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日本理科教育学会 第74回全国大会(滋賀) 発表スライド資料
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Daichi Morikawa
September 06, 2024
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日本理科教育学会 第74回全国大会(滋賀) 発表スライド資料
生成AI を活用した問いの見いだしの指導法の提案
Daichi Morikawa
September 06, 2024
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Transcript
⽣成AI を活⽤した 問いの⾒いだしの指導法の提案 ⻄ 東 京 市 ⽴ 栄 ⼩
学 校 森川 ⼤地 中村 ⼤輝 宮 崎 ⼤ 学 教 育 学 部 2024.09.08 ⽇本理科教育学会 第74回全国⼤会(滋賀) P会場 第6セッション 2P05 連絡先 メールアドレス X(旧Twitter)
「変数の⾒いだし」に着⽬した指導法(森川・中村, 2024) 1 理科で扱う問いとは… ⇨ 科学的探究可能な問い 実験や観察を通して明らかにできる疑問⽂ たとえば 森川(2022) 1.
事象の⽐較 2. 差異点(変数)を⾒つける 3. 原因と結果の関係で組み合わせる 4. ⽂章化する 乾電池の数 乾電池の向き プロペラの 回る向き ⾖電球の 明るさ 乾電池の数によって, ⾖電球の明るさはどのように変わるのだろうか 乾電池の向きによって, プロペラの回る向きは変わるのだろうか
当該指導法の課題点 2 授業前〜の流れ 事前学習 児童の回答を収集・分析 本時へ活⽤ 頻出語を抽出 事象と関係のない単語の抽出 しかし課題点として… 複数事象の⽐較から
・差異点 たとえば… User local AIテキストマイニングを使⽤ 単語だけでは 変数のとる値が不明瞭
本研究の⽬的 3 より⾼度なテキスト処理ができる ⽣成AI の活⽤ を通して 「変数」に着⽬した問いの⾒いだしの⽀援⽅法の提案 ⽣成AIによる出⼒結果は,児童が問いの⾒いだす上で どのように機能するかその有効性を明らかにする ことを⽬的とする
検証⽅法 • 児童のノート記述 / 授業中の児童の発話プロトコルを中⼼に質的分析 4 学習指導要領解説理科編 (ア) 植物の葉に⽇光が当たると でんぷんができること
習得を⽬指す知識 対象者 • 東京都公⽴⼩学校 • 第6学年 3クラス(n=101) 単元 • 植物のからだのはたらき 実施時期 • 2024年6⽉〜7⽉ 分析対象
本実践における⽣成AIの利⽤ 5 使⽤する⽣成AI ⇨ ChatGPT‒4o 使⽤者 ⇨ 教師 ⽤途 ⇨
児童の記述分析 児童への事前指導 ⇨ アリ(詳細:次のページ) 「初等中等教育段階における⽣成AIの利⽤に関する暫定的なガイドライン」 (⽂部科学省, 2023)に沿って⽣成AIを利⽤
⽣成AIに関する事前指導 6 • 多くの児童は「⽣成AI」という⾔葉を聞いたことがある(8割近く) • ほとんどの児童が「⽣成AI」を使ったことがない • ⽣成AIを活⽤した授業は受けたことがない • 10分程
• 教師がどのように⽣成AIを利⽤したか たとえば,教師が⼊⼒したデータには個⼈情報が含まれていないことを明⽰ • ⽣成AIのメリット/デメリットに関する簡易的な説明 ⽣成AIの出⼒結果をどのように捉えればよいのか(e.g., ハルシネーション) 児童の実態 初めて⽣成AIに触れる児童が多いため 仕組みや抽象的な説明は避けた 事前指導
⽣成AIを活⽤した指導の概要 7 簡易的なテキストマイニングを利⽤した指導法の課題点(再掲) 事象と関係のない単語の抽出 単語だけでは変数のとる値が不明瞭 ノイズとなる単語を取り除く (e.g., 助詞の「の」「が」) ⽣成AIへの指⽰⽂(プロンプト) を⼯夫
要約⽂の⽣成 (⼩6でもわかる⽂章で) 複数事象の添付 (⽣成AIの回答の精度を⾼め,より学習の⽂脈に沿った出⼒とするため)
⽣成AIへの⼊⼒ 8 授業で使⽤する複数事象 指⽰⽂ ⼀部抜粋 <頻出語> # 記号や助詞、“A”、“B”はカウントしない # 頻出回数が多い順
<⽂章の要約> # 添付画像を参考に頻出語同⼠を繋げた要約⽂ # ⼩学校6年⽣がわかる⽂章 # 重複した⽂章は書かない # 出⼒結果を表にまとめる # 類似する項⽬はまとめる (表の下に注意書きとして記す) # 「終了」と回答するまで修正点を聞き続ける 学級全体の傾向 をより捉えやすく するために ノイズの取り除き
出⼒結果 9 事前学習 出⼒結果の確認 本時 → → ① AとBを⽐べ,キーワードを記⼊しましょう ②キーワードを基に,考えられる問題⽂を書いてください(複数あれば箇条書き)
⇨ Googleフォーム 質問② の出⼒結果 Googleフォーム 質問① の出⼒結果
本実践の結果(概要) 10 1. 授業前 *本時に向けて児童は出⼒結果をどのように捉えているか • ⽣成AIによる出⼒結果から気付いたこと • 変数を⾒いだす⼒が低〜中の児童2名の記述 2.
授業中 *⾒いだした変数を基に議論し,問題⽂を全体で作る場⾯ • 班内での検討 • 学級全体での検討(資料に掲載) 3. 授業後 *本実践を通して児童の⽣成AIに対する考えの変化 • 授業の振り返り
実践の結果(概要) 11 1. 授業前 *本時に向けて児童は出⼒結果をどのように捉えているか • ⽣成AIによる出⼒結果から気付いたこと • 変数を⾒いだす⼒が低〜中の児童2名の記述 2.
授業中 *⾒いだした変数を基に議論し,問題⽂を全体で作る場⾯ • 班内での検討 • 学級全体での検討(資料に掲載) 3. 授業後 *本実践を通して児童の⽣成AIに対する考えの変化 • 授業の振り返り
出⼒結果から児童が気付いたこと 12 • 変数を⾒いだすこと ⇨ 困難さを抱える児童が⼀定数いる(森川・⽯⾶・中村, 2022) 学級全体の考えを捉える上で認知的負荷の軽減につながった 出⼒結果を⾒て,気付いたことは何ですか? 質問
児童 変数を⾒いだす⼒ 回答 Aさん 低 (でんぷんというキーワードは⾒つけられた) ⽔分と⽇光というキーワードが多く使われている。 みんなの意⾒を⾒て,⽔分と⽇光,デンプンと⽇光,には何かしらの関係がありそうだ。 Bさん 中 要約⽂の上位に「⽇光の有無によって」がある。 僕も原因には「⽇光」がくると思う。他の⼈も同じ考えだということが分かった。 ⇨ 特に変数を⾒いだす⼒が低い児童への⽀援として有効 従来の指導法 テキストマイニングと⽐べ これまでは変数間の関係性を ⾒いだすことが難しかった児童 事前学習 出⼒結果の確認 本時 → → 事後 →
実践の結果・考察(概要) 13 1. 授業前 *本時に向けて児童は出⼒結果をどのように捉えているか • ⽣成AIによる出⼒結果から気付いたこと • 変数を⾒いだす⼒が低〜中の児童2名の記述 2.
授業中 *⾒いだした変数を基に議論し,問題⽂を全体で作る場⾯ • 班内での検討 • 学級全体での検討(資料に掲載) 3. 授業後 *本実践を通して児童の⽣成AIに対する考えの変化 • 授業の振り返り
本時の流れ 14 事前学習 出⼒結果の確認 本時 → → 事後 → Google
スライドを班・学級全体で編集 1.キーワード(変数)になり得る⾔葉を書き込む 2.原因と結果の組み合わせを考える 3.考え得る問題⽂を書き込む 4.問題⽂を全体に共有 5.問題⽂の検討 班 全体 班のページ 学級全体のページ
本時の流れ 15 事前学習 出⼒結果の確認 本時 → → 事後 → Google
スライドを班・学級全体で編集 1.キーワード(変数)になり得る⾔葉を書き込む 2.原因と結果の組み合わせを考える 3.考え得る問題⽂を書き込む 4.問題⽂を全体に共有 5.問題⽂の検討 班 全体 班のページ 学級全体のページ ・班で1台のタブレットPC ・リーダーが⼊⼒ ・班の全員で意⾒を出す
班内での検討場⾯ 16 事前学習 出⼒結果の確認 本時 → → 事後 → 頻出語を基に
考え得る変数を抽出 要約⽂を参考に 問題⽂の敲き台を班でつくる様⼦ 要約⽂の推敲 ⇨ 問題⽂への⾒通しがもてるように 内容⾯の検討を重点的に
実践の結果(概要) 17 1. 授業前 *本時に向けて児童は出⼒結果をどのように捉えているか • ⽣成AIによる出⼒結果から気付いたこと • 変数を⾒いだす⼒が低〜中の児童2名の記述 2.
授業中 *⾒いだした変数を基に議論し,問題⽂を全体で作る場⾯ • 班内での検討 • 学級全体での検討(資料に掲載) 3. 授業後 *本実践を通して児童の⽣成AIに対する考えの変化 • 授業の振り返り
⽣成AIによる出⼒結果の児童の捉え⽅ 18 インプット アウトプット ・児童の回答 ・複数事象 ・頻出語 ・要約⽂ 必ずしも全てが 正しいとは限らない
鵜呑みにしてOK? 事後指導(今回の授業,問いの⾒いだしを具体例として) C1:⽣成AIが出したことは全部正しいと思っていたけど,今回の学習を通して 間違った情報が出てしまう仕組みを知れた。 C2:インターネットの検索と⼀緒で,すぐに信じることは危険だと思った。 けど使えるようになると便利になると思う。 振り返り ⽣成AI活⽤のリテラシー向上への期待
⽣成AI活⽤の可能性 19 往還 理科の問いの⾒いだし場⾯ ⇨ 「変数を⾒いだす⼒」 仕組み,利便性,リスクなど (e.g., ハルシネーション) ⽣成AIへの理解
教科における活⽤ 理科の資質・能⼒を育てるとともに 教師・⼦どもが⽣成AIの使い⼿として
参考・引⽤⽂献 20 ⽂部科学省(2023)「初等中等教育段階における⽣成AIの利⽤に関する暫定的なガイドライン」Retrieved from https://www.mext.go.jp/content/20230710-mxt_shuukyo02-000030823_003.pdf (accessed 2024.09.02) ⽂部科学省(2024)「初等中等教育段階における⽣成AIに関するこれまでの取組み」Retrieved from https://www.mext.go.jp/content/20240725-mxt_jogai01-000037149_21.pdf
(accessed 2024.09.02) 森川⼤地(2022)「探究可能な問いを⾒いだす実践 ー「変数を⾒いだす⼒」に着⽬してー」初等理科教 育会報電⼦版12/1⽉号, 36-39. 森川⼤地・⽯⾶幹晴・中村⼤輝(2022)「問題事象から変数を⾒いだす⼒の評価⽅法の開発」『理科教育 学研究』, 第63巻, 第1号, 61-69. 森川⼤地・中村⼤輝(2024)「問いの設定場⾯における「変数を⾒いだす⼒」の育成⽅法の開発」『理科 教育学研究』, 第64巻, 第3号, 329-339. Ruben R. Puentedura (2006) Transfor-mation, Technology, and Education. http://hippasus.com/resources/tte/ (閲覧日2024.09.05)
⽣成AI を活⽤した 問いの⾒いだしの指導法の提案 ⻄ 東 京 市 ⽴ 栄 ⼩
学 校 森川 ⼤地 中村 ⼤輝 宮 崎 ⼤ 学 教 育 学 部 連絡先 メールアドレス X(旧Twitter) QRコード (資料) 2024.09.08 ⽇本理科教育学会 第74回全国⼤会(滋賀) P会場 第6セッション 2P05
1.問いの⾒いだし場⾯の困難さ 2.⼊⼒プロンプト 3.学級全体での検討場⾯ 4.⽣成AI活⽤の模索 補助資料
問いの⾒いだし場⾯の困難さ 23 教師 ⼦ども 意図する問いにならない • ⼦どもの議論が拡散してしまう • 教師から与える問いとなってしまう •
教科書に書かれている問いを発⾔した ⼦どもを指名する ⼀部の児童のみで 問いが⽴てられている • 問いの⽴て⽅が分からず,そもそも 考えられない • 全体で発表することが苦⼿な児童は 考える時間がもてない 学習の機会が保証されていない 教師主導の問いになってしまう
⼊⼒プロンプト(1/2) 24 <指⽰> ##の⽂章内の「頻出語」と「⽂章の要約」をステップバイステップ で教えてください。 「頻出語」 1.##の頻出語を抽出する。 そのとき、記号や助詞、“A”、“B”はカウントしない 2.抽出した頻出語と回数を「表1」にまとめる。 #表1の⾒出しは「ちがうところ」とする
#頻出回数が多い順 「⽂章の要約」 3.頻出語同⼠でつなげた要約⽂を箇条書きで挙げる #⼩学6年⽣が分かる⽂章 #頻出語の箇所は太字で強調 #重複した⽂章は書かない
⼊⼒プロンプト(2/2) 25 4.⽣成した箇条書きを、表1内で関連する頻出語の項⽬に新たな列として追加する 5.表1で類似する項⽬はまとめる #どの⽤語をまとめたのか、表の下に注意書きとして記す #添付資料のイラストを参考にする 6.「終了」と回答するまで修正点を聞き続ける ## @児童の回答 ##
学級全体での検討場⾯ 26 事前学習 出⼒結果の確認 本時 → → 事後 → Google
スライドを班・学級全体で編集 1.キーワード(変数)になり得る⾔葉を書き込む 2.原因と結果の組み合わせを考える 3.考え得る問題⽂を書き込む 4.問題⽂を全体に共有 5.問題⽂の検討 班 全体 班のページ 学級全体のページ ・各班で考えた問題⽂を 1ページに集約し, ⽐較しやすくした
学級全体での発話プロトコル(⼀部抜粋) 27 C3:どの班も「⽇光の有無」を原因としているから,決定でよいと思う。 C4:けど,結果のところの意⾒がバラバラだよね。 (従属変数が)たくさんあると,何を調べたらよいか分かりにくいから絞った⽅がいいと思う。 # 結果(従属変数)には「⾊」「⽔分の量」「デンプンの量」が挙がっている C5:⽇光の有無によって⾊が変わるかは,5年⽣で同じような実験をしたよね。 ⽇光に当てるとよく成⻑して葉が緑⾊だった,逆に⽇光を当てないとあまり成⻑せず葉が⻩⾊くなっていた。 C6:たしかに,そうなるとまた同じようなことをたしかめることになるね。
C7:⽔分の量ってどうやってたしかめられるかな。この後の実験を考えたら,たしかめるのが難しそう。 C8:デンプンなら,5年⽣の時に使ったヨウ素液でたしかめられそう。 C9:たとえば,1枚の葉全体でどれくらいの割合が反応したか,⽇光アリ・ナシで⽐較する⽅法だとどうかな。 議論の活発化・促進につながった 従来の指導と⽐べ, 多くの児童が議論に参加 ⇨ 多⾯的に議論する様⼦ ⇨ 形式的な問題⽂の作成ではなく『既習事項・変数の場合分け・その後の実験への⾒通し』を中⼼とした議論
⽣成AI活⽤の模索 28 ICT活⽤モデル 代替 拡⼤ 変形 再定義 以前ではできなかった新しい学習活動を可能にする 学習活動の再設計を可能にする 従来のツールの代⽤となることに加え,新たな機能が付加される
機能的な拡⼤はなく,従来のツールの代⽤となる SAMRモデル…ICT機器の活⽤を4段階で⽰したもの(Puentedula, 2006) ⇨ ⽣成AI活⽤の可能性を探るための枠組みとして