東京都のデジタル社会人材育成プログラムDay 3の講演資料です。
リアルで価値を発揮するデジタルプロダクトを開発するDay 3デジタル時代のアイディア具体化飯沼亜紀
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Aki Iinuma飯沼亜紀Product Manager,CADDi Inc.𝕏: @LoveIdahoBurger経歴慶應義塾大学 環境情報学部卒業(専攻:人間工学)ソフトウェア開発企業経営企画→新規事業のプロダクトマネージャーアパレル企業プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、新規事業飲食企業プロダクトマネージャー2022年9月より現職やっていることオペレーションとテクノロジーの両方を使って世の中を良い方向に変えていこうとしている
Agenda 01020304リアルな世界を含めたプロダクト設計をするプロトタイプをつくってみる仮説検証結果を反映するまとめ
01リアルな世界を含めたプロダクト設計をする
プロダクトマネジメントとは● プロダクトを育てること全般○ ときに「撤退」の意思決定をすることもあるビジョンの実現ユーザー価値の実現ビジネス価値の実現
デジタルとリアルにまたがるプロダクト設計デジタルプロダクトリアルな世界でのオペレーションプロダクトによる体験プロダクトの外にも体験を左右する要素が存在するため、プロダクトそのものだけではなくオペレーションなどのリアル世界での体験を含めた全体的な体験設計が重要+
リアル体験がガッカリだと全てガッカリ(なことが多い)例えばどんなに使い勝手のよいフードデリバリーアプリも、モノが届かなければ素晴らしい体験にはなり得ない
リアル体験をリッチにすることで軽めのプロトタイピングができるリアル側でリッチな体験を用意することはユーザー観点だけでなく開発観点でもメリットがある● 例えばオンライン決済の構築には時間がかかるが、対面で現金の受け渡しをするなら今すぐできる● 重要なのは「対面ならではの体験」をいかに演出して「オンライン非対応」のネガティブ要素を払拭するか○ 「おもてなし」を感じてもらう?○ 細やかなカスタマイズに応える?○ そこでしか手に入らない何かを用意する?
02プロトタイプをつくってみる
プロダクトを設計するゴールを設定する必要なことを整理するプロダクトやオペレーションの設計をするWHYWHO, WHATHOW検証する
ゴールを設定するプロダクトマネジメントの最重要事項 = Why の特定なぜそのプロダクトをつくるのか・誰の何の課題を解決するのか・誰にどういう状態になって ほしいのかこれを考えないまま機能について考え始めると結果として誰の課題も解決できないことになりがち
ゴールに至るために何が必要かを洗い出す● この段階ではWhatを考え、Howは考えない○ 例:「支払う」「受け取る」は OK、「オンラインでカード決済」「商品が自宅に届く」は NG予約する 施術を受ける口コミを共有するポイントを受け取る商品を選ぶ 支払う 受け取る 食べる美容関連のレビューサービスの場合飲食店の場合ここをなくしてレビューに振り切るという可能性もある
一旦全部人力で頑張る方向に寄せて考えてみる大体のことは(デジタルのほうが優位性があったとしても)オフラインで実現可能写真出典:まいどなニュース( https://maidonanews.jp/article/12222821)
なぜリアルに寄せるのか● プロトタイピングの基本は仮説検証と検証結果反映の高速サイクル○ 一般的にオフラインのオペレーションのほうが柔軟に変更ができるので仮説検証に向いている● プロトタイプをなるべく小さく始めることが成功確度と成功へのスピードを上げてくれるプロトタイプ 1 プロトタイプ 2 プロトタイプ 3プロトタイプ 1 プロトタイプ 2vs小さく始めて早く検証することを繰り返すことでより良いプロダクトを目指す
デジタルの力が必要な場合も作るものは最小化できるどうしてもデジタルの力が必要な場合でも、ゼロから作ることが唯一のオプションではなく既存のデジタルプロダクトを活用するという方法がとれる場合が多い例:● LINEやメールで通知を送る● Notionで情報を公開する● PayPayで支払いを受ける● Trelloでタスク管理をする● Google Spreadsheetで簡易ダッシュボードをつくる
テストして結果を振り返ってみるテストでは仮説を検証していくが、検証するべき項目のひとつがデジタルとリアルの配分これを何度か繰り返すとデジタルとリアルの配分がいいバランスになっていくリアルで成立しないことがないかの検証ジャーニーやゴールの妥当性検証リアルで成立しないことがあればデジタルに寄せてみる成立はするが体験が十分に良くない場合などは必要に応じて見直しを実施
03仮説検証結果を反映する
仮説検証からの学びを反映する事実の収集・整理 深掘りと分析うまくいったことは何かうまくいかなかったことは何か何が要因と考えられるかどうすればより良い結果が得られそうか検証結果から新たに導き出される仮説は何か● 次はどんな仮説をどのように検証するのか決める● 仮説検証を経て不確実性が十分に排除されたものはプロダクトに反映する次の方針の決定
どちらを選ぶかデジタル リアルモノを動かす オンラインで完結はできない 適切な教育と業務プロセスがあれば対応可能定型業務をする 素早く正確に行うことができるが、始めるまでの準備に時間がかかることが多い学習に多少の時間を要するスピードや正確性は人に依存する判断をする ロジックに基づく判断は得意だがイレギュラーケースのハンドリングは苦手顧客や状況など様々な変数をもとに判断することができるが、人や役割に依存する単純な◯✕での判断ではなく、同じ業務の中でも得意不得意があるため「今このシチュエーションで何が求められているのか」を考慮した上で判断する
04まとめ
まとめ● デジタルとリアルに跨るプロダクト開発をする場合、デジタルプロダクトだけではなくリアル世界も含めた体験設計が重要● リアル側になるべく寄せることで最小規模のプロトタイプで仮説検証ができるようになる○ 高速な仮説検証によってよいプロダクトに近づけることができる● デジタルとリアルそれぞれの特性や各ユースケースの前提を理解した上で、どのタスクをどちらが担うかを決定する
Thank You!