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新入社員 オンボーディング改善プロジェクト - シンプルな仕組みで変革のきっかけを

enpipi
October 17, 2024

新入社員 オンボーディング改善プロジェクト - シンプルな仕組みで変革のきっかけを

新入社員オンボーディングプロセスの全社的改革事例を紹介します。
部門間の連携不足や情報分散による非効率性に対し、既存ツールを活用した統合オンボーディングシートを構築。
高度なテクノロジーではなく、シンプルで柔軟な仕組みにより、非IT部門でも容易に運用・カスタマイズ可能なシステムを実現しました。
結果として、オンボーディング時間の削減、基本的問い合わせの減少、部門間協力の強化を達成。
ITスキルを組織的に活用し、全社的課題解決に貢献した事例です。
本取り組みは、IT部門が単なる技術提供者ではなく、組織全体の効率化と成長に貢献したことを示しています。
シンプルな仕組みと効果的な組織間連携が、いかに大きな変革をもたらすかをお伝えします。

https://btcon.jp/2024/sessions/6

enpipi

October 17, 2024
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  1. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 自己紹介   遠藤 祐介(enpi)

    エンジニア・QA 管理部情報システム担当 ITチーム所属ITスペシャリスト Goodpatch Inc. Works Applications Co., Ltd. VISASQ Inc. 新卒〜2014/5(約3年) 2014/06〜2024/04 (約9年) 2024/5より在籍(4ヶ月程度) • 有給休暇の申請画面および管理画面 の開発 • Java/Delphi/COBOL、QA業務 • 30名の頃より在籍、IPOを経験 • Jamf Pro、Okta等のサービス導入 ・運用を経験 • JNUC2022登壇 • セキュリティ全般の見直し・統合 • オンボーディング見直し • CleanShotX 導入 Fukuoka Tokyo
  2. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. © VisasQ Inc. All

    Rights Reserved. ビジネス領域に特化した日本有数のナレッジシェアプラットフォーム 5 会社概要 様々な方法で、専門的な知見を持つエキスパートと顧客企業をマッチング。“ビジネス×スキルシェア”という独自領域で事業を拡大中 知見にアクセス 知見を提供 インタビュー オンライン アンケート 24時間以内の Q&A 調査代行 レポート作成 伴走支援 エキスパート ご依頼企業 64万人
  3. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 1 時間単位のインタビュー(対面/電話/Web会議)により、 エキスパート64万人超から信頼できる「生の声」を簡単に収集。 会社概要

    ビジネス領域特化の オンラインアンケート調査 調査設計・実行・レポートを まとめて代行 5名以上のエキスパートとの 24時間Q&A 技術・製品のニーズ探索に アイディアを公募 社外人材活用支援 ワークショップ WEBサービス エキスパートによる 実働型の伴走支援 社外取締役・監査役のマッチング 勉強会・講演会・ワークショップ 手軽な セルフマッチングサービス 6 ナレッジシェアプラットフォームを強みに複数のサービスを展開 ビザスクInterviewをコアサービスとしつつ、データベースを活用した新サービス開発にも力を入れています
  4. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 本日伝えたいこと 1. オンボーディングの可能性 2.

    ITが横断的に立ち回ることで組織にもたらす可能性 3. 他者を巻き込む際に心がけていること
  5. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 入社初日にPCセットアップと会社の全体像を共有 週1,2ペースで各部門より研修が展開 • 法務や経理からだけではなく、各事業部からも紹介や研修がある

    • 部門長の方が出るなど顔合わせも兼ねた手厚い研修 オンボーディング改善 - ビザスクのオンボーディングの紹介(改善前) ひと月にわたるオンボーディングプログラム
  6. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 親切・人柄の良さがでる社内文化 • 入社前より採用担当の方が丁寧にフォローアップしてくれて不安に伴走してくれる •

    高圧的な態度を取る人がいない、誰に聞いても親切に教えてくれる • メンターがついてコミュニケーションで解決できる 無理のないペースでの手厚い研修 • 最初の研修で会社の全体像がわかるようになっていて、加えて各部門長より部門研修が週1,2回程度のペース である。 • (自分は)無理のないペースでオンボーディングできた オンボーディング改善 - ビザスクのオンボーディングの紹介(改善前) 🌟 素晴らしかったこと
  7. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - ビザスクのオンボーディングの紹介(改善前) 自己解決できるものが少ない

    • 資料が分散または最新でないケースがあり、頻繁な問い合わせの原因に。 • 口頭での確認が常態化し、正確な情報把握が困難。 研修の効率化 • 研修ごとに口頭やスライド内に宿題が記載されており対応漏れの原因に。全体像が見えない不安 • PCセットアップ研修では、一斉進行方式により待ち時間が発生。 一人が躓いてしまうと全体の進行に影響が発生してしまう 🚀 伸びしろを感じたこと
  8. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - ビザスクのオンボーディングの紹介(改善前) 自己解決できるものが少ない

    • 資料が分散または最新でないケースがあり、頻繁な問い合わせの原因に。 • 口頭での確認が常態化し、正確な情報把握が困難。 ◦ 読むべきドキュメント、資料を一元管理して、自己解決可能な状態に 研修の効率化 • 研修ごとに口頭やスライド内に宿題が記載されており対応漏れの原因に。全体像が見えない不安 • PCセットアップ研修では、一斉進行方式により待ち時間が発生。 一人が躓いてしまうと全体の進行に影響が発生してしまう ◦ 宿題や、やるべきことをすべてタスク化して全体像を可視化。個人のペースで進めれるように。 🚀 伸びしろを感じたこと
  9. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 仕組みと中身を作ることが重要。ツールの学習コストは最小限にす る。 オンボーディング改善 -

    なぜスプレッドシートなのか 型や仕組みをつくることが何よりも重要 • タスクシートという仕組みに周りも乗っかればよいという構図をまず作る。 • ツールは手段、まずは内容が大事。 利用者と運用者がまず慣れることを優先し、作り込まない • 新しい運用の学習コストもあるのでツールの学習コストはないほうがいい(組織に適したものがよい) • 最低限の機能で出して、課題や運用の解像度が上がってから機能追加したほうが複雑にならない。 完璧よりも完了 • 導入フェーズでは確度も高くないので完了を最優先にする。スピードが最優先。 • 運用フェーズで改善していけばいい
  10. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - 時系列 入社2週間で導入、3ヶ月で大幅な改善を実施

    入社 5月 タスクシートの提案 💡 🚀 6月 タスクシートの導入 7月 雇用形態別に対応 Slack List導入 🤝 🎤 8月 インタビュー開始 タスクシートを35件以上改善
  11. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 33 組織体制(抜粋) オンボーディングチームはHR+ITで5名により構成 開発部門

    コーポレート部門 ファイナンス本部 CEO室 HR本部 法務・ コンプライアンス室 基盤 QA IT プラットフォーム 開発本部
  12. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - 運用 Slackリスト+Slackワークフローを使った課題管理

    Slackリストに課題を起票し管理する • Slack内で課題発見から管理までを完結 • アイテムと関連スレッドをひも付けできる • 全社員使えるので導入が楽 誰でもあげやすい状態をつくる • Slackワークフローで課題起票できるように • リアクション絵文字でワークフローをトリガー して、課題とスレッドを紐づけできるように
  13. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - 成果 自己解決できるものが少ない

    • 資料が分散または最新でないケースがあり、頻繁な問い合わせの原因に。 • 口頭での確認が常態化し、正確な情報把握が困難。 研修の効率化 • 研修ごとに口頭やスライド内に宿題が記載されており対応漏れの原因に。全体像が見えない不安 • PCセットアップ研修では、一斉進行方式により待ち時間が発生。 一人が躓いてしまうと全体の進行に影響が発生してしまう 🚀 伸びしろを感じたこと
  14. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - 成果 自己解決できるものが少ない

    • 資料が分散または最新でないケースがあり、頻繁な問い合わせの原因に。 • 口頭での確認が常態化し、正確な情報把握が困難。 ◦ 読むべきドキュメント、資料を一元管理して、自己解決可能な状態に🎉 研修の効率化 • 研修ごとに口頭やスライド内に宿題が記載されており対応漏れの原因に。全体像が見えない不安 • PCセットアップ研修では、一斉進行方式により待ち時間が発生。 一人が躓いてしまうと全体の進行に影響が発生してしまう ◦ 宿題や、やるべきことをすべてタスク化して全体像を可視化。個人のペースで進めれるように🎉 🚀 伸びしろを感じたこと
  15. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - 成果 オンボーディング全体のコスト削減と最適化が促進🎉

    - 質問・対応漏れの減少 - オンボーディング用チャンネルでの質問が激減。月に2,3回程度の質問に。 - 対応漏れが減り、後で見返したい資料もすぐに見つかる - タスクのマイナーアップデートが容易になり、オンボーディングの更新性が飛躍的にあがった - 新たなタスクの追加や提案が簡単になり、古い記述などはすぐに検知できるように - FAQをタスクに変換するなどでアプローチが一元化 - タスク可視化によりオンボーディング研修の工程が最適化 - 1日だけの入社時の研修が負荷分散のため2日に変更 - 各種宿題の期限を分散 - PCセットアップの大幅な負荷削減 - 同時入社数が増えても耐えれる運用に - 担当者がPCが苦手な新入社員へリソースを集中可能になった - 範囲の拡大 - 全社認知度が上がったことでブランディングを管理していた部署からも声がかかりタスク化 - 業務委託など雇用形態別に対応
  16. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - 成果 新入社員・メンターからのフィードバック(嬉しい)

    新入社員 • 後で見返したいときに情報がまとまっているので、 一人で解決できることも多く、ストレスフリーでとても便利でした • タスクシートがあったおかげで、作業の抜け漏れがなくスムーズに進められた。 • オンボーディングをさらに快適にするための改善が目の前で行われていて、チームに対する信頼感などを覚 えました。 メンター • これまでHR研修でやったことがイマイチ掴めず、メンティーにやったかどうか逐次確認していましたが、確 認しなくても良くなったため助かりました。 • シートのおかげで、チームでのオンボーディングは最低限の準備で済みました。 • 予定が組みやすくなり助かりました。
  17. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. オンボーディング改善 - 新たな課題の発見と、今後の展望 タスクシートの課題に限らず、より深い課題を発見できるように

    新たな課題の発見 - 配属部署のオンボーディング課題の発見、負荷過多の可視化 - 配属部署でのオンボーディングでの重複が可視化。 - 期限が被って負荷が高い部署もあることがわかったり部署事のオンボーディングに開きがあることが見えてきた - 部署のオンボーディングを取り込んで、全社最適の足がかりに - 質問から要望に変化 - 全社への質問が減り、代わりに細かな制度への質問や要望、部署の課題などより深いインサイトの発見に 今後の展望 - 入社以外の対応にも応用 - 復職・PCの交換への対応 - オンボーディングのプロセス自体の見直し - 雇用変更に対応できるよう運用自体の見直し - 全社の情報整理の一歩に - 新入社員が知りたいことは組織の基礎情報。 - 自然と社内の情報整理が進んでいく
  18. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 47 How they got

    Collaboration. 05 他者を巻き込む際に心がけていること
  19. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 巻き込むときの個人的なスタンス 1. 大きなビジョンを持って小さく始める 小さく始めることを心の免罪符にしていないだろうか

    • ズレてもいいので大枠で方向性は見据えないと ただのツギハギになる。案外少しの労力で領域 を拡大できる。 • 最終的に全社で利用できるものを作る、そのた めにまずチームだけで利用する。その前提で仮 説検証することが重要。 仮説と検証を重ねるためのミニマムのアウトプット • いきなり完璧は難しく確度も低い、費用対効果 が低い運用をしてしまう • 小さく始めて手戻り少なく育てていく
  20. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 巻き込むときの個人的なスタンス 2. 相手が共感できるWhyを伝える Whyが人の心を動かす

    • やることの意義、達成したらこんな世界がまっ ているというビジョンを伝えることが、モチ ベーションを形成する • 「コミュニケーション以外で解決できるものは 減らして、コミュニケーションでしか解決でき ない課題にフォーカスしてもらおう」こんなレ ベルでいい リスペクトを持って共感できる言葉で伝える • 批判は強い力をもつ一方で、感情的なノイズが 入り建設的な議論を遠ざけてしまう。本人自身 で共感できるように変換しなければならないの でコストが高い。 WHY HOW WHAT
  21. © VisasQ Inc. All Rights Reserved. 自ら行動することで周りを動かす • 自らが一番コミットするのが一番良い影響を与えれる ◦

    セキュリティでもトップの人が姿勢を示す事が重要とあるが権威勾配が働いている以外は同じ話だと 思っている。 アシスト力で推進する • 仕組み化されていなくて、責務が曖昧なタスクはどんどん拾うとプロジェクトが加速する • 極論、他部署の足りないドキュメントを自分が書いてレビューしてもらえば良い(場合もある) ◦ 物事の優先順位は部署や役職等で異なるし、誰もがドキュメントを丁寧に書けるわけではない ◦ 得意な人が書いてレビューしてもらうのもPJ上必要ならやったら良いと思う。更新は任せればよい 巻き込むときの個人的なスタンス 3. 主体性を持つ:アクションで示す