現在、ドコモ初の社員内製で開発しているコンシューマ向けアプリ「マイトレード」をリリースしています。 マイトレードは主に Google Cloud や Go 、Flutter を利用しています。 今回はマイトレードの中でも特に広告流入計測に焦点を当ててお話します。
ユーザーがどのようにアプリに到達したか、それらのユーザがアプリ上でどのような行動を取ったか、また、それらのユーザ全体を通じた行動パターンの比較や相違点を分析することはサービスの成長にとって重要です。 例えば、どの媒体のどの広告からユーザが流入しているのか、それらのユーザがどこまで到達してどこで離脱しているのかを把握することは最も重要なことの 1 つです。 一般的な Web サービスでは、クッキーを利用することや URL にカスタムパラメタ (UTM パラメタなど) を付与することでユーザの行動を計測できます。 しかし、モバイルアプリの流入計測ではアプリストアから実際にインストールを行なってアプリを起動する際にこれらの識別情報引き継ぐことができないなど、計測が非常に困難です。 計測するためには、ユーザがリンクなどをクリックしてアプリストアに遷移するタイミングでユーザー端末の広告 ID 等を保存しておき、アプリ起動後にその端末情報と照合する必要があります。 また、プライバシー設定などでユーザー端末の広告 ID が得られない際には、その他の情報をもとに確率的な手法を使い計測する必要があります。 これら全てを自前で実装し計測することは非常に困難であるため、Adjust 、AppsFlyer 等の流入計測ツールを利用して計測することが一般的です。
マイトレードでは Adjust を使って流入計測をし、導入に際して Flutter アプリへの Adjust SDK の実装及び各広告媒体との連携を設定しました。 また、流入計測したデータを独自に分析できるよう、Adjust から Cloud Functions を利用して BigQuery に保存しています。
本セッションでは上記の経験を元に、モバイルアプリの広告流入測定の仕組み、導入や利用方法、Raw Data Export を利用した計測データの BigQuery への集積方法、集積情報をどのようにマイトレードで活用しているのかについて紹介します。