfへ方向転換。30億ドルでの買収交渉と報道 Windsurf交渉が破談。GoogleがCEOらを24億ドルで獲得 5/29
▪2025年時点の両者の立場 なぜ売らなかったのか OpenAI側の事情 コード生成市場を押さえたい 自社Codexの浸透を待てない 20社以上と接触したと報道 Cursor側の判断 独立での成長見通しが良い 複数モデルを選べることが売り 他の買収提案も検討しなかった
当時のARRはCursorが約2億ドル、Windsurfが約4000万ドル。 今ココ 第1章 6/29
02 蜜月 2025年8月 〜 2026年4月 今ココ 第2章 7/29
▪2025年8月7日に起きたこと GPT-5ローンチ日が、関係のピークだった 出資者と被出資者ではなく、共同で売る相手になっていた。 01 02 03 発表当日にCursorで利用可能になった ローンチ週は有料ユーザーに無料クレジ ット TruellがBrockmanに「非常に賢い」と
評価 初日に提供 今ココ 第2章 共同キャンペーン CEOが配信に出演 8/29
▪Cursorに投入されたOpenAIモデル 主要リリースはほぼ即日で載っていた 2025年4月 2025年8月 2026年2月 2026年2月 2026年4月 今ココ 第2章 o3
/ o4-mini。発表当日にCursorがXで提供開始を告知 GPT-5。初日提供、共同で無料クレジットを配布 GPT-5.2 Codex。「長時間タスクのフロンティア」と告知 GPT-5.3 Codex。Opus 4.6と同等を約1/3の価格と評価 GPT-5.5。CursorBench首位72.8%、50%オフを共同実施 9/29
▪2025年12月 ただし、依存はしていないと言い続けた Fortuneのイベントでの発言 モデル各社のコーディング製品はコンセプトカーで、Cursorは量産車である。 — Michael Truell(Cursor CEO) 今ココ 第2章
10/29
▪蜜月の裏で進んでいたこと 自前モデルという保険 提供元が競合でもある構造は、2025年の時点で認識されていた。 2025年11月、自社モデルが世界有数の量のコードを生成していると発表 複数プロバイダーから最良の知能を取り込み、統合するのが自社の役割という説明 モデルはOpenAI・Anthropic・Google・xAIから選べる 加えてComposerなど自社製モデルも持つ この構造が、買収後に「中立でなくなる」と評される論点になった 今ココ 第2章
11/29
03 買収が入ってくる 2026年4月 〜 2026年8月 今ココ 第3章 12/29
▪4か月で支配権が移った オプションから、クローズまで 2026年4月 2026年6月 2026年6月 2026年7月 2026年8月 今ココ 第3章 SpaceXがオプション取得。600億ドル買収か100億ドル提携か
Nasdaqに上場(SPCX)。時価総額2兆ドル規模と報道 600億ドルで買収合意。IPOの4日後、全株式取引 SpaceXAIへ改称。Cursorとの共同開発モデルを投入 買収がクローズ。CursorはSpaceXAIチームへ編入 13/29
▪オプション公表当日のTruellの投稿 Cursor側の受け止め SpaceXチームと組んでComposerをスケールさせるのが楽しみだ。 — Michael Truell(2026年4月21日) 今ココ 第3章 14/29
▪提供元から見た顧客の変化 買収後の3か月で、立ち位置が変わった 7月、SpaceXAIとの共同開発モデルを投入(Opus 4.8に対抗と報道) xAIのスパコンColossus上でゼロから学習させたと顧客に説明 AnthropicとOpenAIに正面から挑むと発言 8月、コードホスティングのCursor Originを公開 モデルルーターは引き続きClaude・GPT・Grokを横断していた 提供元にとっては、顧客が競合に変わっていく3か月だった
今ココ 第3章 15/29
04 決裂 2026年8月28日 今ココ 第4章 16/29
▪発表から数時間のうちに出た反応 当日、誰が何を言ったか OpenAI公式X Tibo Sottiaux Michael Truell SpaceX 今ココ 第4章
パートナーシップを終了。11月12日に直接アクセスが切れる 要は信頼の問題。自前APIキーとIDE拡張は今後も使える 残念。中立なインフラだと信じてきた。解決に向け協議中 報道時点でコメントなし 17/29
▪同じ事実に対する2つの説明 主張は噛み合っていない OpenAIの言い分 規約遵守が確認できない 過去の契約違反という実績 Astraの利用責任がより重い 予告は最大限に長くとった Cursorの言い分 最初期のユーザーの一社だった 中立インフラだと信頼してきた
影響はトラフィックの約5% 解決に向けて協議している OpenAIは競争ではなく規約遵守の問題だと説明している。 今ココ 第4章 18/29
▪11月12日以降の実務 開発者にとって何が変わるか 消えるのはCursor経由の直接アクセスで、経路が全部塞がるわけではない。 自分のOpenAI APIキーを使う経路は継続すると明言されている Cursor向けのIDE拡張経由のアクセスも継続 今後のOpenAI新モデルはCursorに載らない Claude・Gemini・Grok・自社モデルは影響を受けない 今ココ 第4章
19/29
05 実は、鍵はSpaceX ここまでを買い手の側から見直す 今ココ 第5章 20/29
▪Cursorは何を判断したのか 主語を入れ替えてみる Cursorの側で変わったのは製品ではなく、 親会社が誰かということだけ。 判断したのは 供給元のOpenAI 条件を変えたのは 買い手のSpaceX ここから先は、買い手が何者だったのかの話になる。 今ココ
第5章 21/29
▪統合 →SpaceXは3手でここに来た 上場 → 買収。すべて2026年の出来事 統合 2026年2月 xAIをSpaceXに統合 Xもこの傘下にある X(旧Twitter)はxAI経由でSpaceX傘下
に入った。 今ココ 第5章 → 合算1.25兆ドル 上場 6月12日 Nasdaqに SPCX で上場 上場の4日後に買収 → 株式が対価になる 全株式取引。上場で得た株式を対価にし ている。 買収 6月16日 Cursorを600億ドルで 5月には裁判の評決 Musk対Altmanは時効を理由にマスク氏 側が敗訴。 22/29
▪S-1が示したセグメント構成(2025年実績) SpaceXは3つの事業を持つ会社になった 接続 宇宙 AI Starlink 打ち上げ・Starship xAI・X・Colossus 売上114億ドル。全体の61%を占める 売上の22%。営業赤字6.6億ドル
売上の17%。投資が先行している段階 Cursorが買われたのは、この3つ目のセグメントである 今ココ 第5章 23/29
▪S-1と各種報道で示された規模 数字で見る買い手 $1.25兆 $127億 統合時の合算評価額 2026年2月のxAI統合 今ココ 第5章 AIへの設備投資 2025年。主にColossus
85.1% マスク氏の議決権 二種類株式による支配 24/29
▪SpaceX側から見たCursorの価値 足りない一枚が、そこにあった 計算資源は余るほどあり、コーディングだけが遅れていた。 01 02 03 Grokはコーディングで後手に回っていた Fortune 500の64%が使っていた Colossusに載せる学習対象になる
遅れていた領域 今ココ 第5章 すでにある販路 使い道のある計算資源 25/29
▪同じ親会社に対する、逆向きの判断 ただし、単純な敵味方ではない Anthropicは同じ親会社から計算資源を買い、 OpenAIは供給を止めた。 Anthropic Colossusに月12.5億ドル(2029年5 月まで) Tom Brownの投稿 Cursorとは今後もパートナーだと明
言 OpenAI 規約遵守を理由にモデル提供を終了 ReplitのMasad氏は「計算資源が要るからだ」と返している。 今ココ 第5章 26/29
▪個別の喧嘩ではなく、層の話として見る 読み取れること 01 上位層の資本移動が、下位層の可用性を決める 使う側が何も変えなくても、親会社が変われば供給が止まる。 02 前例はすでにある 2025年、AnthropicはWindsurfのClaudeアクセスを止めた。 03 依存度は数字で持っておく
「約5%」と即座に出せたことが、そのまま反論になった。 今ココ まとめ 27/29
▪本資料での呼び方と、出典による違い 表記と数字の注意点 Cursorは製品名で、運営会社はAnysphere(本資料はCursorで統一) CursorのARRは約26億〜40億ドルと、報道によって幅がある シリーズDの共同リードはThrive説とAccel説がある(ともにCoatueと) 4月のオプションは「600億ドル買収 or 100億ドル提携」と報道 破談時の内訳を現金15億ドル+計算資源85億ドルとする解説もある SpaceXの上場時評価額は1.75兆ドル〜2兆ドル超と幅がある
Anthropicの計算資源契約は3月開始説と5月署名説がある 数字を引用するときは、どの報道由来かを併記したほうが安全 今ココ 補足 28/29
▪この3年を一文にすると まとめ モデルの提供元は中立なインフラではなく、 その中立性は買い手が壊せる。 2023年 OpenAIはCursorの出資者だった 2025年 新モデルを初日に載せる相手だった 2026年 買い手が変わった瞬間に切られた
どのモデルに、どれだけ依存しているかは、数字で言えるようにしておく。 今ココ まとめ 29/29