Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
高速で安全な2者間のECDSA署名
Search
shigeyuki azuchi
December 04, 2018
Technology
0
190
高速で安全な2者間のECDSA署名
GBEC動画解説コンテンツのスライドです。
https://goblockchain.network/2018/10/ecdsa_2-of-2_multisig/
shigeyuki azuchi
December 04, 2018
Tweet
Share
More Decks by shigeyuki azuchi
See All by shigeyuki azuchi
プロアクティブ秘密分散法
azuchi
0
3
v3トランザクションリレー
azuchi
0
8
ランポート署名
azuchi
0
33
BitVM
azuchi
0
46
Replacement Cycling Attack
azuchi
0
44
Bitcoinのタイムロックの仕組み
azuchi
0
33
Inner Product Argument
azuchi
0
72
Codex32
azuchi
0
27
PSBT
azuchi
0
66
Other Decks in Technology
See All in Technology
SRE×AIOpsを始めよう!GuardDutyによるお手軽脅威検出
amixedcolor
0
130
TypeScriptの次なる大進化なるか!? 条件型を返り値とする関数の型推論
uhyo
2
1.7k
Lambda10周年!Lambdaは何をもたらしたか
smt7174
2
110
OCI 運用監視サービス 概要
oracle4engineer
PRO
0
4.8k
Platform Engineering for Software Developers and Architects
syntasso
1
520
OCI Security サービス 概要
oracle4engineer
PRO
0
6.5k
これまでの計測・開発・デプロイ方法全部見せます! / Findy ISUCON 2024-11-14
tohutohu
3
370
DynamoDB でスロットリングが発生したとき_大盛りver/when_throttling_occurs_in_dynamodb_long
emiki
1
400
Shopifyアプリ開発における Shopifyの機能活用
sonatard
4
250
テストコード品質を高めるためにMutation Testingライブラリ・Strykerを実戦導入してみた話
ysknsid25
7
2.6k
TanStack Routerに移行するのかい しないのかい、どっちなんだい! / Are you going to migrate to TanStack Router or not? Which one is it?
kaminashi
0
600
Evangelismo técnico: ¿qué, cómo y por qué?
trishagee
0
360
Featured
See All Featured
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
95
5.2k
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
26
2.1k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
BBQ
matthewcrist
85
9.3k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
67
4.3k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
31
6.3k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
510
110k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
341
39k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
93
16k
The Language of Interfaces
destraynor
154
24k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
131
33k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
175
9.4k
Transcript
高速で安全な2者間のECDSA署名
1 Bitcoinの通常の2-of-2マルチシグ Bitcoinを使用する際に複数個の署名を必要とする仕組み 2人の署名があればBitcoinを使用できる アリス ボブ 2 <アリスの公開鍵> <ボブの公開鍵> 2 CHECKMULTISIG 2-of-2のマルチシグスクリプト scriptPubKey 0 <アリスの署名> <ボブの署名>
scriptSig
2 ECDSA Signature • 秘密鍵: x • 公開鍵: P =
xG • メッセージ: m • ハッシュ関数: H() 【署名の生成】 1. ランダムなnonce k を選択。 2. kを秘密鍵とした楕円曲線上の点 R = kGを計算。 3. 点Rのx座標をrとする。 4. を計算 5. 生成した (r, s)がECDSAの署名データ。 【署名の検証】
3 Yehuda Lindellのペーパー
4 ECDSAでマルチシグを構成するポイント 署名(r, s)の内、秘密鍵を使った計算をするのはsの計算↓ 秘密鍵xを2者の秘密鍵から計算する値にすると、署名は単 一だが、有効な署名を生成するためには2者の秘密鍵を必 要とするマルチシグを構成することができる。 x = アリスの秘密鍵
× ボブの秘密鍵 ※両者がお互い自分の秘密鍵を明らかにすることなく sを計算できる必要がある
鍵ペア P1 = x1G nonce R1 = k1G 5 コインのロック
Pにロックされたコインをアンロックするすためには が計算できればいい 鍵ペア P2 = x2G nonce R2 = k2G P1, R1, P2, R2を共有 P = x1 ・ P2 を計算 R = k1 ・R2 を計算 P = x2 ・ P1 を計算 R = k2 ・R1 を計算 計算した点Pと点Rはそれぞれ同じ点になる P宛にコインを送金するとマルチシグへのロックとなる
6 秘密計算で署名データを計算 ①アリスは、Paillier暗号用の鍵ペアを生成(priv, pub) ※Paillier暗号は加法準同型性がある暗号スキーム ②pubを使ってアリスの秘密鍵x1を暗号化Enc(x1)し、 pubと一緒にボブに送信 Enc(x1) pub ③
ボブは、以下の計算をしてpubで暗号化 Enc(x1)を使って以下を計算 c3 = c1⊕c2を計算して、アリスに送る。 ④ アリスはc3を復号して s’ を計算 ⑤ s’にk1^-1を掛けるとアンロックに必要な署名値 s が手に入る 両者ともに秘密鍵 x1, x2を明らかにすることなく、 マルチシグのアンロックに必要な署名値を計算できる 1
7 ECDSAベースのマルチシグのメリット • プライバシーの向上 ロックスクリプトも通常のP2PKHやP2WPKHのように単一の公開鍵への ロックとなるため、マルチシグを利用したコントラクトであることは当事者 以外分からない。 • データサイズの削減 通常のマルチシグの場合、1つの署名データにつき73バイトのデータを
必要とするが、Lindellのマルチシグでは単一の署名データになるため、 その分トランザクションサイズが削減され、ブロックチェーンのスペースも 削減できる。 • さまざまなコントラクトへの適用 Lightning Network(Multi-Hop Locks)やAdaptor Signatureを利用した Atomic SwapなどScriptlessなコントラクトに(Schnorrを待たずとも) 今すぐ適用可能。