Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
GraphQLを使い続けて気づいたこと ~Hatena Engineer Seminar #21~
Search
Mikio Fujita
September 08, 2022
Technology
3
2.5k
GraphQLを使い続けて気づいたこと ~Hatena Engineer Seminar #21~
Hatena Engineer Seminar #21 GraphQL 活用編 での発表資料です。
https://hatena.connpass.com/event/258042/
Mikio Fujita
September 08, 2022
Tweet
Share
More Decks by Mikio Fujita
See All by Mikio Fujita
社内にアクセシビリティ改善を広める際に意識したこと
benevolent0505
0
860
エンジニアから見た出版社との共同開発の暮らし / Hatena Engineer Seminar #13
benevolent0505
0
2.4k
マンガチームとDevOps / Hatena Engineer Seminar #11
benevolent0505
0
1k
授業でWebアプリを作っている?話
benevolent0505
0
950
日曜日といったら
benevolent0505
1
130
朝起きる
benevolent0505
1
89
休講
benevolent0505
0
1.2k
◯◯駆動開発
benevolent0505
0
190
WebRTCで絵チャットを作った話し
benevolent0505
0
830
Other Decks in Technology
See All in Technology
Абьюзим random_bytes(). Фёдор Кулаков, разработчик Lamoda Tech
lamodatech
0
280
BigQuery Remote FunctionでLooker Studioをインタラクティブ化
cuebic9bic
2
230
初めてのAzure FunctionsをClaude Codeで作ってみた / My first Azure Functions using Claude Code
hideakiaoyagi
1
180
Oracle Audit Vault and Database Firewall 20 概要
oracle4engineer
PRO
3
1.6k
25分で解説する「最小権限の原則」を実現するための AWS「ポリシー」大全
opelab
9
2.2k
kubellが挑むBPaaSにおける、人とAIエージェントによるサービス開発の最前線と技術展望
kubell_hr
1
390
Clineを含めたAIエージェントを 大規模組織に導入し、投資対効果を考える / Introducing AI agents into your organization
i35_267
4
1.4k
A2Aのクライアントを自作する
rynsuke
1
150
IAMのマニアックな話 2025を執筆して、 見えてきたAWSアカウント管理の現在
nrinetcom
PRO
4
660
AWS アーキテクチャ作図入門/aws-architecture-diagram-101
ma2shita
29
9.5k
CSS、JSをHTMLテンプレートにまとめるフロントエンド戦略
d120145
0
220
In Praise of "Normal" Engineers (LDX3)
charity
3
1.2k
Featured
See All Featured
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
29
9.5k
Designing for humans not robots
tammielis
253
25k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
130
19k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
32
2.3k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
55
5.6k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
462
33k
Faster Mobile Websites
deanohume
307
31k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
41
7.3k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
13k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
45
7.4k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Transcript
GraphQLを 使い続けて気づいたこと 〜マンガノでの活用事例から〜 id:miki_bene Hatena Engineer Seminar #21 2022/09/07 1
自己紹介 • id:miki_bene • マンガ投稿チーム • Webアプリケーションエンジニア ◦ マンガノ /
ジャンプルーキー! / あしたのヤングジャンプ 2
今日の発表 • マンガ投稿チームで開発している マンガノというサービスの話 • 開発の当初からGraphQLを使っている ◦ 約2年ほどになる • GraphQLについて
開発を続けて気づいた点を紹介 3
• マンガノについて • GraphQLについて • GraphQLの開発を続けて気づいたこと • まとめ 4 今日の発表
5 マンガノについて
マンガノについて 6 • はてなと株式会社集英社の少年 ジャンプ+編集部が協業し提供す るマンガ投稿サービス • 2021/04よりサービス開始 • 作品の販売機能
/ 様々なWEBマ ンガ公開プラットフォームのURL を整理・公開できるポートフォリ オ機能など
7 GraphQLについて
GraphQL について • API向けのクエリ言語 • サーバーで取得可能なリソースをスキーマ定義 • クライアントはほしいデータのクエリを書き取得 8
GraphQL について 9 スキーマ クエリ 取得できるデータ
GraphQL の特徴 • 公式サイトによると ◦ クライアントがほしいデータだけを返せる ◦ 1回のリクエストで様々なデータを返せる ◦ 強力な開発者ツール
◦ etc… 10
11 GraphQLの開発を続けて 気づいたこと
開発を続けて気づいたこと GraphQLのスキーマ設計によって、 フロントエンド - バックエンドの両方にとって 無理のない実装が可能になっている 12
無理のない実装が可能 フロントエンド - バックエンドの実装上の都合を、 片方に押し付け合わないで済む 13
フロントエンドの実装上の都合 14 • フロントエンドの都合 ◦ 1つのAPIから様々なデータがほしい ◦ 画面に表示する分のデータだけ返してほしい
バックエンドには不都合 15 • これを満たすAPIはバックエンドにとって不都合 ◦ 1つのAPIの処理で様々なデータを集める ◦ 多くのパラメータを考慮する • バックエンドの実装が複雑になる
バックエンドの実装上の都合 • REST APIのように作りたい ◦ バックエンドの提供するリソースや操作に対して エンドポイントを作成 ◦ バックエンドは秩序立ったAPIに 16
フロントエンドには不都合 • フロントエンドにとって不都合 ◦ 表示したいリソースを取得するため、 何度もAPIリクエストを行う ◦ 表示しないデータまで取得してしまう • 実装が複雑化・パフォーマンスに影響
17
実装上の都合 • これまでのAPI開発 ◦ フロントエンド - バックエンドの都合を 同時に満たすことが難しい ◦ 片方が不都合な実装になりがち
18
GraphQLが実装上の都合を解消する • 実装上の都合を解消するGraphQLの特徴 ◦ フロントエンドがほしいデータを返せる ◦ 1回のリクエストで返せる • フロントエンドは都合を満たせ、バックエ ンドは不都合な実装をせずに済む
19
20 タグ機能開発での スキーマ設計の例
タグ機能について 21
タグのタイトルについての仕様 22 #Engineer #Engineer 作品A 作品B 同じタグと識別されたいので テキストを正規化して保持 = システム内
23 作品に紐づく形でタグを表示する際は ユーザーが元々入力したものを表示 タグのタイトルについての仕様 画面表示上 #Engineer #Engineer 作品A 作品B
画面からスキーマを検討 24 #タグ1 作品 #タグ2 #タグ3 作品に紐づけられた タグを一覧できる
25 #タグ 作品A 作品B 作品C タグが付いた作品を 一覧できる 画面からスキーマを検討
GraphQLスキーマの例 26 タグや作品をスキーマで表すとこう
27 作品に紐づくタグ一覧 タグを付けた作品一覧 クエリを書いてみるとこう GraphQLスキーマの例
タグの仕様を思い出す 28 このtitleのフィールドに ユーザーが元々入力した タイトルが入る 作品に紐づく形でタグを表示する際は ユーザーが元々入力したものを表示
29 作品に紐づく形でタグを表示する際は ユーザーが元々入力したものを表示 • フロントエンドは返ってきた データを表示するだけ • バックエンドは返すデータを 作品によって出し分ける必要 があり、やや煩雑
タグの仕様を思い出す
30 作品に紐づく形でタグを表示する際は ユーザーが元々入力したものを表示 • バックエンド側が 仕様の都合を背負う形に • できればフロントエンド- バックエンドの両方で無理の 無い形で実装したい
タグの仕様を思い出す
WorkTag を登場 31 作品に紐づくタグを表す WorkTag を登場 • DBの中間テーブルのようなType • WorkTag
にユーザーが元々入力 したタイトルを持たせる • Work は Tagの代わりに WorkTag の配列を返す
WorkTag を登場 32 WorkTag 登場時のクエリ 以前のクエリ • フロントエンドのクエリは以 前とほぼ変わらない •
バックエンドは中間テーブル のデータを出すだけで済む フィールドの出し分けが不要 自然な実装に
両方無理のない実装が可能に • このようにGraphQLのスキーマ設計によって、 フロントエンド - バックエンドで無理のない実装 が可能になった • スキーマ設計時の考慮が効いた ◦
フロントエンドがほしいデータだけでなく ◦ バックエンドの実装上の都合も考慮した 33
GraphQLのお陰で無理ない実装が可能 • フロントエンド - バックエンドの実装の詳細から 一歩引いた立場で設計することになる ◦ 詳細をそのままスキーマにしない ◦ 片方の都合によらない
▪ フロントエンドがほしいデータを返せる ▪ バックエンドが提供するリソースを表現できる 34
35 スキーマ設計を 上手く回せている理由
回せている理由 1. 開発者がフロントエンド-バックエンド両方担当 2. 以前からワイヤーフレームを元に開発を開始してきた 36
フロントエンド-バックエンド両方担当(1/2) • 全員がフロントエンド-バックエンド両方を担当 ◦ 画面でほしいリソースを理解 ◦ バックエンドの実装や都合にも通じている • スキーマを設計する際も、 自然と両方の都合を考慮できている
37
フロントエンド-バックエンド両方担当(2/2) 38 • マンガ投稿チームでは全員でスキーマ設計を行う ◦ スキルやドメイン知識を補完し合える • よりよいスキーマ設計に繋がる
ワイヤーフレームを元に開発開始 (1/2) • マンガ投稿チームでは、ワイヤーフレームを元に機能開 発を開始するのが主流 ◦ JSON API / テンプレートエンジンでHTMLを返す
• GraphQLでも自然とワイヤーフレームを元にスキーマ設 計が出来た ◦ ワイヤーフレーム=>リソース検討=>スキーマ設計 39
• ユーザーが見るものから検討を始める ◦ GraphQLに限った話ではない ◦ JSON API / テンプレートエンジンのときもそうだった ◦
GraphQLよりも良い技術が出てきても適応できるだろう 40 ワイヤーフレームを元に開発開始 (2/2)
41 まとめ
まとめ • GraphQLのスキーマ設計によって、 フロントエンド-バックエンドの両方にとって いいバランスで実装が可能 • マンガ投稿チームでは上手くスキーマ設計が出来 ている ◦ 開発者がフロントエンド-バックエンド両方の開発を担当
◦ ワイヤーフレームを元に開発を開始 42
GraphQL API を採用してわかったこと • APIの実装で困ったことはほぼ無く、 それ以外の課題にフォーカスできている • フロントエンドだけでなく、 バックエンドの開発にとってもメリットがある 43