Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
TableGenと和解せよ / make peace with TableGen
Search
Arata
August 23, 2023
0
83
TableGenと和解せよ / make peace with TableGen
Arata
August 23, 2023
Tweet
Share
More Decks by Arata
See All by Arata
コードエディターのシンタックスハイライトの話
arata_nvm
0
79
LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成
arata_nvm
0
35
TableGenの言語サーバーをつくる
arata_nvm
0
470
pwn入門 / introduction to pwn
arata_nvm
1
1.9k
sudo-rsのテストの話 / story of sudo-rs testing
arata_nvm
1
120
ソースコードリーディングはいいぞ / source code reading is good
arata_nvm
0
53
ネットワーク委員会活動報告 / network committee activity report
arata_nvm
0
16
Twitter専用のPCを作る / create a dedicated Twitter PC
arata_nvm
0
33
日中の電子決済システムの比較と分析 / comparison and analysis of Japanese and Chinese electronic payment systems
arata_nvm
0
64
Featured
See All Featured
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
133
8.9k
Ruby is Unlike a Banana
tanoku
97
11k
The Invisible Side of Design
smashingmag
298
50k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
31
6.3k
Statistics for Hackers
jakevdp
796
220k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
88
5.7k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
38
6.9k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
654
59k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
50
7.2k
It's Worth the Effort
3n
183
27k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
665
120k
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
226
22k
Transcript
TableGenと和解せよ 2023/08/21 Ando Shin / @Arata
TableGenとは • コンパイラ基盤LLVMの内部で使用されているDSL • レジスタや命令など、ターゲットマシン固有の情報を 記述するために用いられることが多い • 一般にはC++のコードに変換される 2
https://github.com/llvm/llvm-project/blob/1c822e1e8278ebefdb7701249bdfe51f1ed03d7d/llvm/lib/Target/X86/X86RegisterInfo.td#L163-L184 例: TableGenでX86のレジスタを記述 3
TableGen嫌われがち問題 4
• エディタの支援を受けられない • 情報がまとまっていない • C++と組み合わせてのビルドに手間がかかる なぜTableGenは嫌われているのか 5
• エディタの支援を受けられない • 情報がまとまっていない • C++と組み合わせてのビルドに手間がかかる なぜTableGenは嫌われているのか 6
2022年5月から言語サーバーが実装され始める 今日までに実装された機能: • シンタックスハイライト • エラー表示 • 定義へ移動 • 参照へ移動
• ホバー表示 エディタ支援の現状 7
2022年5月から言語サーバーが実装され始める 今日までに実装された機能: • シンタックスハイライト • エラー表示 • 定義へ移動 • 参照へ移動
• ホバー表示 コードの入力補完が実装されていない エディタ支援の現状 8
入力補完を実装した 9
• 言語サーバーの応答性が悪い • 一部のコードで支援機能を提供できない • 内部実装が言語サーバー向きではない 現状の言語サーバーの問題点 10
エラー表示・補完候補が更新されるまで時間がかかる様子 問題点1: 言語サーバーの応答性が悪い 11
考えられる原因: • 言語サーバーがシングルスレッドで動いている • パースと同時に評価を行っている ◦ コードが変更されるたびにすべてのシンボルの解決処理が走る 問題点1: 言語サーバーの応答性が悪い 12
• これはコード側に原因がある • includeが適切に行われないためシンボルを解決できない 問題点2: 一部のコードで支援機能を提供できない 13 A.td B.td ※Registerはllvm/Target/Target.tdで定義
コードの構造を保持するための方法にASTとCSTがある • AST: Abstract Syntax Tree (rustcで使われる) • CST: Concrete
Syntax Tree (rust-analyzerで使われる) TableGenではASTが使われているため、以下の問題がある • トークンの場所やコメントなどの情報が失われてしまう • 構文エラーがあった場所でパースが止まってしまう 問題点3: 内部実装が言語サーバー向きではない 14
RustでTableGenの新たな言語サーバーを実装しています 目指すところ: • キャッシュを使った処理の高速化 • エラーからの回復機能を持つパーサーの実装 • 一般的な支援機能の実装 • (TableGenのパーサーを提供して誰かがTableGen2.0を
作ってくれることを期待) 今していること 15