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デライト・ベンチャーズで実践した”リーン”なプロダクト開発【DeNA TechCon 2022】

デライト・ベンチャーズで実践した”リーン”なプロダクト開発【DeNA TechCon 2022】

デライト・ベンチャーズはDeNA発のベンチャーキャピタルで、スタートアップへの投資や、独立を前提とした新規事業創出を通して、起業の支援を行っています。

その支援を行う中で、事業を大きく育てていくにあたって、事業検証やプロダクト開発を"リーン"に行うこと、つまり"最低限のコストで素早く改善サイクルを回していく"ということが重要だと考えています。

デライト・ベンチャーズが考える"リーン"な進め方とはどういったものなのか、そして実際の現場でその手法がどのように実践されているのか、新規事業創出における責任者を担う坂東龍と、デライト・ベンチャーズからの独立を経たスタートアップにてCTOを務める小林南実がご紹介していきます。

資料内でのリンク集:
p49-1, https://delight-ventures.com/
p49-2, ​​https://with-fit.com/

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◆ DeNA TechCon 2022 公式サイト
https://techcon2022.dena.dev/spring/

DeNA_Tech

March 17, 2022
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Transcript

  1. VB新規事業立ち上げのフロー ① 企画 ② 検証 ③開発・運営 ④スピンアウト (独立) 資 金

    調 達 予算100万円+α (3ヶ月間) 累計予算5,000万円迄 (1年〜1年半) 外部調達 (約5,000万円〜) 予算〜10万円 (1ヶ月間) • 各プロセスで投資判断・審査を実施 • 大きく成功が期待できるプロダクトに絞りこんでから エンジニアに開発してもらう(失敗確率が高いものは開発しない) IPO(上場)等 大きな成長へ 約1,000件 約60件 11件 3件 ※VB内で開発せずに独立起業したのは6社
  2. 企画フェーズの提案要素 ① 企画 ② 検証 ③開発 • ターゲット • 顕在課題

    • 課題の大きさ • ソリューション内容 • 優位性 • なぜ今? • なぜあなた?
  3. 企画フェーズの提案フォーマット • 私の事業案は「                    」です。 • ターゲットユーザーは「        」な状態を目指している「       」の人たちです。 • その人たちには目指す状態を阻む「                」という大きな課題があります。 • その課題の大きさを金額換算すると年間「    」億円程度となります。

    • 具体的には課題を抱えている人の人数・社数「     」人(社)× 1人or1社あたりの課題の大きさ 「      」円/年で算出しています。 • その課題を直接的に解決するソリューション案は「             」です。  • 具体的には「         」「         」が可能なサービスです。 • 既存代替手段や競合には「        」「        」などがありますが、 • 私の事業案は「             」という点が、課題解決する上で優れています。 • 今この事業を始める理由は「                  」だからです。 • この事業を私がやるべき理由は「                  」だからです。 • 次の検証フェーズにおいては、「       」「       」を特に調べます。
  4. 企画フェーズのチェック項目 項目 Ideation時点でのチェック項目例 ターゲット ・課題に直面し解決するための行動を起こしているターゲットは既に実在しているか? ・ターゲットは自身の周りやネット上で実在を確認できるか? 課題 ・顕在化している課題か?(想像や潜在課題ではなく解決しようとする行動事象があるか?) ・課題設定の抽象度が高すぎたり、逆に粒度が細かくなりすぎたりしていないか? ・課題を複数掛け合わせていないか?(検証が複雑になる)

    ・ソリューションありきで逆引きで無理矢理に課題設定していないか? 課題の大きさ ・金額換算すると年間1000億円以上の規模感が期待できるか? ・市場規模に希望的シェア率を掛けるのではなく、ボトムアップで算出しているか? ソリューション ・課題解決するためにターゲットが起こしている行動に則した解決策か? ・労働集約型ではなく、テクノロジー等を活用し指数関数的に伸び得るか? ・既に起こしている解決行動・競合に比べて10xな解決策か? ・明らかな法的・システム的なノックアウトファクターがないか? 代替手段・競合 との比較 ・課題解決する上での競合・代替手段は存在するか?(存在しないといけない) ・競合・代替手段との優位性は課題解決に即しているか? なぜ今? ・代替手段・競合がまだ存在ないのに参入しようとしていないか? ・同じ課題・ソリューションで攻めている競合は既に勝者になっていないか?
  5. 検証フェーズ • 顧客課題の定性・定量理解 • 代替手段・競合の調査 • 技術・法令等実現性 • 市場性・顧客リーチの検証 •

    商品価値の検証 (まだ開発はしない) 深く知る (ヒアリング調査) 実験する (簡易試作品検証)
  6. 2019年秋 ・プロジェクト始動 : 企画フェーズ→検証フェーズ 2020年春 ・開発フェーズ突入 : リードエンジニア参画 2021年秋 ・スピンアウト

    : ウィズカンパニーとして引き続き開発/運営 WITH Fitness(ウィズフィットネス) オンラインパーソナルトレーニング
  7. MVP(Minimum Viable Product)とは MVP = “価値を検証できる最小限のプロダクト”   最初から理想形を開発 → 長い開発期間を無駄にするリスクが伴う   まずはMVPを開発  

    → 検証を繰り返しながら着実に開発を積み上げる → ◦ × “価値を検証できる最小限”ってどんなプロダクト?
  8. 後半の話まとめ MVP = 価値を検証できる最小限のプロダクト ① “検証したい価値”を明確にする ◦ 検証フェーズに何度も立ち戻る ② “必要な機能”を考えていく

    ◦ 検証したい価値に絞って機能を取捨選択していく ③ “必要なクオリティ”を考えていく ◦ 検証したい顧客体験の実現をゴールとする