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Walk around functional web frontend programming

Walk around functional web frontend programming

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Akihiro Okuno

October 01, 2021
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  1. 自己紹介 • 奥野 晃裕 @choplin • CTO @ Splink Inc,

    • 専門はデータベース工学 • よく使う関数型言語はScala 2 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 - We’re hiring!
  2. はじめに 目的 スコープ 「関数型プログラミング」によって、Webフロントエンドシステムを 記述可能な言語にどんな選択肢があるのかを紹介する • 発表者が恣意的に選択した言語を紹介する • 使ったことのある言語、気になっている言語 •

    紹介する言語の数を目的としない • 言語の体系的な整理を目的としない • 発表者による主観的な「よさ」を中心に紹介する • 言語の正確な説明を目的としない • 言語の正しい?評価を目的としない • 言語間の比較を目的としない 3 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会
  3. ご紹介する言語 • ReasonML, ReScript • Elm • F# + Fable

    • Scala.js • PureScript • Rust + wasm • Mint • Gleam • TypeScript + fp-ts 4 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 それなりの規模のプロダクト ( > 10K LOC)で使ったことがある ちょっとしたプロダクトで使ったことがある 趣味で少しさわったことがある 最近twitterで見て気になってる 言語としては最も普及してる
  4. ReasonML, ReScript 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 5 • ReasonMLとReScriptの関係が分かりにくい • 抽象化はそこそこ。特にMonadicな記述はandThenで 繋げないといけないので見づらい。

    気になるところ • JSとの連携がめちゃくちゃやりやすい • Interopが充実している • JSとファイルが1:1でコンパイルされる • Transpile 後のJSが読める! • OCamlの言語機能を大体そのまま使える • React, JSXを強力にサポートしている • JS/TSからの文法などの差が比較的小さい https://rescript-lang.org/ • OCamlのAlt Syntax • JSへtranspileするのはBuckleScript • 見た目も書き味もOCamlっぽい • ReasonMLはFacebookのReact作者の方が 作った • 少し前にBuckleScriptがAlt Syntaxも取り込 んでReScriptになった 気に入ってるところ 概要
  5. Elm 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 6 • 抽象化機能は意図的に低くされているため、冗長な記 述をせざるを得ないことが多い • 逆に言うとアプリケーションのコアに集中できるという面もある •

    JSとの連携が結構めんどう 気になるところ • 開発体験がすごくいい • 速いコンパイル、分かりやすいエラー、etc. • コンパイルが通った後の安心感がすごい • ランタイムでのエラーはほぼ0 • The Elm Architectureによって よいプラクティスを自然に実践できる • 言語がコンパクトで学習コストがかなり低い • TEAと強力に連携するTime Travelling Debugger • Webアプリケーション記述のために スクラッチから設計された言語 • 初期はFRPをベースにしていたが、大きく方 針転換してかなりシンプルな言語に • https://elm-lang.org/news/farewell-to-frp • 見た目はHaskellっぽいが、↑の方針の一環 で抽象化機能は低くデザインされている • The Elm Architectureというフロントエンド でのデータフローのモデルが優秀で、 他の言語にも広く影響を与えている https://guide.elm-lang.org/ 気に入ってるところ 概要
  6. F# + Fable 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 7 • .Net周りの知識は結局ある程度必要になる • コンパイルはちょっと時間がかかる

    気になるところ • F#の言語基盤が強力 • 特にCompute Expressionによる抽象化 • ライブラリが充実してる。ReactのDSL(Feliz)や、 TEAっぽいことをするやつ(Elmish)が活発に開発さ れており、UIの記述についてこれらと概ね同じ書き味 で書ける • BabelのASTを経由するので、Babel周りのエコシステ ムに乗っかりやすい • 吐かれたJSがまぁまぁ読める • F#をJSに変換する(Fable) • F#の言語機能はほぼ全て(多分)、標準ラ イブラリも結構使える • コンパイルのインターフェースとして、 dotnet-cliとwebpackの両方から選択できる https://fable.io/ 気に入ってるところ 概要
  7. Scala.js 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 8 • UI構築のフレームワークが色々あってスタンダードな ものがない • Scalaっぽく書けるようにしているものが多く、JSerには馴染み にくそう

    • JSとの連携はちょっとめんどう • コンパイルはちょっと時間がかかる 気になるところ • Scalaの言語基盤が強力 • コミュニティがScala.jsサポートに協力的な雰囲気が あり、jvm/jsの両対応してるライブラリがおおい • Scalaの一般的なワークフロー(sbt)でそのままフロ ントエンドを書ける • バックエンドとの協調した開発もサポートしている • UI構築のライブラリはSlinkyが好き 気に入ってるところ • ScalaからJSへ変換する • Scalaの言語機能はほぼ全て(多分)、標準 ライブラリも結構使える • Scalaの標準的なビルドツールsbtのプラグイ ンとして提供されている 概要 https://slinky.dev/docs/writing-components/
  8. PureScript 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 9 • 抽象化に頭が追いつかない… 気になるところ • とにかく高い抽象化能力 •

    一通りの環境の構築がnpmからできて簡単 • コンパイラ、ビルドツール、エディタ連携 etc. • 関数型の設計が自然に身につく(感じがする) • UI構築のフレームワークであるHalogenが優秀 • TEAっぽいAPIで書ける 気に入ってるところ • “A strongly-typed functional programming language that compiles to JavaScript” • Haskell-inspiredで、文法だけでなく、 Haskellで培われた純粋関数型の抽象化手法 を惜しみなく取り入れている • Haskellのセマンティクスでなく、JSのセマン ティクスをもとにして上手く行くかに興味が あり、PureScriptを作ったとのこと • https://leanpub.com/purescript/read#leanpub-auto- about-the-author 概要 https://book.purescript.org/index.html
  9. Rust + wasm 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 10 • WebAssemblyの開発環境へのキャッチアップが必要 • WebAssemblyの使いどころが今一分かってない

    気になるところ • Rustの言語基盤が強力 • 実用的にWebAssemblyを使うための数少ない選択肢 • UI構築フレームワークのYewはよくできている • TEA風 気に入ってるところ • RustからWebAssemblyへコンパイル • wasm-packがビルドツールとして提供され ている • wasm-bindgenによって、JSとのiteropが実 現されている 概要 https://yew.rs/getting- started/build-a-sample-app
  10. Mint 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 11 • まだコミュニティの規模は大きくない(ように見える) • レールが広範囲に用意されているのでそれに乗っかる覚 悟は必要 •

    JSとのinteropはあまり用意されてない? 気になるところ • Webアプリケーションの構築に必要なほとんどの要素 が言語として提供されている • 迷うことが少ない。特にStyleの辺り。 • ReactやElmの経験者だと、ほぼすぐに書き始め られるくらい学習コストが低い • 開発体験がすごくいい • 開発サーバー、エディタ連携、 気に入ってるところ • “Mint is a language specifically created for writing single-page applications” • ロジックやデータフローだけでなく、スタイ ルやルーティング、非同期処理までSPAに必 要な全てのものを言語レベルでサポートする • Elm-inspired • シンタックスは独特 概要 https://www.mint-lang.com/
  11. Gleam 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 12 • JSのサポートは少し前に入ったばかりなので、UIライ ブラリなどはこれから 気になるところ • 一つの言語でErlan

    VMのバックエンドと、Webフロ ントエンドを書けるのは夢がある • ゴリゴリの抽象化機能はないが、ADT、パターンマッ チなどひとまず欲しい機能は揃っている 気に入ってるところ • Erlang VM(BEAM)用のコードにコンパイル する性的型付き言語 • 少し前にJSへのコンパイルをサポートした • シンタックスはRustっぽい 概要 https://gleam.run/news/v0.16-gleam-compiles-to-javascript/
  12. TypeScript + fp-ts 2021/10/01 第一回関数型プログラミング(仮)の会 13 • まとまった量を書いたことがないので、どこまで痒い ところに手が届くか知らない 気になるところ

    • 既にTypeScriptで書かれているところでも使い始めら れる • Optionなどの簡単なデータ型だけでなく、型クラスや HKT、Effectなどかなり突っ込んだところまでサポー トしている • fp-tsを中心にしたライブラリが複数あるなど エコシステムがある 気に入ってるところ • TypeScriptで純粋関数型の設計でアプリケー ションを書けるようにするライブラリ 概要 https://dev.to/gcanti/getting-started-with-fp-ts-io-36p6