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KiCadでPad on Viaの基板作ってみた
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misoji engineer
July 01, 2025
Technology
0
550
KiCadでPad on Viaの基板作ってみた
ミソジ 2025/7/5
オープンソースカンファレンス2025 Hokkaido
#osc25do
misoji engineer
July 01, 2025
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Transcript
KiCad で Pad on Via の 基板作ってみた ミソジ 2025/7/5 オープンソースカンファレンス2025 Hokkaido
#osc25do
自己紹介 名前: ミソジ @misoji_engineer ブログ: エンジニアの電気屋さん(https://misoji-engineer.com/) ハードウェアのエンジニアで、趣味でブログとか書いてます
アジェンダ • KiCadとは • 趣味のハードウェアの開発コンペ • Pad
On Via • まとめ 趣味で、Pad On Via を使ったので紹介します。
KiCadとは?
KiCadとは? 基板(PCB)設計ができるオープンソースのCADソフトウェア。 無料で使えて、趣味のハードウェアでも良く使われています。 回路図 パターン設計 3Dモデル
趣味で$1以下の基板が作れます 普段は簡単な2層基板 ⇒ KiCadで簡単に作れる 普段は10枚で$5 (1枚$1以下)… *輸送費は別途必要
最近KiCadを使った場面 (ハードウェアの開発コンテスト)
ハードウェアの開発コンテスト 趣味で、Bluetooth Audioの実装コンペに参加していました。 ▪ざっくりコンペ概要 ・Bluetooth LE Audio を使ったプロジェクト提案の募集 ・「Nordic SOC
nRF5340」+「NordicのPMIC」を含む ・良い設計プロジェクト提案したものは、評価ボード送付 + 基板作成費用を全額サポート。 2025年 BLE Audio Design Challenge https://www.hackster.io/contests/SonicSprint Adaptive Directional BLE Audio Speaker 🤑
コンテストの指定ICが難問 Audio IC・・・めっちゃ小さい。KiCadで出来るの? プロジェクトURL: https://www.hackster.io/iotengineer22/adaptive-directional-ble-audio-speaker-2d892d Audio IC (CS47L63) 0.4mmピッチの内側ピンに どうパターン引けば…
2.7mm x 4.1mm (61pin) Cirrus Logic CS47L63 Audio IC
Pad on Via
KiCadで回路図・パターンを引く ▪簡単な2層基板では対応できない、高密度IC。 →「6層基板」 + 「Pad on Via」をKiCadでパターン設計する 高密度ICでも、オープンソースのKiCadで何とか出来る
パターン (6層) 回路図 KiCadデータ: https://github.com/iotengineer22/Sonic-Sprint
Pad on Via (Via in Pad) ▪「Via」の上に「ICのPAD」を置く。 ⇒内側のピンにもパターンが引ける 手動で0.4㎜ピッチのViaを配置していく
細かい設定とか別途必要 ▪Viaを「樹脂」穴埋めする必要 穴埋め、Via径・パッド径などを設定していく ブログ記事:https://misoji-engineer.com/archives/pad-on-via-kicad.html ▪ICに合わせた、Pad On Viaの形状
何とか出来た!けど… (Pad on Via のデメリット)
納期 ▪難しい基板ほど、作成納期が長くなります。 普段の2層≒1日 ⇒ 6層+Pad On Via≒12日 *生板作成のみ • 基板製造:
約12日 • 基板実装: 約2週間 • 配送: 約5日 ⇒発注~納品まで約1か月 普段の約10倍
コスト・費用 ▪層数増やす + Pad on Via ⇒コスト半端なく高くなります 普段の2層≒$1 6層+Pad On
Via≒$90 *生板のみ 2層基板…≒$1 6層+ Pad on Via…≒$90 5枚作成 ≒$450 実装・部品代 ≒$410 ⇒合計≒$860 普段の約90倍
色々大変だったけど… 無事IC・基板が動いて、Bluetooth LE Audio 実装 ⇒OK! Zephyr(RTOS)で 動いています https://www.zephyrproject.org/ 動画URL:https://youtu.be/sZ_NohyZeC0
まとめ
・0.4mmピッチBGAなど高密度なICが実装できます。 (SOCやAudio ICとも相性が良いです) ・オープンソースで無料のKiCadで動作できました。 (誰でも回路・基板設計ができます) ・良かったらハードウェアの開発コンペ参加してみませんか! (苦行だけど基板作成費用や評価ボードのサポートある場合も...) まとめ KiCad +
Pad on Via の基板、無事動きました。
最後に ご清聴ありがとうございました。