Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
工数見積りのぶれ幅を理解してチームの見積り精度を上げた話
Search
chomemaru3
August 29, 2021
Technology
0
230
工数見積りのぶれ幅を理解してチームの見積り精度を上げた話
KyotoLT #26 の発表資料です。
chomemaru3
August 29, 2021
Tweet
Share
More Decks by chomemaru3
See All by chomemaru3
Baseconnectプロダクトの技術スタックのご紹介
chomemaru3
0
200
Other Decks in Technology
See All in Technology
CloudComposerによる大規模ETL 「制御と実行の分離」の実践
leveragestech
0
150
abema-trace-sampling-observability-cost-optimization
tetsuya28
0
450
re:Inventに行くまでにやっておきたいこと
nagisa53
0
970
戦えるAIエージェントの作り方
iwiwi
20
10k
パフォーマンスチューニングのために普段からできること/Performance Tuning: Daily Practices
fujiwara3
2
190
次世代のメールプロトコルの斜め読み
hirachan
3
300
AWS DMS で SQL Server を移行してみた/aws-dms-sql-server-migration
emiki
0
280
AIとの協業で実現!レガシーコードをKotlinらしく生まれ変わらせる実践ガイド
zozotech
PRO
2
290
GTC 2025 : 가속되고 있는 미래
inureyes
PRO
0
150
AIを使ってテストを楽にする
kworkdev
PRO
0
400
251029 JAWS-UG AI/ML 退屈なことはQDevにやらせよう
otakensh
0
180
dbtとAIエージェントを組み合わせて見えたデータ調査の新しい形
10xinc
7
1.7k
Featured
See All Featured
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
9
1k
Visualization
eitanlees
150
16k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
54
7.9k
Embracing the Ebb and Flow
colly
88
4.9k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
52
5.7k
RailsConf 2023
tenderlove
30
1.3k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
359
30k
BBQ
matthewcrist
89
9.9k
Code Review Best Practice
trishagee
72
19k
Being A Developer After 40
akosma
91
590k
Navigating Team Friction
lara
190
15k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
225
10k
Transcript
工数見積もりのぶれ幅を理解して チームの見積もり精度を上げた話 KyotoLT 第26回 (2021/08/28) 米丸 雄飛
フォローお待ちしています! 自己紹介 米丸 雄飛 WEBエンジニア・マネージャー PHP / SQL Server /
MySQL / Javascript PjM / ピープルマネジメント / フロー改善 agex communications inc. 所属 my new gear... @anachro3
今日お伝えしたいこと • 工数見積もりには「楽観値と悲観値」、 「理想時間と現実時間」の2つのぶれ幅がある。 • このぶれ幅の認識をチーム内で持ちルール化 することで、見積もりの精度向上がはかれた。
工数見積もりって難しくないですか? この機能 どれくらいで できる?
不確実性のコーン 工数見積もりはなぜ難しいのか?
余裕を持たせて さぼりたい欲 すごいエンジニアと 思われたいプライド 相反する心理的なバイアス 工数見積もりはなぜ難しいのか? 納期が遅れて 怒られたくない気持ち マネージャーからの 速く作れよという
無言のプレッシャー 確実に納期内に 終わらせたいという プロ意識 速くプロダクトを リリースしたい想い 工数を短めに見積りたくなるバイアス 工数を長めに見積りたくなるバイアス
コミュニケーションの問題
工数見積もり時のコミュニケーションの問題 工数を 見積もる人 見積もりを 受け取る人 3日で できます!
工数見積もり時のコミュニケーションの問題 工数を 見積もる人 見積もりを 受け取る人 3日で できます! 作業量は3日分だが実際に は5日間かかりそう 受入テストのバグ修正も
含めて3日かな ほんとは1日でできるけどバッ ファいれて3日にしとこ うまくいけば3日。 問題が起きたら・・・
工数見積もり時のコミュニケーションの問題 工数を 見積もる人 見積もりを 受け取る人 3日で できます! 作業量は3日分だが実際に は5日間かかりそう ほんとは1日でできるけどバッ
ファいれて3日にしとこ うまくいけば3日。 問題が起きたら・・・ 3日ね! 受入テストのバグ修正も 含めて3日かな ⇒ 見積もりを受け取る人には伝わらない、隠れた前提がある!
工数見積もり時のコミュニケーションの問題 • 前提を曖昧にすることでさらに見積もりの精度が低下 • 見積もりの知識がないことが問題 • 2つのぶれ幅の知識をつけるだけでも大きな違いに ①「楽観値と悲観値」のぶれ幅 ②「理想時間と現実時間」のぶれ幅
楽観値と悲観値のぶれ幅 見積もりがもつぶれ幅①
工数と確率のベータ分布 楽観値と悲観値のぶれ幅 楽観値、最頻値、悲観値、 どこをイメージした見積もりなのか?
50%ラインの存在 楽観値と悲観値のぶれ幅 50%ライン (50%の確率でここまでには終わる ) 必ずしも最頻値を 出せばよいというわけでもない
いつもきれいなベータ分布となるとは限らない 楽観値と悲観値のぶれ幅 ライブラリ更新だけで終わると思っていたら、 思ったように動かずスクラッチでつくることに・・・
理想時間と現実時間のぶれ幅 見積もりがもつぶれ幅②
理想時間と現実時間 理想時間と現実時間のぶれ幅 理想時間 現実時間 何者にも邪魔されない理想の環境で作業した場合の 開発にかかる時間。 差し込みのタスクや、切り替えのオーバーヘッドの 影響を受けた実際に開発にかかる時間
実際、1日に開発に充てられる時間はどれくらい? 理想時間と現実時間のぶれ幅 8時間?
実際、1日に開発に充てられる時間はどれくらい? 理想時間と現実時間のぶれ幅 https://note.com/mkobori/n/n60bdc1fab3d0 https://twitter.com/kobo_sta/status/1215929860553502720
実際、1日に開発に充てられる時間はどれくらい? 理想時間と現実時間のぶれ幅
実際、1日に開発に充てられる時間はどれくらい? 理想時間と現実時間のぶれ幅 4~6時間
計測のススメ • 現実時間は人、場所、状況によって変わる • 計測してチームの現実的な開発可能時間を把握すべし 理想時間と現実時間のぶれ幅
最後に
弊チームの見積もりルールのご紹介 • 最頻値で見積もる(50%ラインではないのは見積もりやすさ優先) • バッファは含めない(バッファはスケジューリング時にとる) • 理想時間で見積もる(あとで現実時間係数をかける) • 現実時間として、一日は 8時間の2/3しか開発できないものとする
最後に
We are hiring! ご清聴ありがとうございました!