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「作ること」と「価値を生むこと」はなぜズレるのか:アウトプットと価値の断絶を乗り越える / W...

「作ること」と「価値を生むこと」はなぜズレるのか:アウトプットと価値の断絶を乗り越える / Why "Building" and "Delivering Value" Diverge

CEDEC2026招待講演

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Aki / @LoveIdahoBurger

July 28, 2026

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Transcript

  1. CEDEC 2026 — INVITED TALK 01 / 48 INVITED SESSION

    「作ること」と 「価値を生むこと」は なぜズレるのか アウトプットと価値の断絶を乗り越える 飯沼亜紀 — AKI IINUMA 01 / 48 — TITLE AKI IINUMA / CEDEC 2026
  2. 自己紹介 / PROFILE 02 / 48 経歴 / CAREER SONY

    DIGITAL NETWORK APPLICATIONS 経営企画 → 新規事業のプロダクトマネージャー UNIQLO / FAST RETAILING プロダクト / プロジェクトマネージャー、新規事業 MCDONALD'S JAPAN プロダクトマネージャー 飯沼亜紀 Aki Iinuma 𝕏:@LoveIdahoBurger CADDI PM / PgM、Head of Product Design オペレーションとテクノロジーの両方を使って、世の中を良い方向へ変え INDEPENDENT ていこうとする野良プロダクトマネージャー 2024年10月に独立、2025年9月より現職 02 / 48 — PROFILE AKI IINUMA / CEDEC 2026
  3. 導入 / INTRODUCTION 03 / 48 予定どおり。でも、何かがおかしい。 コンテンツは追加された でも、プレイヤーは戻ってこない バグは着実に減った

    でも、体験が良くなったとは言い切れない ロードマップに記載の機能は出た でも、コミュニティは盛り上がらない みんな、とても忙しい 03 / 48 — INTRODUCTION でも、誰の何が良くなったか説明できない AKI IINUMA / CEDEC 2026
  4. 診断 / DIAGNOSIS 05 / 48 私たちが知っていること 01 ユーザー価値を重視するべき 02

    アウトプットだけでは足りない 03 短い学習サイクルの積み重ねによる長期的な価値創出が重要 しかし、そうではない考え方も存在する。衝突や噛み合わない会話が起きても、どう乗り越えるか分からず立ち止まる組織は多い。 05 / 48 — DIAGNOSIS AKI IINUMA / CEDEC 2026
  5. TWO MINDSETS 07 / 48 2つの異なる考え方が、 同じ会社に存在することがある。 アウトプット脳 ユーザー価値脳 納期

    課題解決 スコープ 行動変容 予算 組織にとっての学び 完成率 成果とは、予定どおりに 成果とは、ユーザーが アウトプットを出すこと。 価値を受け取ること。 07 / 48 — TWO MINDSETS AKI IINUMA / CEDEC 2026
  6. WHY THE DIVIDE 09 / 48 なぜ断絶が生まれるのか 評価の確定性と時間軸が噛み合わないから アウトプット脳 ユーザー価値脳

    FOCUS FOCUS 再現性のある仕組み 変化への適応(仮説検証) 時間軸 時間軸 四半期・半年・年度(確定値で判断) 日々・スプリントを積み上げ長期の価値創出(未確定な仮説をもと に進む) 単位 単位 売上・LTV・利益率(すぐには変動しないが確定的な経営指標) 行動変容・チームの学び(経営指標への反映は未確定だが早く観 測できる兆し) 09 / 48 — WHY THE DIVIDE AKI IINUMA / CEDEC 2026
  7. 診断 / DIAGNOSIS 10 / 48 「売上を追うこと」と「アウトプットを追うこと」は本来別物である 揉め ない アウトプット

    出したという事実;解釈不要 ここで判断 したくなる 売上 ユーザー価値の遅行指標 ここが繋がっていない 行動の兆し 価値の証拠;解釈が要る 揉める 反応が 早い 反応が 遅い しかし共通言語がなく断絶した状態では、今日確認できて揉めない事実として「アウトプット」という指標が重宝される 10 / 48 — DIAGNOSIS AKI IINUMA / CEDEC 2026
  8. 翻訳者から橋へ / BRIDGE 13 / 48 スーパーマン依存の翻訳は破綻する 組織内の翻訳役は特定の人に依存しがち ▪ プロダクトオーナー

    ▪ スクラムマスター ▪ たまたま数字に強いメンバー ▪ 現場も経営もわかるシゴデキ 13 / 48 — BRIDGE AKI IINUMA / CEDEC 2026
  9. 診断 / DIAGNOSIS 16 / 47 対立しているのは関心ではなく、 注目する場所である。 ユーザーの 行動・体験

    → 利用の定着・ 関係の変化 → 事業の 継続可能性 開発チームが見る 経営が見る 行動の兆しとなる指標 売上・LTVなどの事業指標 同じ流れの別地点。どちらも同じユーザー価値を、違う位置から見ている。 16 / 47 — DIAGNOSIS AKI IINUMA / CEDEC 2026
  10. 翻訳者から橋へ / BRIDGE 20 / 48 アウトプット脳の反射 STEP 01 STEP

    02 STEP 03 進捗は? 遅れた理由は? 誰の責任? → → 問いの矛先が、いつのまにか「人」と「作業」に向いている。 20 / 48 — BRIDGE AKI IINUMA / CEDEC 2026
  11. 翻訳者から橋へ / BRIDGE 21 / 48 つくりたい反射 STEP 01 誰の行動が、

    どう変わった? STEP 02 仮説は、 → 何が外れた? STEP 03 次に、何を → 試す?(やめる?) 問いの矛先を、「ユーザーの変化」と「次の一手」に向け直す。 21 / 48 — BRIDGE AKI IINUMA / CEDEC 2026
  12. 翻訳者から橋へ / BRIDGE 23 / 48 橋を架ける3つの設計 01 / 実験

    02 / 会話 03 / KPI 実験の設計 会話の設計 KPIの設計 ユーザーの行動変化を安全に小さく確 話す順番から会話をデザインし、価値か 評価指標から「仮説の集合」へ再定義 かめる ら始めて次の意思決定で終わる し、兆しと結果を仮説でつなぐ 23 / 48 — BRIDGE AKI IINUMA / CEDEC 2026
  13. 実験の設計 / EXPERIMENT 25 / 48 価値は、証明ではなく「検証」から始まる アウトプット脳 ユーザー価値脳 成果

    = 予定どおり進むこと 不確実性は消すべきリスク 成果 = ユーザー価値をもたらすこと 不確実性は存在するもの 結果: 防御的な計画・実行 アウトプットが全て 結果: 検証が進む 会話が価値中心になる 大きな変革を説得するより小さな実験で「価値で話す体験」を作る方が早いことが多い 25 / 48 — EXPERIMENT AKI IINUMA / CEDEC 2026
  14. 実験の設計 / EXPERIMENT ダッシュボード機能を追加する 28 / 48 — EXPERIMENT 28

    / 48 A業界の現場ユーザーが週X回以上ダッ シュボードを見るようになる AKI IINUMA / CEDEC 2026
  15. 実験の設計 / EXPERIMENT 新ステージを追加する 29 / 48 — EXPERIMENT 29

    / 48 ステージX攻略者のアクティブ率がY%上 がる AKI IINUMA / CEDEC 2026
  16. 実験の設計 / EXPERIMENT 30 / 48 小さな実験の3点セット 01 誰の、どんな行動を変えたいか 対象ユーザーを限定し明確化、行動の明示(見る・触る・繰り返す

    etc.) 02 その兆しを、どの指標で観測するか 03 うまくいった・いかなかったとき、それぞれ次に何をするか 実験が定常的に行われている状態が組織の会話を変える余地を生む 30/ 48 — EXPERIMENT AKI IINUMA / CEDEC 2026
  17. 会話の設計 / CONVERSATION 33 / 48 アウトプット偏重の会話 01 何を作ったか? 02

    予定どおり終わったか? 03 コストはどうだったか? 価値の話は後付けになる;「で、予定は守れたの?」「それは売上にどう繋がったの?」 33 / 48 — CONVERSATION AKI IINUMA / CEDEC 2026
  18. 会話の設計 / CONVERSATION 34 / 48 橋を架ける会話 01 誰の、どんな行動が変わったか? 02

    その変化は、どの証拠に出ているか? 03 それは、事業・体験にどう効くか? 04 次に、何をする/やめるか? 価値を語らなければ次の話題に進めないが、アウトプットやスケジュールやコストの話もできる 34 / 48 — CONVERSATION AKI IINUMA / CEDEC 2026
  19. 会話の設計 / CONVERSATION 35 / 48 明日からできること:会議の冒頭に「最近のユーザー」を常設する 01 今週、ユーザーの行動で変わったこと 02

    その背景にある、短い一次情報ひとつ 03 それを受けて、今日決めること 35 / 48 — CONVERSATION AKI IINUMA / CEDEC 2026
  20. 会話の設計 / CONVERSATION 36 / 48 順序が変わると「予定」の意味が変わる 旧来の順序 新しい順序 予定とは

    予定とは 守るべき作業計画 得られるアウトカムの仮説 逸脱の捉え方 逸脱の捉え方 失敗であり、責任の所在が問われる 学習機会であり、なぜ外れたか・次の仮 説は何かが問われる 生み出す行動 防御的な行動を誘発する 生み出す行動 学習とアップデートの繰り返し 36 / 48 — CONVERSATION AKI IINUMA / CEDEC 2026
  21. 会話の設計 / CONVERSATION 37 / 48 しかし、それだけではうまくいかない 会話の順番を変えても、評価や報告の最終地点が「アウトプットKPI」のままだと結局アウトプット脳に引き戻される 納期遵守 率

    数 ス件 リリー 価値の話は分かったけど、 で、結局予定は守れたの? 予算消化率 価値の話をただの雑談で終わらせないようにするには KPIの再設計が不可欠 37 / 48 — CONVERSATION AKI IINUMA / CEDEC 2026
  22. KPIの設計 / KPI 39 / 48 すべてのKPIに、ひとつの問い 「これは、何がどう良くなるという仮説か?」 例) リリース件数:仮説を読みにくい

    フレンド登録率:一緒に遊ぶプレイヤーが増え、 30日継続率が向上するという仮説 39 / 48 — KPI AKI IINUMA / CEDEC 2026
  23. KPIの設計 / KPI 41 / 48 3層のKPI(KPIチェーン)を作成する Leading 指標 Intermediate

    指標 Lagging 指標 どのユーザー行動がどう変わる? 例)フレンド登録率が Xポイント上昇した 行動の結果、何が改善する? 例)一緒に遊ぶプレイヤーが増え、 30日継続率が向上した 最終的に、どの事業指標に効く? 例)LTVが平均Y円向上する このチェーンが描けない仮説は、経営の用語に翻訳できず、説明できず、優先順位が決められない。 41 / 48 — KPI AKI IINUMA / CEDEC 2026
  24. 診断 / DIAGNOSIS 42 / 47 対立しているのは関心ではなく、 注目する場所である。 ユーザーの 行動・体験

    → 利用の定着・ 関係の変化 → 事業の 継続可能性 開発チームが見る 経営が見る Leading指標(行動の兆し) 売上・LTVなどのLagging指標 同じ流れの別地点。どちらも同じユーザー価値を、違う位置から見ている。 42 / 47 — DIAGNOSIS AKI IINUMA / CEDEC 2026
  25. KPIの設計 / KPI 43 / 48 指標は、場ごとに使い分ける。 日々の活動 週次・月次レビュー 経営レビュー・月次〜四半期レビュー

    Leading Leading / Intermediate Intermediate / Lagging 利用率、フロー完了率など X日後継続率など行動定着指標、業務 売上、利益、LTV、解約率など 遅延減少などの効果指標 仮説は当たりそうか? 想定していた因果関係は成立していそう ユーザーの行動は変わり始めている か? この取り組みは続けるべきか? か? 行動変化は次の成果に繋がりそうか? 優先順位を上げる(下げる)べきか? 43 / 48 — KPI AKI IINUMA / CEDEC 2026
  26. 定着 / ADOPTION 44 / 48 価値志向は宗教ではなく、検証可能な実務であるべき 宗教化 実務 「価値が大事」と唱える

    仮説を書く 異論を「分かっていない」で押し切る 証拠を見る 価値が攻撃の口実になる 外れた理由を学ぶ 次の判断を更新する 44 / 48 — ADOPTION AKI IINUMA / CEDEC 2026
  27. 定着 / ADOPTION 45 / 48 設計が作り出す仮説検証のサイクル 次の意思決定 次の実験の選択 ②会話の順序

    ③KPIチェーン ①仮説検証が当たり前の状態(小さな実験) 45 / 48 — ADOPTION AKI IINUMA / CEDEC 2026