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事業をエンジニアリングし続けるなかで見えてきた私のキャリア / forkwell-cto-suzuken

事業をエンジニアリングし続けるなかで見えてきた私のキャリア / forkwell-cto-suzuken

3度のCTO経験を経て、多くの人と仕事をし、事業に向き合ってきました。外から見れば私のキャリアはCTOを中心に回っているように見えるかも知れません。内からみる私はもっと連続的で、様々な技術や人との関わりあってきた道のりがあります。今回の講演では、私が時々にどう感じてきたか、そしてどんな行動指針をもって、何を大切にしてきたのかをお話します。

CARTA Engineering

December 08, 2022
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Transcript

  1. CARTA HOLDINGS Inc. 事業をエンジニアリングし続ける なかで見えてきた私のキャリア forkwell CTO名鑑 vol.1 2022/12/08 株式会社CARTA

    HOLDINGS 執行役員CTO 鈴木 健太 (@suzu_v, すずけん)
  2. CARTA HOLDINGS Inc. 3度のCTO経験を経て、多くの人と仕事をし、事業に向き合ってきました。 外から見れば私のキャリアはCTOを中心に回っているように見えるかも知れ ません。内からみる私はもっと連続的で、様々な技術や人との関わりあって きた道のりがあります。 今日はあえて寄り道して、なるべく生の僕の当時の体験と価値観の変化を話 して見ようと思います。 テクニカルな話はほとんどでてきません。

    みなさんのキャリアを考える上で、何かしらのひらめきを与えるきっかけに なるとうれしいです。 今日の発表について
  3. CARTA HOLDINGS Inc. • はじめに • 私がキャリアを歩むなかで考えてきたこと • 入社 •

    現在 • おわりに アジェンダ
  4. はじめに

  5. CARTA HOLDINGS Inc. 自己紹介 データエンジニアリング ウェブ技術が好きです 本も書きました(いずれも共著) 鈴木健太 すずけん 経歴

    2011年 スタートアップでCTO 2012年 VOYAGE GROUP新卒入社 2019年 fluct(子会社) 取締役CTO 2022年 CARTA HD 執行役員CTO ポッドキャスト「 https://ajito.fm 」 得意なこと このへんにいます Twitter: @suzu_v
  6. CARTA HOLDINGS Inc. これまでの(外的な)キャリア • 2006年: 大学ではじめてプログラミング • 2008年: バイト先でVBAつかってExcelをいい感じに自動化

    • 2010年: 研究室に所属。VOYAGE GROUPのインターンTreasureに行く。 • 2011年: スタートアップを立ち上げる。CTO就任。 • 2012年: 株式会社VOYAGE GROUP入社。fluctで新規サービス立ち上げ。 • 2014年: データ解析チームをつくる。マネージャーをやる。 • 2015年: やっぱりマネージャーやめてfluctでエンジニアに専念 • 2017年: 結局またfluct開発チームのマネジメントをやりはじめる • 2019年: 株式会社fluct 取締役CTO就任 • 2022年: 株式会社CARTA HOLDINGS 執行役員CTO就任
  7. None
  8. 8

  9. CARTA HOLDINGS Inc. 創業から20年間以上、様々な事業に挑戦し続けることで成長してきました。 
 過去10年間でも、20以上の子会社を立ち上げ、100以上の事業やサービスに挑戦してきました。 
 
 
 


    事業開発について
 (売上推移)

  10. CARTA HOLDINGS Inc. 書籍: 「事業をエンジニアリングする技術者たち ― フルサイクル開発者がつくるCARTAの現場」 10 “フルサイクルエンジニアによる「アフターDX」の世界がここ にある”

    • 株式会社CARTA HOLDINGS 監修、和田卓人 編 • ITエンジニア本大賞2021年技術書部門大賞『Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち』の改題改訂 版 さまざまな事業を展開するIT企業のエンジニアたちが、常に変化し続けるソ フトウェア開発の潮流の中で自分たちの事業にどう向き合い、レガシーを乗 り越え続けているか。本書を通して語られるのは、まさに「企業がDXを達成 した後に待っている世界」です。 目次 第1章 fluct ― 広告配信の舞台裏の技術者たち 第2章 Zucks ― フルサイクル開発者の文化 第3章 VOYAGE MARKETING ― 20年級大規模レガシーシステムとの戦い 第4章 VOYAGE Lighthouse Studio ― 数十万記事のメディアをゼロから立ち上げる 第5章 サポーターズ ― 事業の成長を止めない手段としてのシステム刷新 第6章 データサイエンス ― エンジニアによるビジネスのための機械学習 第7章 テレシー ― テレビCMをDXする 第8章 基幹システム統合プロジェクト ― ICT本部
  11. 私がキャリアを歩むなかで 考えてきたこと

  12. CARTA HOLDINGS Inc. 高校までのバックグラウンド • 北海道十勝ですくすくと育った • 周りに情報系で働いている人は皆無 • 数学が好きで得意だった

    • 友達にあれこれ教えるのはわりと好き • 小学校から高校までサッカーをやっていた • ベンチを年中温めていた。練習参加率だけは常に高い。
  13. CARTA HOLDINGS Inc. 大学時代 • 慶應義塾大学理工学部管理工学科へ進学 • 経営工学、統計、金融工学、情報工学、インダストリアル・エンジニアリングなどを触る実 学より学科だったので色々将来潰しが効くかなもなーという考えで選択 •

    プログラミングを仕事にすることは考えていなかった • セマンティックWeb領域の研究室へ https://www.st.keio.ac.jp/departments/faculty/ae.html より
  14. CARTA HOLDINGS Inc. 大学時代に仕事についてざっくり考えていたこと • 案外プログラムを書くことはなんとなくできるし、他の人よりそれなりに得意かもしれない • やるなら楽しく働きたい • 世の中には思ったより仕事がたくさんあり、多くの職種がある

    • 専門性があることはリスクヘッジになるし、選択の自由度を広げそう • ロジカルにものを考えて説得したり設計したりする力はどこへいっても便利そう • ただプログラミングは先人がたくさんいるし自分がやる世界じゃないなー・・と思っていた
  15. 就活するか・・と思ったが やっぱり物を作りたくなったので スタートアップをやる

  16. CARTA HOLDINGS Inc. スタートアップを始めた 2011 2011年2月 修士1年のとき、Trippieceという旅行サービスの立ち上げ 大学院で研究をしつつ開発 きっかけは同じくECナビ(当時)にインターンに来ていた @ishidaian

    から、 「人を誘って旅行に行けるサービスをつくるエンジニアを探してる」 と言われたこと。 なんとなく、作れそうな気がしたので参加してみることにした。 あと、直感的に楽しそうだな〜と思った😃
  17. CARTA HOLDINGS Inc. スタートアップ生活 その2 • かっこよく作った画面に全然ユーザがこない • 「アルファ版リリースしました!」と告知しても一覧ページだけ見られただけでユーザが帰っ ていく

    • ユーザに旅行プランを作成してもらえるようにしていたけど、ネタのようなプランしか投稿し てもらえない • 旅行のプランが投稿されるだろうと思ったけど、「カフェいきましょう」のような投稿が増え てしまったりする
  18. CARTA HOLDINGS Inc. ウェブ開発の楽しさと難しさを知る • ウェブアプリケーション、考えることが無限にあって楽しい • しかしつくってみたものの、使われるとは限らない • チームでプロダクトをつくることはやっぱり楽しい

    • リリースの瞬間はアドレナリンがすごい • やっぱりものをつくる仕事は面白いのでこれを職業にしようと考える • が、エンジニアの先輩もいないのでちゃんと勉強したい
  19. 紆余曲折を経て ソフトウェアエンジニアとして 働くことにした

  20. 10年前

  21. VOYAGE GROUP (現CARTA HOLDINGS) に新卒入社

  22. CARTA HOLDINGS Inc. 入社して広告のプロダクトを作る • ターゲティング広告の基盤: cosmi • 4名ほどのエンジニアチーム •

    Amazon S3にログを突っ込んでHadoopク ラスタであれこれ分析タスクをまわした • アドテク業界の雰囲気をなんとなく感じる https://www.slideshare.net/suzuken/dmp-30079817
  23. CARTA HOLDINGS Inc. SICP読書会をajiyoshiさんが開いてくれた • 計算機科学とはなにか • 大学では情報工学の専門ではなかったし、結局後から でも学べるということがわかってよかった •

    ajiyoshiさんがメンターをやってくれ、SICP読書会を やった • 気合があれば「いつでも学べる」のだなーということ を知る • インタプリタやコンパイラを初めてつくった
  24. CARTA HOLDINGS Inc. 社内バーAJITOでひたすら先輩エンジニアと語る • 最初のチームの先輩が大学時代プログラミング言語をつくるのが専門だった • エンジニアが事業で発揮しているのはその人の技術の一部分なのだなあと知る • 長く実践をしているエンジニアの実践力はすごいし面白い

  25. CARTA HOLDINGS Inc. 社外エンジニアともたくさん話す(やっぱりAJITOで) • 当時VOYAGE GROUPではよくオフラインの勉強会の会場提供をしていた • 社内バーAJITOがあるのですぐ懇親会ができた •

    夜な夜な社外のエンジニアがよくやってきて、いろんな技術の話や開発現場の話をきいた • 監視ツールの勉強会、Go言語の勉強会を開いたりした • 「入社」したのはたしかなんだけど、それよりウェブ「業界」にはいったのだなあ、という のを実感していった
  26. 色んなエンジニアの 仕事の話をたくさん聞いた (昔話もたくさん)

  27. その人の考えと技術が混ざり合い、 課題を解いていったという話を 聴くのが好きになっていった

  28. 人の話をじっくりと聴くのが好き 好きが高じてポッドキャストにもなった ajito.fm

  29. 技術書執筆機会がやってきた

  30. CARTA HOLDINGS Inc. 技術書の執筆機会をいただく(いずれも共著) 2014年 (3年目) 2016年 (5年目)

  31. CARTA HOLDINGS Inc. 書籍執筆に挑戦 • ログ解析本のほうはもともとfluentdやらElasticsearchをつかってログ解析基盤を作っていた のがきっかけ。 • コミュニティの人たちと話していたら自分も書くことになった。 •

    「みんなのGo言語」は当時Goを書き始めて勉強会を開いていたら誘われて書き始めた。
  32. CARTA HOLDINGS Inc. 目の前にある情報はあって当たり前ではなく、誰かが書いている • 本を書くことは、とても大変だと知る。時間もとてもかかる。 • 書いている人たちは、時間をかけて丁寧に実験して、調べて、まとめてくれている。 • けれど、調べて、書いて、伝えることを丁寧にやっている先輩エンジニアがいて、そういう

    方々から学ばさせてもらっていたのだなあ・・ということを知る。 • 書くことでさらに詳しい人から教えてもらえる。書いて学んでいる。 • 知ってる人はなんでも知っているようにみえるが、やはり無限に調べている。 先人に感謝を。
  33. 自分も育ててくれた人たちに もっと恩返しをできるようになりたいなあ という気持ちが膨らんでいった

  34. 6年前

  35. fluct SSP開発チームへ

  36. 難攻不落の技術的負債、 あらわる

  37. CARTA HOLDINGS Inc. いままでで一番複雑に絡まったソフトウェアと向き合う • fluctのあるプロダクトに入った時、技術的負債がたまっていた。 • リリースから7年ほど経っていた。事業は急拡大中。 • いろんな人がコードを書いて、継ぎ足していった

    • CI/CDも完備、テストもある、が・・・ • 管理画面もAPIもUIもDBもいろいろ設計が継ぎ接ぎ大変なことになっていた。 • 認知負荷がとにかく高い。 • やはり特にアプリケーションコードが読みづらすぎてどうしようもなかった。
  38. ものすごく複雑で、 難しくて、 地味な仕事

  39. この仕事をやることは キャリアにとってプラスなんだろうか?

  40. いや、そんなこと関係なくて、 この目の前のコトを倒さないと、 何も良くならない。

  41. 既存のシステムを尊敬して、 向き合う

  42. CARTA HOLDINGS Inc. 支えてくれた言葉 すずけんがやるべきと思うなら、やっちゃいなよ。 それはきっと必要なことだから。

  43. https://speakerdeck.com/suzuken/phpcon2017

  44. CARTA HOLDINGS Inc. なんとかした • それまでは「いい感じの技術、いい感じの環境」を探して場所を選んでいた。 • 立ち上げじゃなくて、既存の大きなコードベースのチームに初めてはいった。 • コードがやばいというところで、正直うっとなってしまった・・。

    • が、プロダクトは事業価値を生み出し続けていた。 • ひたすらコードを読んだ。 • ぐっとこらえて読んでいくと、これだけ続けているプロダクトをつくれているチームはすご いなーと思うし、素直に尊敬の気持ちにつながっていった。
  45. CARTA HOLDINGS Inc. @t_wadaさんに伴走してもらった • コーチの @t_wada さんに助言をもらいつつ、あれこれ苦心してなんとか直していった。 • プロダクトの複雑さをみんなで紐解いていった。

    • 例外を整理し、ログを整理し、リアーキテクティングしていった。 • 新卒が入ったとき、コードを書きたいと思える環境に。
  46. CARTA HOLDINGS Inc. 誰かのためにコードを書く • 頑張っている営業メンバーとか、運用メンバーとか・・、前からチームにいたエンジニアの こともみんな知っていたので、なんとかしたかった。 • 「あとに書く人がいまの自分と同じ気持ちにならないように」というのを意識していた。 •

    「自分のキャリア」とか「自分の気持ちいい構成」とかじゃなくて、「チームの誰かのため に」コードを書く。 • 自分たちの手にコードを取り戻した。
  47. 事業と プロダクトと 向き合った

  48. 自分の手で、 チームを巻き込んで、 プロダクトの未来を変えた

  49. 3年前

  50. とかいろいろやってたら 「CTOよろしく」 といわれたのでやることに

  51. CARTA HOLDINGS Inc. 子会社であるfluctの取締役CTOになった (2019年) • fluct CEOの望月さんから「すずけんCTOやっちゃいなよ」といわれてやることに • 開発チームのマネジメントをやりつつ相変わらずコードを書いていた

    • 経営をやるのだなーと自覚する
  52. CARTA HOLDINGS Inc. CEOも、みんな違う。 • 僕がいる10年間でfluctでは3回CEOが変わった • 最初は古谷さん(現DIGITALIO代表)、次が土井さん(現テレシー代表)、いまは望月さん。 • それぞれスタイルの違うCEOだし、事業の作り方も違っていた。

    • みんな尊敬され、信頼されているCEO。 • けれど強みをそれぞれ活かしながら事業を伸ばしていた。 • CEOだって、みんな違う。 • CTOだって、みんな違っていいじゃないかと思い、ちょっとほぐれた。
  53. CARTA HOLDINGS Inc. 経営者として事業と向き合う • 事業がうまくいくかは自分の責任 • プロダクトづくりを通じて、ずっとそう考えてきた • CTO

    = 経営者になると、明確にそうなった • 競争市場で仕事をするからには、自分も社も変化し続ける必要がある • 事業や組織を構造としてとらえ、変化させる • 組織も人もエンジニアも、原動力は「こうしたい」という想いから。
  54. やがて組織の想いになり、 それは価値観になり、 やがて文化になる。

  55. 今年

  56. 56

  57. CARTA HOLDINGS Inc. CARTAのCTOを任されたときにもらった言葉 人格で仕事をしよう。

  58. おわりに

  59. 最初からキャリアがあったのではなく、 積み重ねていって、 色んな人と仕事をして、 あとからそれがラベルになっていった。

  60. CEOだって、CTOだって、 仕事のやり方は1種類じゃない。 エンジニアだって、みんな違う。 魅力ある人たちと一緒になにかをつくることが、 私のキャリアの真ん中にある。

  61. キャリアを通じて 変わらなかったこと

  62. CARTA HOLDINGS Inc. わたしの行動指針: 一貫していること • 尊敬し、信頼する。 • 聞く、知る、考える、伝える。 •

    やってみる。だめならもどす。やってみる。 • それらをすべて、楽しむ。