Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

社内にアクセシビリティ改善を広める際に意識したこと

 社内にアクセシビリティ改善を広める際に意識したこと

Mikio Fujita

June 06, 2023
Tweet

More Decks by Mikio Fujita

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 社内にアクセシビリティ改善を
    広める際に意識したこと
    id:miki_bene/@benevolent0505
    2023/06/06 Hatena Engineer Seminer #25
    1

    View Slide

  2. 自己紹介
    ● id:miki_bene / @benevolent0505
    ● マンガ投稿チーム Webアプリケーションエンジニア
    ○ フロントエンド・バックエンド両方やる人
    2

    View Slide

  3. 今日の話
    ● アクセシビリティ改善を広める際に意識したこと
    ○ 2020年頃から社内に発信して
    エンジニアセミナーの1テーマに出来る程になった
    ● 以下の人に参考になるように
    ○ アクセシビリティ改善を始めようとしている人
    ○ 自分以外にも改善活動を広めたいと思っている人
    3

    View Slide

  4. 今日の前提
    ● 今日の話は Web アクセシビリティが前提
    ○ 「Web アクセシビリティの改善を広めるには」という話
    ● モバイルアプリ等にも活かせる部分はあると思う
    4

    View Slide

  5. アジェンダ
    ● アクセシビリティについて
    ● 社内にアクセシビリティについて広める理由
    ● アクセシビリティ改善を広める際に行ったこと
    ● 改善を広める際に意識して伝えたこと
    5

    View Slide

  6. アクセシビリティについて
    6

    View Slide

  7. アクセシビリティについて
    ● accessibility = アクセスのしやすさ
    ● 全ての人がどんな状況でも利用できるようにするもの
    ● 障害のある方など、特定の人に向けたものではない
    7

    View Slide

  8. 8
    W3C - Accessibility (MDN日本語訳)
    > 「ハードウェア、ソフトウェア、言語、文化、所在地、物理的/精神的
    能力にかかわらず、ウェブは基本的にすべての人に向けて設計されてい
    ます。ウェブがこの目的を達成できると、さまざまな聴力、視力、認知
    能力をもつ人々がウェブにアクセスできるようになります。」
    8
    ● https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/Accessibility
    ● https://www.w3.org/standards/webdesign/accessibility

    View Slide

  9. 誰でも不自由な状況になりうる
    ● メガネのフレームが割れた
    ○ → 拡大出来ないページは読めない
    ● 利き手を骨折した
    ○ → マウスのみで操作する UI が利用できない
    ● 通信量制限で低速回線になった
    ○ → 読み込み容量の大きいサイトが開けない
    9

    View Slide

  10. 社内にアクセシビリティに
    ついて広める理由
    10

    View Slide

  11. アクセシビリティ改善が必要
    ● 不自由な状況でもアクセシブルな作りならば利用できる
    ● 様々な理由でアクセシビリティの問題は発生する
    ○ 適切でないHTML要素の利用
    ○ UI設計時の考慮漏れ
    ○ チェックが漏れてしまう
    ● アクセシビリティ改善が必要になってくる
    11

    View Slide

  12. アクセシビリティ改善を広めたい
    ● 周りを巻き込んで少しずつ改善を進めたい
    ○ 1人で行うのは無理筋
    ● しかしアクセシビリティを認識する人は少ない
    ○ 知っていても誤解していたり
    ● 知らなければ改善できないので人を増やしたい
    12

    View Slide

  13. 自分が広め始めた当時の状況
    ● 自分が知り始めたのは 2020年頃
    ● 今ほどアクセシビリティの認識は高くなかった
    ○ 2017年にエンジニアブログを出しているが、
    それ以降の入社の人にはあまり認識されていなかったり
    ○ 少しずつアクセシビリティ意識する - Hatena Developer Blog
    13

    View Slide

  14. 自分が広め始めた時の状況
    14
    "アクセシビリティ - 調べる - Google トレンド"

    View Slide

  15. アクセシビリティ改善を広
    める際に行ったこと
    15

    View Slide

  16. 広める際に行ったこと
    ● チーム内でアクセシビリティ改善を実践し共有する
    ● チーム外にもアクセシビリティの話題を共有する
    ● グループウェアにアクセシビリティのページを作る
    16

    View Slide

  17. チーム内で改善を実践し共有する
    ● まずは自分の手の届く範囲で改善して事例を積む
    ○ 自分が担当した部分
    ○ Lighthouse等で自動検知した箇所
    ● この改善をチーム内に共有
    ○ 具体例を元に認識してもらう
    ● 認識が広がってきたら徐々に
    コードレビューでコメントを入れていく
    17

    View Slide

  18. チーム外にも話題を共有する
    ● フロントエンドについて話す場で話題に出す
    ○ MTG や Slack チャンネルなど
    ○ 話題に関連させたり、自分が実践したことを共有
    ● 話題が増えてきたらSlackチャンネルを作る
    ○ なんでも話せる場を作る
    ○ アプリエンジニアや他職種の方も気軽に参加できるように
    18

    View Slide

  19. チーム外にも話題を共有する
    ● 面白工夫: Slackの通知設定の My keywords に
    「アクセシビリティ」と入れる
    ● 話題や質問にすぐ反応できるようにする
    19

    View Slide

  20. グループウェアにページを作る
    ● Scrapbox にアクセシビリティのページを作り始めた
    ● 自分の知識をまとめたり共有のため
    ● 自分以外にも情報や知識を書いてくれる人がいた
    ○ 思っていなかった効果
    ○ 自分以外にも関心を持つ人を知れた
    20

    View Slide

  21. 行ったことをふりかえる
    ● 特別なことはやっていない
    ● 実践・共有・仲間探しを行っていた
    ○ 実践
    ■ 改善を実践
    ○ 共有
    ■ 話題を共有する
    ○ 仲間探し
    ■ グループウェアにページを作る
    21

    View Slide

  22. 改善を広める際に
    意識して伝えたこと
    22

    View Slide

  23. 改善を広める際に意識して伝えたこと
    23
    ● ユーザーは機能を利用できていない
    ● アクセシビリティ改善による嬉しさ
    ● アクセシビリティ改善を難しく捉えすぎない

    View Slide

  24. ユーザーは機能を利用できていない
    ● 知らないと「利用できない」ことがわからない
    ○ なんとなく困っているといった理解で終わってしまう
    ○ ユーザービリティ・おもてなしとの混同
    ● 困っている状況をはっきりさせる
    ○ ユーザーの状況についての認識を揃える
    ○ コンテンツは読めていない・機能は利用できない
    ● ここを揃えてアクセシビリティの考え方に繋げる
    24

    View Slide

  25. ユーザーは機能を利用できていない
    ● これだけでは改善のモチベーションになりづらい
    ○ 道徳的な訴えで個人に依存してしまう
    ○ 現実の難しさ
    ■ 改善のコスパ, 要件や仕様にない,
    他の不具合や開発との優先順位
    ● モチベーションを高める他の視点も必要
    25

    View Slide

  26. アクセシビリティ改善による嬉しさ
    ● 支援技術を必要とする人以外にもメリットがある
    ● アクセシビリティがユーザビリティに繋がるケース
    ○ キーボード操作可能になることは色々と嬉しい
    ○ 特にエンジニアにウケがいい
    ● マシンリーダブルになることによるメリット
    ○ テストの壊れにくさ / SEO
    ○ もっとウケがよい
    ● 様々な品質を向上できるもの
    26

    View Slide

  27. 改善を難しく捉えすぎない
    ● 実際にやろうとすると知識の膨大さに面を食らう
    ● WAI-ARIA を意識しすぎない
    ○ ボタンなら button を使うなど、HTMLに元からある要素を使う
    ○ セマンティクスを意識する
    ● わかりやすいガイドラインにあたる
    ○ WCAG のガイドラインは難しい
    ○ freee さん / CyberAgent さんなどわかりやすいガイドラインへ
    ■ https://a11y-guidelines.freee.co.jp/
    ■ https://a11y-guidelines.ameba.design/
    27

    View Slide

  28. まとめ
    28

    View Slide

  29. まとめ (1/2)
    ● アクセシビリティ改善を広める際意識したことを話した
    ● 広めていった結果
    ○ エンジニアセミナーで1テーマに出来るくらいになった
    ○ 多くのチームで改善を行う人が出てきた
    29

    View Slide

  30. まとめ (2/2)
    ● 広め方は色々あるが、特別なことはない
    ○ 意識して伝えたことの方が大切
    ● 今日の発表が改善をスタートする人の参考になれば幸い
    ● 使ってもらえるユーザーの幅が広がることを素直に喜ぶ
    30

    View Slide

  31. 参考
    ● Webエンジニアとしていま知っておきたいWebアクセシビリティ
    ● 少しずつアクセシビリティ意識する - Hatena Developer Blog
    31

    View Slide