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.NET Fringe Japan 2018新年会short talk

Atsushi Eno
January 27, 2018

.NET Fringe Japan 2018新年会short talk

Atsushi Eno

January 27, 2018
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Transcript

  1. swipe.to/ 同一の”API”: 前提 .NETは動的ライブラリの世界 コード中ではメンバー名(name)、型名(fullname)、アセンブリ名で「参照」する アセンブリ名 = (1)name (2)version (3)public

    key token (4)culture 参照される実体が物理的に変わることがある(.NETの場合はアセンブリ) どれか1つでも「違う」ものは「違う」コード メンバーの同一性: これは難しいことは何もない フィールドがプロパティになったら「違う」コード メソッド…また後で
  2. swipe.to/ 実際に起こったこと(1)公開鍵トークン ECMA標準化 誰でもAPIを実装できなければならない 標準に沿って作られたコードはどの環境でも実行できなければならない 「どこでも実行できる」プログラムが特定のpublic key tokenを前提としたアセン ブリを参照している そのpublic

    key tokenを検証できるのはMicrosoftだけ…!? public key tokenは外側からいくらでもでっちあげられる 「偽物」のアセンブリは、ランタイム側のセキュリティ機構によって「検証」で きなければ拒絶される アセンブリ署名は「検証」しなくても実行できる 特に.NET 3.5以降
  3. swipe.to/ 実際に起こったこと(2)バージョン番号 「バグフィックスリリースを出したらバージョンが変わってファイルを置き換えた ら参照できなくなった」 → いちいちバインディングリダイレクト追加すんのめんどくさい → もうバージョン番号も同じままでリリースしちゃえ → .NET

    Frameworkのリリースの時だけバージョン番号を変えよう → さらにAPIの破壊的変更が無い時はバージョン番号も変えないことにしよう (.NET 3.x、.NET 4.5) Silverlightの公開 mscorlib.dll 2.0.50727.* / mscorlib.dll 2.0.5.0 / mscorlib.dll 4.0.
  4. swipe.to/ 実際に起こったこと(3)アセンブリ参照のエイリアス type forwarders .NET2でひっそり導入されて、.NET4でWPFのアセンブリ変更に活用された PresentationFramework.dll → System.Windows*.dll、System.Xaml.dll PCL コンパイル時に参照されるのはダミー

    実行されるのは.NET FxやSilverlightやWinPhoneの環境にあるアセンブリ アプリケーションにバンドルしない 参照されるのは、実行時には存在しないアセンブリ (アプリケーションのビル ド時にFacadesのtype forwardersを経由して実体のあるものに差し替え)
  5. swipe.to/ アセンブリ参照の「エイリアス化」 = 「解体」 .NET Frameworkアセンブリの再編成(例: mscorlib.dllの消失) .NET Core 2.0でも同じ変更が加えられた

    IDE上の参照設定が簡略化 従来の参照指定: 必要なものは全部列挙しろ(!) MSBuildの<Project>要素にSDK属性を追加 参照アセンブリをいちいち列挙しなくて良い .NET Coreの実行モデル: dotnet run dotnet build: ビルドしたアプリケーションのアセンブリを単体で配布するとい う発想がない
  6. swipe.to/ ライブラリ設計時の考慮事項 (1) “API”の同一性の判 断基準 APIとABI API (Application Programming Interface)

    ABI (Application Binary Interface) API: ソースコード互換性 ABI: バイナリ互換性 API非互換のライブラリ: 更新したらビルドが通らなくなった! ABI非互換のライブラリ: 更新したら実行時エラーが出るようになった!